さいたま市の土地市場の魅力|人口増加と都心アクセスの良さ
さいたま市で土地を購入する際、「どのエリアが良いか」「価格相場はいくらか」「今が買い時か」と悩む方は少なくありません。さいたま市は埼玉県内で最も人口が多く、ファミリー層の転入が7年連続で全国1位を記録するなど、不動産需要が高い地域です。
この記事では、さいたま市の土地価格相場、エリア別の特徴、土地選びのポイント、購入の流れと注意点を詳しく解説します。埼玉県の公式データを元に、正確な情報を提供します。
この記事のポイント
- 2025年のさいたま市の平均地価は35.9万円/m²(坪単価118.8万円)、前年比+3.02%上昇
- 大宮区・浦和区は高価格帯(79.9万円/m²・54.1万円/m²)だが、都心アクセス良好で資産価値が高い
- ファミリー層の純転入数が7年連続1位、人口増加により不動産需要が堅調
- 用途地域・建築条件・駅距離を事前に確認することで、購入後のリスクを軽減できる
- 複数の不動産ポータル(SUUMO、HOME'S等)で物件を比較検討することが重要
(1) 7年連続でファミリー層の純転入数1位
さいたま市は、ファミリー層(0-14歳の子供を持つ世帯)の純転入数が7年連続で全国1位を記録しています。
人気の理由:
- 都心へのアクセスが良好(東京都心まで30分圏内)
- 教育環境が充実(学校・塾・習い事施設が豊富)
- 子育て支援が手厚い(保育園・児童館・公園等)
- 治安が良く、住環境が整っている
2021年には全国で最も人口増加が多かった都市(約8,000人増)として注目されました。
(参考: いいもん)
(2) 都心へのアクセスが良好(JR・東武・埼玉高速鉄道)
さいたま市は、複数の鉄道路線が通っており、都心へのアクセスが非常に便利です。
| 路線 | 主要駅 | 都心へのアクセス |
|---|---|---|
| JR京浜東北線 | 大宮、浦和、南浦和 | 東京駅まで約30分 |
| JR埼京線 | 大宮、与野本町、武蔵浦和 | 新宿駅まで約25分 |
| JR高崎線・宇都宮線 | 大宮 | 上野駅まで約25分 |
| 東武野田線 | 大宮、岩槻 | 春日部経由で柏方面へ |
| 埼玉高速鉄道 | 浦和美園 | 赤羽岩淵経由で目黒駅まで約40分 |
この交通利便性が、さいたま市の不動産需要を支える大きな要因です。
さいたま市の土地市場概況|2025年の地価公示と人口動態
(1) 2025年の公示地価(平均35.9万円/m²、前年比+3.02%)
埼玉県が公表した令和7年地価公示によると、さいたま市の2025年平均地価は以下の通りです。
| 項目 | 2025年 | 前年比 |
|---|---|---|
| 平均地価 | 35.9万円/m² | +3.02% |
| 坪単価 | 118.8万円 | +3.02% |
| 最高地価(大宮駅周辺) | 84.2万円/m² | +7.53% |
地価上昇が継続しており、特に大宮区の上昇率が高い状況です。
(2) 人口135万人(埼玉県内最多)
さいたま市の人口は135万人(2024年12月時点)で、埼玉県内で最も多い都市です。
人口増加の要因:
- ファミリー層の転入増加
- 再開発プロジェクトの進行(大宮駅周辺等)
- 企業の進出と雇用増加
人口増加により賃貸需要も高く、土地活用の観点からも魅力的なエリアです。
(3) 地価上昇が継続する背景(需要増加と供給不足)
地価上昇の背景には、以下の要因があります。
需要増加の要因:
- ファミリー層の転入が継続
- テレワーク普及により郊外志向が強まる
- マンション・戸建て需要が堅調
供給不足の要因:
- 市街化区域内の土地が限られている
- 大規模開発用地の減少
- 地価上昇により売却を控えるオーナーが増加
需要増加と供給不足により、今後も地価上昇が続く可能性があります。
エリア別価格相場|さいたま市10区の特徴と坪単価比較
さいたま市は10の行政区に分かれており、それぞれ価格帯と特徴が大きく異なります。
(1) 高価格帯エリア(大宮区79.9万円/m²、浦和区54.1万円/m²)
大宮区:
- 平均地価: 79.9万円/m²(坪単価264.3万円)
- 特徴: 大宮駅周辺は県内最大の商業エリア。交通利便性が抜群で、JR線・東武線が乗り入れ。
- メリット: 資産価値が高い、都心アクセス良好、商業施設充実
- デメリット: 地価が高い、騒音や混雑が気になる場合も
浦和区:
- 平均地価: 54.1万円/m²(坪単価178.8万円)
- 特徴: 文教地区として有名。県立浦和高校など名門校が多く、教育環境が充実。
- メリット: 教育環境が優れている、住環境が整っている、資産価値が安定
- デメリット: 地価が高い、静かな住宅街のため商業施設は大宮に劣る
(参考: 土地代データ)
(2) 中価格帯エリア(中央区、南区、北区、緑区)
| 区 | 平均地価 | 坪単価 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 中央区 | 約40万円/m² | 約132万円 | 与野本町駅周辺が中心、バランスの良い住環境 |
| 南区 | 約35万円/m² | 約116万円 | 武蔵浦和駅周辺が発展、再開発が進行中 |
| 北区 | 約30万円/m² | 約99万円 | 大宮駅北側、住宅地が多い |
| 緑区 | 約28万円/m² | 約92.6万円 | 浦和美園駅周辺、埼玉スタジアム所在地 |
中価格帯エリアは、大宮・浦和ほど地価は高くないが、交通利便性や生活環境のバランスが良く、ファミリー層に人気です。
(3) 低価格帯エリア(岩槻区、見沼区、西区、桜区)
| 区 | 平均地価 | 坪単価 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 岩槻区 | 約20万円/m² | 約66万円 | 東武野田線沿線、歴史的な城下町 |
| 見沼区 | 約22万円/m² | 約72.6万円 | 東武野田線沿線、農地が多い |
| 西区 | 約25万円/m² | 約82.6万円 | JR川越線沿線、大宮に近い |
| 桜区 | 約26万円/m² | 約85.9万円 | JR埼京線沿線、住宅地が多い |
低価格帯エリアは、都心へのアクセスはやや劣りますが、広い土地を手頃な価格で購入できるメリットがあります。
(4) 駅別の価格ランキング(大宮駅、浦和駅、武蔵浦和駅等)
土地代データによると、駅別の平均地価ランキングは以下の通りです。
| 順位 | 駅名 | 平均地価 | 坪単価 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 大宮駅 | 84.2万円/m² | 278.4万円 |
| 2位 | 浦和駅 | 56.3万円/m² | 186.1万円 |
| 3位 | 武蔵浦和駅 | 42.8万円/m² | 141.5万円 |
| 4位 | 南浦和駅 | 38.5万円/m² | 127.3万円 |
| 5位 | 北浦和駅 | 35.2万円/m² | 116.4万円 |
駅距離が近いほど地価が高く、資産価値も安定する傾向があります。
土地選びのポイント|用途地域・建築条件・駅距離の確認
(1) 用途地域の確認(住居系・商業系・工業系)
用途地域は、都市計画法で定められた土地の用途制限です。建築可能な建物が制限されるため、事前確認が必須です。
| 用途地域 | 建築可能な建物 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | 低層住宅、小規模店舗 | 静かな住環境、建物高さ制限あり |
| 第二種低層住居専用地域 | 低層住宅、小規模店舗 | やや柔軟な建築制限 |
| 第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅、中規模店舗 | マンションが建築可能 |
| 近隣商業地域 | 住宅、商業施設 | 駅前に多い、商業施設と住宅が混在 |
| 商業地域 | 住宅、商業施設、事務所 | 高層ビル建築可能、騒音注意 |
確認方法: 市役所の都市計画課で用途地域を確認できます。オンラインでも「さいたま市 都市計画情報」で検索可能です。
(2) 建築条件なし vs 建築条件付き
土地購入時には、建築条件の有無を確認することが重要です。
建築条件なし:
- 自由にハウスメーカーや設計士を選べる
- 設計の自由度が高い
- 価格がやや高い傾向
建築条件付き:
- 特定のハウスメーカー・建設会社での建築が条件
- 一定期間内(3ヶ月等)に建築契約をしないと土地の売買契約が解除される
- 選択肢が制限されるが、価格は手頃な場合が多い
おすすめ: 設計にこだわりがある場合は「建築条件なし」を選ぶことを推奨します。
(3) 駅徒歩距離と資産価値の関係
駅距離は、将来の資産価値に大きく影響します。
| 駅徒歩距離 | 資産価値 | 特徴 |
|---|---|---|
| 5分以内 | 非常に高い | 利便性抜群、賃貸需要も高い |
| 10分以内 | 高い | バランスが良く人気 |
| 15分以内 | やや高い | 許容範囲内 |
| 20分以上 | 低い | 将来的に資産価値が下がるリスク |
注意点: 不動産広告では、1分=80mで計算されます。実際に現地を歩いて確認することを推奨します。
(4) 周辺環境(教育施設、商業施設、公園等)
土地選びでは、周辺環境も重要なポイントです。
確認すべき項目:
- 教育施設: 小学校・中学校・高校の距離と評判
- 商業施設: スーパー・コンビニ・ドラッグストアの利便性
- 公園: 子供の遊び場、緑地の有無
- 医療施設: 病院・クリニックの距離
- 治安: 犯罪発生率、街灯の有無
実際に現地を訪れ、昼と夜の雰囲気を確認することを推奨します。
購入の流れと注意点|物件検索から契約までのステップ
(1) 物件検索(SUUMO、HOME'S、At Home等の活用)
土地購入の第一歩は、物件情報の収集です。以下の不動産ポータルサイトを活用してください。
| サイト | 特徴 |
|---|---|
| SUUMO | 物件数が豊富、検索機能が充実 |
| HOME'S | 詳細な条件検索が可能 |
| At Home | 地域密着型の物件情報 |
検索時のポイント:
- エリア・価格帯を絞り込む
- 駅距離・面積で条件を設定
- 建築条件の有無を確認
- 複数のサイトで比較検討
(2) 現地確認と市役所での用途地域確認
気になる物件が見つかったら、必ず現地を訪れてください。
現地確認のポイント:
- 土地の形状・高低差を確認
- 日当たり・風通しをチェック
- 隣地との境界を確認
- 周辺の騒音・匂いを確認
市役所での確認事項:
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 道路幅員(建築基準法の接道義務)
- 上下水道・ガスの引き込み状況
(3) 価格交渉と契約手続き(仲介手数料、登記費用等)
物件が決まったら、価格交渉と契約手続きに進みます。
価格交渉のポイント:
- 周辺の相場を調べて適正価格を把握
- 複数の物件を比較検討していることを伝える
- 売主の売却事情(急いでいる等)を把握
契約時の費用:
| 項目 | 目安額 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 土地価格の3%+6万円+消費税 |
| 登記費用 | 10-20万円 |
| 印紙税 | 1-3万円 |
| 固定資産税精算金 | 売主と買主で日割り計算 |
(4) 複数の不動産会社で比較検討
1社だけでなく、複数の不動産会社に相談することを推奨します。
メリット:
- 提案内容を比較できる
- 価格交渉の余地が広がる
- 市場相場を正確に把握できる
注意点:
- 担当者の対応・知識を確認
- 強引な営業をする会社は避ける
- 契約前に契約書をよく読む
まとめ|さいたま市の土地購入の判断基準
さいたま市の土地購入は、人口増加と都心アクセスの良さにより、資産価値が安定している点が魅力です。2025年の平均地価は35.9万円/m²(坪単価118.8万円)で、前年比+3.02%上昇しています。
大宮区・浦和区は高価格帯ですが、交通利便性・教育環境が優れており、長期保有に適しています。中価格帯・低価格帯エリアは、予算に応じて選択肢が広がります。
用途地域・建築条件・駅距離を事前に確認し、複数の不動産ポータルで物件を比較検討することで、後悔しない土地購入を実現できます。
信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、冷静な判断で土地購入を進めましょう。
