不動産業界の求人情報:仕事内容・年収・必要資格・転職のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/20

不動産業界の求人が注目される理由:2025年の採用市場

不動産業界への転職・就職を検討されている方にとって、「求人はどれくらいあるのか」「未経験でも転職できるのか」「年収はどれくらいなのか」といった疑問は尽きないものです。

この記事では、不動産業界の求人情報を、仕事内容・年収・必要な資格・転職のポイントを含めて網羅的に解説します。dodaマイナビエージェントなどの信頼できる転職情報を元に、2025年の最新動向をお伝えします。

異業種からの転職を考えている方、不動産業界でキャリアアップを目指している方に、実用的な情報を提供します。

この記事のポイント

  • 2024年12月時点の有効求人倍率は約1.25倍で、不動産業界は慢性的な人手不足
  • 賃貸仲介営業は未経験でも転職しやすく、有効求人倍率は2.93倍の売り手市場
  • 宅建士の平均年収は約530万円、成果次第で1,000万円以上も可能
  • ノルマや長時間労働など「きつい」面もあり、向き不向きがある職種
  • 不動産専門の求人サイトや転職エージェントを活用すると効率的

不動産業界の求人が注目される理由:2025年の採用市場

(1) 慢性的な人手不足と有効求人倍率1.25倍の実態

不動産業界は慢性的な人手不足に直面しています。dodaの調査によると、2024年12月時点の有効求人倍率は約1.25倍(求職者1人に対して求人が1.25件)です。

有効求人倍率とは、求職者1人に対する求人数の割合を示す指標です。1.25倍ということは、求職者よりも求人の方が多い「売り手市場」であることを意味します。

(2) 2024年後半~2025年初頭の求人動向

dodaによると、2024年後半~2025年初頭は求人数が減少傾向にあります。しかし、採用難易度は引き続き高い状況です。

これは、不動産業界が「人を選ぶ業界」であることを示しています。求人は多いものの、企業側が求める人材像に合致しない場合は採用されにくい状況です。

(3) 若手からのネガティブイメージと採用難易度

不動産会社のミカタによると、20~30代の若手から「ノルマが厳しい」「休日が少ない」とネガティブなイメージを持たれています。

これが採用難易度を高めている一因です。不動産業界への転職を検討する際は、こうした実態を踏まえた上で、自身の適性を見極めることが重要です。

不動産業界の仕事内容:職種別の特徴と業務内容

(1) 賃貸仲介営業:入居者を探して契約をサポート

賃貸仲介営業は、賃貸物件の入居者を探し、契約をサポートする営業職です。マイナビエージェントによると、未経験でも転職しやすい職種とされています。

賃貸仲介営業は、不動産流通標準情報システム(REINS:レインズ)などを使って物件情報を共有し、顧客のニーズに合った物件を提案します。

(2) 売買仲介営業:高額物件の売買契約を仲介

売買仲介営業は、不動産の売買契約を仲介する営業職です。物件価格が数千万円~数億円と高額なため、難易度が高い職種です。

type転職エージェントによると、成果を出せば若い人でも高年収を目指せる職種です。

(3) 不動産デベロッパー:土地取得から開発・販売まで

不動産デベロッパーは、土地の取得から企画・開発・販売までを行う不動産開発会社です。マンションや商業施設などの大規模プロジェクトを手がけます。

基本的に経験者を優遇する傾向があり、未経験からの転職は難易度が高い職種です。

(4) その他の職種:管理、事務、企画など

不動産業界には営業以外にも、以下のような職種があります。

  • 管理: 賃貸物件の管理、入居者対応、修繕手配など
  • 事務: 契約書作成、顧客対応、書類管理など
  • 企画: 新規事業の企画、マーケティング、広報など

不動産キャリア不動産ジョブなどの専門求人サイトでは、8,000件以上の求人が掲載されており、多様な職種から選べます。

年収・待遇:宅建士の給与と地域差・経験別の年収目安

(1) 宅建士の平均年収530万円の内訳

STUDYingによると、宅地建物取引士(宅建士)の平均年収は約530万円です。

ただし、これはあくまで平均値です。実際の年収は企業規模、地域、経験年数によって大きく異なります。

(2) 地域別の年収差:東京500万円 vs 沖縄350万円

STUDYingによると、宅建士の年収には大きな地域差があります。

地域 平均年収
東京都 約500万円
沖縄県 約350万円

地域差は約150万円にも達します。首都圏や大都市圏の方が高年収を目指しやすい傾向があります。

(3) 実務経験別の年収目安:未経験350~400万円、経験者400~450万円

きりゅうブログによると、実務経験別の年収目安は以下の通りです。

実務経験 年収目安
未経験 350~400万円
経験者 400~450万円

これはあくまで目安であり、企業や個人の成果によって大きく変動します。

(4) 基本給+インセンティブの給与体系

すべらない転職によると、不動産業界は「基本給+インセンティブ」の給与体系が多い業界です。

インセンティブ制度とは、成果に応じて基本給に加えて支払われる報酬です。契約を多く獲得すれば、その分収入が増える仕組みです。

ただし、固定給がそこまで高くない場合もあるため、結果が出るまで収入が不安定になる可能性があります。

(5) 高年収事例:成果次第で1,000万円以上も可能

きりゅうブログによると、成果次第で入社6年目で約2,000万円の年収を達成した事例もあります。

type転職エージェントも、成果を出せば若い人でも年収1,000万円以上を目指せると指摘しています。

ただし、これは特に優秀な営業成績を残した場合の例であり、誰でも達成できるわけではありません。

必要な資格とスキル:宅建士の重要性と転職に役立つ資格

(1) 宅地建物取引士(宅建士)の必要性

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引の専門家資格です。不動産業界で働くには、必須ではありませんが、強く推奨される資格です。

宅建士資格を持っていると、以下のメリットがあります。

  • 資格手当: 月額1~5万円の資格手当が支給される企業が多い
  • 専任宅建士: 事務所の専任宅建士として配置される可能性が高い
  • キャリアアップ: 管理職への昇進や、独立開業も視野に入る

(2) 事務所に5人に1人以上の専任宅建士が必要な理由

宅地建物取引業法では、事務所には従業員5人に1人以上の専任宅建士を置くことが義務付けられています。

これは、不動産取引の専門知識を持つ者が常駐することで、顧客保護を図る趣旨です。そのため、宅建士資格を持っている人材は不動産業界で重宝されます。

(3) その他の役立つ資格とスキル

不動産業界では、宅建士以外にも以下の資格・スキルが役立ちます。

  • 不動産鑑定士: 不動産の価値を評価する専門資格(難関資格)
  • FP(ファイナンシャルプランナー): 住宅ローンや資金計画の相談に対応
  • マンション管理士: マンション管理組合の運営をサポート
  • コミュニケーション能力: 顧客との信頼関係構築に不可欠
  • 交渉力: 契約交渉や条件調整に必要

未経験から転職するポイント:転職しやすい職種ときつい理由の実態

(1) 未経験でも転職可能:20代はポテンシャル重視

マイナビエージェントによると、未経験でも不動産業界に転職は可能です。特に20代の転職者は、これまでの経験よりもポテンシャル(潜在能力)を重視される傾向があります。

「人と話すのが好き」「コミュニケーション能力に自信がある」「目標達成にやりがいを感じる」といった特性があれば、未経験でも採用される可能性は十分にあります。

(2) 賃貸仲介会社の営業職は転職しやすい(有効求人倍率2.93倍)

すべらない転職によると、令和4年度の住宅・不動産営業職の有効求人倍率は2.93倍で、求職者1人に対して求人が2.93件ある売り手市場です。

中でも賃貸仲介会社の営業職は、未経験でも転職しやすい職種とされています。賃貸物件は売買物件に比べて金額が低く、契約サイクルも短いため、未経験者でも成果を出しやすい環境です。

(3) 不動産営業がきつい理由:ノルマ、長時間労働、高額商材の難しさ

一方で、不動産営業は「きつい」職種としても知られています。ジェイックによると、主な理由は以下の通りです。

きつい理由 詳細
ノルマのプレッシャー 営業職には契約件数や売上目標が課され、達成しないと評価が下がる。不動産は1件の契約金額が高いため、達成難易度が高い
長時間労働 顧客都合に合わせるため、休日・夜間対応が多い。残業が常態化しやすい
高額商材の難しさ 数千万円~数億円の商材を扱うため、顧客の意思決定に時間がかかる。契約までのプロセスが長期化しやすい

(4) 顧客都合に合わせた休日・夜間対応の実態

ジェイックによると、不動産営業は顧客都合に合わせて休日や夜間に対応することが多い職種です。

顧客は平日日中は仕事をしていることが多く、物件内覧や契約手続きは土日や平日夜に行われることが一般的です。そのため、一般的な会社員とは異なる働き方になる可能性があります。

(5) 不動産専門求人サイトの活用法:不動産キャリア、不動産ジョブ等

不動産業界への転職を効率的に進めるには、不動産専門の求人サイトや転職エージェントを活用することが推奨されます。

サイト名 特徴
不動産キャリア 不動産業界専門の求人サイト。8,247件の求人を掲載
不動産ジョブ 全国の不動産業界の求人を掲載。賃貸仲介営業、売買仲介営業、事務、管理など幅広い職種

不動産業界特化の転職エージェントは20社以上存在し、専門性の高い転職支援を受けられます。

まとめ:不動産業界で成功するためのキャリア戦略

(1) 向いている人の特徴

不動産業界に向いている人の特徴は以下の通りです。

  • コミュニケーション能力が高い: 顧客との信頼関係構築が重要
  • 目標達成にやりがいを感じる: 成果主義の環境で頑張れる
  • ストレス耐性がある: ノルマや長時間労働に耐えられる
  • 学習意欲がある: 法律、税金、市場動向など常に学び続ける必要がある

逆に、「安定した給与が欲しい」「残業は避けたい」「ノルマは嫌だ」という方には向いていない可能性があります。

(2) 転職エージェントの活用推奨

不動産業界への転職を検討する際は、不動産専門の転職エージェントの活用を推奨します。

転職エージェントは、以下のサポートを提供してくれます。

  • 求人の紹介(非公開求人含む)
  • 履歴書・職務経歴書の添削
  • 面接対策
  • 企業との条件交渉

不動産業界の特性を理解した専門エージェントであれば、より的確なアドバイスを受けられます。


不動産業界は、慢性的な人手不足で求人が豊富にある一方、ノルマや長時間労働など「きつい」面もある業界です。宅建士資格を取得し、成果を上げれば高年収を目指せる可能性がありますが、向き不向きがあります。

まずは不動産専門の求人サイトや転職エージェントに相談し、自身の適性を見極めた上で、転職を検討しましょう。最新の求人情報は各サイトでご確認ください(2025年11月時点の情報です)。

よくある質問

Q1未経験でも不動産業界に転職できるのか?

A1未経験でも転職可能です。賃貸仲介会社の営業職は特に転職しやすく、令和4年度の有効求人倍率は2.93倍で売り手市場です。20代の転職者はこれまでの経験よりもポテンシャル(潜在能力)を重視される傾向があります。「人と話すのが好き」「コミュニケーション能力に自信がある」「目標達成にやりがいを感じる」といった特性があれば、未経験でも採用される可能性は十分にあります。

Q2宅建士の資格があると年収はどれくらいになるのか?

A2宅建士の平均年収は約530万円です。ただし、実務未経験なら350~400万円、実務経験有りなら400~450万円が目安となります。成果次第で入社6年目で約2,000万円の年収を達成した事例もあり、1,000万円以上の高年収も可能です。地域差も大きく、東京都は約500万円、沖縄県は約350万円と約150万円の差があります。基本給+インセンティブの給与体系が多いため、成果を上げた分だけ収入が増える仕組みです。

Q3不動産営業は本当にきついのか?

A3不動産営業は「きつい」職種として知られています。主な理由は、ノルマ達成のプレッシャー、長時間労働、高額商材の難しさです。営業職には契約件数や売上目標が課され、達成しないと評価が下がります。不動産は1件の契約金額が高いため、達成難易度が高いです。また、顧客都合に合わせるため休日・夜間対応が多く、残業が常態化しやすい傾向があります。向き不向きがあるため、自身の適性を見極めることが重要です。

Q4不動産業界のどの職種が転職しやすいのか?

A4賃貸仲介営業が最も転職しやすい職種です。未経験でも採用されやすく、令和4年度の有効求人倍率は2.93倍の売り手市場です。賃貸物件は売買物件に比べて金額が低く、契約サイクルも短いため、未経験者でも成果を出しやすい環境です。一方、不動産デベロッパーは基本的に経験者を優遇する傾向があり、未経験からの転職は難易度が高い職種です。

Q52025年の不動産業界の求人動向はどうなっているのか?

A52024年12月時点の有効求人倍率は約1.25倍で、不動産業界は慢性的な人手不足です。2024年後半~2025年初頭は求人数が減少傾向にありますが、採用難易度は引き続き高い状況です。20~30代の若手からは「ノルマが厳しい」「休日が少ない」とネガティブなイメージを持たれており、これが採用難易度を高めている一因です。最新の求人情報は、不動産キャリアや不動産ジョブなどの専門サイトでご確認ください。

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Room Match編集部

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