不動産会社レーサムとは
不動産売却・購入を検討する際、「レーサム」という会社名を見かけたものの、「どのような特徴があるのか」「信頼できる会社なのか」と疑問を持つ方は少なくありません。不動産会社は全国に約37.8万社存在し、会社選びが重要です。
この記事では、レーサムの会社概要・事業特徴・評判、メリット・デメリット、不動産会社選びの注意点を解説します。レーサムが自分に合った業者かどうか判断できる材料を提供し、複数社を比較検討するポイントを理解できるようになります。
この記事のポイント
- レーサムは1992年設立、ヒューリックグループの不動産会社で、築古物件の価値再生に特化
- 富裕層向けの収益不動産(数億〜数百億円規模)を扱い、不動産小口化商品「RAYEX」を提供(1口5,000万円から)
- 社員評価は総合4.3点(エン カイシャの評判)と3.11点(OpenWork)で評価が分かれる
- 築古物件の価値再生力とヒューリックグループの信頼性がメリットだが、一般的な不動産売買とは対象顧客層が異なる
- 不動産会社選びは複数社を比較し、おとり物件・両手仲介に警戒し、仲介手数料の妥当性を確認することが重要
1. 不動産会社レーサムとは
(1) 会社概要(1992年設立、ヒューリックグループ)
株式会社レーサムは、1992年5月1日に設立された不動産会社です。ヒューリックグループの一員として、築古物件の価値再生に特化したビジネスを展開しています。
設立以来30年以上の実績を持ち、富裕層をターゲットに数億円から数百億円規模の不動産を扱っています。
(2) 本社所在地と事業エリア
レーサムの本社は東京都千代田区に所在しています。事業エリアは主に首都圏を中心としており、大型の収益不動産を取り扱っています。
(3) 企業理念(不動産を変えるチカラ)
レーサムの企業理念は「不動産を変えるチカラ。不動産価値の本質を見極め、お客様と社会の優良資産にする。」です。
不動産というビジネスを通じて、街づくり、社会づくりに取り組むことを目指しています。
2. レーサムの事業特徴とビジネスモデル
(1) 築古物件の価値再生(築30年以上を積極購入)
レーサムの最大の特徴は、築30年以上の物件を積極的に購入し、潜在的な価値を顕在化させることです。
築古や権利関係が複雑で本来の価値が埋もれていた物件を扱い、改修・リノベーションにより価値を向上させます。
価値再生のプロセス:
- 築古物件の潜在価値を見極め
- 改修・リノベーションで物件を再生
- 収益不動産として富裕層に販売
(2) 富裕層向けの収益不動産(数億〜数百億円規模)
レーサムは、設立以来30年以上、富裕層をターゲットに数億円から数百億円規模の不動産を扱っています。
一般的な不動産売買・賃貸とは対象顧客層が異なり、高額な収益不動産を専門とする会社です。
(3) 不動産小口化商品「RAYEX」(1口5,000万円から)
レーサムは、不動産小口化商品「RAYEX」を提供しています。
RAYEXの特徴:
- 投資最低金額: 1口5,000万円
- 対象物件: 平均価格帯20〜30億円規模の不動産
- 他社の小口化商品(1口100万円から)と比べて高額で富裕層向け
高額な不動産を小口に分割して複数の投資家に販売する仕組みで、富裕層が大型不動産に投資できる商品です。
(4) 仕入れから管理までの一貫サービス
レーサムは、仕入れから販売後の管理まで一貫して行います。
サービスの流れ:
- 物件の仕入れ(築古物件の発掘)
- 改修・リノベーション
- 販売
- 販売後の物件管理
一貫したサービス体制により、投資家にとって安心感のある運用が可能です。
3. レーサムの評判と口コミ
(1) 社員評価(エン カイシャの評判:総合評価4.3点)
エン カイシャの評判によると、レーサムの総合評価は4.3点(133人の正社員の回答)で、455件の口コミが掲載されています。
高評価のポイント:
- コミュニケーションが取りやすい雰囲気
- 先輩や上司が親しみやすい
(2) 社員評価(OpenWork:総合評価3.11点)
OpenWorkによると、レーサムの総合評価は3.11点(上位21%)で、回答者は40人です。
課題のポイント:
- 人材の長期育成: 2.7点
- 人事評価の適正感: 2.7点
評価サイトにより評価が分かれており、部署や時期により異なる可能性があります。
(3) コミュニケーションが取りやすい社風
社員の口コミでは、コミュニケーションが取りやすい社風が評価されています。先輩や上司が親しみやすく、相談しやすい環境があるとの声があります。
(4) 人材育成と人事評価の課題
一方で、人材の長期育成や人事評価の適正感に課題があるとの声もあります。評価基準が不明確、キャリアパスが見えにくいといった指摘があります。
4. レーサムのメリット・デメリット
(1) メリット(築古物件の価値再生力、ヒューリックグループの信頼性)
メリット:
- 築古物件の価値再生力: 築30年以上の物件を積極的に購入し、潜在価値を顕在化させる専門性
- ヒューリックグループの信頼性: 東証プライム上場のヒューリックグループの一員として、グループの信頼性・ネットワークを活用
- 富裕層向けの専門性: 数億〜数百億円規模の収益不動産を扱う専門知識
- 一貫サービス: 仕入れから管理までの一貫対応で、投資家にとって安心感
(2) デメリット(富裕層向けで一般の不動産売買とは異なる、小口化商品は高額)
デメリット:
- 富裕層向けで一般の不動産売買とは異なる: 一般的なマンション・戸建ての売買・賃貸とは対象顧客層が異なる
- 小口化商品は高額: RAYEXは1口5,000万円からと高額で、富裕層向けの商品
- 事業エリアが限定的: 主に首都圏を中心とした事業展開
(3) 他社との比較(大手仲介会社との違い)
レーサムと大手仲介会社の違いを理解しましょう。
| 項目 | レーサム | 大手仲介会社(三井のリハウス等) |
|---|---|---|
| 対象顧客層 | 富裕層 | 一般消費者〜富裕層 |
| 物件規模 | 数億〜数百億円 | 数百万〜数億円 |
| 事業内容 | 築古物件の価値再生 | 幅広い不動産売買仲介 |
| サービス | 仕入れから管理まで一貫 | 仲介が中心 |
一般的な不動産売買・賃貸を検討している場合は、大手仲介会社も検討すべきです。
5. 不動産会社選びの注意点とレーサムが向いているケース
(1) 不動産会社選びの基本(複数社比較、レインズの活用)
不動産会社を選ぶ際は、複数社を比較することが重要です。
レインズ(不動産流通標準情報システム):
- 国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するデータベース
- 専属専任媒介・専任媒介契約の物件情報が登録される
- どの不動産会社でも同じ物件情報にアクセスできる
レインズにより、1社だけでなく複数社に相談することで、より良い条件の物件を見つけられる可能性があります。
(2) おとり物件・両手仲介の警戒
おとり物件: 実際には契約できる見込みが低いにも関わらず、魅力的な条件で広告される物件です。集客目的で使用され、来店後に別の物件を勧められます。
両手仲介: 不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を受け取る取引形態です。自社の利益が優先され、買主に不利な条件になる可能性があります。
両手仲介を狙える自社物件ばかりを提案する業者に警戒しましょう。
(3) 仲介手数料の妥当性確認
仲介手数料は、法律で上限が定められています。
仲介手数料の上限:
- 物件価格の3%+6万円+消費税
過度に高額な手数料を請求する業者には注意しましょう。また、仲介手数料以外に不明瞭な費用を請求されるケースがあるため、契約前に全費用を確認することが重要です。
(4) レーサムが向いているケース(富裕層、築古物件投資)
レーサムが向いているケースは以下の通りです。
- 富裕層で高額な収益不動産を検討している
- 築古物件の価値再生に興味がある
- 不動産小口化商品「RAYEX」への投資を検討している(1口5,000万円から)
- ヒューリックグループの信頼性を重視する
(5) 一般的な売買・賃貸は大手仲介会社も検討すべき
一般的なマンション・戸建ての売買・賃貸を検討している場合は、大手仲介会社も検討すべきです。
2024〜2025年の大手不動産会社ランキング:
- 1位: 三井のリハウス(三井不動産リアルティ)
- 2位: 東急リバブル
- 3位: 住友不動産販売
大手仲介会社は、幅広い物件を扱い、全国規模のネットワークを持っています。複数社を比較し、自分に合った業者を選びましょう。
6. まとめ:複数社比較の重要性と次のアクション
レーサムは、1992年設立のヒューリックグループの不動産会社で、築古物件の価値再生に特化し、富裕層向けの収益不動産を扱っています。
築古物件の価値再生力とヒューリックグループの信頼性がメリットですが、富裕層向けで一般的な不動産売買とは対象顧客層が異なります。
不動産会社選びは、複数社を比較し、おとり物件・両手仲介に警戒し、仲介手数料の妥当性を確認することが重要です。レインズにより、どの不動産会社でも同じ物件情報にアクセスできるため、1社だけでなく複数社に相談しましょう。
レーサムが自分に合っているかどうかは、投資目的・予算・物件種別により異なります。希望条件を丁寧に聞いてくれるか、物件のよい点だけでなく注意点も教えてくれるかを確認し、対応の誠実さやレスポンスの早さも重視しましょう。
疑問がある場合は、複数の不動産会社や専門家(宅建士、ファイナンシャルプランナー等)に相談し、客観的な意見を聞くことを推奨します。
