不動産価格は今後どうなる?市場動向と予測データを徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/29

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不動産価格の今後が気になる人へ

「不動産を売却したいけれど、今が売り時なのか」「購入を検討しているが、価格がまだ下がるなら待つべきか」と迷っている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、過去10年の不動産価格推移、2024-2025年の市場動向、今後の価格に影響する要因、エリア・物件種別ごとの見通しを、国土交通省の不動産価格指数などの公的データをもとに解説します。

売却・購入のタイミング判断に必要な情報を、専門家の見解も交えながら、公平かつ実践的に提供します。市場環境は変動するため、最終的な判断は専門家(宅建士、ファイナンシャルプランナー等)への相談を推奨します。

この記事のポイント

  • 過去10年でマンション価格は約2倍に高騰、2013年以降上昇傾向が継続
  • 2025年時点では、少なくとも今後1〜2年間は価格上昇が継続する見通しが有力
  • 金利の大幅上昇や税制改正が、価格下落のトリガーになる可能性がある
  • 地域格差・三極化が進行中で、都心部は価格維持・上昇、地方・郊外は下落傾向
  • 購入タイミングは個人の資金計画・ライフプランを優先すべきで、市場予測に振り回されないことが重要

過去10年の不動産価格推移

(1) マンション価格の推移(2倍に高騰)

国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」によると、マンション価格は2013年以降、大きく上昇しています。

2024年7月の全国マンション不動産価格指数は202.2(2010年平均=100)となっており、過去10年で約2倍に高騰しました。

特に首都圏の中古マンションの動向は顕著で、2024年上半期の成約価格は**前年比+9.7%**と大幅に上昇しています。

項目 指数・価格
全国マンション価格指数(2024年7月) 202.2(2010年比で約2倍)
首都圏中古マンション成約価格伸び率(2024年上半期) 前年比+9.7%
価格上昇の起点 2013年(アベノミクス開始)

(出典: 国土交通省「不動産価格指数」

(2) 戸建て・土地価格の推移

マンションほどではありませんが、戸建て住宅や土地の価格も2013年以降は上昇傾向にあります。

ただし、地域差が大きいのが特徴です。都心部や利便性の高いエリアでは価格が上昇している一方、地方や郊外では横ばいまたは下落しているケースが多く見られます。

国土交通省の不動産価格指数では、戸建て住宅の価格指数は120前後、土地の価格指数は110前後(2024年時点)で推移しており、マンションほどの急騰はありません。

(3) 不動産価格指数の見方

不動産価格指数とは、国土交通省が約30万件の実際の取引価格をもとに算出している統計です。2010年平均を100として、不動産価格の推移を客観的に把握できます。

この指数は、国際的な不動産価格の動向比較にも用いられており、信頼性の高いデータです。

2024-2025年の不動産市場動向

(1) 2024年の価格動向

2024年の不動産市場は、価格上昇が継続しています。

特に都心部や再開発エリアでは、高級マンションを中心に需要が堅調で、価格は高値圏を維持しています。一方、地方都市や郊外では、一部で横ばいから微減の兆候も見られます。

建築費の高騰(人件費・資材費の上昇)により、新築マンションの供給が減少し、中古市場へのシフトが加速している点も特徴的です。

(2) マイナス金利政策解除の影響

2024年3月、日本銀行はマイナス金利政策を約17年ぶりに解除しました。これは不動産市場にとって重要な転換点です。

マイナス金利政策とは、金融機関が日銀に預ける資金に対してマイナスの金利を適用する政策で、2016年から2024年3月まで実施されていました。この政策により、住宅ローン金利は歴史的な低水準で推移し、不動産価格の上昇を後押ししてきました。

マイナス金利政策の解除により、今後は変動金利の住宅ローン金利が上昇する可能性があります。ただし、2025年時点では小幅な利上げにとどまるとの見方が有力です。

(3) 2025年の見通し(1〜2年間は上昇継続)

2025年の不動産市場について、複数の専門家や不動産会社の見解を総合すると、少なくとも今後1〜2年間は価格上昇が継続する見通しが有力です。

主な理由は以下の通りです。

  • 建築費高騰により、新築価格の下落は考えにくい
  • 日銀の追加利上げは小幅にとどまる見込み
  • 富裕層の高級マンション需要が堅調
  • 円安を背景に外国人投資家の日本不動産購入が増加

ただし、大幅な利上げや税制改正があれば、状況は変わる可能性があります。

今後の不動産価格に影響する要因

(1) 金利政策の影響(追加利上げの可能性)

不動産価格に最も大きな影響を与える要因の一つが、日本銀行の金利政策です。

日銀が2024年3月にマイナス金利政策を解除した後、追加利上げがあるかどうかが市場の焦点となっています。

金利上昇のシナリオ:

  • 日銀が大幅な利上げを実施
  • 変動金利の住宅ローン金利が上昇
  • 住宅購入のコストが増加し、需要が減少
  • 不動産価格が下落

金利据え置きまたは小幅利上げのシナリオ:

  • 住宅ローン金利は低水準を維持
  • 住宅購入の需要が継続
  • 不動産価格は高値圏を維持

2025年時点では、後者のシナリオがやや有力とされていますが、インフレ率の動向次第では前者のシナリオもあり得ます。

(2) 建築費高騰(人件費・資材費の上昇)

建築費の高騰は、不動産価格の下支え要因となっています。

人件費の上昇や資材価格の高騰により、新築住宅の建設コストは上昇し続けています。この結果、デベロッパーは新築マンションの販売価格を引き下げることが困難な状況です。

建築費の高騰は当面継続する見込みであり、新築価格の大幅な下落は考えにくいとされています。

(3) 税制改正の可能性

税制改正も不動産価格に影響を与える要因です。

例えば、以下のような改正があれば、不動産価格に影響が出る可能性があります。

  • 不動産取得税・固定資産税の増税
  • 住宅ローン控除の縮小
  • 相続税・贈与税の改正

税制改正は政府の政策判断によるため、予測が難しい要因ですが、不動産市場に大きな影響を与える可能性があります。

(4) インバウンド需要と円安の影響

2024-2025年は、円安を背景に外国人投資家による日本不動産の購入需要が増加しています。

特に東京・大阪のオフィスや高級マンションは、世界的に見て割安と評価され、投資対象として注目されています。

このインバウンド需要が、都心部の不動産価格を押し上げる要因の一つとなっています。

エリア・物件種別ごとの見通し

(1) 都心部・再開発エリアの見通し(価格維持・上昇)

都心部や再開発が進むエリアでは、今後も価格が維持・上昇する見込みです。

主な理由は以下の通りです。

  • 駅近・利便性の高い立地への根強い需要
  • 再開発による街の魅力向上
  • 富裕層や外国人投資家の需要
  • 新築供給の減少による希少性の高まり

価値が維持される物件の特徴:

  • 主要駅から徒歩10分以内
  • 大規模再開発エリア内
  • 周辺の商業・医療・教育施設が充実
  • 管理状態が良好なマンション

(2) 地方・郊外の見通し(下落傾向)

地方都市や郊外のエリアでは、価格が横ばいまたは下落する傾向が続く見込みです。

主な理由は以下の通りです。

  • 人口減少・高齢化の進行
  • 公共交通機関の利便性が低い
  • 若年層の都市部への流出
  • 空き家の増加

2040年には、地方を中心に85%の不動産が価値下落するとの予測もあります(日本経済新聞の報道による)。

(3) 不動産の三極化の進行

不動産市場では、三極化が進行しています。

三極化とは、以下の3つのグループに分かれて価格動向が異なる現象です。

  1. 都心部・駅近・再開発エリア: 価格上昇または維持
  2. 地方中核都市の中心部: 横ばいまたは緩やかな上昇
  3. その他地方・郊外: 価格下落

この三極化は今後さらに進むと予想されており、立地の良し悪しが資産価値を大きく左右する時代になっています。

(4) 新築vs中古市場のシフト

新築マンション価格の高騰や供給減少により、中古市場へのシフトが加速しています。

2025年時点では、以下のような傾向が見られます。

  • 新築マンションの平均価格が過去最高水準
  • 新築の供給戸数が減少
  • 中古マンションの成約件数が増加
  • リノベーション済み中古物件への注目が高まる

中古市場は今後も拡大する見込みで、築年数が浅く管理状態の良い中古マンションは、新築に近い価格で取引されるケースも増えています。

まとめ:売却・購入のタイミング判断

不動産価格は、2013年から上昇傾向が継続しており、2025年時点では少なくとも今後1〜2年間は価格上昇が継続する見通しが有力です。ただし、日銀の大幅な利上げや税制改正があれば、価格下落の可能性もあります。

地域格差・三極化が進行しており、都心部・駅近・再開発エリアは価格維持・上昇の見込みですが、地方・郊外は下落傾向にあります。エリアや物件種別により今後の見通しは大きく異なるため、一律の判断は困難です。

売却・購入のタイミングについて:

  • 売却を検討している方: 地方・郊外の物件であれば、早めの売却を検討する価値があります。都心部の物件であれば、まだしばらくは高値圏が続く可能性があります。
  • 購入を検討している方: 市場予測に振り回されず、個人の資金計画・ライフプランを優先すべきです。住み替え時期、子どもの進学、転勤など、自分の事情に基づいた判断が重要です。

専門家への相談を推奨:

不動産の売却・購入は大きな決断です。最終的な判断は、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、不動産鑑定士などの専門家に相談しながら、慎重に行うことをお勧めします。

市場環境は日々変動します。最新の情報は国土交通省の不動産価格指数や、信頼できる不動産会社の市場レポートで定期的に確認しましょう。

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よくある質問

Q1不動産価格は今後下がる?

A1金利の大幅上昇や税制改正がトリガーになる可能性はありますが、2025年時点では少なくとも今後1〜2年間は価格上昇が継続する見通しが有力です。ただし、地域や物件種別により大きく異なります。都心部・再開発エリアは価格維持または上昇の見込みですが、地方・郊外は下落傾向にあります。建築費高騰により新築価格の下落は考えにくい状況です。

Q2購入タイミングはいつが良い?

A2市場予測に振り回されず、個人の資金計画・ライフプランを優先すべきです。住み替え時期、子どもの進学、転勤など、自分の事情に基づいた判断が重要です。不動産は住むための資産でもあるため、「価格が下がるまで待つ」という判断が必ずしも正解とは限りません。宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーへの相談を推奨します。

Q3マンション価格はいつまで上がり続ける?

A3建築費高騰(人件費・資材費の上昇)や新築供給減少により、当面は高値圏を維持する見込みです。ただし、日銀が大幅な利上げを実施すれば、変動金利の住宅ローン金利が上昇し、需要減少から価格下落の可能性があります。2025年時点では小幅な利上げにとどまる見方が有力ですが、インフレ率の動向次第で変わる可能性があります。

Q4地方と都市部で価格動向はどう違う?

A4都心部・再開発エリアは価格上昇または維持の見込みですが、地方・郊外は下落傾向にあります。これは「三極化」と呼ばれる現象で、駅近・利便性の高いエリア以外は価値下落のリスクが高まっています。2040年には地方を中心に85%の不動産が価値下落するとの予測もあります。立地の良し悪しが資産価値を大きく左右する時代になっています。

Q52040年の不動産価格はどうなる?

A52040年には85%の不動産が価値下落するとの予測があります(日本経済新聞の報道)。ただし、都心部・駅近・再開発エリアなど利便性の高い物件は価値を維持する見込みです。人口減少・高齢化が進む中、主要駅から徒歩10分以内、周辺の商業・医療・教育施設が充実しているエリアが資産価値を保つとされています。

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Room Match編集部

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