近くの不動産屋の探し方|選び方のポイントと活用方法を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/17

なぜ不動産屋選びが重要なのか

不動産の売却・購入・賃貸を検討する際、「近くの不動産屋はどうやって探すのか」「大手と地域密着型のどちらがいいのか」「信頼できる業者の見分け方は」と悩む方は少なくありません。

この記事では、近くの不動産屋の探し方、大手と地域密着型の違い、信頼できる業者の選び方、相談時の注意点を、実践的な視点から解説します。

不動産屋選びの全体像を理解し、自分に合った業者を見つけることができます。

この記事のポイント

  • Google Map、SUUMO・アットホーム等のポータルサイト、知人紹介が主な探し方
  • 大手は物件数が多く店舗が綺麗、地域密着型は独占物件を持ち地主との関係が強い
  • REINSシステムでほとんどの物件情報は共有されているため、どの不動産屋でも同じ物件を紹介可能
  • 宅地建物取引業免許番号の確認、店舗環境、口コミ評価、デメリット開示姿勢をチェック
  • 複数社に相談して対応の質を比較することが重要(仲介手数料は法定上限あり)

不動産取引は人生で最も大きな決断の一つです。信頼できる不動産屋を選ぶことで、スムーズな取引と満足度の高い結果が得られます。

一方、不適切な業者を選ぶと、おとり物件(契約済みだが広告に掲載し続ける物件)で時間を無駄にしたり、物件のデメリットを隠されて後悔したりするリスクがあります。

近くの不動産屋の探し方

近くの不動産屋を探す方法は、主に3つあります。

(1) Google Mapで検索する方法

Google Mapで「不動産屋」「不動産会社」等のキーワードで検索すると、現在地周辺の不動産屋が地図上に表示されます。

Google Map検索のメリット:

  • 現在地から近い順に表示される
  • 口コミと評価(星5段階)をチェックできる
  • 営業時間、定休日、電話番号等の基本情報を確認できる
  • ストリートビューで店舗の外観を確認できる

口コミの活用方法:

  • 星4以上の業者を候補に
  • 口コミ件数が多い(30件以上)業者は実績がある証拠
  • 悪い口コミへの返信態度を確認:誠実に対応している業者は信頼性が高い、逆ギレや無視する業者は避けるべき

(2) ポータルサイト(SUUMO、アットホーム等)を活用

不動産ポータルサイト(SUUMO、アットホーム、HOME'S等)で物件を探し、その物件を扱っている不動産会社に問い合わせる方法です。

ポータルサイト活用のメリット:

  • 気になる物件から不動産会社を見つけられる
  • 物件情報と一緒に不動産会社の情報が掲載されている
  • オンライン内覧・ビデオ通話契約に対応している業者も増加
  • 複数の業者の物件を一括で比較できる

注意点:

  • **おとり物件(契約済みだが広告に掲載)**に要注意
  • 好条件すぎる物件は実際には存在しない可能性があるため、問い合わせ時に「まだ空いているか」を確認

(3) 知人・口コミからの紹介

友人・同僚・家族等の知人から不動産屋を紹介してもらう方法です。

知人紹介のメリット:

  • 実際に利用した人の生の声を聞ける
  • 信頼性が高い(知人が推薦する業者は質が担保されている可能性が高い)
  • 紹介特典(仲介手数料割引等)がある場合がある

注意点:

  • 知人の評価が必ずしも自分に合うとは限らない
  • 複数の業者を比較せずに決めると、他の選択肢を見逃す可能性がある

大手と地域密着型の違い

不動産会社は、大手と地域密着型に大別されます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分のニーズに合った業者を選びましょう。

(1) 大手不動産会社のメリット・デメリット

大手不動産会社の例:

  • 三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル、野村の仲介+等
メリット デメリット
物件数が多い(全国ネットワーク) 地域特有の情報に弱い場合がある
店舗が綺麗で設備が充実 独占物件は少ない
オンライン対応が充実(内覧・契約) 担当者の転勤・異動が多い
ブランド力があり安心感がある 地主との個人的な関係は薄い
全国展開で転勤先でも相談可能 仲介手数料が高め(上限いっぱい)の場合が多い

向いている人:

  • 全国規模で物件を探したい方
  • オンライン対応を重視する方
  • ブランド力・安心感を求める方

(2) 地域密着型不動産会社のメリット・デメリット

地域密着型不動産会社の例:

  • 〇〇市の地域に特化した不動産会社、個人経営の不動産屋等
メリット デメリット
地域情報に詳しい(治安、買い物環境、通勤事情) 物件数は大手に比べて少ない
独占物件を持っている場合がある 店舗設備は大手に劣る場合がある
地主との関係が強い オンライン対応が不十分な場合がある
長期営業の業者は地域の信頼を得ている 営業エリアが限定的
仲介手数料の交渉に応じやすい場合がある 全国展開していない

向いている人:

  • 特定の地域に絞って物件を探している方
  • 地域の詳しい情報を知りたい方
  • 独占物件にアクセスしたい方

(3) REINSシステムと物件情報の共有

**REINS(レインズ)**とは、不動産流通標準情報システムのことで、ほとんどの物件情報が登録され、不動産会社間で共有されています。

REINSの仕組み:

  • 専属専任媒介契約・専任媒介契約で売却依頼を受けた不動産会社は、REINSへの登録義務がある
  • 登録された物件情報は、全国の不動産会社が閲覧可能
  • どの不動産屋でも同じ物件を紹介してもらえる

REINSのメリット:

  • 大手でも地域密着型でも、物件情報は共有されている
  • 「この業者にしかない物件」は少ない(一般媒介契約の物件や独占物件を除く)
  • 複数の業者に相談しても、同じ物件を紹介される可能性が高い

結論:

  • 物件そのものは大手も地域密着型も同じ情報を持っている
  • 業者選びのポイントは、物件数ではなく、サービスの質・担当者の対応・地域知識

信頼できる不動産屋の選び方

信頼できる不動産屋を見分けるための4つのチェックポイントを解説します。

(1) 宅地建物取引業免許番号の確認

不動産業を営むためには、宅地建物取引業免許が必要です。免許番号は店舗内や名刺に記載されています。

免許番号の見方:

  • 国土交通大臣免許(5)第〇〇号:( )内の数字は更新回数(5年ごとに更新)
  • 東京都知事免許(3)第〇〇号:都道府県知事免許の場合も同様

更新回数の意味:

  • (1):新規開業または更新1回目(営業歴5年未満)
  • (2)以上:長期営業の証拠(営業歴10年以上)
  • (5)以上:25年以上の実績があり信頼性が高い

確認方法:

(2) 店舗環境とスタッフ対応のチェック

店舗を訪問した際、以下のポイントをチェックしてください。

店舗環境:

  • 清潔さ・整理整頓:書類が散らかっている店舗は個人情報管理がずさんな可能性
  • プライバシー配慮:相談スペースが仕切られているか(他の客に会話が聞こえない)
  • 物件情報の掲示:最新情報が掲示されているか

スタッフ対応:

  • 迅速な対応:問い合わせへの返信が早いか(1営業日以内が目安)
  • 丁寧な説明:専門用語を分かりやすく説明してくれるか
  • 質問への回答:質問に対して誠実に答えてくれるか
  • 強引な営業がないか:契約を急かさず、検討時間を与えてくれるか

(3) 口コミ・評価の活用方法

Google Map、ポータルサイト、SNS等の口コミを活用して、業者の評判を確認してください。

口コミチェックのポイント:

  • 星評価:星4以上が目安
  • 口コミ件数:30件以上あると信頼性が高い
  • 悪い口コミへの返信:誠実に対応している業者は信頼できる、逆ギレや無視する業者は避けるべき
  • 具体的な内容:「親切でした」等の抽象的な口コミより、「物件のデメリットも正直に教えてくれた」等の具体的な口コミを重視

注意点:

  • 極端に良い口コミばかりの場合、サクラの可能性があるため注意
  • 悪い口コミが1-2件程度なら許容範囲(すべての客を満足させるのは困難)

(4) 物件のデメリット開示姿勢

信頼できる不動産屋は、物件のデメリットやリスクを正直に伝えてくれます

デメリット開示の例:

  • 「築年数が古いため修繕費用がかかる可能性があります」
  • 「駅から遠いため、車がないと不便かもしれません」
  • 「周辺に夜間営業の店舗があり、騒音が気になる場合があります」

デメリットを隠す業者の特徴:

  • メリットばかり強調し、デメリットを聞いても曖昧に答える
  • 「問題ありません」と断定的に答える
  • 契約を急かす(「今日中に決めないと他の人に取られる」等)

物件のデメリットを正直に伝えてくれる業者は、長期的な信頼関係を重視しており、契約後のトラブルを避けるために誠実に対応しています。

相談時の注意点とトラブル回避

不動産屋に相談する際の注意点とトラブル回避のポイントを解説します。

(1) 複数社への相談と比較の重要性

複数の不動産会社(3社以上)に相談し、対応の質を比較することが重要です。

複数社比較のメリット:

  • 物件の提案内容を比較できる
  • 仲介手数料や条件を比較できる
  • 担当者の対応の質を比較できる
  • REINSシステムで物件情報は共有されているため、同じ物件でも業者により提案内容が異なる場合がある

比較のポイント:

  • 物件の提案数と質
  • 担当者の知識と対応
  • 仲介手数料(上限以下で設定している業者もある)
  • アフターフォロー(契約後のサポート体制)

(2) おとり物件の見分け方

おとり物件とは、実際には契約済みだが広告に掲載し続ける物件のことで、来店を促すための悪質な手法です。

おとり物件の特徴:

  • 周辺相場より明らかに安い(家賃・価格が相場の70-80%程度)
  • 駅近・築浅・広い間取り等の好条件が揃いすぎている
  • 問い合わせると「その物件はもう埋まりました」と言われ、別の物件を勧められる

おとり物件の見分け方:

  • 問い合わせ時に「まだ空いているか」を確認
  • 広告掲載日をチェック(数ヶ月前から掲載されている物件は要注意)
  • 複数のポータルサイトで同じ物件を確認(掲載が消えていれば契約済みの可能性)

対策:

  • おとり物件を使う業者は避ける(悪質業者の可能性が高い)
  • 国土交通省や消費者庁に通報することも検討

(3) 仲介手数料の確認

仲介手数料は、不動産会社に支払う手数料で、法律で上限が定められています。

仲介手数料の上限:

  • 賃貸:家賃1ヶ月分+消費税が上限
  • 売買:物件価格の3%+6万円+消費税が上限

:

  • 家賃10万円の賃貸物件:上限11万円(10万円+消費税1万円)
  • 売却価格3,000万円の物件:上限105.6万円((3,000万円×3%+6万円)×1.1)

注意点:

  • 業者により仲介手数料が異なる場合がある(上限以下で設定している業者もある)
  • 事前に仲介手数料を確認し、複数社で比較する
  • 仲介手数料以外に「広告費」「事務手数料」等の名目で追加費用を請求する業者は要注意

(4) 重要事項説明の理解

重要事項説明は、宅建士が契約前に行う物件・契約条件の説明で、宅地建物取引業法で義務化されています。

重要事項説明の内容:

  • 物件の現状(築年数、構造、設備等)
  • 法令制限(都市計画法、建築基準法等の制限)
  • インフラ状況(水道、ガス、電気、下水道等)
  • 契約条件(契約期間、解約条件、敷金・礼金等)
  • リスク情報(ハザードマップ、周辺環境等)

重要事項説明のポイント:

  • 宅建士の資格証を確認:重要事項説明は宅建士の独占業務
  • 不明点は必ず質問:理解できないまま契約しない
  • 書面を保管:重要事項説明書は契約後もトラブル時の証拠となる

まとめ:不動産屋選びのポイント

近くの不動産屋を探す方法は、Google Map、SUUMO・アットホーム等のポータルサイト、知人紹介の3つが主な方法です。大手は物件数が多く店舗が綺麗、地域密着型は独占物件を持ち地域情報に詳しいという特徴があります。

REINSシステムでほとんどの物件情報は共有されているため、業者選びのポイントは物件数ではなく、サービスの質・担当者の対応・地域知識です。

信頼できる不動産屋を見分けるには、宅地建物取引業免許番号の確認、店舗環境とスタッフ対応のチェック、口コミ評価の活用、物件のデメリット開示姿勢を確認してください。

複数社(3社以上)に相談して対応の質を比較し、おとり物件や過剰な追加費用に注意しながら、自分に合った不動産屋を選びましょう。重要事項説明は宅建士が行う義務があり、不明点は必ず質問してください。

よくある質問

Q1近くの不動産屋はどうやって探す?

A1Google Map、SUUMO・アットホーム等のポータルサイト、知人紹介の3つが主な方法です。Google Mapは現在地から近い順に表示され、口コミと評価(星5段階)をチェックできて便利です。ポータルサイトは気になる物件から不動産会社を見つけられます。知人紹介は実際に利用した人の生の声を聞けますが、複数の業者を比較せずに決めると他の選択肢を見逃す可能性があります。

Q2複数の不動産会社に相談すべき?

A2推奨します。REINSシステムでほとんどの物件情報は共有されているため、どの不動産屋でも同じ物件を紹介可能です。複数社(3社以上)に相談して対応の質や提案内容を比較することが重要です。物件の提案数と質、担当者の知識と対応、仲介手数料、アフターフォロー等を比較してください。同じ物件でも業者により提案内容が異なる場合があります。

Q3仲介手数料はいくら?

A3法律で上限が定められています。賃貸は家賃1ヶ月分+消費税が上限、売買は物件価格の3%+6万円+消費税が上限です。例えば家賃10万円の賃貸物件なら上限11万円、売却価格3,000万円の物件なら上限105.6万円です。業者により仲介手数料が異なる場合があるため事前確認を推奨します。「広告費」「事務手数料」等の名目で追加費用を請求する業者は要注意です。

Q4宅建士がいるか確認すべき?

A4必須です。重要事項説明は宅建士の独占業務で宅地建物取引業法で義務化されています。宅地建物取引業免許番号を国土交通省の宅地建物取引業者検索システムで確認可能です。免許番号の( )内の数字は更新回数(5年ごとに更新)で、(2)以上なら長期営業の証拠(営業歴10年以上)、(5)以上なら25年以上の実績があり信頼性が高いです。行政処分歴の有無も確認してください。

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Room Match編集部

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