不動産業者の選び方|信頼できる会社を見極める8つのポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/30

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なぜ不動産業者選びが重要なのか

不動産の売買や賃貸を検討する際、「どの業者に相談すればよいか」と迷う方は少なくありません。13万社を超える不動産業者が存在する中で、信頼できる業者を見極めることは取引の成否を左右します。

この記事では、不動産業者の種類、信頼できる業者を見極める8つのポイント、悪質業者の特徴を国土交通省の公式情報を元に解説します。

売却・購入・賃貸のいずれの場合でも、適切な業者選びができるようになります。

この記事のポイント

  • 不動産業者にはデベロッパー、販売代理会社、仲介会社、管理会社の4種類があり、目的に応じて選ぶ必要がある
  • 国土交通省の検索システムで免許番号と行政処分歴を事前確認できる
  • 免許番号のカッコ内の数字は更新回数を示し、大きいほど営業年数が長い(例:国土交通大臣免許(13))
  • 「囲い込み」「おとり物件」など悪質な手法に注意が必要
  • 複数の業者から査定や提案を取り、比較検討することが重要

不動産取引における業者の役割

不動産業者は、売主と買主、貸主と借主の間に立ち、取引の仲介や物件の販売、管理を行います。専門的な知識と経験を持ち、価格査定、契約書作成、重要事項説明、決済手続きなどを担当します。

宅地建物取引業法により、不動産業者は国土交通大臣または都道府県知事から免許を取得する義務があります。免許を持たない業者との取引は違法であり、トラブルのリスクが高まります。

業者選びが売買価格・取引期間に与える影響

業者選びは、売買価格や取引期間に直接影響します。信頼できる業者は、適正な価格査定、効果的な販売活動、スムーズな交渉により、売主にとっては高値での売却、買主にとっては適正価格での購入を実現します。

一方、悪質な業者は「囲い込み」により売却が長引いたり、「おとり物件」で無駄な時間を費やさせたりするリスクがあります。

不動産業者の種類と役割

不動産業者には大きく4つの種類があり、それぞれ役割が異なります。目的に応じて適切な業者を選ぶことが重要です。

種類 役割 主な業務
デベロッパー 開発・分譲 土地取得、建物建設、新築分譲
販売代理会社 販売受託 デベロッパーから委託された物件の販売
仲介会社 売買・賃貸仲介 売主と買主、貸主と借主の仲介
管理会社 物件管理 賃貸物件・マンションの管理

デベロッパー(開発会社)

デベロッパーは、土地を取得して建物を建設し、新築マンションや戸建てを分譲する会社です。自社で開発した物件を販売するため、物件の詳細情報に精通しています。

新築物件を購入する場合は、デベロッパーまたは販売代理会社に直接相談します。

販売代理会社

販売代理会社は、デベロッパーから販売を委託され、物件を販売する会社です。複数のデベロッパーの物件を扱っている場合もあり、比較検討がしやすい利点があります。

仲介会社

仲介会社は、売主と買主、貸主と借主の間に立って取引を仲介する会社です。中古物件の売買や賃貸物件の紹介が主な業務です。

仲介会社には大手と地域密着型があり、それぞれメリット・デメリットがあります。大手は広範囲のネットワークと豊富な実績を持ち、地域密着型は地域特性や相場に精通しています。

管理会社

管理会社は、賃貸物件やマンションの管理を行う会社です。入居者募集、家賃徴収、修繕対応、清掃などを担当します。

賃貸物件を借りる場合、管理会社が窓口となることが多いです。

信頼できる業者を見極める8つのポイント

(1) 免許番号と更新回数の確認

不動産業者は、国土交通大臣または都道府県知事から免許を取得しています。免許番号は「国土交通大臣免許(13)第○○号」や「東京都知事免許(5)第○○号」という形式です。

カッコ内の数字は更新回数を示し、5年ごとに更新されます。数字が大きいほど営業年数が長く、継続的に営業している証拠です。例えば、(13)であれば60年以上営業していることになります。

国土交通省の宅地建物取引業者検索システムで、業者の免許番号と更新回数を確認できます。

(2) 行政処分歴のチェック

宅地建物取引業法違反などで国土交通省や都道府県から行政処分(業務停止、免許取消等)を受けた業者は要注意です。

国土交通省の検索システムで、過去5年分の行政処分歴を検索できます。行政処分歴がある業者は慎重に判断する必要があります。

(3) 営業年数と実績

営業年数が長い業者は、市場の変動を経験しており、適切な価格査定や販売活動ができる可能性が高いです。ただし、営業年数だけでなく、取引実績や専門分野も確認しましょう。

新しい業者でも優良な業者は存在しますが、多くの業者が数年以内に廃業する傾向にあります。

(4) 専門分野と得意エリア

不動産業者には、マンション売買、戸建て売買、賃貸、投資用不動産など、それぞれ専門分野があります。また、特定のエリアに精通している業者もいます。

自分の目的(売却、購入、賃貸等)と物件種別、エリアに強い業者を選ぶことが重要です。

(5) 担当者の対応力とコミュニケーション

担当者の対応力とコミュニケーション能力も重要な判断材料です。以下の点を確認しましょう。

  • 質問に対して明確で丁寧な回答をするか
  • 連絡が迅速か
  • メリット・デメリットを公平に説明するか
  • 契約を急がせないか

(6) 情報提供の質と透明性

信頼できる業者は、物件情報、価格相場、取引条件を透明に提供します。以下の点を確認しましょう。

  • 査定根拠を具体的に説明するか
  • 周辺相場や市場動向のデータを提示するか
  • 契約書や重要事項説明書の内容を丁寧に説明するか

(7) 契約条件の明確さ

媒介契約(専任媒介、専属専任媒介、一般媒介)の違い、仲介手数料、契約期間、解約条件などを明確に説明する業者を選びましょう。

仲介手数料は法律で上限が定められており、売買価格が400万円超の場合、売買価格の3%+6万円+消費税です。この上限を超える請求は違法です。

(8) 口コミ・評判の確認方法

インターネット上の口コミや評判も参考になりますが、鵜呑みにせず、複数の情報源を確認しましょう。知人や家族の体験談も有益です。

ただし、口コミだけで判断せず、直接面談して担当者の対応を確認することが重要です。

注意すべき悪質業者の特徴

(1) 囲い込みとは何か

「囲い込み」とは、仲介業者が売却物件の情報を他社に公開せず、自社で買主も見つけて両手取引(売主と買主の両方から仲介手数料を受け取る)を狙う行為です。

囲い込みにより、売却が長引いたり、査定より低い価格での成約を余儀なくされるリスクがあります。

囲い込みが疑われるケース:

  • 売却が長引いている
  • 他社からの問い合わせ状況を報告しない
  • 価格を下げるよう頻繁に提案される

(2) おとり物件の見分け方

「おとり物件」とは、実際には契約できない好条件の物件を広告に掲載し、問い合わせを集める行為です。問い合わせ後、「その物件は契約済み」と言って別の物件を紹介されます。

おとり物件の特徴:

  • 相場より大幅に安い
  • 駅近・築浅など条件が良すぎる
  • 問い合わせ後すぐに「契約済み」と言われる

(3) 強引な営業や契約を急がせる業者

「今すぐ契約しないと他の人に取られる」「今月中に契約すれば割引」など、契約を急がせる業者は要注意です。

不動産取引は高額な取引であり、慎重に検討する時間が必要です。冷静に判断しましょう。

(4) 重要事項説明が不十分な業者

宅地建物取引業法により、不動産業者は契約前に「重要事項説明」を行う義務があります。重要事項説明を省略したり、形式的に済ませたりする業者は違法です。

重要事項説明では、物件の権利関係、法令上の制限、契約解除条件、手付金の扱いなどが説明されます。不明点があれば必ず質問しましょう。

複数業者を比較検討する方法

(1) 査定依頼のポイント

売却を検討する場合、複数の業者に査定を依頼しましょう。最低3社、できれば5社程度に依頼することで、適正な価格相場が把握できます。

査定時には、以下の点を確認しましょう。

  • 査定根拠(周辺相場、物件の特徴、市場動向)
  • 販売戦略(広告方法、販売期間の見通し)
  • 過去の取引実績

(2) 提案内容の比較項目

複数の業者から提案を受けた後、以下の項目を比較検討しましょう。

  • 査定価格と根拠
  • 販売戦略の具体性
  • 仲介手数料と契約形態
  • 担当者の対応力
  • 会社の実績と信頼性

(3) 仲介手数料と契約形態の確認

仲介手数料は法律で上限が定められていますが、業者によっては割引やサービス内容の違いがあります。

媒介契約には「専任媒介」「専属専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

  • 専任媒介・専属専任媒介: 1社のみに依頼、業者は積極的に販売活動を行う義務がある
  • 一般媒介: 複数社に依頼可能、競争により早期売却の可能性がある

(4) トラブル時の相談先

不動産業者とのトラブルが発生した場合、以下の相談窓口を利用できます。

  • 不動産適正取引推進機構: 無料電話相談、ADR調停(弁護士・不動産専門家による調停)
  • 都道府県の宅建協会: 各都道府県の宅地建物取引業協会
  • 消費生活センター: 消費者トラブル全般の相談窓口
  • 国土交通省・都道府県庁: 行政処分が必要な場合

不動産適正取引推進機構では、不動産取引に関する無料電話相談やADR調停サービスを提供しています。

まとめ:状況別の業者選び

不動産業者選びは、取引の成否を左右する重要な要素です。不動産業者には4つの種類があり、目的に応じて適切な業者を選ぶ必要があります。

信頼できる業者を見極めるには、免許番号と更新回数の確認、行政処分歴のチェック、営業年数と実績、専門分野と得意エリア、担当者の対応力など8つのポイントを総合的に判断しましょう。

「囲い込み」「おとり物件」など悪質な手法に注意し、複数の業者から査定や提案を取り、比較検討することが重要です。

国土交通省の宅地建物取引業者検索システムで事前に業者情報を確認し、信頼できる業者と納得のいく取引を進めましょう。

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よくある質問

Q1不動産業者の免許番号はどこで確認できる?

A1国土交通省の宅地建物取引業者検索システム(https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do)で確認できます。免許番号のカッコ内の数字は更新回数を示し、5年ごとに更新されます。数字が大きいほど営業年数が長く、例えば(13)であれば60年以上営業していることになります。行政処分歴も過去5年分検索可能です。

Q2仲介手数料の相場はどれくらい?

A2仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められており、売買価格が400万円超の場合、売買価格の3%+6万円+消費税です。例えば、売買価格が3,000万円の場合、上限は105.6万円(消費税込)です。この上限を超える請求は違法です。複数社を比較し、サービス内容と手数料のバランスを確認しましょう。

Q3複数の不動産業者に相談しても問題ない?

A3一般媒介契約であれば、複数の業者に依頼することが可能です。専任媒介契約や専属専任媒介契約は1社のみへの依頼となります。一般媒介は複数社が競争するため早期売却の可能性がありますが、専任媒介は業者が積極的に販売活動を行う義務があります。取引内容や希望条件に応じて選択しましょう。

Q4「囲い込み」とは何?どう見分ける?

A4囲い込みとは、仲介業者が売却物件の情報を他社に公開せず、自社で買主も見つけて両手取引(売主と買主の両方から仲介手数料を受け取る)を狙う行為です。売却が長引く、他社からの問い合わせ状況を報告しない、価格を下げるよう頻繁に提案されるなどが疑われる場合は要注意です。複数の業者に相談し、販売状況を確認しましょう。

Q5不動産業者とのトラブルはどこに相談すればいい?

A5不動産適正取引推進機構(https://www.retio.or.jp/consul/)では、無料電話相談やADR調停(弁護士・不動産専門家による調停)を提供しています。他にも、都道府県の宅建協会、消費生活センター等が相談窓口です。行政処分が必要な場合は国土交通省や都道府県庁へ相談しましょう。

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Room Match編集部

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