温泉付き戸建てを格安で購入する方法:1円物件の実態とリスク

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/13

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温泉付き戸建てを格安で購入する方法:1円物件の実態とリスク

温泉付き戸建てや格安物件(1円物件含む)に興味がある方にとって、「本当に1円で購入できるのか」「維持費やリフォーム費用はどれくらいかかるのか」は大きな疑問です。2024年4月時点で全国972件の無償譲渡物件が掲載されており、温泉付き物件も含まれています。しかし、購入価格が1円でも、総費用は数百万円に達するケースがあります。

この記事では、1円物件・格安物件の実態、温泉付き戸建ての探し方、購入時の隠れたコスト、リスクと注意点を、国土交通省の空き家対策情報を元に解説します。

初めて格安物件の購入を検討する方でも、リスクを理解し、無理のない資金計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 1円物件でも購入後の税金・手続き費用で約30万円、リフォーム費用は数十万円~数百万円必要
  • 所有者が管理費・固定資産税・温泉使用料の負担を回避するため、無償譲渡している
  • 温泉付き物件の維持費は月額数千円~の温泉使用料、年間10万円程度の別荘管理費が発生
  • 築30年以上の老朽化物件が多く、シロアリ被害・雨漏り・傾きなどの隠れた欠陥がある可能性が高い
  • 2024年4月時点で全国972件、関東242件の無償譲渡物件が掲載

なぜ温泉付き戸建てが1円で売られているのか:格安物件の背景

所有者が管理費・固定資産税を回避するための無償譲渡

温泉付き戸建てが1円で売られる最大の理由は、所有者が管理費・固定資産税・温泉使用料などの継続的な負担を回避するためです。別荘地の物件は年間数十万円の維持費がかかり、使用頻度が低い場合は「売却価格を下げてでも手放したい」と考える所有者が多くなります。

別荘地の過疎化・維持費負担の増大

別荘地は高度経済成長期に開発されましたが、現在は過疎化が進み、管理費の負担が増大しています。温泉付き物件は特に維持費が高額で、配管・ポンプのメンテナンス費用も必要です。

温泉付き物件特有の維持コスト:配管・ポンプのメンテナンス

温泉付き物件は、温泉権(温泉を利用する権利)の購入費用、月額数千円~の温泉使用料、配管・ポンプのメンテナンス費用が発生します。源泉所有型の場合、初期費用100万円程度(温泉権購入・設備更新時)が必要になる場合もあります。

1円物件・格安物件の実態と市場動向:2024年最新データ

2024年4月時点の供給状況:全国972件、関東242件

2024年4月時点で「みんなの0円物件」に全国972件、関東242件の無償譲渡物件が掲載されています。所有者が管理費・固定資産税を回避するため、無償譲渡する物件が増加しています。

主要な立地エリア:東京都多摩地域、千葉県外房・南房総、埼玉県秩父

1円物件は交通アクセスが悪い山間部、過疎化が進む地域、リゾート地の別荘地に多く存在します。関東エリアでは以下の地域に集中しています。

地域 特徴
東京都多摩地域 都心から離れた山間部
千葉県外房・南房総 海沿いの別荘地
埼玉県秩父 山間部の別荘地

物件の特徴:築30年以上が大半、交通アクセスが悪い立地

1円物件は築30年以上の老朽化物件が大半で、シロアリ被害・雨漏り・傾きなどの隠れた欠陥がある可能性が高いです。交通アクセスが悪く、スーパーが遠い、崖の麓など災害リスクがある場所に位置する物件も多くあります。

実例紹介:静岡県東伊豆町の温泉付き別荘(3LDK+地下倉庫)

実際の1円物件の事例として、静岡県東伊豆町の温泉付き別荘(3LDK+地下倉庫)があります。この物件は、所有者が購入時700万円、リフォーム600万円を投じた物件で、25年間愛用した後、1円で譲渡されています。

温泉付き戸建て・格安物件の探し方:空き家バンク活用術

主要な探し方・サイト:みんなの0円物件、空き家ゲートウェイ、LIFULL HOME'S 空き家バンク、アットホーム 空き家バンク

1円物件・格安物件を探す場合、以下の専門サイトを活用しましょう。

自治体の空き家バンクの活用方法

地方自治体が運営する空き家バンクも活用しましょう。自治体によっては、空き家購入・リノベーションに対する補助金制度を提供しており、初期費用を軽減できます。

温泉付き物件の探し方:源泉所有型vs引湯型の違い

温泉付き物件には、源泉所有型と引湯型があります。

種類 特徴 費用
源泉所有型 自分で源泉を所有 初期費用100万円程度、維持費高め
引湯型 共同源泉から引湯 月額数千円~の温泉使用料

補助金制度の活用:空き家購入・リノベーション補助金

地方自治体が空き家購入・リノベーションに対する補助金制度を拡充しており、初期費用を軽減できます。補助金の有無は自治体により異なるため、購入前に確認しましょう。

購入時の隠れたコスト:リフォーム費・維持費・税金の実態

購入時の諸費用:不動産取得税・登録免許税で約30万円

国税庁によると、1円物件でも以下の税金・手続き費用が発生します。

項目 金額目安
不動産取得税 固定資産税評価額の3%(軽減措置あり)
登録免許税 固定資産税評価額の2%
司法書士費用 5~10万円
合計 約30万円

リフォーム費用:数十万円~数百万円(老朽化の程度による)

築30年以上の老朽化物件は、大規模リフォームが前提です。リフォーム費用は物件の状態により数十万円~数百万円に達します。

リフォーム内容 費用目安
水回り(キッチン・浴室・トイレ) 50~200万円
外壁・屋根 100~300万円
内装全体 50~150万円
シロアリ駆除・雨漏り修理 30~100万円

継続的な維持費:固定資産税・温泉使用料(月額数千円~)・別荘管理費(年間10万円程度)

1円物件でも、以下の継続的な維持費が発生します。

項目 金額目安
固定資産税 年間数万円~数十万円
温泉使用料 月額数千円~
別荘管理費 年間10万円程度

温泉設備の維持コスト:配管・ポンプのメンテナンス、初期費用100万円

温泉設備は配管・ポンプのメンテナンス費用が発生します。源泉所有型の場合、初期費用100万円程度(温泉権購入・設備更新時)が必要になる場合もあります。

総費用の試算例:1円物件でも総額数百万円になるケース

1円物件の総費用の試算例は以下の通りです。

項目 金額
購入価格 1円
諸費用(税金・手続き費用) 30万円
リフォーム費用 200万円
初年度維持費 20万円
合計 約250万円

1円物件のリスクと注意点:老朽化・立地・法規制を徹底解説

建物の老朽化リスク:シロアリ被害・雨漏り・傾きなどの隠れた欠陥

築30年以上の老朽化物件は、シロアリ被害・雨漏り・傾きなどの隠れた欠陥がある可能性が高いです。購入前にホームインスペクション(建物状況調査)を実施し、欠陥の有無を確認しましょう。

立地条件のリスク:交通アクセスが悪い、スーパーが遠い、崖の麓など災害リスク

1円物件は立地条件が悪く、交通アクセスが悪い、スーパーが遠い、崖の麓など災害リスクがある場所に位置する物件が多いです。購入前に周辺環境を確認し、日常生活が不便でないかをチェックしましょう。

法規制のリスク:建築基準法違反(建ぺい率・容積率超過)、再建築不可(接道2m未満)

格安物件は、建築基準法違反(建ぺい率・容積率超過)や再建築不可(接道2m未満)の物件も含まれます。再建築不可の場合、建物を取り壊すと新たに建築できないため、購入前に必ず確認しましょう。

ホームインスペクション(建物状況調査)の実施

購入前にホームインスペクション(建物状況調査)を実施し、建物の劣化状況・欠陥の有無を専門家(建築士等)に調査してもらうことを強く推奨します。

瑕疵保険の加入検討

瑕疵保険(建物の欠陥を補償する保険)の加入を検討しましょう。購入後に発覚した欠陥のリスクを軽減できます。

まとめ:成功するためのチェックリストと専門家への相談

温泉付き戸建て・格安物件(1円物件)は、購入価格が1円でも、購入後の税金・手続き費用で約30万円、リフォーム費用は数十万円~数百万円必要です。温泉付き物件の維持費は月額数千円~の温泉使用料、年間10万円程度の別荘管理費が発生します。

築30年以上の老朽化物件が多く、シロアリ被害・雨漏り・傾きなどの隠れた欠陥がある可能性が高いため、購入前にホームインスペクション(建物状況調査)を実施しましょう。立地条件も確認し、交通アクセス・災害リスク・日常生活の利便性を総合的に判断してください。

まずは「みんなの0円物件」「アットホーム 空き家バンク」等で物件を検索し、気になる物件があれば現地見学を予約しましょう。宅建士・建築士・税理士などの専門家に相談しながら、無理のない資金計画を立て、リスクを理解した上で購入を検討してください。

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よくある質問

Q11円物件は本当に1円だけで購入できますか?

A1購入価格は1円ですが、購入後の税金・手続き費用(不動産取得税・登録免許税・司法書士費用)で約30万円、リフォーム費用は数十万円~数百万円必要です。固定資産税・温泉使用料などの継続的な維持費も年間数十万円かかる場合があり、総費用は数百万円に達します。詳細は国税庁の公式サイトや専門家にご確認ください。

Q2なぜ温泉付き戸建てが1円で売られているのですか?

A2所有者が管理費・固定資産税・温泉使用料などの継続的な負担を回避するためです。別荘地の過疎化により維持費負担が増大し、温泉設備の配管・ポンプのメンテナンス費用も高額になるため、無償譲渡する方が得策と判断されます。年間数十万円の維持費を回避するため、売却価格を下げてでも手放したいと考える所有者が多くなっています。

Q3温泉付き物件の維持費はどのくらいかかりますか?

A3月額数千円~の温泉使用料、年間10万円程度の別荘管理費、配管・ポンプのメンテナンス費用が発生します。源泉所有型の場合、初期費用100万円程度(温泉権購入・設備更新時)が必要になる場合もあります。引湯型は月額数千円~の温泉使用料のみで比較的安価ですが、源泉所有型は維持費が高額になる傾向があります。

Q41円物件はすぐに住めますか?

A4築30年以上の老朽化物件が多く、シロアリ被害・雨漏り・傾きなどの欠陥があり、即入居できないケースが大半です。大規模リフォーム(数百万円)が前提です。購入前にホームインスペクション(建物状況調査)を実施し、建物の劣化状況・欠陥の有無を専門家(建築士等)に調査してもらうことを強く推奨します。瑕疵保険の加入も検討しましょう。

Q5どのような地域に1円物件が多いですか?

A5交通アクセスが悪い山間部、過疎化が進む地域、リゾート地の別荘地に多く存在します。関東エリアでは東京都多摩地域、千葉県外房・南房総エリア、埼玉県秩父エリアに集中しています。立地条件が悪く、スーパーが遠い、崖の麓など災害リスクがある場所に位置する物件も多いため、購入前に周辺環境を確認し、日常生活が不便でないかをチェックしましょう。

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Room Match編集部

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