老後はマンションか一戸建てか?メリット・デメリットと選び方を徹底比較

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/29

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老後の住まい選びを徹底比較

「老後はマンションと一戸建てのどちらが良いのか分からない」と悩む方は少なくありません。定年退職後の暮らしを見据えて、維持費、バリアフリー対応、資産価値など、さまざまな視点から比較検討する必要があります。

この記事では、老後の住まいとしてマンションと一戸建てのメリット・デメリット、維持費の比較、バリアフリー・介護対応の視点、ライフスタイル別の選び方を、公的統計や専門家の見解を元に解説します。

初めて老後の住み替えを検討する方でも、自分に合った住まいの選び方が分かるようになります。

この記事のポイント

  • 統計では60代でマンションを選ぶ人が最多だが、正解はなく、ライフスタイル次第で最適な選択が異なる
  • マンションは管理の楽さ・セキュリティ・立地利便性が強みだが、管理費・修繕積立金の経年上昇に注意
  • 一戸建ては近隣距離・土地資産価値・自由度が強みだが、メンテナンス負担・階段の負担が課題
  • マンションの維持費は月額1〜3万円程度、一戸建てはメンテナンス費が年間10〜30万円程度が目安
  • バリアフリー化は一戸建てで50〜500万円程度、マンションは既に対応済みが多い

1. 老後の住まい選びの重要性と本記事の目的

(1) 老後の住み替えを検討する人が増えている背景

近年、老後の住み替えを検討する人が増えています。背景には、子どもの独立後に広すぎる自宅の維持負担、自宅の老朽化、定年退職を機にライフスタイルを見直す動きがあります。

統計によると、60代がマンション購入層の最多年齢層で、老後の住み替えでマンションを選ぶ人が圧倒的に多い傾向があります。ただし、これは都市部での傾向であり、郊外や地方では一戸建てを選ぶ人も一定数います。

(2) 住まい選びで重視すべき4つの視点

老後の住まい選びでは、以下の4つの視点を重視すべきです。

  1. 維持費・コスト: 管理費、修繕積立金、固定資産税、メンテナンス費用など
  2. バリアフリー・介護対応: 段差解消、手すり設置、階段の有無、介護サービスへのアクセス
  3. 立地・利便性: 駅、病院、スーパー、公共施設へのアクセス
  4. 資産価値・相続: 将来の売却可能性、土地の資産価値、相続時の扱い

(3) 本記事で比較する内容

この記事では、マンションと一戸建てのメリット・デメリット、維持費の比較、バリアフリー・介護対応の視点、ライフスタイル別の選び方を解説します。

2. 老後にマンションを選ぶメリットとデメリット

(1) マンションのメリット(管理の楽さ・セキュリティ・立地利便性)

マンションの主なメリットは以下の通りです。

管理の楽さ:

  • 共用部分の清掃・メンテナンスは管理会社が対応
  • 自分で業者を手配する必要がない

セキュリティ:

  • オートロック、防犯カメラ、管理人常駐でセキュリティが高い
  • 高齢者の一人暮らしでも安心

立地利便性:

  • 駅近、病院・スーパー近くに立地していることが多い
  • 車がなくても生活しやすい
  • 公共交通機関でのアクセスが良好

(2) マンションのデメリット(管理費・騒音・自由度)

マンションの主なデメリットは以下の通りです。

管理費・修繕積立金の経年上昇:

  • 建設費高騰や修繕積立金の不足により、経年で上昇する傾向
  • 将来的な負担増に注意が必要

騒音トラブル:

  • 上下左右の住戸との騒音問題が発生する可能性
  • 管理組合との関係構築が必要

自由度の低さ:

  • ペット飼育、リフォームに制限がある場合が多い
  • 管理規約に従う必要がある

(3) マンションが向いている人

マンションは以下のような人に向いています。

  • 都市部で利便性を重視する人
  • メンテナンスの手間を減らしたい人
  • セキュリティを重視する人
  • 車を持たない・運転しない人
  • コミュニティ(管理組合、近隣住民)との関わりを好む人

3. 老後に一戸建てを選ぶメリットとデメリット

(1) 一戸建てのメリット(近隣距離・土地資産価値・自由度)

一戸建ての主なメリットは以下の通りです。

近隣との距離:

  • 隣家との距離があり、騒音トラブルが起きにくい
  • プライバシーが保たれる

土地の資産価値:

  • 土地の資産価値が長期的に残る
  • 担保にしたり、医療費のために売却することが可能
  • 相続時に土地を分割しやすい

自由度の高さ:

  • リフォーム・増改築が自由
  • ペット飼育、ガーデニング、DIYなど趣味を楽しめる

(2) 一戸建てのデメリット(メンテナンス負担・階段・孤立リスク)

一戸建ての主なデメリットは以下の通りです。

メンテナンス負担:

  • 外壁・屋根の修繕、庭の手入れを自分で行う必要がある
  • 高齢になると肉体的負担が大きい

階段の負担:

  • 2階建て以上の場合、階段の上り下りが将来的に困難になる可能性
  • バリアフリー化(階段昇降機設置、平屋化リフォーム等)が必要

孤立リスク:

  • 近隣との関係が希薄になりやすい
  • 一人暮らしの高齢者は孤立リスクが高い

(3) 一戸建てが向いている人

一戸建ては以下のような人に向いています。

  • 土地の資産価値を重視する人
  • 広さ・自由度を重視する人
  • 近隣との距離を保ちたい人
  • 車での移動が中心の人
  • 自分でメンテナンスができる(または業者に依頼できる)人

4. 維持費・コストの比較と将来的な負担

(1) マンションの維持費(管理費・修繕積立金・固定資産税)

マンションの維持費は以下の通りです。

項目 月額目安 年額目安
管理費 1〜2万円 12〜24万円
修繕積立金 0.5〜1.5万円 6〜18万円
固定資産税 - 10〜20万円
駐車場代(該当者のみ) 0.5〜2万円 6〜24万円
合計 2〜5.5万円 34〜86万円

注意点:

  • 管理費・修繕積立金は経年で上昇する傾向
  • 修繕積立金が不足すると一時金徴収が発生する可能性

(2) 一戸建ての維持費(メンテナンス費・固定資産税)

一戸建ての維持費は以下の通りです。

項目 年額目安 備考
外壁・屋根メンテナンス 10〜30万円 10〜15年ごとに100〜200万円の大規模修繕
庭の手入れ 5〜10万円 業者依頼の場合
設備交換(給湯器等) 10〜20万円 10〜15年ごとに交換
固定資産税 10〜20万円 土地・建物の評価額による
合計 35〜80万円 -

注意点:

  • 大規模修繕(外壁・屋根)は10〜15年ごとに100〜200万円程度必要
  • 高齢になると自分で業者を手配する負担が増える

(3) 将来的なコスト上昇リスク

マンション・一戸建てともに、将来的なコスト上昇リスクがあります。

マンション:

  • 管理費・修繕積立金の値上げ
  • 建設費高騰による大規模修繕費の増加

一戸建て:

  • 材料費・人件費の高騰によるメンテナンス費の増加
  • 高齢化による業者依頼頻度の増加

5. バリアフリー・介護対応の視点から見た住まい選び

(1) マンションのバリアフリー対応状況

マンション(特に築浅物件)は、以下のバリアフリー対応が標準で整っていることが多いです。

  • 段差解消: 室内の段差がない設計
  • エレベーター: 階段を使わずに移動可能
  • 手すり: 共用廊下、エレベーターに手すり設置
  • オートロック: セキュリティと利便性を両立

築古マンションでも、リフォームで室内のバリアフリー化(手すり設置、段差解消等)が比較的容易です。

(2) 一戸建てのバリアフリー改修費用と注意点

一戸建てのバリアフリー改修費用は以下の通りです。

改修内容 費用目安
手すり設置 5〜10万円
段差解消 10〜30万円
階段昇降機設置 100〜200万円
トイレ・浴室改修 50〜150万円
全面バリアフリー化 500万円以上

注意点:

  • 介護保険の住宅改修費支給制度(上限20万円)を活用できる場合がある
  • 2階建ての場合、階段の負担が大きいため、平屋化リフォームや階段昇降機設置が必要になる可能性

(3) 将来の介護・医療アクセスを考慮した立地選び

老後の住まいは、介護・医療アクセスが重要です。

重視すべき立地条件:

  • 病院: 徒歩圏内またはバス・タクシーで10分以内
  • 訪問介護: 訪問介護サービス事業所が近い
  • デイサービス: 通所介護施設が近い
  • スーパー・薬局: 日常生活の買い物が徒歩圏内

マンションは駅近・病院近くに立地していることが多く、この点で有利です。一戸建ては郊外に多く、車での移動が中心となるため、運転ができなくなった場合のアクセスを事前に確認することが重要です。

6. まとめ:ライフスタイル別の選び方と次のアクション

老後の住まい選びでは、マンションと一戸建てのどちらが「正解」ということはありません。以下のライフスタイル別の選び方を参考にしてください。

マンションが向いている人:

  • 都市部で利便性を重視
  • メンテナンスの手間を減らしたい
  • セキュリティを重視
  • 車を持たない・運転しない

一戸建てが向いている人:

  • 土地の資産価値を重視
  • 広さ・自由度を重視
  • 近隣との距離を保ちたい
  • 車での移動が中心

次のアクション:

  1. 現在の自宅の売却価格を確認: 不動産会社に査定を依頼
  2. 年金収入と予算を試算: ファイナンシャルプランナーに相談
  3. 候補物件の内覧: 実際に足を運んで周辺環境を確認
  4. 専門家への相談: 宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、介護福祉士など

老後の住み替えは、体力・判断力があるうちに動くことが重要です。住み替えのタイミングは、子どもの独立後、定年退職前後の50〜60代が一般的です。正確な情報を元に、無理のない資金計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1老後の住まいはマンションと一戸建てどちらがよいですか?

A1統計では60代でマンションを選ぶ人が最多ですが、正解はありません。都市部で利便性を重視するならマンション、土地の資産価値や広さを重視するなら一戸建てが向いています。健康状態、経済状況、ライフスタイル(車の有無、近隣との距離の希望等)に応じて選択してください。専門家(ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士等)への相談も推奨します。

Q2マンションの維持費はどのくらいかかりますか?

A2管理費と修繕積立金で月額1〜3万円程度が一般的です。ただし、建設費高騰や修繕積立金の不足により、経年で上昇する傾向があります。固定資産税(年間10〜20万円)や駐車場代(月額0.5〜2万円)を含めると、年間34〜86万円程度の維持費を見込む必要があります。購入前に管理組合の総会資料で修繕積立金の残高を確認しましょう。

Q3一戸建てをバリアフリー化する費用はいくらですか?

A3手すり設置・段差解消で50〜100万円程度、階段昇降機設置で100〜200万円、トイレ・浴室改修で50〜150万円、全面バリアフリー化で500万円以上が目安です。介護保険の住宅改修費支給制度(上限20万円)を活用できる場合があります。2階建ての場合、階段の負担が大きいため、平屋化リフォームや階段昇降機設置が必要になる可能性があります。

Q4住み替えのベストタイミングはいつですか?

A4子どもの独立後、定年退職前後の50〜60代が一般的です。体力・判断力があるうちに動くことが重要です。現在の自宅の売却価格(不動産会社に査定依頼)と年金収入を考慮した予算設定を行い、候補物件の内覧で周辺環境(病院、スーパー、公共交通機関へのアクセス)を確認しましょう。専門家(ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士)への相談も推奨します。

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Room Match編集部

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