信頼できる不動産会社の選び方:基本の確認ポイント
「不動産の売却・購入を検討しているけれど、信頼できる不動産会社をどう選べば良いかわからない」「たいへい不動産という会社を見聞きしたが、どのような会社なのか知りたい」とお悩みではないでしょうか。
この記事では、信頼できる不動産会社の選び方、大手と地域密着型の違い、良い不動産会社の見分け方、避けるべき悪い業者の特徴を詳しく解説します。記事は業界団体の公式データ、メディアの調査レポート(2025年時点)を元に作成しています。
ご自身の目的(売却・購入・賃貸)に合った信頼できる不動産会社を選べるようになります。
この記事のポイント
- 免許番号の括弧内数字で営業年数を判断((2)なら5-10年、(3)なら10-15年以上の実績)
- 大手は広域検索とポイント制度、地域密着型は詳細な地域情報が強み
- 良い不動産会社は現地集合での内見が可能で、顧客目線の対応をする
- 禁止用語の使用、一時金要求、おとり物件広告などの悪質手法に注意
(1) 免許番号の確認方法と営業年数の判断
不動産会社を選ぶ際、最初に確認すべきは免許番号です。免許番号は、宅地建物取引業法に基づき、国土交通大臣または都道府県知事から交付される営業許可番号です。
免許番号の見方:
国土交通大臣(3)第○○○○号
東京都知事(5)第○○○○号
括弧内の数字は、免許の更新回数を示します。更新は5年ごとに行われるため、数字が大きいほど営業年数が長いことを意味します。
| 括弧内の数字 | 営業年数の目安 |
|---|---|
| (1) | 0-5年未満(新規) |
| (2) | 5-10年未満 |
| (3) | 10-15年未満 |
| (4)以上 | 15年以上 |
(出典: ieagent.jp「良い不動産屋の見分け方7選!やめた方がいい悪い業者の特徴も解説」)
免許番号が(3)以上であれば、10年以上の営業実績があり、一定の信頼性があると判断できます。ただし、営業年数が長いからといって必ずしも良い会社とは限らないため、他の要素も総合的に確認する必要があります。
(2) REINS(不動産流通機構)の仕組み
「大手不動産会社の方が物件情報が多いのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、実際には**REINS(レインズ、不動産流通機構)**というデータベースで、大手も中小も同じ物件情報にアクセスできます。
REINSとは:
- 国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するデータベース
- 不動産会社が売却・賃貸物件の情報を登録・共有する仕組み
- 宅地建物取引業者であれば、規模に関係なくアクセス可能
(出典: ナカジツ「不動産会社の選び方【購入編】」)
このため、物件情報自体は会社間で大きな差はありません。不動産会社選びでは、物件数よりも「対応の質」「地域情報の詳しさ」「営業担当者の顧客目線」などが重要なポイントとなります。
不動産会社選びの基礎知識:大手と地域密着型の違い
(1) 大手不動産会社の強み(広域検索・ポイント制度)
大手不動産会社(三井不動産リアルティ、東急リバブル、住友不動産ステップ等)には、以下のような強みがあります。
| 強み | 詳細 |
|---|---|
| 広域検索 | 全国規模のネットワークで幅広いエリアの物件検索が可能 |
| ポイント制度 | 提携クレジットカードや系列サービスでポイントが貯まる |
| ブランド力 | 長年の実績による信頼性・安心感 |
| 豊富な実績 | 仲介件数が多く、ノウハウが蓄積されている |
| 資金力 | 広告宣伝費・システム投資が豊富 |
(出典: ナカジツ「不動産会社の選び方【購入編】」)
特に、転勤で全国各地を移動する可能性がある方、系列サービスとのポイント連携を重視する方にとって、大手不動産会社は有力な選択肢です。
(2) 地域密着型不動産会社の強み(詳細な地域情報)
地域密着型の不動産会社には、以下のような強みがあります。
| 強み | 詳細 |
|---|---|
| 詳細な地域情報 | 地域の学区、商業施設、治安、将来の開発計画等に精通 |
| きめ細かい対応 | 地域に根ざした長期的な関係構築を重視 |
| 地元ネットワーク | 地元の不動産オーナー、自治体との強いつながり |
| 柔軟な対応 | 大手よりも融通が利く場合がある |
(出典: ナカジツ「不動産会社の選び方【購入編】」)
特定のエリアでの売却・購入を検討している方、地域の詳細情報を重視する方にとって、地域密着型不動産会社は有力な選択肢です。
(3) 営業年数5年以上が実績の目安
不動産会社を選ぶ際、営業年数5年以上(免許番号(2)以上)を一つの目安とすることが推奨されます。
- 5年未満(免許番号(1)):新規参入企業、実績が少ない
- 5年以上(免許番号(2)以上):一定の営業実績があり、市場の変動を経験している
(出典: ナカジツ「不動産会社の選び方【購入編】」)
ただし、新規参入企業でも優れたサービスを提供している場合があるため、営業年数だけで判断せず、口コミや対応の質も総合的に確認することが重要です。
良い不動産会社の見分け方:7つのチェックポイント
(1) 来店を急かさない、顧客目線の対応
良い不動産会社は、顧客の都合を優先し、来店や契約を急かしません。
良い対応の例:
- 「ご都合の良い日時をお知らせください」
- 「じっくりご検討ください」
- 「他社との比較も大切です」
悪い対応の例:
- 「今日中に来店してください」
- 「この物件はすぐに埋まります」(根拠なく急かす)
- 「他社と比較しても意味がありません」
(出典: ieagent.jp「良い不動産屋の見分け方7選!やめた方がいい悪い業者の特徴も解説」)
顧客目線の不動産会社は、物件のメリットだけでなくデメリットも正直に説明し、長期的な信頼関係を重視します。
(2) 口コミ評判の確認(複数ツールで信頼性判断)
口コミは重要な判断材料ですが、信頼性を見極めるために複数のツールで確認することが推奨されます。
| 確認ツール | 特徴 |
|---|---|
| Googleマップ | 最も一般的、投稿者のプロフィールも確認可能 |
| X(旧Twitter) | リアルタイムの評判、投稿者の通常の書き込みパターンも確認 |
| 不動産ポータルサイト | SUUMO、HOME'S等の専門サイトの口コミ |
(出典: LIFULL HOME'S「不動産屋へGO! – いい不動産屋さん、悪い不動産屋さんの見分け方は?」)
口コミの信頼性を判断する際は、投稿者のプロフィールや通常の書き込みパターンも確認し、ステマ(ステルスマーケティング)や誹謗中傷ではないかをチェックしましょう。
(3) 現地集合での内見が可能(おとり物件回避)
おとり物件(実際には契約できない魅力的な広告物件)を避けるため、現地集合での内見を提案できる不動産会社を選びましょう。
おとり物件の特徴:
- 相場よりも安い、魅力的な条件
- 問い合わせると「ちょうど埋まってしまいました」と言われる
- 代わりに別の物件を紹介される(店舗への誘導が目的)
現地集合での内見のメリット:
- 物件が実在することを確認できる
- 店舗への無駄な移動時間を削減できる
- おとり物件広告を使う悪質な業者を避けられる
(出典: ieagent.jp「良い不動産屋の見分け方7選!やめた方がいい悪い業者の特徴も解説」)
現地集合での内見を提案できない会社は、おとり物件を使用している可能性があるため注意が必要です。
(4) レスポンス速度(営業時間内1時間以内が目安)
不動産会社のレスポンス速度も重要なチェックポイントです。
- 営業時間内:1時間以内の返信が目安
- 営業時間外:翌営業日の午前中までの返信が目安
(出典: LIFULL HOME'S「不動産屋へGO! – いい不動産屋さん、悪い不動産屋さんの見分け方は?」)
営業時間内でも1時間以上かかる場合は、スタッフ不足の可能性があり、良い物件を逃すリスクが高くなります。レスポンスの速さは、業務効率と顧客対応の優先度を示す指標です。
(5) 店内の整理整頓(業務品質の指標)
店内の整理整頓は、業務品質の指標となります。
良い不動産会社の店内:
- 書類が整理されている
- デスクが清潔
- 個人情報が適切に管理されている
悪い不動産会社の店内:
- 書類が散乱している
- デスクが雑然としている
- 個人情報が放置されている
(出典: LIFULL HOME'S「不動産屋へGO! – いい不動産屋さん、悪い不動産屋さんの見分け方は?」)
店内が整理整頓されていない会社は、個人情報管理が杜撰な可能性があり、契約書類の扱いにも注意が必要です。
悪い不動産会社の特徴:避けるべき業者の見極め方
(1) 広告で禁止用語を使用(「完全」「日本一」「絶対」等)
不動産公正取引協議会は、不動産広告の表示規約を管理しており、以下のような禁止用語を定めています。
禁止用語の例:
- 「完全」「完璧」「絶対」
- 「日本一」「業界No.1」(根拠がない場合)
- 「最高」「最安」(比較対象が不明確)
(出典: ieagent.jp「良い不動産屋の見分け方7選!やめた方がいい悪い業者の特徴も解説」)
これらの禁止用語を使用している広告を見かけたら、その不動産会社は規約違反を犯している可能性があり、避けた方が良いでしょう。
(2) 一時金を要求(実質的に礼金と同じ悪質手法)
賃貸物件で「礼金なし、一時金=家賃○ヶ月分」という表示は、悪質な手法です。
一時金と礼金の違い:
| 項目 | 礼金 | 一時金 |
|---|---|---|
| 返金 | されない | されない |
| 税務処理 | 礼金として計上 | 一時金として計上(実質同じ) |
| 法的性質 | 明確 | 曖昧(礼金と同じ) |
(出典: ieagent.jp「良い不動産屋の見分け方7選!やめた方がいい悪い業者の特徴も解説」)
一時金は返金されないため、実質的に礼金と同じです。「礼金なし」と宣伝しながら一時金を要求する会社は、顧客を誤解させる悪質な手法を使っている可能性があります。
(3) おとり物件の広告(実際には契約できない物件)
おとり物件は、実際には契約できない魅力的な物件広告を使って、顧客を店舗に誘導する手法です。
おとり物件の見分け方:
- 相場よりも明らかに安い
- 問い合わせると「ちょうど埋まってしまいました」と言われる
- 現地集合での内見を提案できない
(出典: ieagent.jp「良い不動産屋の見分け方7選!やめた方がいい悪い業者の特徴も解説」)
おとり物件広告を使用している会社は、不動産公正取引協議会の規約違反を犯しており、信頼性が低いと判断できます。
(4) 細かい条件を聞かずに物件紹介
良い不動産会社は、顧客のニーズを詳しくヒアリングしてから物件を紹介します。一方、悪い不動産会社は、細かい条件を聞かずに大量の物件を紹介し、「とりあえず見てみましょう」と言います。
良い対応の例:
- 「予算はどのくらいですか?」
- 「通勤・通学の利便性はどの程度重視されますか?」
- 「ペット可の物件が必要ですか?」
- 「築年数の希望はありますか?」
悪い対応の例:
- 「とりあえず色々見てみましょう」
- 「条件は後で決めれば良いです」
- 「この物件、おすすめですよ」(条件を聞かずに紹介)
顧客のニーズを無視して物件を紹介する会社は、自社都合の営業スタイルであり、信頼性が低いと判断できます。
2025年最新:信頼できる不動産会社ランキング
(1) 仲介件数ランキング(三井不動産リアルティ39年連続1位)
2025年時点で、仲介件数ランキングのトップは**三井不動産リアルティ(三井のリハウス)**です。
- 仲介件数:39年連続1位
- 実績:全国規模のネットワーク
- 特徴:三井グループの信頼性、豊富な実績
(出典: 不動産売買の歩き方「【2025年最新】信頼できる不動産会社ランキング25選」)
三井不動産リアルティは、長年の実績による信頼性とブランド力が強みです。
(2) オープンハウスグループ(2年連続トップ5,000件超)
オープンハウスグループは、2023-2024年で仲介件数2年連続トップを達成した新興大手です。
- 仲介件数:5,000件超(2年連続トップ)
- 特徴:急成長中の新興大手
- 強み:都心部での実績、積極的な営業展開
(出典: マイナビニュース「【2025年最新】大手不動産会社ランキングおすすめベスト3」)
オープンハウスグループは、近年急成長しており、都心部での物件取引に強みがあります。
(3) 東急リバブル(50年の歴史・東急沿線に強み)
東急リバブルは、東急電鉄グループの不動産会社で、50年の歴史があります。
- 歴史:50年
- 強み:東急沿線(渋谷、自由が丘、田園調布等)に特化
- 特徴:地域密着型のサービス
(出典: 不動産売買の歩き方「【2025年最新】信頼できる不動産会社ランキング25選」)
東急沿線での物件取引を検討している方にとって、東急リバブルは有力な選択肢です。
(4) 住友不動産ステップ(全国199店舗・マンツーマン専属担当制)
住友不動産ステップは、全国199店舗の直営店を展開し、マンツーマン専属担当制を導入しています。
- 店舗数:全国199店舗(2025年4月時点)
- 特徴:マンツーマン専属担当制(1人の担当者が最初から最後まで対応)
- 強み:全国展開、一貫した対応
(出典: 不動産売買の歩き方「【2025年最新】信頼できる不動産会社ランキング25選」)
マンツーマン専属担当制により、顧客との長期的な信頼関係を構築しやすい点が特徴です。
まとめ:自分に合った不動産会社を見つける方法
信頼できる不動産会社を選ぶ際は、免許番号の括弧内数字を確認し、営業年数5年以上((2)以上)を目安としましょう。大手は広域検索とポイント制度、地域密着型は詳細な地域情報が強みであり、目的に応じて選択することが重要です。
良い不動産会社は、来店を急かさず顧客目線の対応をし、現地集合での内見が可能で、営業時間内1時間以内にレスポンスがあります。一方、禁止用語の使用、一時金要求、おとり物件広告などの悪質手法を使う会社は避けるべきです。
2025年時点で、三井不動産リアルティが39年連続仲介件数1位、オープンハウスグループが2年連続トップ5,000件超を達成しています。東急リバブル、住友不動産ステップも上位にランクインしており、信頼性が高いと評価されています。
複数の不動産会社を比較し、口コミや対応の質を総合的に確認した上で、ご自身の目的(売却・購入・賃貸)とエリアに合った会社を選びましょう。不動産取引は高額な買い物であるため、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー等の専門家への相談も有効です。
