海の見える土地の購入・売却ガイド:価格相場と注意点

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/22

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海の見える土地の魅力:オーシャンビューの価値とライフスタイル

海の見える土地を購入して、リタイア後のセカンドハウスや週末の別荘として活用したい、と考える方は少なくありません。しかし、「実際の価格相場はいくらなのか」「塩害や災害リスクはどの程度か」「購入時に気をつけるべきことは何か」と不安に感じる方も多いでしょう。

この記事では、海の見える土地の魅力・価格相場・エリア選び・購入時の注意点・売却のポイントを、専門家の意見と公的データを元に解説します。

初めて海沿いの土地購入を検討する方でも、後悔しない判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • 海の見える土地は湘南エリアで坪単価100万円以上、地方では30〜50万円程度と価格差が大きい
  • 塩害により建物・車の劣化が早まり、メンテナンスコストが増加する点に注意が必要
  • 津波・高潮リスクは国土交通省ハザードマップで必ず確認し、標高の高い土地を選ぶことが重要
  • 眺望の永続性は法的に保証されないため、周辺の用途地域や開発計画を事前確認することを推奨
  • 売却時はオーシャンビューの価値をアピールし、専門の不動産会社に相談することが有効

(1) リタイア後のセカンドハウス、週末の別荘としての魅力

海の見える土地の最大の魅力は、リゾート感覚の生活が送れることです。

海の見える土地のメリット

  • オーシャンビューの眺望: 毎日海を眺める贅沢な暮らし
  • リゾート感覚: 週末や休暇を自宅でリゾート気分で過ごせる
  • リタイア後のゆとり: 海辺でゆったりとした時間を過ごす
  • 海へのアクセス: 散歩、サーフィン、釣り等のマリンレジャーを気軽に楽しめる

リタイア後のセカンドハウスや週末の別荘として、海の見える土地は理想的な選択肢の一つです。

(2) 海へのアクセスの良さ、リゾート感覚の生活

海沿いの土地は、海へのアクセスが良好で、マリンレジャーを日常的に楽しめます。

海沿いの生活の特徴

  • 散歩・ジョギング: 海岸沿いの散歩道でリフレッシュ
  • マリンスポーツ: サーフィン・ヨット・釣り等を自宅近くで楽しめる
  • 観光地: 海水浴場・温泉・リゾート施設が近くにある場合が多い

海の見える土地は、単なる住宅地としてではなく、ライフスタイルを豊かにする場所として価値があります。

海の見える土地の価格相場:エリア別の目安と予算計画

(1) 湘南エリア(神奈川県)の価格帯

湘南エリア(神奈川県)は海の見える土地として最も人気が高く、価格も高額です。

湘南エリアの価格相場

  • 坪単価: 100万円〜300万円程度
  • 100㎡(約30坪)の土地: 3,000万円〜9,000万円程度
  • エリア: 鎌倉・逗子・葉山・茅ヶ崎・藤沢等

湘南エリアは都心からのアクセスが良好(東京駅から約1時間)で、高級住宅地として確立しているため、価格は高めです。

(2) 三浦エリア、伊豆エリア、千葉県、沖縄県の価格帯

湘南以外のエリアでは、比較的リーズナブルな価格で海の見える土地を購入できます。

エリア別の価格相場

エリア 坪単価 100㎡の土地購入費用 特徴
三浦半島(神奈川県) 50万円〜80万円 1,500万円〜2,400万円 東京から約2時間、マグロで有名
伊豆(静岡県) 40万円〜70万円 1,200万円〜2,100万円 温泉地、観光資源豊富
千葉県(南房総・外房) 30万円〜50万円 900万円〜1,500万円 東京から約2時間、リゾート地
三重県(伊勢志摩等) 30万円〜50万円 900万円〜1,500万円 田舎暮らし向け
沖縄県 40万円〜60万円 1,200万円〜1,800万円 亜熱帯気候、観光地

エリアにより価格差が大きいため、予算と希望する生活スタイルに応じて選ぶことが重要です。

(3) 田舎暮らし物件・空き家バンクの活用

地方移住や田舎暮らしを検討する場合、空き家バンクの活用がおすすめです。

空き家バンクの活用

  • 全国で200件以上の「海の見える物件」が登録されている(2025年時点)
  • 価格: 100万円〜1,000万円程度の格安物件も
  • エリア: 三重県・和歌山県・高知県・長崎県・鹿児島県等

空き家バンクは自治体が運営しており、移住支援金リフォーム補助金が利用できる場合があります。詳細は各自治体の公式サイトでご確認ください。

海の見える土地のエリア選び:高台・海岸沿い・湘南・沖縄などの特徴

(1) 高台vs海岸沿いの違い(津波リスク・眺望)

海の見える土地は、高台海岸沿いの2つのタイプに大別されます。

高台の特徴

  • メリット: 津波・高潮リスクが低い、眺望が良好、塩害が比較的軽微
  • デメリット: 海へのアクセスがやや遠い、坂道が多い

海岸沿いの特徴

  • メリット: 海へのアクセスが良好、波の音が聞こえる
  • デメリット: 津波・高潮リスクが高い、塩害が強い、災害時の避難が困難

津波リスクを考慮すると、高台の土地を選ぶことを推奨します。 詳細は国土交通省ハザードマップポータルサイトで確認してください。

(2) エリア別の特徴(交通アクセス・生活利便性・災害リスク)

海の見える土地を選ぶ際は、交通アクセス・生活利便性・災害リスクをバランスよく検討することが重要です。

エリア選びのチェックポイント

項目 湘南エリア 地方エリア
交通アクセス 都心から1時間程度 都心から2〜3時間以上
生活利便性 スーパー・病院・学校が充実 車が必須、施設が少ない
災害リスク 津波・高潮リスクあり エリアにより異なる
価格 高額(坪100万円以上) リーズナブル(坪30〜50万円)

**生活利便性の低いエリアでは、スーパー・病院・学校へのアクセスが不便な場合があります。**日常の買い物や緊急時の医療機関へのアクセスを事前に確認してください。

(3) 周辺の用途地域・開発計画の確認方法

海の見える土地を購入する際は、眺望の永続性を確認することが重要です。

眺望を維持するための確認事項

  • 用途地域: 周辺が第一種低層住居専用地域など建築制限が厳しいエリアは、高い建物が建ちにくい
  • 開発計画: 自治体の都市計画課で周辺の開発計画を確認
  • 景観条例: 自治体によっては景観保護のための条例がある場合も

眺望の永続性は法的に保証されません。 将来的に周辺に高い建物が建つ可能性があるため、購入前に周辺の状況を詳しく調査することを推奨します。

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海の見える土地を購入する際の注意点:塩害・災害リスク・建築制限

(1) 塩害対策(水洗い、フッ素塗料・無機塗料での塗装、24時間換気の工夫)

海沿いの土地では、塩害により建物・車・設備の劣化が早まります。

塩害の影響

  • 建物: 金属部分(窓枠・ベランダ・外壁の金具等)が錆びる
  • : 車体の塗装が剥がれる、下回りが錆びる
  • 洗濯物: 塩分が付着してゴワゴワになる
  • 植物: 葉が枯れる、成長が阻害される

塩害対策の具体例

  • 定期的な水洗い: 外壁・窓・金属部分を月1回程度水で洗い流す
  • 塗装: フッ素塗料・無機塗料で外壁を塗装(耐久性が高い)
  • 24時間換気の工夫: 吸排気口を海側以外に設置、または1種換気でまとめる
  • 湿気対策: 乾燥機付き洗濯機、サンルームの設置

塩害対策のメンテナンスコストは、通常の住宅より年間数万円〜数十万円増加する可能性があります。購入前に維持費を試算してください。

(2) 津波・高潮リスクの確認方法(ハザードマップ、標高、避難経路)

海沿いの土地購入では、災害リスクの確認が必須です。

災害リスクの確認手順

  1. 国土交通省ハザードマップポータルサイトで津波・高潮の想定区域を確認
  2. 土地の標高を確認(標高10m以上の高台が望ましい)
  3. 避難経路・避難場所を事前に把握
  4. 自治体の防災計画を確認

津波リスクが高い地域では、以下の対策が重要です

  • 高台の土地を選ぶ
  • 避難場所までの距離・所要時間を確認
  • 地震保険・火災保険(水災特約)への加入を検討

災害リスクを軽視すると、命に関わる事態に発展する可能性があります。購入前に必ずハザードマップを確認してください。

(3) 建築制限(海岸法、景観条例)、眺望の永続性は保証されない点

海沿いの土地には、海岸法や景観条例による建築制限がある場合があります。

建築制限の例

  • 海岸法: 海岸保全区域内では建築が制限される場合がある
  • 景観条例: 自治体により建物の高さ・デザイン・色彩が規制される場合がある
  • 土砂災害警戒区域: 建築時に構造規制がある場合がある

購入前に、自治体の建築指導課や都市計画課で建築制限を確認してください。また、前述の通り、眺望の永続性は法的に保証されません。周辺の用途地域や開発計画を確認し、将来的に眺望が遮られるリスクを検討してください。

海の見える土地を売却する際のポイント:眺望の価値を最大化する戦略

(1) オーシャンビューのアピール方法(写真、動画、現地案内)

海の見える土地を売却する際は、オーシャンビューの価値を最大限にアピールすることが重要です。

効果的なアピール方法

  • 高品質な写真: プロのカメラマンに依頼し、海の眺望を美しく撮影
  • 動画: ドローンで空撮し、眺望の良さを動画で伝える
  • 現地案内: 晴天の日に買主候補を現地に案内し、実際の眺望を体感してもらう
  • 時間帯: 朝焼け・夕焼けなど、海が美しく見える時間帯の写真を用意

オーシャンビューは海の見える土地の最大の付加価値です。写真・動画・現地案内を活用し、買主候補に魅力を伝えましょう。

(2) 塩害対策のメンテナンス実績を示す重要性

塩害対策を適切に行ってきた実績は、売却時の大きなアピールポイントになります。

メンテナンス実績の示し方

  • 塗装履歴: 外壁・金属部分の塗装実施時期・使用塗料を記録
  • 水洗い習慣: 定期的な水洗いの実施記録
  • 設備点検: 換気システム・給湯器等の点検記録

塩害対策を怠った物件は、買主から敬遠される可能性があります。売却前に外壁塗装・設備点検を実施し、メンテナンス状況を整えておくことを推奨します。

(3) 専門の不動産会社・リゾート物件専門業者への相談

海の見える土地の売却は、専門知識を持つ不動産会社に依頼することが有効です。

専門会社に依頼するメリット

  • リゾート物件の販売実績: 海沿い・別荘地の販売に精通している
  • 買主ネットワーク: リゾート物件を探している買主候補とのつながりがある
  • 適正価格の査定: 海の見える土地の相場に詳しい

売却を決めたら、まず複数の不動産会社(3社以上)に査定を依頼し、相場を把握することから始めましょう。リゾート物件専門業者への相談も有効です。

まとめ:海の見える土地で後悔しないための判断基準

海の見える土地の価格相場は、湘南エリアで坪単価100万円以上、地方では30〜50万円程度と、エリアにより大きく異なります。空き家バンクでは200件以上の海の見える物件が登録されており(2025年時点)、格安物件も見つかります。

海の見える土地の最大の魅力は、オーシャンビューの眺望とリゾート感覚の生活です。リタイア後のセカンドハウスや週末の別荘として理想的な選択肢ですが、一方で注意点もあります。

購入時の注意点:塩害により建物・車の劣化が早まり、メンテナンスコストが増加します。津波・高潮リスクは国土交通省ハザードマップポータルサイトで必ず確認し、標高の高い土地を選ぶことが重要です。眺望の永続性は法的に保証されないため、周辺の用途地域や開発計画を事前確認してください。

エリア選び:高台と海岸沿いでは津波リスク・塩害の程度が異なります。交通アクセス・生活利便性(スーパー・病院・学校)も重要な判断基準です。

売却時のポイント:オーシャンビューの価値を写真・動画・現地案内でアピールし、塩害対策のメンテナンス実績を示すことが重要です。専門の不動産会社やリゾート物件専門業者への相談を推奨します。

海の見える土地は、ライフスタイルを豊かにする魅力的な選択肢ですが、リスクもあります。信頼できる不動産会社や建築士に相談しながら、後悔しない判断をしてください。

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よくある質問

Q1海の見える土地の相場はいくらくらいですか?

A1エリアにより大きく異なります。湘南エリア(神奈川県)は坪単価100万円〜300万円程度で、100㎡の土地購入には3,000万円〜9,000万円程度が必要です。一方、三浦半島・伊豆・千葉県・三重県・沖縄県などの地方では坪単価30〜50万円程度で、100㎡の土地購入には900万円〜1,500万円程度が目安となります。空き家バンクでは全国で200件以上の海の見える物件が登録されており、100万円〜1,000万円程度の格安物件も見つかります(2025年時点)。

Q2塩害はどの程度建物や車に影響しますか?

A2海からの潮風に含まれる塩分が建物の金属部分(窓枠・ベランダ・外壁の金具等)を錆びさせ、車の塗装を剥がし、洗濯物をゴワゴワにします。対策として、外壁・窓・金属部分を月1回程度水で洗い流し、フッ素塗料・無機塗料で外壁を塗装することが効果的です。24時間換気の吸排気口は海側を避けるか、1種換気でまとめる工夫も有効です。塩害対策のメンテナンスコストは、通常の住宅より年間数万円〜数十万円増加する可能性があるため、購入前に維持費を試算してください。

Q3津波や高潮のリスクはどう確認すればよいですか?

A3国土交通省ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)で津波・高潮の想定区域を確認してください。土地の標高を確認し、標高10m以上の高台を選ぶことで津波リスクを低減できます。避難経路・避難場所を事前に把握し、自治体の防災計画も確認してください。津波リスクが高い地域では、地震保険・火災保険(水災特約)への加入も検討してください。災害リスクを軽視すると、命に関わる事態に発展する可能性があるため、購入前に必ずハザードマップを確認することが重要です。

Q4海の見える土地を選ぶ際に気をつけることは何ですか?

A4主な注意点は以下の通りです。塩害対策(水洗い習慣化、フッ素塗料・無機塗料での塗装、24時間換気の工夫)、津波・高潮リスク(ハザードマップ確認、標高10m以上の高台を選ぶ)、生活利便性(スーパー・病院・学校へのアクセス確認)、眺望の永続性(周辺の用途地域・開発計画確認)、建築制限(海岸法、景観条例)を事前に確認する必要があります。また、高台と海岸沿いでは津波リスク・塩害の程度が異なるため、高台を推奨します。詳細は不動産会社や建築士への相談を推奨します。

Q5オーシャンビューを維持できる保証はありますか?

A5眺望の永続性は法的に保証されません。将来的に周辺に高い建物が建つ可能性があるため、購入前に周辺の用途地域や開発計画を確認することを推奨します。第一種低層住居専用地域など建築制限が厳しいエリアは、高い建物が建ちにくく眺望が保たれやすい傾向があります。自治体の都市計画課で周辺の開発計画を確認し、景観条例の有無も調べてください。また、売買契約時に眺望に関する特約を盛り込むことも検討できますが、将来的な保証にはならないため、専門家への相談を推奨します。

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