不動産営業の仕事内容・年収・キャリアパスを徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/4

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不動産営業という職業:高収入とやりがいの実態

「不動産営業ってどんな仕事なのか」「年収はどのくらいか」「未経験でもなれるのか」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、不動産営業の仕事内容、年収相場、キャリアパス、向き不向きを、厚生労働省jobtagの統計データと業界の実態をもとに解説します。

転職・就職を検討している方が、現実的な判断をするための情報を提供します。

この記事のポイント

  • 不動産営業は販売営業・賃貸仲介営業・売買仲介営業の3種類に大別される
  • 平均年収は約444〜580万円(基本給+インセンティブ制)で、成果次第で1,000万円以上も可能
  • 高いノルマ、土日祝出勤、収入の不安定さが「きつい」理由だが、やりがいも大きい
  • 未経験歓迎の求人が多く、宅地建物取引士(宅建士)資格取得が推奨される
  • キャリアパスは営業→店長→支店長、独立、異業種転職(保険金融、IT、人材等)が主流

不動産営業の仕事内容:3つの職種

不動産営業は、大きく分けて以下の3つの職種があります。

(1) 販売営業(自社物件の販売)

仕事内容

  • 自社やグループ会社が所有する不動産(新築マンション、建売住宅等)を個人顧客に販売
  • 物件説明、購入相談、契約手続き、住宅ローン手続きのサポート
  • モデルルームでの接客、現地案内

特徴

  • 自社物件のため商品知識を深く習得できる
  • 契約単価が高く、インセンティブも高額
  • 新築物件の場合、顧客の期待値も高い

(2) 賃貸仲介営業(オーナーと借主の仲介)

仕事内容

  • 賃貸物件のオーナーと借主を仲介し、契約を成立させる
  • 物件紹介、内覧案内、契約手続き、鍵の引き渡し
  • オーナーからの物件情報収集、借主からの希望条件ヒアリング

特徴

  • 契約単価は低いが、成約までの期間が短い(1-2週間)
  • 繁忙期(1-3月)は契約数が増加し、高収入を得られる
  • 若手が経験を積むために配属されることが多い

(3) 売買仲介営業(個人・企業の不動産売買仲介)

仕事内容

  • 個人・企業が所有する不動産の売買を仲介
  • 売主からの物件査定、買主からの物件探し、契約手続き
  • 価格交渉、住宅ローン手続きのサポート

特徴

  • 契約単価が高く、仲介手数料(売買価格の3%+6万円+税)が収益源
  • 成約までの期間が長い(3-6ヶ月)が、インセンティブも高額
  • 経験とスキルが求められる職種

年収相場と報酬体系:基本給+インセンティブの仕組み

(1) 平均年収は約444〜580万円

不動産営業の平均年収は、情報源により差がありますが、以下のデータが参考になります。

情報源 平均年収
厚生労働省jobtag(2024年) 約580万円
国税庁(2023年度統計) 約469万円(不動産業界全体)
求人サイト(doda等) 約444万円

平均年収は500万円前後と考えられますが、成果次第で大きく変動します。

(2) 基本給+インセンティブ制の報酬体系

不動産営業の報酬体系は、**基本給+インセンティブ(歩合給)**が一般的です。

報酬体系の例

項目 金額例
基本給 月20-30万円
インセンティブ 契約金額の0.5-3%
賞与 年2回(基本給ベース)

インセンティブの計算例

  • 3,000万円の物件を1件契約した場合
  • インセンティブ率1%とすると:3,000万円 × 1% = 30万円
  • 月に2件契約できれば:30万円 × 2件 = 60万円

基本給に加え、契約実績に応じた歩合給が支払われるため、成果を出せば高収入が得られます。

(3) 成果次第で年収1,000万円〜2,000万円以上も可能

高収入を得ている営業の例

  • 年収1,000万円:月平均2-3件の契約(売買仲介)
  • 年収1,500万円:月平均3-4件の契約
  • 年収2,000万円以上:月平均4-5件以上の契約、または高額物件の成約

トップセールスは年収3,000万円以上を得ているケースもあります。

(4) 他業界との年収比較

業界 平均年収
不動産営業 約580万円
IT営業 約550万円
金融営業 約600万円
製造業営業 約500万円

不動産営業は、他業界と比べて平均的な水準ですが、インセンティブで高収入を得られる可能性が高い点が特徴です。

不動産営業がきつい6つの理由と対処法

(1) 高いノルマと未達時のプレッシャー

きつい理由

  • 月次・四半期ごとに高いノルマが設定される
  • 未達時は上司からの厳しい叱責がある企業も存在
  • ノルマ達成のプレッシャーが常にかかる

対処法

  • ノルマが現実的に設定されている企業を選ぶ
  • 固定給が十分に確保されている企業を選ぶ
  • 自己管理と計画的な営業活動でノルマを達成

(2) 土日祝出勤と不規則な勤務時間

きつい理由

  • 顧客の都合に合わせて土日祝・夜間の対応が必要
  • 火曜・水曜休みが主流で、友人と予定が合わせにくい
  • 家族との時間が取りにくい

対処法

  • 休日の過ごし方を工夫し、平日の閑散時間を有効活用
  • 家族と事前にスケジュールを共有
  • 完全週休2日制(土日祝休み)の企業を選ぶ(一部企業で導入)

(3) 低い成約率と精神的ストレス

きつい理由

  • 高額商品のため顧客の検討期間が長く、最終的に購入を見送られるケースも多い
  • テレアポ・飛び込み営業で断られることが多く、精神的に疲弊しやすい
  • 成約までに数ヶ月かかり、その間の労力が報われないこともある

対処法

  • 顧客のニーズを丁寧にヒアリングし、信頼関係を構築
  • 成約率を上げるための営業スキルを磨く
  • ストレス発散の方法を見つける(運動、趣味等)

(4) 収入の不安定さ

きつい理由

  • 契約が取れた月は高収入だが、取れない月は固定給のみ
  • 収入が読めず、生活設計が立てにくい

対処法

  • 固定給が十分に設定されている企業を選ぶ
  • 契約件数を安定させるための計画的な営業活動
  • 貯蓄を厚めにして収入変動に備える

(5) 法改正への対応と継続的な学習

きつい理由

  • 法律・税金・建築・経済など幅広い知識が求められる
  • 法改正に伴う業務変更・契約内容の修正が頻繁に発生
  • 常に知識のアップデートが必要

対処法

  • 宅地建物取引士(宅建士)資格を取得し、専門知識を体系的に習得
  • 業界セミナー・研修に参加し、最新情報をキャッチアップ
  • 継続的な自己研鑽を習慣化

(6) テレアポ・飛び込み営業の精神的負担

きつい理由

  • テレアポ・飛び込み営業が主流の手法
  • 断られることが多く、精神的に疲弊しやすい
  • 1日数十件の電話・訪問が必要な企業もある

対処法

  • 反響営業(問い合わせ対応)中心の企業を選ぶ
  • テレアポ・飛び込みを前向きに捉え、経験値として蓄積
  • メンタルヘルスケアに注意

向いている人の特徴とキャリアパス

(1) 向いている人の特徴(コミュニケーション力、ヒアリング力、柔軟性、学習意欲)

不動産営業に向いている人の特徴は以下の通りです。

特徴 詳細
コミュニケーション力 初対面の顧客と信頼関係を構築できる
ヒアリング力 顧客のニーズを正確に把握し、最適な提案ができる
柔軟な対応力 土日祝・夜間の不規則な勤務に対応できる
継続的な学習意欲 法律・税金・建築等の専門知識を常にアップデートできる
精神的タフネス ノルマのプレッシャーや契約不成立のストレスに耐えられる

(2) 必要な資格(宅地建物取引士)

宅地建物取引士(宅建士)

  • 不動産取引の専門家資格
  • 重要事項説明は宅建士のみ実施可能
  • 資格保有者は転職・キャリアアップに有利

宅建士試験

  • 合格率:約15-17%
  • 年1回実施(10月)
  • 独学でも合格可能(学習期間3-6ヶ月)

多くの企業が入社後の宅建士資格取得をサポートしており、合格すると資格手当(月1-3万円)が支給される場合もあります。

(3) キャリアパス(営業→店長→支店長、独立、異業種転職)

不動産営業のキャリアパスは以下の通りです。

キャリア 内容
営業(1-3年) 現場で経験を積み、営業スキルを磨く
店長(3-5年) 店舗のマネジメント、部下の育成
支店長・エリアマネージャー(5-10年) 複数店舗の統括、経営戦略の立案
独立・起業 不動産仲介会社を設立
異業種転職 保険金融、IT、人材、自動車販売等

(4) 不動産営業から転職できる業界(保険金融、IT、人材等)

不動産営業で培ったスキル(コミュニケーション力、マネジメント力、専門知識)は、他業界でも高く評価されます。

転職先候補

業界 理由
同業他社 経験を活かし、条件の良い企業へ
保険金融 高額商品の営業経験が活きる
IT 法人営業・SaaS営業で営業スキルが活きる
人材 人材紹介・人材派遣でコミュニケーション力が活きる
自動車販売 高額商品の営業経験が活きる

2024年現在、不動産営業からの転職市場は活発で、専門性を活かしたキャリアチェンジが増加しています。

まとめ:不動産営業への転職を成功させるポイント

不動産営業は、高いノルマや不規則な勤務時間など「きつい」面もありますが、成果次第で高収入を得られ、やりがいも大きい職業です。未経験歓迎の求人が多く、宅地建物取引士資格を取得すればキャリアアップにも有利です。

転職を成功させるポイント

  • 企業選びが最重要:ノルマが現実的、固定給が十分、ワークライフバランスが取れる企業を選ぶ
  • 宅地建物取引士資格の取得:入社後に資格取得をサポートする企業を選び、早期に取得
  • 営業スキルの習得:コミュニケーション力、ヒアリング力、顧客フォロー力を磨く
  • 企業の評判・口コミを確認:転職サイト・口コミサイトで実態を把握
  • 複数の企業を比較:面接で勤務条件・報酬体系を詳しく確認
  • 転職エージェントの活用:専門家のアドバイスを受けながら転職活動

信頼できる転職エージェントや宅地建物取引士などの専門家に相談しながら、自分に合った企業を選びましょう。

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よくある質問

Q1不動産営業の平均年収はいくらか?

A1約444〜580万円が平均的な水準です。厚生労働省jobtag調査では約580万円、国税庁2023年度統計では不動産業界全体で約469万円と報告されています。報酬体系は基本給+インセンティブ制が一般的で、成果次第で年収1,000万円〜2,000万円以上も可能です。トップセールスは年収3,000万円以上を得ているケースもあります。

Q2未経験でも不動産営業に転職できるのか?

A2可能です。不動産営業は未経験歓迎の求人が多く、2024年の求人数は前年比1.5倍以上に増加しています。入社後に宅地建物取引士(宅建士)資格取得をサポートする企業も多く、研修制度が充実している企業を選べば安心です。コミュニケーション力やヒアリング力があれば、未経験でも活躍できる可能性が高い職種です。

Q3宅地建物取引士(宅建士)は必須か?

A3必須ではありませんが、取得を強く推奨します。重要事項説明は宅建士のみが実施できる法定業務のため、資格保有者は転職・キャリアアップに有利です。多くの企業が資格手当(月1-3万円)を支給し、資格取得をサポートしています。合格率は約15-17%で、独学でも3-6ヶ月の学習期間で合格可能です。

Q4不動産営業がきつい理由は何か?

A4主な理由は6つです。(1)高いノルマと未達時のプレッシャー、(2)土日祝出勤と不規則な勤務時間(火曜・水曜休みが主流)、(3)高額商品のため成約率が低く精神的ストレスが大きい、(4)収入が不安定(契約が取れた月は高収入だが取れない月は固定給のみ)、(5)法改正への対応と継続的な学習が必要、(6)テレアポ・飛び込み営業の精神的負担。企業選びと自己管理で対処できます。

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Room Match編集部

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