海外不動産投資のメリット・リスクと始め方を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/29

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海外不動産投資とは|キャピタルゲインとインカムゲインを狙う投資

海外不動産投資を検討する際、「リスクはどの程度あるのか」「どの国が有望なのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、海外不動産投資のメリット(分散投資・高利回り・資産保全)とリスク(為替・カントリーリスク・融資の困難さ)、人気投資先の比較、税制改正の影響、成功のコツを解説します。

三井住友トラスト基礎研究所の調査や東京スター銀行の公式情報を元に、初めて海外不動産投資を検討する方でも全体像を把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 海外不動産投資は、キャピタルゲイン(売却益)とインカムゲイン(家賃収入)を狙う投資で、2024年時点で日本の投資残高は22.5兆円規模
  • メリットは分散投資・高利回り・資産保全、デメリットは為替リスク・カントリーリスク・融資の困難さ
  • 理想的な自己資金は1,000万円以上、2,000万円以上で東南アジアの高級コンドミニアムが購入可能
  • 令和2年度(2020年)の税制改正により海外中古不動産の減価償却による節税策は封じられた

(1) 海外不動産投資の定義|海外の土地・建物・マンション等を投資目的で購入

海外不動産投資とは、海外の土地・建物・マンション等を投資目的で購入することです。

国内不動産投資との違いは、投資先の国の経済成長率・人口増加率・通貨価値等が投資成果に大きく影響する点です。

(2) 利益の種類|キャピタルゲイン(売却益)とインカムゲイン(家賃収入)

海外不動産投資の利益には以下の2種類があります。

利益の種類 内容 主な投資先
キャピタルゲイン 不動産価格が値上がりしたときに得られる売却益 経済成長率・人口増加率が高い国(東南アジア等)
インカムゲイン 地代収入や家賃収入による利益 安定した賃貸需要がある国(アメリカ・イギリス等)

投資目的により、キャピタルゲイン重視(成長市場)かインカムゲイン重視(安定収益)かを選択します。

(3) 市場規模|2024年時点で日本の海外不動産投資残高は22.5兆円規模

三井住友トラスト基礎研究所の調査によると、2024年時点で日本企業・投資家による海外不動産投資残高は22.5兆円規模に達しています。

内訳は以下の通りです。

  • 直接投資: 12.9兆円
  • 不動産ファンド経由の間接投資: 9.6兆円

海外不動産投資は、機関投資家だけでなく、個人投資家にも広がっています。

海外不動産投資のメリット|分散投資・高利回り・資産保全

海外不動産投資の主なメリットを解説します。

(1) 分散投資によるリスク軽減|国内不動産との相関が低い

海外不動産投資は、国内不動産との相関が低いため、分散投資によるリスク軽減効果があります。

国内不動産市場が低迷している場合でも、海外不動産市場が好調であれば、ポートフォリオ全体のリスクを抑えることができます。

(2) 経済成長と人口増加が見込まれる国での高いキャピタルゲイン

経済成長率と人口増加率が高い国(東南アジア等)では、不動産価格の上昇(キャピタルゲイン)が期待できます。

例えば、マレーシア・タイ・フィリピンでは、経済成長と人口増加により不動産需要が継続的に高まっています。

(3) 先進国での安定したインカムゲイン

先進国(アメリカ・イギリス等)では、安定した賃貸需要があり、インカムゲイン(家賃収入)が期待できます。

不動産市場が成熟しているため、価格変動は小さいですが、安定した収益が得られる可能性があります。

(4) 資産保全|自国通貨の価値下落に対するヘッジ

海外不動産投資は、自国通貨(円)の価値下落に対するヘッジとして機能します。

円安が進行した場合、海外資産の円換算価値が上昇するため、資産保全効果があります。

海外不動産投資のデメリット・リスク|為替・カントリーリスク・融資の困難さ

海外不動産投資には以下のリスクがあります。

(1) カントリーリスク|政情不安・法改正・自然災害等で不動産価値が急変

カントリーリスクとは、投資先の国の政情不安、経済不安、自然災害等により不動産価値が変動するリスクです。

具体的には以下の要因があります。

  • 政情不安・内乱・戦争: 政権交代や内乱により不動産市場が混乱
  • 法改正: 外国人の不動産所有規制、税制変更等により収益性が悪化
  • 急激なインフレ・デフレ: 経済の急変により不動産価格が急落
  • 自然災害: 地震・津波・台風等により物件が損壊

投資先の政治・経済の安定性を慎重に確認する必要があります。

(2) 為替リスク|円高時に円換算で損失になる可能性

為替リスクとは、為替レートの変動により、現地通貨で利益が出ても円換算すると損失になるリスクです。

例えば、円高が進行した場合、以下のような影響があります。

  • 購入時: 円高時は現地通貨での購入価格が抑えられる(有利)
  • 売却時: 円高時は円換算の売却益が減少する(不利)

為替動向を常に監視し、円安時に購入・円高時に売却するタイミングを見極めることが重要です。

(3) 融資の困難さ|国内金融機関で海外不動産向け融資は限られる

国内金融機関で海外不動産購入向けの融資を提供する機関は限られており、審査が厳しく金利・借入期間の条件も不利になりやすいです。

自己資金を多く準備することが推奨されます(理想は1,000万円以上)。

(4) 情報収集の難しさ|土地勘のなさ、言語の壁

国内不動産投資と比べて、海外不動産投資は以下の理由で情報収集が困難です。

  • 土地勘のなさ: 現地の地理・交通・治安等の情報が不足
  • 言語の壁: 契約書・法律文書等が現地語で記載されている
  • 法制度の違い: 不動産取引の慣習・法律が日本と異なる

現地の専門家(税理士・弁護士・通訳等)のサポートを得ることが重要です。

(5) 詐欺まがいの販売業者の存在

武蔵コーポレーションの記事によると、海外不動産投資には詐欺まがいの販売業者が存在するため、信頼できる業者選びが重要です。

大手不動産会社や実績のある専門業者を選び、契約前に第三者(弁護士等)のチェックを受けることを推奨します。

海外不動産投資の始め方と手続き|必要資金・投資先の選び方

海外不動産投資を始めるための具体的な手順を解説します。

(1) 必要資金|1,000万円以上が理想、2,000万円以上で高級コンドミニアムが購入可能

海外不動産投資を始める理想的な自己資金は1,000万円以上です。

2,000万円以上あれば、東南アジアの高級コンドミニアムが購入可能です。

国内金融機関での融資が困難なため、自己資金を多く準備することが現実的です。

(2) 投資先の選び方|経済成長率と人口増加率が高い国を選ぶ

投資先を選ぶ際は、以下の指標を確認しましょう。

指標 重要度 理由
経済成長率 GDP成長率が高い国は不動産価格の上昇が期待できる
人口増加率 人口増加により不動産需要が継続的に高まる
政治の安定性 政情不安はカントリーリスクの主要因
法制度の透明性 外国人の不動産所有規制、税制の公平性が重要

(3) 人気投資先の比較|アメリカ・イギリス(先進国)vs 東南アジア(マレーシア・タイ・フィリピン)

人気投資先を比較します。

地域 主な国 メリット デメリット
先進国 アメリカ・イギリス 安定したインカムゲイン、法制度が透明 物件価格が高額、キャピタルゲインは限定的
東南アジア マレーシア・タイ・フィリピン 高いキャピタルゲイン、物件価格が手頃 カントリーリスクが高い、法制度の不透明さ

投資目的(安定収益 vs 高成長)により選択基準が異なります。

(4) 現地専門家のサポート|通訳・税理士・弁護士への相談が必須

言語の違いから契約交渉が困難になるため、現地の専門家や通訳のサポートを得ることが重要です。

以下の専門家への相談を推奨します。

  • 税理士: 日本の税金(所得税・住民税・譲渡所得税)と現地税制の両方に詳しい専門家
  • 弁護士: 現地の不動産取引法・契約書のチェック
  • 通訳: 契約交渉時の言語サポート
  • 国際不動産コンサルタント: 投資先選定・物件選定のアドバイス

税制改正と法的注意点|2020年の節税封じと最新税務対応

海外不動産投資の税制について解説します。

(1) 令和2年度(2020年)税制改正|海外中古不動産の減価償却による節税が封じられた

名古屋税理士会の解説によると、令和2年度(2020年)の税制改正により、海外中古不動産を使った減価償却による大幅な節税策が封じられました。

従来は、海外中古不動産の耐用年数が短く設定されることで、大きな減価償却費を計上して所得税を圧縮できましたが、この手法は使えなくなっています。

(2) 税務対応の最新情報|専門家(税理士)への相談が必須

税制改正後の対応策は複雑なため、専門家(税理士)への相談が必須です。

特に以下の点を確認しましょう。

  • 海外不動産からの利益にかかる日本の税金(所得税・住民税)
  • 現地の税金(所得税・固定資産税・譲渡所得税等)
  • 二重課税の回避(租税条約の活用)

(3) 日本の税金との関係|所得税・住民税・譲渡所得税の扱い

日本の居住者は全世界所得課税のため、海外不動産からの利益も日本で所得税・住民税が課税されます。

以下の税金がかかります。

税金の種類 課税対象 税率
所得税・住民税 家賃収入(インカムゲイン) 累進課税(最高55%)
譲渡所得税 売却益(キャピタルゲイン) 短期39.63%(所得税30.63%+住民税9%)、長期20.315%(所得税15.315%+住民税5%)

現地でも税金がかかる場合は、租税条約により二重課税を回避できる場合があります。

(4) 現地の法律・税制の調査

現地の法律や税制、取引慣習を事前に調査し、専門家(税理士、弁護士等)に相談することが推奨されます。

特に以下の点を確認しましょう。

  • 外国人の不動産所有規制(所有権 vs 借地権)
  • 固定資産税・譲渡所得税の税率
  • 不動産取引の慣習(仲介手数料、登記手続き等)

まとめ|海外不動産投資の成功のコツとリスク管理

海外不動産投資は、分散投資・高利回り・資産保全のメリットがありますが、為替リスク・カントリーリスク・融資の困難さ等のリスクもあります。理想的な自己資金は1,000万円以上で、2,000万円以上あれば東南アジアの高級コンドミニアムが購入可能です。

令和2年度(2020年)の税制改正により海外中古不動産の減価償却による節税策は封じられたため、税務対応は専門家(税理士)に相談することを強く推奨します。

(1) 成功のコツ|経済成長率と人口増加率が高い国を選ぶ、現地専門家のサポートを得る

海外不動産投資の成功のコツは以下の通りです。

  • 経済成長率と人口増加率が高い国を選ぶ: 不動産価格の上昇(キャピタルゲイン)が期待できる
  • 現地専門家のサポートを得る: 税理士・弁護士・通訳・国際不動産コンサルタント等への相談
  • 為替動向を監視する: 円安時に購入・円高時に売却するタイミングを見極める

(2) リスク管理|為替動向の監視、カントリーリスクの慎重な評価

リスク管理のポイントは以下の通りです。

  • 為替動向の監視: 為替リスクを軽減するため、円安・円高のタイミングを見極める
  • カントリーリスクの慎重な評価: 政治の安定性、経済の安定性、法制度の透明性を確認
  • 詐欺業者の回避: 大手不動産会社や実績のある専門業者を選ぶ

(3) 専門家への相談|税理士・国際不動産コンサルタント等への相談を推奨

海外不動産投資は複雑なため、以下の専門家への相談を強く推奨します。

  • 税理士: 日本の税金と現地税制の両方に詳しい専門家
  • 国際不動産コンサルタント: 投資先選定・物件選定のアドバイス
  • 弁護士: 現地の不動産取引法・契約書のチェック

慎重にリスクを評価し、専門家のサポートを得ながら、自分に合った投資先を選びましょう。

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よくある質問

Q1海外不動産投資でどの国が人気ですか?

A1先進国ではアメリカ・イギリスが安定したインカムゲイン(家賃収入)を期待できます。東南アジアではマレーシア・タイ・フィリピンが経済成長と人口増加によるキャピタルゲイン(売却益)が期待できます。投資目的(安定収益 vs 高成長)により選択基準が異なります。

Q2海外不動産投資のリスクは何ですか?

A2カントリーリスク(政情不安・法改正・自然災害)、為替リスク(円高時に円換算で損失)、融資の困難さ(国内金融機関で融資が限られる)、情報収集の難しさ(土地勘のなさ、言語の壁)、詐欺まがいの販売業者の存在等があります。投資先の政治・経済の安定性を慎重に確認し、専門家(税理士・弁護士等)への相談が必須です。

Q3海外不動産投資で得た利益にかかる税金はどうなりますか?

A3日本の居住者は全世界所得課税のため、海外不動産からの利益も日本で所得税・住民税が課税されます。令和2年度(2020年)の税制改正により、海外中古不動産の減価償却による節税策は封じられました。税務対応は専門家(税理士)に相談することを強く推奨します。

Q4海外不動産投資を始めるにはいくらの資金が必要ですか?

A4理想的な自己資金は1,000万円以上で、2,000万円以上あれば東南アジアの高級コンドミニアムが購入可能です。国内金融機関で海外不動産向け融資を提供する機関は限られており、審査が厳しく金利・借入期間の条件も不利になりやすいため、自己資金を多く準備することが推奨されます。

Q5海外不動産投資でローンは使えますか?

A5国内金融機関で海外不動産購入向けの融資を提供する機関は限られており、審査が厳しく金利・借入期間の条件も不利になりやすいです。一部の金融機関では対応していますが、自己資金を多く準備することが現実的です。融資を検討する場合は、複数の金融機関に相談しましょう。

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Room Match編集部

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