一戸建てが空き巣に狙われやすい理由
一戸建てで暮らす際、「空き巣に狙われやすいのではないか」「どんな防犯対策が効果的なのか」と不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、一戸建てが狙われやすい理由、侵入経路と手口の統計データ、効果的な防犯対策、防犯設備の選び方と費用相場、日常の防犯習慣を、警察庁の統計データやセキュリティ専門家の情報を元に解説します。
一戸建てで暮らす方が、空き巣のリスクを正しく理解し、効果的な防犯対策を実践できるようになります。
この記事のポイント
- 一戸建ては侵入窃盗の約30%を占め、窓が多く1階の掃き出し窓が外から見えやすいため狙われやすい
- 侵入経路は窓が53.5%、玄関が20.2%で、窓の防犯対策が最重要
- 侵入手口は無締まり46.3%、ガラス破り35.8%で、少しの外出でも施錠が必須
- 空き巣が嫌がる4要素は「目」(防犯カメラ)、「光」(センサーライト)、「音」(防犯砂利)、「時間」(防犯ガラス、補助錠)
- 2023年の住宅侵入は前年比11.3%増加しており、防犯対策の強化が重要
(1) 一戸建ては侵入窃盗の約30%を占める
警察庁の統計データ(2023年)によると、一戸建ては侵入窃盗の約30%を占めています。共同住宅(約40%)に次いで多く、一戸建ては決して安全とは言えません。
| 住宅種別 | 侵入窃盗の割合 |
|---|---|
| 一戸建て | 約30% |
| 共同住宅(3階以下) | 約25% |
| 共同住宅(4階以上) | 約15% |
| その他 | 約30% |
(出典: HOME ALSOK - 2024年版 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策)
(2) 窓が多く、1階の掃き出し窓が外から見えやすい
一戸建てが狙われやすい理由は、以下の通りです。
- 窓が多い: マンションと比べて窓の数が多く、侵入経路が多い
- 1階の掃き出し窓が外から見えやすい: 庭や駐車場から窓が丸見えで、侵入しやすい
- 死角が多い: 裏庭や見えにくい通路など、人目につかない場所が多い
- 人の出入りが少ない: マンションと比べて隣人の目が届きにくい
(出典: セコム - 一戸建てにおすすめな防犯対策方法を場所別に紹介)
(3) 2023年の住宅侵入は前年比11.3%増加
2023年の住宅侵入は18,379件で、前年比11.3%増加しました。20年連続で減少していた住宅侵入が増加に転じたため、防犯対策の強化が重要です。
侵入窃盗全体も44,228件(前年比20.9%増)と大幅に増加しており、約28.6分に1件のペースで侵入窃盗が発生しています。
(出典: HOME ALSOK - 2024年版 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策)
一戸建ての侵入経路と手口の統計データ
(1) 侵入経路:窓53.5%、玄関20.2%
一戸建ての侵入経路は以下の通りです。
| 侵入経路 | 割合 |
|---|---|
| 窓 | 53.5% |
| 玄関(表出入口) | 20.2% |
| その他の出入口(勝手口等) | 14.8% |
| その他 | 11.5% |
窓は侵入経路の半数以上を占めるため、窓の防犯対策が最も重要です。
(出典: HOME ALSOK - 2024年版 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策)
(2) 侵入手口:無締まり46.3%、ガラス破り35.8%
一戸建ての侵入手口は以下の通りです。
| 侵入手口 | 割合 |
|---|---|
| 無締まり(鍵をかけずに外出・就寝) | 46.3% |
| ガラス破り | 35.8% |
| ドア錠破り | 6.3% |
| その他 | 11.6% |
無締まりは侵入手口の約半数を占めるため、少しの外出でも必ず施錠することが最も重要です。
(出典: 住友林業 - 安心につながる一戸建ての防犯対策21選)
(3) 空き巣が嫌がる4要素(目・光・音・時間)
空き巣が嫌がる家の特徴は、以下の4要素です。
| 要素 | 内容 | 具体的な対策 |
|---|---|---|
| 目 | 監視されている感覚 | 防犯カメラ、セキュリティ会社のステッカー |
| 光 | 夜間の明るさ | センサーライト、タイマースイッチ |
| 音 | 侵入時の音 | 防犯砂利、窓ガラスの防犯フィルム |
| 時間 | 侵入に時間がかかる | 防犯ガラス、補助錠、1ドア2ロック |
これらを組み合わせることで、空き巣が「侵入しにくい家」と判断し、あきらめる確率が高くなります。
(出典: セコム - 一戸建てにおすすめな防犯対策方法を場所別に紹介)
一戸建てで効果的な防犯対策
(1) 窓の防犯対策(防犯ガラス、防犯フィルム、補助錠、面格子)
窓は侵入経路の53.5%を占めるため、防犯対策が最も重要です。
効果的な窓の防犯対策:
| 対策 | 内容 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 防犯ガラス | 割れにくいガラス(合わせガラス)に交換 | 1枚5〜15万円 |
| 防犯フィルム | 既存のガラスに貼るフィルム | 1枚5,000円〜2万円 |
| 補助錠 | 窓に追加で設置する鍵 | 1個1,000円〜5,000円 |
| 面格子 | 窓の外側に取り付ける格子 | 1枚1〜3万円 |
| 雨戸・シャッター | 窓を完全に覆う | 1枚5〜15万円 |
優先順位:
- 補助錠: 低コストで効果が高い(侵入に時間がかかる)
- 防犯フィルム: 既存のガラスに貼るだけで効果がある
- 防犯ガラス: 新築時または窓リフォーム時に導入
(出典: セコム - 一戸建てにおすすめな防犯対策方法を場所別に紹介)
(2) 玄関の防犯対策(CP認定ドア、ディンプルキー、1ドア2ロック)
玄関は侵入経路の20.2%を占めるため、次に重要な防犯対策です。
効果的な玄関の防犯対策:
| 対策 | 内容 | 費用相場 |
|---|---|---|
| CP認定ドア | 5分以上侵入を防ぐドア | 20〜50万円 |
| ディンプルキー | ピッキングに強い鍵 | 1個1〜3万円 |
| 1ドア2ロック | 玄関ドアに2つの鍵を設置 | 追加鍵1個1〜3万円 |
| ドアスコープ | 玄関の外を確認できる覗き窓 | 5,000円〜2万円 |
| インターホン(カメラ付) | 来訪者を映像で確認 | 2〜5万円 |
CP認定(防犯性能の高い建物部品)とは: CP認定は、5分以上侵入を防ぐことができる建物部品です。空き巣は5分以上かかるとあきらめる傾向があるため、CP認定のドアや窓は非常に効果的です。
(出典: HOME4U - 戸建てを狙われにくくしたい!おすすめ防犯対策10選)
(3) 敷地の防犯対策(防犯砂利、フェンス、植栽の見直し)
敷地の防犯対策も重要です。特に死角となる裏庭や見えにくい通路は、空き巣が侵入しやすい場所です。
効果的な敷地の防犯対策:
| 対策 | 内容 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 防犯砂利 | 歩くと大きな音が出る砂利 | 1袋(20kg)2,000円〜5,000円 |
| フェンス | 敷地を囲むフェンス(高さ1.2m以上) | 1m5,000円〜2万円 |
| 植栽の見直し | 見通しを良くするため、低木に変更 | 剪定費用5,000円〜2万円 |
| 門扉・門灯 | 門扉を閉めて照明で明るくする | 門扉10〜30万円、門灯1〜3万円 |
防犯砂利の活用: 防犯砂利は、歩くと大きな音(約70〜80dB)が出るため、侵入者に気づきやすく、犯行をあきらめる効果が期待できます。特に死角となる裏庭や見えにくい通路、駐車場、庭木周辺に敷くと効果的です。
(出典: 住友林業 - 安心につながる一戸建ての防犯対策21選)
防犯設備の選び方と費用相場
(1) 防犯カメラとセンサーライトの効果
防犯カメラとセンサーライトを組み合わせることで、空き巣が嫌がる「目」と「光」の両方の効果を得られます。
防犯カメラ:
- 費用相場: 1台1〜5万円(ネットワークカメラ)
- 効果: 録画映像が証拠になる、抑止効果が高い
- 設置場所: 玄関、駐車場、裏庭等の死角
センサーライト:
- 費用相場: 1台5,000円〜2万円
- 効果: 夜間の侵入を防ぐ、在宅しているように見せかける
- 設置場所: 玄関、駐車場、庭等
(出典: HOME4U - 戸建てを狙われにくくしたい!おすすめ防犯対策10選)
(2) ホームセキュリティサービス(初期費用5〜15万円、月額3,000〜6,000円)
ホームセキュリティサービスは、セキュリティ会社が24時間監視し、異常時に駆けつけるサービスです。
費用相場:
- 初期費用: 5〜15万円(センサー設置費用等)
- 月額費用: 3,000〜6,000円
メリット:
- 24時間監視で安心感が高い
- 異常時に警備員が駆けつける
- セキュリティ会社のステッカーで抑止効果がある
デメリット:
- 月額費用がかかるため、長期的なコスト負担がある
- 契約期間の縛りがある場合が多い
ホームセキュリティサービスを検討する際は、複数の会社を比較し、セキュリティアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。
(出典: 住友林業 - 安心につながる一戸建ての防犯対策21選)
(3) CP認定(5分以上侵入を防ぐ建物部品)
CP認定(防犯性能の高い建物部品)は、5分以上侵入を防ぐことができる建物部品です。
対象製品:
- ドア(玄関ドア、勝手口ドア)
- 窓(サッシ、ガラス)
- シャッター
- 面格子
効果: 空き巣は5分以上かかるとあきらめる傾向があるため、CP認定の製品は非常に効果的です。新築時や大規模リフォーム時に導入することをお勧めします。
(出典: HOME4U - 戸建てを狙われにくくしたい!おすすめ防犯対策10選)
空き巣を防ぐ日常の防犯習慣
(1) 少しの外出でも必ず施錠する
無締まりは侵入手口の46.3%を占める最も多い手口です。少しの外出(ゴミ出し、買い物等)でも必ず施錠しましょう。
施錠のポイント:
- 玄関ドアは2つの鍵をすべて施錠
- 窓は補助錠を含めてすべて施錠
- 勝手口やベランダの窓も忘れずに施錠
(2) タイマースイッチで在宅を装う
長期間の留守(旅行等)の際は、タイマースイッチで照明やテレビを定期的に点灯・消灯させることで、在宅しているように見せかけることができます。
タイマースイッチの活用:
- 照明: 18:00-23:00に点灯
- テレビ: 19:00-22:00に点灯
- 費用: 1個1,000円〜3,000円
(出典: SECURITY MEDIA - 空き巣が嫌がる家の特徴は?)
(3) 死角となる裏庭や通路の管理
死角となる裏庭や見えにくい通路は、空き巣が侵入しやすい場所です。以下の対策を行いましょう。
- 植栽を低木に変更し、見通しを良くする
- 防犯砂利を敷く
- センサーライトを設置する
- 不要な物置や段ボールを片付ける(足場になる)
まとめ:一戸建ての防犯対策を強化するポイント
一戸建ては侵入窃盗の約30%を占め、窓が多く1階の掃き出し窓が外から見えやすいため狙われやすいです。侵入経路は窓が53.5%、玄関が20.2%で、窓の防犯対策が最重要です。
侵入手口は無締まり46.3%、ガラス破り35.8%で、少しの外出でも施錠が必須です。空き巣が嫌がる4要素は「目」(防犯カメラ)、「光」(センサーライト)、「音」(防犯砂利)、「時間」(防犯ガラス、補助錠)です。
2023年の住宅侵入は前年比11.3%増加しており、防犯対策の強化が重要です。窓の補助錠、防犯フィルム、玄関の1ドア2ロック、防犯砂利、センサーライト等を組み合わせることで、効果的な防犯対策を実現できます。
ホームセキュリティサービスを検討する際は、複数の会社を比較し、セキュリティアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。
