なぜ札幌の分譲マンションが注目されるのか
札幌でマンション購入を検討する際、「新築と中古、どちらがいいのか」「価格相場はいくらか」「エリアによる違いは?」と疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、札幌の分譲マンションの価格相場(新築・中古・エリア別)、購入時の注意点、シニア向けマンションの特徴、東京との価格比較、2025年の市場動向を業界データを元に解説します。
札幌でマンション購入を検討している方が、エリア選びから予算設定まで、具体的な判断ができるようになります。
この記事のポイント
- 札幌の新築マンション平均価格は約5,145万円(2024年、過去最高)で、中心部の高騰が続いている
- 中古マンションは2LDKで約1,000~3,500万円、3LDKで約2,500~4,000万円が相場
- 中央区の坪単価は約119万円/坪で、周辺区との価格差は最大2,000万円に達する
- 札幌ならではの注意点として、地下鉄駅へのアクセス(雪対策)とガスの種類(都市ガス推奨)が重要
- 2025年は中古マンションが堅調で、JR沿線の周辺部物件がトレンド
札幌のマンション価格相場(新築・中古・エリア別)
(1) 新築マンションの価格相場
UHB北海道文化放送によると、札幌の新築マンション平均価格は2024年に5,145万円と過去最高を記録しました。
札幌の新築マンション価格推移:
| 年 | 平均価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2010年 | 約3,089万円 | - |
| 2020年 | 約4,500万円 | +45.7% |
| 2024年 | 約5,145万円 | +14.3% |
(出典: UHB北海道文化放送)
価格上昇の主な要因は、中心部(中央区・北区)の再開発、建築資材費の高騰、地下鉄沿線の人気エリアでの需要増加です。
(2) 中古マンションの価格相場
LIFULL HOME'Sによると、札幌の中古マンション価格は以下の通りです。
間取り別の中古マンション価格相場:
| 間取り | 価格相場 |
|---|---|
| 2LDK | 約1,000万円~3,500万円 |
| 3LDK/4LDK | 約2,500万円~4,000万円 |
リビンマッチによると、2022年1~3月から2025年1~3月の3年間で、札幌市の中古マンション成約価格は約17%上昇(上昇率120.3%)しています。
(3) エリア別の価格比較(中央区・北区・豊平区)
札幌市内でも、エリアによる価格差が大きいのが特徴です。
エリア別の坪単価(中古マンション):
| エリア | 坪単価 | 平米単価 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 中央区 | 約119万円/坪 | 約36万円/㎡ | 札幌駅・大通駅周辺、交通利便性に優れる |
| 北区 | 約70~90万円/坪 | 約21~27万円/㎡ | 地下鉄南北線沿線、商業施設が充実 |
| 豊平区 | 約60~80万円/坪 | 約18~24万円/㎡ | 地下鉄東豊線沿線、ファミリー層に人気 |
(出典: LIFULL HOME'S)
株式会社エリアネットによると、中央区と周辺区では同じ間取りでも最大2,000万円の価格差がある場合があります。予算に応じてエリアを選ぶことが重要です。
札幌でマンションを購入する際の注意点
(1) 地下鉄駅へのアクセスと雪対策
札幌では冬場の雪対策が最優先です。株式会社エリアネットによると、地下鉄駅に近いマンションを選ぶと、地下道を利用して外気を避けられるため、雪の影響を最小限に抑えられます。
地下鉄駅に近いマンションのメリット:
- 地下道で主要施設にアクセス可能(札幌駅・大通駅など)
- 冬場の除雪作業から解放される
- 車が不要で駐車場代を節約できる
札幌駅、大通駅、さっぽろ駅周辺は特に地下道ネットワークが充実しており、徒歩圏内のマンションが人気です。
(2) ガスの種類(都市ガス vs プロパンガス)
M+【エムプラス】によると、札幌の冬は暖房費が高くなるため、プロパンガスより料金が安い都市ガスのマンションを選ぶと節約できます。
ガス種類の比較:
| ガス種類 | 月額目安(冬場) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 都市ガス | 約8,000~12,000円 | 料金が安い、供給安定 | 供給エリアが限定的 |
| プロパンガス | 約12,000~18,000円 | 供給エリアが広い | 料金が高い |
都市ガスは札幌市中心部(中央区・北区・東区等)で供給されており、周辺部ではプロパンガスが多い傾向があります。物件選びの際は必ず確認しましょう。
(3) 管理費・修繕積立金と築年数
マンション購入後は、管理費と修繕積立金が毎月発生します。株式会社エリアネットによると、築年数が浅く、管理体制が良く、共用部分がキレイに保たれている物件がポイントです。
管理費・修繕積立金の目安:
| 築年数 | 管理費(月額) | 修繕積立金(月額) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 築10年以内 | 約10,000~15,000円 | 約8,000~12,000円 | 約18,000~27,000円 |
| 築20年以上 | 約12,000~18,000円 | 約15,000~25,000円 | 約27,000~43,000円 |
築年数が古いマンションは修繕積立金が高額になる傾向があります。購入前に管理組合の財務状況を確認することを推奨します。
シニア向け分譲マンションの特徴と選び方
(1) シニア向けマンションとは
シニア向け分譲マンションとは、高齢者向けに設計されたバリアフリー仕様のマンションです。LIFULL 介護によると、通常のマンションとは異なり、生活支援サービスが付帯します。
シニア向けマンションの主な特徴:
- バリアフリー設計(段差なし、手すり設置)
- 生活支援サービス(食事提供、健康管理、緊急時対応)
- 医療機関へのアクセスが良い立地
- 共用施設(ラウンジ、図書室、フィットネス等)
(2) バリアフリー設計と生活支援サービス
シニア向けマンションは、高齢者が安全に暮らせるよう、以下の設備・サービスが標準装備されています。
バリアフリー設備の例:
- 玄関・浴室・トイレの段差解消
- 廊下・浴室への手すり設置
- 車椅子対応の広いエレベーター
- 緊急通報システム
生活支援サービスの例:
- 食事提供(朝・昼・夕)
- 健康管理(定期健康相談、看護師常駐)
- 生活相談(ケアマネージャー配置)
- 清掃・洗濯サービス(オプション)
これらのサービスは有料オプションの場合もあるため、詳細は物件ごとに確認が必要です。
(3) 価格相場と通常のマンションとの違い
LIFULL 介護によると、シニア向け分譲マンションの価格は以下の通りです。
シニア向けマンションの価格相場:
| 種類 | 価格相場 |
|---|---|
| 新築 | 数千万円~億単位 |
| 中古 | 約1,000万円~ |
通常のマンションとの違い:
| 項目 | 通常のマンション | シニア向けマンション |
|---|---|---|
| 管理費・サービス費 | 月1~3万円 | 月5~15万円 |
| 生活支援サービス | なし | あり(食事・健康管理等) |
| 入居対象 | 制限なし | 60歳以上等の年齢制限あり |
シニア向けマンションは管理費・サービス費が高めですが、安心して暮らせる環境が整っています。
札幌と東京のマンション価格比較
(1) 平均価格と坪単価の比較
札幌のマンション価格は、東京と比較すると依然として割安です。
札幌と東京の価格比較(新築マンション):
| 都市 | 平均価格 | 坪単価 |
|---|---|---|
| 札幌 | 約5,145万円 | 約119万円/坪(中央区) |
| 東京23区 | 約8,000~1億円 | 約300~500万円/坪 |
札幌は東京の約半額~1/3程度の価格で購入できるため、道外からの移住者や投資目的での購入も増えています。
(2) ラピダス進出によるJR沿線の動向
UHB北海道文化放送によると、半導体メーカー「ラピダス」の千歳市進出により、JR沿線の周辺部物件がトレンドとなっています。
ラピダス進出の影響:
- JR千歳線沿線の需要増加(新札幌駅、北広島駅周辺)
- 中心部の高騰を避けて周辺部へシフト
- 企業の従業員向け住宅需要の増加
今後、JR沿線の価格上昇が予想されるため、早めの購入検討が推奨されます。
(3) 2025年の市場トレンド
リビンマッチによると、2025年の札幌マンション市場は以下の3つのトレンドが特徴です。
2025年のトレンド:
- 新築よりも中古が堅調: 新築価格の高騰により、中古マンションの需要が増加
- 築浅マンションの流通増加: 築10年以内の中古物件が人気
- 駅近エリアの強さ: 地下鉄沿線、特に中央区・北区の駅近物件は価格が安定
2025年1~3月時点で、札幌市のマンション成約価格は2022年1~3月比で約17%上昇しており、今後も上昇傾向が続く可能性があります。
まとめ:札幌でマンション購入を成功させるために
札幌の新築マンション平均価格は約5,145万円(2024年、過去最高)で、中古マンションは2LDKで約1,000~3,500万円、3LDKで約2,500~4,000万円が相場です。中央区の坪単価は約119万円/坪で、周辺区との価格差は最大2,000万円に達します。
札幌ならではの注意点として、地下鉄駅へのアクセス(雪対策)とガスの種類(都市ガス推奨)が重要です。管理費・修繕積立金は築年数が古いほど高額になるため、購入前に管理組合の財務状況を確認しましょう。
シニア向け分譲マンションは、バリアフリー設計と生活支援サービスが付帯し、新築は数千万~億単位、中古は約1,000万円からです。2025年は中古マンションが堅調で、JR沿線の周辺部物件がトレンドです。複数のエリア・物件を比較検討し、信頼できる不動産会社に相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。
