一戸建ての防犯対策完全ガイド|空き巣を防ぐ具体的な方法

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/19

一戸建てが空き巣に狙われやすい理由

一戸建てで暮らす際、「空き巣に狙われやすいのではないか」「どんな防犯対策が効果的なのか」と不安を感じる方は少なくありません。

この記事では、一戸建てが狙われやすい理由、侵入経路と手口の統計データ、効果的な防犯対策、防犯設備の選び方と費用相場、日常の防犯習慣を、警察庁の統計データやセキュリティ専門家の情報を元に解説します。

一戸建てで暮らす方が、空き巣のリスクを正しく理解し、効果的な防犯対策を実践できるようになります。

この記事のポイント

  • 一戸建ては侵入窃盗の約30%を占め、窓が多く1階の掃き出し窓が外から見えやすいため狙われやすい
  • 侵入経路は窓が53.5%、玄関が20.2%で、窓の防犯対策が最重要
  • 侵入手口は無締まり46.3%、ガラス破り35.8%で、少しの外出でも施錠が必須
  • 空き巣が嫌がる4要素は「目」(防犯カメラ)、「光」(センサーライト)、「音」(防犯砂利)、「時間」(防犯ガラス、補助錠)
  • 2023年の住宅侵入は前年比11.3%増加しており、防犯対策の強化が重要

(1) 一戸建ては侵入窃盗の約30%を占める

警察庁の統計データ(2023年)によると、一戸建ては侵入窃盗の約30%を占めています。共同住宅(約40%)に次いで多く、一戸建ては決して安全とは言えません。

住宅種別 侵入窃盗の割合
一戸建て 約30%
共同住宅(3階以下) 約25%
共同住宅(4階以上) 約15%
その他 約30%

(出典: HOME ALSOK - 2024年版 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策

(2) 窓が多く、1階の掃き出し窓が外から見えやすい

一戸建てが狙われやすい理由は、以下の通りです。

  • 窓が多い: マンションと比べて窓の数が多く、侵入経路が多い
  • 1階の掃き出し窓が外から見えやすい: 庭や駐車場から窓が丸見えで、侵入しやすい
  • 死角が多い: 裏庭や見えにくい通路など、人目につかない場所が多い
  • 人の出入りが少ない: マンションと比べて隣人の目が届きにくい

(出典: セコム - 一戸建てにおすすめな防犯対策方法を場所別に紹介

(3) 2023年の住宅侵入は前年比11.3%増加

2023年の住宅侵入は18,379件で、前年比11.3%増加しました。20年連続で減少していた住宅侵入が増加に転じたため、防犯対策の強化が重要です。

侵入窃盗全体も44,228件(前年比20.9%増)と大幅に増加しており、約28.6分に1件のペースで侵入窃盗が発生しています。

(出典: HOME ALSOK - 2024年版 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策

一戸建ての侵入経路と手口の統計データ

(1) 侵入経路:窓53.5%、玄関20.2%

一戸建ての侵入経路は以下の通りです。

侵入経路 割合
53.5%
玄関(表出入口) 20.2%
その他の出入口(勝手口等) 14.8%
その他 11.5%

窓は侵入経路の半数以上を占めるため、窓の防犯対策が最も重要です。

(出典: HOME ALSOK - 2024年版 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策

(2) 侵入手口:無締まり46.3%、ガラス破り35.8%

一戸建ての侵入手口は以下の通りです。

侵入手口 割合
無締まり(鍵をかけずに外出・就寝) 46.3%
ガラス破り 35.8%
ドア錠破り 6.3%
その他 11.6%

無締まりは侵入手口の約半数を占めるため、少しの外出でも必ず施錠することが最も重要です。

(出典: 住友林業 - 安心につながる一戸建ての防犯対策21選

(3) 空き巣が嫌がる4要素(目・光・音・時間)

空き巣が嫌がる家の特徴は、以下の4要素です。

要素 内容 具体的な対策
監視されている感覚 防犯カメラ、セキュリティ会社のステッカー
夜間の明るさ センサーライト、タイマースイッチ
侵入時の音 防犯砂利、窓ガラスの防犯フィルム
時間 侵入に時間がかかる 防犯ガラス、補助錠、1ドア2ロック

これらを組み合わせることで、空き巣が「侵入しにくい家」と判断し、あきらめる確率が高くなります。

(出典: セコム - 一戸建てにおすすめな防犯対策方法を場所別に紹介

一戸建てで効果的な防犯対策

(1) 窓の防犯対策(防犯ガラス、防犯フィルム、補助錠、面格子)

窓は侵入経路の53.5%を占めるため、防犯対策が最も重要です。

効果的な窓の防犯対策:

対策 内容 費用相場
防犯ガラス 割れにくいガラス(合わせガラス)に交換 1枚5〜15万円
防犯フィルム 既存のガラスに貼るフィルム 1枚5,000円〜2万円
補助錠 窓に追加で設置する鍵 1個1,000円〜5,000円
面格子 窓の外側に取り付ける格子 1枚1〜3万円
雨戸・シャッター 窓を完全に覆う 1枚5〜15万円

優先順位:

  1. 補助錠: 低コストで効果が高い(侵入に時間がかかる)
  2. 防犯フィルム: 既存のガラスに貼るだけで効果がある
  3. 防犯ガラス: 新築時または窓リフォーム時に導入

(出典: セコム - 一戸建てにおすすめな防犯対策方法を場所別に紹介

(2) 玄関の防犯対策(CP認定ドア、ディンプルキー、1ドア2ロック)

玄関は侵入経路の20.2%を占めるため、次に重要な防犯対策です。

効果的な玄関の防犯対策:

対策 内容 費用相場
CP認定ドア 5分以上侵入を防ぐドア 20〜50万円
ディンプルキー ピッキングに強い鍵 1個1〜3万円
1ドア2ロック 玄関ドアに2つの鍵を設置 追加鍵1個1〜3万円
ドアスコープ 玄関の外を確認できる覗き窓 5,000円〜2万円
インターホン(カメラ付) 来訪者を映像で確認 2〜5万円

CP認定(防犯性能の高い建物部品)とは: CP認定は、5分以上侵入を防ぐことができる建物部品です。空き巣は5分以上かかるとあきらめる傾向があるため、CP認定のドアや窓は非常に効果的です。

(出典: HOME4U - 戸建てを狙われにくくしたい!おすすめ防犯対策10選

(3) 敷地の防犯対策(防犯砂利、フェンス、植栽の見直し)

敷地の防犯対策も重要です。特に死角となる裏庭や見えにくい通路は、空き巣が侵入しやすい場所です。

効果的な敷地の防犯対策:

対策 内容 費用相場
防犯砂利 歩くと大きな音が出る砂利 1袋(20kg)2,000円〜5,000円
フェンス 敷地を囲むフェンス(高さ1.2m以上) 1m5,000円〜2万円
植栽の見直し 見通しを良くするため、低木に変更 剪定費用5,000円〜2万円
門扉・門灯 門扉を閉めて照明で明るくする 門扉10〜30万円、門灯1〜3万円

防犯砂利の活用: 防犯砂利は、歩くと大きな音(約70〜80dB)が出るため、侵入者に気づきやすく、犯行をあきらめる効果が期待できます。特に死角となる裏庭や見えにくい通路、駐車場、庭木周辺に敷くと効果的です。

(出典: 住友林業 - 安心につながる一戸建ての防犯対策21選

防犯設備の選び方と費用相場

(1) 防犯カメラとセンサーライトの効果

防犯カメラとセンサーライトを組み合わせることで、空き巣が嫌がる「目」と「光」の両方の効果を得られます。

防犯カメラ:

  • 費用相場: 1台1〜5万円(ネットワークカメラ)
  • 効果: 録画映像が証拠になる、抑止効果が高い
  • 設置場所: 玄関、駐車場、裏庭等の死角

センサーライト:

  • 費用相場: 1台5,000円〜2万円
  • 効果: 夜間の侵入を防ぐ、在宅しているように見せかける
  • 設置場所: 玄関、駐車場、庭等

(出典: HOME4U - 戸建てを狙われにくくしたい!おすすめ防犯対策10選

(2) ホームセキュリティサービス(初期費用5〜15万円、月額3,000〜6,000円)

ホームセキュリティサービスは、セキュリティ会社が24時間監視し、異常時に駆けつけるサービスです。

費用相場:

  • 初期費用: 5〜15万円(センサー設置費用等)
  • 月額費用: 3,000〜6,000円

メリット:

  • 24時間監視で安心感が高い
  • 異常時に警備員が駆けつける
  • セキュリティ会社のステッカーで抑止効果がある

デメリット:

  • 月額費用がかかるため、長期的なコスト負担がある
  • 契約期間の縛りがある場合が多い

ホームセキュリティサービスを検討する際は、複数の会社を比較し、セキュリティアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。

(出典: 住友林業 - 安心につながる一戸建ての防犯対策21選

(3) CP認定(5分以上侵入を防ぐ建物部品)

CP認定(防犯性能の高い建物部品)は、5分以上侵入を防ぐことができる建物部品です。

対象製品:

  • ドア(玄関ドア、勝手口ドア)
  • 窓(サッシ、ガラス)
  • シャッター
  • 面格子

効果: 空き巣は5分以上かかるとあきらめる傾向があるため、CP認定の製品は非常に効果的です。新築時や大規模リフォーム時に導入することをお勧めします。

(出典: HOME4U - 戸建てを狙われにくくしたい!おすすめ防犯対策10選

空き巣を防ぐ日常の防犯習慣

(1) 少しの外出でも必ず施錠する

無締まりは侵入手口の46.3%を占める最も多い手口です。少しの外出(ゴミ出し、買い物等)でも必ず施錠しましょう。

施錠のポイント:

  • 玄関ドアは2つの鍵をすべて施錠
  • 窓は補助錠を含めてすべて施錠
  • 勝手口やベランダの窓も忘れずに施錠

(2) タイマースイッチで在宅を装う

長期間の留守(旅行等)の際は、タイマースイッチで照明やテレビを定期的に点灯・消灯させることで、在宅しているように見せかけることができます。

タイマースイッチの活用:

  • 照明: 18:00-23:00に点灯
  • テレビ: 19:00-22:00に点灯
  • 費用: 1個1,000円〜3,000円

(出典: SECURITY MEDIA - 空き巣が嫌がる家の特徴は?

(3) 死角となる裏庭や通路の管理

死角となる裏庭や見えにくい通路は、空き巣が侵入しやすい場所です。以下の対策を行いましょう。

  • 植栽を低木に変更し、見通しを良くする
  • 防犯砂利を敷く
  • センサーライトを設置する
  • 不要な物置や段ボールを片付ける(足場になる)

まとめ:一戸建ての防犯対策を強化するポイント

一戸建ては侵入窃盗の約30%を占め、窓が多く1階の掃き出し窓が外から見えやすいため狙われやすいです。侵入経路は窓が53.5%、玄関が20.2%で、窓の防犯対策が最重要です。

侵入手口は無締まり46.3%、ガラス破り35.8%で、少しの外出でも施錠が必須です。空き巣が嫌がる4要素は「目」(防犯カメラ)、「光」(センサーライト)、「音」(防犯砂利)、「時間」(防犯ガラス、補助錠)です。

2023年の住宅侵入は前年比11.3%増加しており、防犯対策の強化が重要です。窓の補助錠、防犯フィルム、玄関の1ドア2ロック、防犯砂利、センサーライト等を組み合わせることで、効果的な防犯対策を実現できます。

ホームセキュリティサービスを検討する際は、複数の会社を比較し、セキュリティアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。

よくある質問

Q1一戸建てはマンションより空き巣に狙われやすいのですか?

A1警察庁の統計データ(2023年)によると、一戸建ては侵入窃盗の約30%を占めています。共同住宅(約40%)に次いで多く、一戸建ては決して安全とは言えません。一戸建ては窓が多く、1階の掃き出し窓が外から見えやすい、死角が多い、人の出入りが少ないといった理由で狙われやすいです。特に窓は侵入経路の53.5%を占めるため、窓の防犯対策が最も重要です。

Q2一戸建てで最も効果的な防犯対策は何ですか?

A2窓の強化が最も効果的です。窓は侵入経路の53.5%を占めるため、防犯ガラス、防犯フィルム、補助錠、面格子等の対策が重要です。特に補助錠は低コスト(1個1,000円〜5,000円)で効果が高く、侵入に時間がかかるため空き巣があきらめやすくなります。次に玄関の1ドア2ロック、防犯砂利、センサーライト、防犯カメラの組み合わせが効果的です。

Q3ホームセキュリティサービスの費用相場はいくらですか?

A3ホームセキュリティサービスの費用相場は、初期費用5〜15万円(センサー設置費用等)、月額費用3,000〜6,000円です。24時間監視で安心感が高く、異常時に警備員が駆けつけますが、月額費用がかかるため長期的なコスト負担を考慮する必要があります。ホームセキュリティサービスを検討する際は、複数の会社を比較し、セキュリティアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。

Q4空き巣が嫌がる家の特徴は何ですか?

A4空き巣が嫌がる家の特徴は、「目」(防犯カメラ、セキュリティ会社のステッカー)、「光」(センサーライト、タイマースイッチ)、「音」(防犯砂利、窓ガラスの防犯フィルム)、「時間」(防犯ガラス、補助錠、1ドア2ロック)の4要素です。これらを組み合わせることで、空き巣が「侵入しにくい家」と判断し、あきらめる確率が高くなります。特にCP認定(5分以上侵入を防ぐ建物部品)の製品は効果的です。

Q5少しの外出でも施錠は必要ですか?

A5必要です。無締まり(鍵をかけずに外出・就寝)は侵入手口の46.3%を占める最も多い手口です。少しの外出(ゴミ出し、買い物等)でも必ず施錠しましょう。玄関ドアは2つの鍵をすべて施錠し、窓は補助錠を含めてすべて施錠することが重要です。また、長期間の留守の際は、タイマースイッチで照明やテレビを定期的に点灯・消灯させることで、在宅しているように見せかけることも有効です。

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Room Match編集部

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