大阪の八の字マンションとは?独特な建築デザインと住環境

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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大阪の「八の字マンション」(ハの字マンション)とは

大阪市内で「八の字マンション」または「ハの字マンション」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、大阪市城東区にある2棟のマンションが、建物の傾きにより「ハの字」(V字型)に接触している非常に特殊な事例です。

この記事では、八の字マンションの基本情報、傾きの原因、危険性、そして中古マンション購入時に注意すべきポイントを解説します。建築物としての特異性と、実際のマンション選びに役立つ知識をバランスよく提供します。

この記事のポイント

  • 八の字マンションは、大阪市城東区野江地区にある2棟のマンションが不同沈下により傾いて接触している事例
  • 傾斜の原因は「不同沈下」(地盤の不均等な沈下)であり、専門家が倒壊の危険性を指摘
  • 中古マンション購入時は、地盤調査や建物の傾き確認が重要
  • 築30年以上の築古マンションは、地盤調査が不十分だった時代に建設されたものも多く注意が必要
  • 大阪市内のマンション価格は2025年時点で高水準を維持しているが、購入時は専門家への相談が推奨される

(1) 「八の字マンション」の名称の由来

「八の字マンション」(ハの字マンション)という名称は、2棟のマンションが傾いて接触している様子が「ハの字」(V字型)に見えることに由来します。正式な建物名は「野江1番館」と「野江2番館」ですが、2021年にYahoo!ニュース等で報道されて以降、「八の字マンション」「ハの字マンション」として広く知られるようになりました。

(2) どのような建物か(2棟が傾いて接触)

八の字マンションは、隣接する2棟のマンション(野江1番館・2番館)が、それぞれ反対方向に傾き、上階部分で接触している状態です。南側の建物(野江1番館)は北側に、北側の建物(野江2番館)は南側に傾斜しています。

防災不動産鑑定士のつぶやきによると、具体的な傾斜の数値は以下の通りです。

建物 傾斜方向 傾斜の度合い
野江1番館(南側) 北側に傾斜 最大1mあたり15.6mm
野江2番館(北側) 南側に傾斜 最大1mあたり9.3mm

(出典: 防災不動産鑑定士のつぶやき

(3) なぜ注目されたか(報道の経緯)

八の字マンションは、2021年に複数のメディアで取り上げられ、一躍話題になりました。マンション情報お役立ちブログでは、「8年間放置され、倒壊の危険性が指摘されている」と報じられ、建物の安全性が問題視されました。

八の字マンションの基本情報と建物概要

(1) 所在地とアクセス(JR野江駅周辺)

八の字マンションの所在地と最寄り駅は以下の通りです。

建物名 住所 最寄り駅
野江1番館 大阪府大阪市城東区野江3-27-8 JR野江駅から約100m南西
野江2番館 大阪府大阪市城東区野江3-27-7 JR野江駅から約100m南西

(出典: Herb labo

(2) 建物の詳細(築年数・構造・規模)

八の字マンションの建物詳細は以下の通りです。

項目 内容
建設年 1986年(昭和61年)
築年数 30年超(2025年時点で築39年)
構造 鉄骨造
階数 5階建て
戸数 50~60戸
専有面積 10~20平方メートル
用途 賃貸マンション

(出典: 防災不動産鑑定士のつぶやき

(3) 家賃相場と入居状況

いろまと@最新ニュースによると、八の字マンションの家賃相場は約2万~4万円で、報道された当時(2021年)は入居者が存在していました。しかし、建物の倒壊リスクを考慮すると、現在の入居状況は不明です。

不同沈下とは:傾きの原因と仕組み

(1) 不同沈下の定義

不同沈下とは、建物の地盤が不均等に沈み込む現象です。地盤の強度が場所によって異なる場合や、地下水位の変動、隣接工事の影響などで発生し、建物の傾きや亀裂の原因となります。

不同沈下が発生すると、建物全体の構造に影響を及ぼし、最悪の場合は倒壊のリスクが高まります。

(2) 八の字マンションの傾斜の具体的な数値

八の字マンションの傾斜の具体的な数値は、前述の通り以下の通りです。

  • 野江1番館(南側): 北側に最大1mあたり15.6mm傾斜
  • 野江2番館(北側): 南側に最大1mあたり9.3mm傾斜

1mあたり6mm以上の傾斜は「人が体感できるレベル」とされており、15.6mmという数値は非常に大きな傾斜です。

(3) なぜ不同沈下が発生したのか

不同沈下の原因は複数考えられますが、主に以下の要因が挙げられます。

  • 地盤の強度の差: 建物の下の地盤が場所によって強度が異なる
  • 地下水位の変動: 地下水の汲み上げや降雨による地下水位の変化
  • 隣接工事の影響: 周辺での大規模工事による地盤への影響
  • 建物の荷重の偏り: 建物の重さが均等にかかっていない

八の字マンションの具体的な原因は公式に明らかにされていませんが、築30年超の建物であることから、地盤調査が不十分だった時代に建設された可能性があります。

八の字マンションの危険性と現状

(1) 専門家が指摘する倒壊リスク

マンション情報お役立ちブログでは、専門家が八の字マンションの倒壊リスクを指摘しています。建物が傾いて接触している状態は、構造的に非常に不安定であり、地震や台風などの自然災害が発生した場合、倒壊する可能性があります。

(2) 8年間放置された経緯

八の字マンションは、2021年の報道時点で「8年間放置されている」と報じられました。建物の所有者や管理会社による対応が遅れた背景には、修繕費用の高額さや、入居者の退去に伴う損失などが考えられます。

(3) 現在の状況

2025年時点での八の字マンションの現状については、公式な情報が限られています。建物の解体や修繕が行われたかどうかは不明ですが、倒壊リスクを考慮すると、居住は非常に危険です。

中古マンション購入時の地盤・構造チェックポイント

八の字マンションのような特殊事例から学ぶべきポイントは、中古マンション購入時の地盤・構造チェックです。以下のポイントを確認することで、リスクを抑えられます。

(1) 地盤調査の重要性

中古マンション購入時は、専門家(不動産鑑定士や建築士)による地盤調査を依頼することが重要です。地盤の強度や不同沈下の有無を確認し、建物の安全性を判断します。

(2) 建物の傾きや亀裂の確認方法

建物の傾きや亀裂は、以下の方法で確認できます。

  • 目視確認: 壁や床の亀裂、ドアや窓の開閉不良
  • 水平器の使用: 床の傾きを測定
  • 専門家の診断: 不動産鑑定士や建築士による詳細な調査

(3) 管理状況・修繕履歴の確認

マンション選びでは、建物の管理状況や修繕履歴を必ず確認することが重要です。管理組合の運営状態や、過去の大規模修繕の実施状況をチェックします。

(4) 築古マンション購入時の注意点

築30年以上の築古マンションを購入する場合は、以下の点に注意が必要です。

  • 地盤調査が不十分な時代に建設された可能性: 1980年代以前の建物は、地盤調査の基準が現在より緩やかだった
  • 不同沈下のリスク: 地盤の沈下が進行している可能性
  • 修繕費用の高額化: 築古マンションは大規模修繕の頻度が高まり、修繕積立金が上昇する可能性

まとめ:特殊事例から学ぶマンション選びの注意点

大阪の「八の字マンション」(ハの字マンション)は、不同沈下により2棟のマンションが傾いて接触している非常に特殊な事例です。専門家が倒壊の危険性を指摘しており、築古マンション購入時の地盤・構造チェックの重要性を改めて示しています。

中古マンション購入時は、専門家による地盤調査や建物の傾き確認を行い、管理状況・修繕履歴を必ず確認することが重要です。特に築30年以上の築古マンションは、地盤調査が不十分だった時代に建設されたものも多いため、注意が必要です。

信頼できる不動産会社や建築士に相談しながら、安全で長く住めるマンションを選びましょう。

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よくある質問

Q1大阪の「八の字マンション」はどこにあるか?

A1大阪市城東区野江3丁目にある野江1番館(3-27-8)と野江2番館(3-27-7)です。JR野江駅から約100m南西の位置にあり、2棟のマンションが「ハの字」(V字型)に傾いて接触している状態です。1986年(昭和61年)に建設された築30年超の5階建て鉄骨造賃貸マンションで、専門家が倒壊の危険性を指摘しています。

Q2不同沈下とはどのような現象か?

A2不同沈下とは、建物の地盤が不均等に沈み込む現象です。地盤の強度が場所によって異なる場合や、地下水位の変動、隣接工事の影響などで発生し、建物の傾きや亀裂の原因となります。八の字マンションでは、南側の建物が北側に最大1mあたり15.6mm、北側の建物が南側に最大1mあたり9.3mm傾斜しており、建物全体の構造に影響を及ぼしています。

Q3中古マンション購入時に地盤をチェックする方法は?

A3専門家(不動産鑑定士や建築士)による地盤調査を依頼し、建物の傾きや亀裂の有無を確認することが重要です。具体的には、壁や床の亀裂、ドアや窓の開閉不良を目視確認し、水平器で床の傾きを測定します。特に築30年以上の築古マンションは地盤調査が不十分だった時代に建設されたものも多いため、専門家の詳細な調査が推奨されます。

Q4築古マンション購入時の注意点は?

A4築30年以上の築古マンションを購入する場合、1980年代以前の建物は地盤調査の基準が現在より緩やかだったため、不同沈下のリスクが高まる可能性があります。また、大規模修繕の頻度が高まり、修繕積立金が上昇する可能性も考慮する必要があります。購入前には、管理状況や修繕履歴を必ず確認し、専門家による建物診断を受けることが推奨されます。

Q5大阪市内のマンション価格相場は?

A52025年時点で大阪市内の中古マンション平均成約価格は26.97万円/㎡です。北区は坪単価102万円、福島区は76万円とトップクラスの価格帯です。2024年3月にピークを迎え、現在も高水準を維持していますが、2025年万博後には価格下落のリスクも指摘されています。購入時は、長期的な市場動向を考慮し、専門家への相談が推奨されます。

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Room Match編集部

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