日本橋本町エリアのオフィス市場の魅力
東京都中央区日本橋本町は、歴史と最先端が共存するビジネスエリアです。新日本橋駅・三越前駅から徒歩圏内という立地の良さに加え、環境配慮型の新規オフィスビル開発が進んでいます。
この記事では、日本橋本町エリアのオフィス市場の特性、野村不動産日本橋本町ビルの建て替えプロジェクト、最新開発動向、オフィス賃貸の初期費用と注意点を解説します。オフィス移転や不動産投資を検討する際の判断材料を提供します。
この記事のポイント
- 野村不動産日本橋本町ビルは地上17階、延床面積35,144㎡の規模で2026年12月完成予定
- 三井不動産の「日本橋本町M-SQUARE」(2025年11月竣工)や国内最大の木造オフィスビル(2026年竣工)など、環境配慮型開発が活発化
- オフィス賃貸の初期費用は保証金(敷金)が賃料6か月分、総額で賃料の半年〜1年分(数百万円単位)が相場
- 原状回復、契約形態(普通建物賃貸借 vs 定期建物賃貸借)、設備確認が契約時の重要ポイント
(1) 立地の優位性(アクセス・歴史・産業集積)
日本橋本町エリアは、新日本橋駅(JR総武線快速・東京メトロ銀座線)、三越前駅(東京メトロ銀座線・半蔵門線)から徒歩圏内という優れたアクセスを誇ります。昭和通りと中央通りの間に位置し、東京駅・大手町エリアにも近い立地です。
歴史的には製薬卸業者が多く集積しており、現在も製薬会社の支店が多数存在しています。
(2) 製薬会社が多いエリア特性
賃貸事務所ドットコムによると、日本橋本町エリアは製薬会社が多いという特性があります。業界内のネットワーク形成や取引先との近接性を重視する企業にとって、魅力的な立地と言えます。
(3) 環境配慮型開発の進展
2024年以降、日本橋本町エリアでは環境配慮型のオフィスビル開発が活発化しています。木造混構造、ZEB Ready認証、DBJ Green Building認証など、持続可能性を重視した開発が進んでいます。
野村不動産日本橋本町ビルの建て替えプロジェクト
野村不動産日本橋本町ビル(旧NOF日本橋本町ビル)は、大規模な建て替えプロジェクトが進行中です。
(1) プロジェクト概要(地上17階、延床35,144㎡)
SKYSKYSKYによると、建て替え後のビルは地上17階、地下1階、高さ81m、延床面積35,144㎡の規模となります。設計は野村不動産・戸田建設、施工は戸田建設が担当します。
(2) 完成時期と設計・施工会社
Officeeによると、2026年12月完成予定です。新日本橋駅6番出口から徒歩2分という優れたアクセスを活かし、最新のオフィス機能を備えたビルとして生まれ変わる予定です。
(3) PMO(プレミアム・ミッドサイズ・オフィス)の特徴
野村不動産によると、野村不動産は2008年からPMO(プレミアム・ミッドサイズ・オフィス)というブランドを展開しています。整形無柱空間でレイアウト自由度が高く、稼働率も高い(2019年時点で33棟満床)という特徴があります。
日本橋本町の最新開発動向(2024~2026年)
日本橋本町エリアでは、複数の大型プロジェクトが同時進行しています。
(1) 三井不動産「日本橋本町M-SQUARE」(2025年11月竣工)
三井不動産によると、2024年6月17日に着工し、2025年11月竣工予定です。立体的な緑のデザインを採用し、ZEB Ready・DBJ Green Building認証取得を予定しています。
日本橋本町1丁目に位置し、環境配慮型の先進的なオフィスビルとして注目されています。
(2) 国内最大の木造オフィスビル(地上18階、2026年竣工)
三井不動産によると、2024年1月4日に着工し、2026年竣工予定の国内最大・最高層の木造混構造賃貸オフィスビルが建設中です。地上18階、高さ84mで、竹中工務店が設計・施工を担当しています。
木造建築の可能性を拡張し、環境負荷を低減する先進的なプロジェクトです。
(3) ZEB Ready・DBJ Green Building認証の取得
これらの新規開発では、ZEB Ready(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの認証、省エネ50%以上削減)やDBJ Green Building認証(日本政策投資銀行による環境・社会配慮型不動産の認証)の取得が進められています。
企業のESG経営やサステナビリティ方針に合致するオフィス選びが重要視されています。
オフィス賃貸の初期費用と契約のポイント
オフィス賃貸では、初期費用と契約内容の理解が重要です。
(1) 初期費用の内訳(保証金・礼金・仲介手数料・前家賃)
オフィス賃貸の初期費用には、保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、前家賃(前払い家賃)などが含まれます。これらを合計すると、賃料の半年〜1年分(数百万円単位)が相場です。
資金計画への影響が大きいため、事前に正確な見積もりを取得することを推奨します。
(2) 保証金(敷金)の相場(賃料6か月分)
保証金(敷金)は、賃貸借契約時に貸主に預ける金銭で、オフィス物件では賃料6か月分が相場です。退去時に原状回復費用等を差し引いて返還されます。
(3) 普通建物賃貸借契約 vs 定期建物賃貸借契約
不動産連合隊ジャーナルによると、賃貸借契約には「普通建物賃貸借契約」と「定期建物賃貸借契約」の2種類があります。
- 普通建物賃貸借契約: 契約期間満了時に正当な理由がなければ更新される。借主の権利が強い。
- 定期建物賃貸借契約: 契約期間満了で確定的に契約が終了する。再契約は可能だが自動更新はない。
契約形態により更新条件が異なるため、事前に確認しましょう。
(4) 原状回復の範囲とトラブル防止
不動産連合隊ジャーナルによると、原状回復でトラブルが発生しやすいです。
原状回復の範囲は、「スケルトン返却」(内装・設備をすべて撤去しコンクリート打ちっぱなし状態で返却)と「通常損耗の範囲」で異なります。契約時に明確化し、賃貸借契約書の特約内容を詳細確認することが重要です。疑問点は法務専門家(弁護士等)に相談することを推奨します。
オフィス物件選びで注意すべき9つのチェックポイント
オフィス物件選びでは、広さだけでなく、業務効率に直結する設備・環境の確認が重要です。
(1) インターネット環境・電波状況・電気容量
ゼロインによると、インターネット環境、電波状況、電気容量を事前にチェックすることが重要です。
IT機器の増加により、電気容量が不足すると業務に支障が出る可能性があります。
(2) エレベーターの台数・速度
エレベーターの台数・速度は、出勤・昼休み・退勤時の混雑に影響します。ビルの規模に対して台数が少ない場合、待ち時間が長くなります。
(3) 空調設備・日当たり・騒音
空調設備の性能、日当たり、騒音は、執務環境の快適性に直結します。内覧時に確認しましょう。
(4) トイレ・台所・共用部分・エントランス
ゼロインによると、トイレ、台所、共用部分、エントランス等の設備も確認が必要です。
社員の満足度や来客時の印象に影響します。
(5) 同じビルのテナント構成
ゼロインによると、同じビルのテナント状況も重要です。
業種が似ているテナントが多い場合、ネットワーク形成のメリットがあります。一方、騒音や混雑のリスクもあるため、バランスを確認しましょう。
まとめ:日本橋本町エリアのオフィス選び
日本橋本町エリアは、優れたアクセス、製薬会社の産業集積、環境配慮型の新規開発が魅力です。野村不動産日本橋本町ビル(2026年12月完成予定)、三井不動産「日本橋本町M-SQUARE」(2025年11月竣工予定)、国内最大の木造オフィスビル(2026年竣工予定)など、大型プロジェクトが進行中です。
オフィス賃貸では、初期費用(保証金6か月分等)、契約形態(普通建物賃貸借 vs 定期建物賃貸借)、原状回復の範囲を確認することが重要です。また、インターネット環境、電気容量、エレベーター、空調設備など、業務効率に直結する設備を内覧時に必ずチェックしましょう。
複数の物件を比較し、不動産仲介業者や法務専門家に相談しながら、最適なオフィスを選ぶことをおすすめします。
