不動産ランキングの見方と活用法
不動産会社を選ぶ際、「どの会社が信頼できるのか」「ランキング上位の業者を選べば安心なのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、不動産会社ランキングの評価軸（売上高・顧客満足度・仲介件数）、2024年最新のランキングデータ、ランキングを活用した業者選びのポイントを、公的統計や調査機関のデータを元に解説します。
ランキングの見方を理解することで、目的に応じた不動産会社選びができるようになります。
この記事のポイント
- ランキングは評価軸（売上高・顧客満足度・仲介件数）により順位が大きく異なる
- 売上高1位は三井不動産（2.63兆円）、顧客満足度1位は住友林業ホームサービス（オリコン調査）
- 売上高上位が必ずしも顧客満足度が高いとは限らない
- ランキングは参考情報として活用し、複数社比較と個別相談が基本
- 執筆時点（2025年）のデータであり、最新情報は公式サイトで確認を推奨
不動産会社ランキングの評価軸を理解する
(1) 売上高ランキングの意味と限界
売上高ランキングは企業の事業規模を示す指標です。三井不動産のような総合デベロッパーは賃貸・開発・仲介を含む総合売上で評価されます。
ただし、売上高が高い=仲介サービスが優れているとは限りません。企業の事業内容を確認することが重要です。
(2) 顧客満足度ランキングの見方
顧客満足度ランキングは実際の利用者の評価を反映します。オリコン顧客満足度調査は売却7,364人、購入3,170人を対象に調査を実施しています。
担当者の対応、契約手続きのスムーズさ、アフターサービス等、複数の項目で評価されます。
(3) 仲介件数ランキングと実績の関係
仲介件数ランキングは実際の取引実績を示します。三井不動産リアルティは売買仲介取扱件数で37年連続1位を記録しています。
仲介実績が多い企業は取引ノウハウが蓄積されている可能性がありますが、個別の担当者の能力により対応は異なります。
売上高ランキングから見る業界勢力図
(1) 2024年の売上高トップ企業
Buffett Codeの不動産業界ランキングによると、2024年の売上高トップは以下の通りです。
| 順位 | 企業名 | 売上高（概算） |
|---|---|---|
| 1位 | 三井不動産 | 2.63兆円 |
| 2位 | 三菱地所 | 1.47兆円 |
| 3位 | オープンハウスグループ | 1.3兆円 |
| 4位 | 住友不動産 | 1.08兆円 |
（出典: Buffett Code、2024年時点）
(2) 業界勢力図の変化とオープンハウスグループの台頭
2024年にはオープンハウスグループが売上高3位に急浮上し、従来の「大手不動産5社」の勢力図に変化が生じています。
三井不動産の時価総額は前年比193%に上昇し、4.46兆円を記録しました。
(3) 大手不動産5社の現状
従来の大手不動産5社（三井不動産、三菱地所、東急不動産HD、住友不動産、野村不動産HD）は依然として業界を牽引していますが、オープンハウスグループの台頭により競争が激化しています。
顧客満足度ランキングで見る実際の評価
(1) オリコン調査による売却部門のランキング
オリコン顧客満足度調査（売却部門）では、住友林業ホームサービスが複数部門で1位を獲得しています。
調査は実際の利用者7,364人を対象に、担当者の対応、契約手続き、アフターサービス等、複数項目で評価されています。
(2) 購入部門のランキングと評価ポイント
オリコン顧客満足度調査（購入部門）では、実際の利用者3,170人を対象に調査が実施されています。
物件提案力、価格交渉、契約手続きのスムーズさ等、購入特有の評価項目が設定されています。
(3) 顧客満足度と売上高の関係
顧客満足度ランキング上位の企業が必ずしも売上高ランキング上位とは限りません。売上高は企業の事業規模、顧客満足度は実際のサービス品質を反映します。
両方の視点で比較検討することが重要です。
仲介実績ランキングと都道府県別の特徴
(1) 仲介件数37年連続1位の三井不動産リアルティ
三井不動産リアルティは売買仲介取扱件数で37年連続1位を記録しています。全国に店舗網を展開し、豊富な取引実績があります。
ただし、実績が多い=個別対応が優れているとは限りません。担当者との相性や専門性も重要です。
(2) 都道府県別の不動産店舗密度ランキング
とどランの調査によると、東京都が人口10万人あたり93.94店で不動産店舗密度1位です。大阪、京都、神奈川が続きます。
店舗密度が高い地域は選択肢が多い一方、比較検討に時間がかかる可能性があります。
(3) 地域特性と不動産会社の選び方
地方都市では地域密着型の不動産会社が地域特有の情報（学区、交通、積雪対応等）を持っている場合があります。
大手と地域密着型を組み合わせて、複数社に相談することを推奨します。
まとめ：ランキングを活用した不動産会社の選び方
不動産会社ランキングは売上高・顧客満足度・仲介件数の3つの評価軸があり、目的に応じて参考にする指標が異なります。
売上高上位が必ずしも顧客満足度が高いとは限りません。不動産流通推進センターの統計、オリコン顧客満足度調査等、複数の情報源を確認してください。
ランキングは参考情報として活用し、複数社に相談して比較検討することが基本です。宅地建物取引士や専門家への個別相談も推奨します。