ニセコ不動産が注目される理由
「ニセコで別荘を購入したい」「リゾート不動産投資としてニセコを検討している」という方が増えています。
この記事では、ニセコの不動産市場の動向、価格相場、投資の特徴とリスク、購入時の注意点を解説します。
この記事のポイント
- ニセコの基準地価は2025年で平均21,620円/㎡(前年比+13.26%)と二桁成長が継続
- マンション価格は3,000万円台〜1億円超、別荘は7,000万円〜10億円と幅広い
- 外国人投資家が多く、円安の影響で海外からの購入が活発
- 2025年4月にLa Plumeが破綻するなど、開発プロジェクトにはリスクも存在
ニセコ不動産が注目される理由|国際的リゾート地としての魅力
世界的なパウダースノーとスキーリゾートの評価
ニセコは世界有数のパウダースノーで知られるスキーリゾートです。欧米、オーストラリア、アジアからスキーヤー・スノーボーダーが訪れ、国際的なリゾート地としての地位を確立しています。
冬季のスキーシーズンだけでなく、夏季のラフティング、ゴルフ、トレッキングなど通年での観光需要があり、不動産の賃貸運用にも適した環境です。
外国人投資家の流入と円安の影響
ニセコの不動産市場には、欧米・香港・シンガポールなどから多くの外国人投資家が参入しています。円安の影響で外国人にとって購入しやすい環境となっており、投資需要が高まっています。
英国不動産サービス会社Savillsのデータによると、ニセコの不動産価格は1㎡あたり約7,900ユーロ(約113.7万円)で、国際的なスキーリゾートと比較するとまだ割安とされています。
2030年北海道新幹線延伸によるアクセス改善期待
2030年には北海道新幹線が倶知安まで延伸される予定で、札幌・東京からのアクセスが大幅に改善されます。また、高速道路の整備も進んでおり、長期的な資産価値上昇が期待されています。
ニセコの不動産市場動向|地価推移と2025年の最新データ
基準地価の推移(2025年平均21,620円/㎡)
2025年のニセコ町の基準地価は以下の通りです。
| 項目 | 価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 基準地価平均 | 21,620円/㎡ | +13.26% |
| 住宅地平均 | 19,650円/㎡ | +13.74% |
| 商業地平均 | 29,500円/㎡ | +11.32% |
住宅地・商業地ともに二桁成長が継続しており、不動産市場は活況を呈しています。
大型開発プロジェクトの進行
2024年には土地面積約3ヘクタール、予算230億円規模の大型開発プロジェクトが進行中です。コンドミニアム168戸、ホテル126室、商業施設60以上を含む計画で、さらなる発展が見込まれています。
ニセコの不動産価格相場|マンション・別荘・土地
マンション価格相場(3,000万円台〜1億円超)
ニセコ町の中古マンション価格相場は約3,045万円〜3,345万円が中心です。ただし、個別物件では1,450万円〜1億950万円と幅広い価格帯があります。
| 項目 | 価格帯 |
|---|---|
| 中心価格帯 | 3,045万円〜3,345万円 |
| 最安値帯 | 約1,450万円〜 |
| 最高値帯 | 〜1億950万円 |
別荘価格相場(7,000万円〜10億円)
ニセコの別荘市場は富裕層向けで、7,000万円〜10億円と非常に幅広い価格帯です。軽井沢・ハワイと並ぶ別荘地の定番として、国内外の富裕層から注目されています。
物件タイプ別の特徴
ニセコの不動産は目的に応じて多様な物件タイプがあります。
| 物件タイプ | 特徴 |
|---|---|
| スキーイン・スキーアウト型コンドミニアム | リフト乗り場に直結、スキーを履いたまま出入り可能 |
| ホテルレジデンス(ホテルコンドミニアム) | ホテル運営会社が管理、オーナー不在時は宿泊施設として運用 |
| 別荘(戸建て) | プライベート空間を重視、羊蹄山ビューの物件が人気 |
| 土地 | 新築プロジェクト用、将来の開発を見込んだ投資 |
ニセコ不動産投資の特徴|収益性とリスク
投資対象者の目安(富裕層向け)
ニセコ不動産投資は富裕層向けで、年収2,000万円以上・資産1億円以上が目安とされています。高額な初期投資に加え、管理費・固定資産税・修繕費などのランニングコストも考慮する必要があります。
賃貸運用の収益性(冬季の高額賃料収入)
スキーシーズン(冬季)は特に高額な賃料収入が見込めます。ホテルレジデンス型の物件であれば、オーナー不在時にホテル運営会社が賃貸運用を行い、安定収益を期待できます。
ただし、稼働率は季節変動があり、夏季は冬季ほどの収益は見込めない場合があります。
リスク要因
2025年La Plume破綻事例
2025年4月に中国資本の大型リゾート「La Plume Niseko Resort」の特定目的会社が破産決定しました。負債は数十億円とされ、開発プロジェクトへの投資にはリスク評価が必要です。
ただし、既存物件オーナーの資産価値は上昇傾向が継続する見込みで、市場全体の崩壊ではないとされています。
高い運営・管理コスト
ニセコは物価高騰が顕著で、そば3,500円など生活コストが極めて高い環境です。物件の運営・管理コストも高額になる傾向があり、収益性の計算には注意が必要です。
ニセコで不動産を購入する際の注意点
開発プロジェクトのリスク評価
La Plume破綻事例を踏まえ、開発中のプロジェクトへの投資には慎重なリスク評価が必要です。完成済み物件や既存の優良物件を優先することも選択肢です。
社会問題への注意
ニセコでは急速な開発により以下の社会問題が発生しています。
- 従業員住宅不足(東急不動産が寄宿舎「NATURE NISEKO HIRAFU」を供用開始し対策中)
- 交通渋滞
- 生活インフラへの負荷
これらの問題に対する行政対応の動向も、不動産価値に影響を与える可能性があります。
英語対応可能な不動産会社の選び方
ニセコは外国人投資家が多いエリアです。英語対応可能な不動産会社を選ぶことで、国際的な取引実績に基づくアドバイスが得られます。創業20年以上の地元密着型企業など、実績のある会社を選ぶことを推奨します。
まとめ|ニセコ不動産購入を検討する際の判断ポイント
ニセコは世界的なスキーリゾートとして不動産市場が活況を呈しており、2025年の基準地価は前年比+13.26%と二桁成長が継続しています。マンション3,000万円台〜1億円超、別荘7,000万円〜10億円と富裕層向けの市場です。
一方で、2025年4月のLa Plume破綻事例のように開発プロジェクトにはリスクがあり、高い運営・管理コストも考慮する必要があります。「必ず値上がりする」といった断定的な期待は禁物です。
具体的な購入を検討する場合は、不動産投資アドバイザー、宅地建物取引士、税理士など専門家への相談を推奨します。税制・収益性・リスクを総合的に判断し、自分に合った投資判断を行ってください。
