名古屋の中古戸建の選び方と購入時の注意点【2025年版】

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/13

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名古屋で中古戸建てが注目される理由

名古屋市およびその周辺で住宅購入を検討している方にとって、中古戸建ては有力な選択肢です。新築価格の高騰が続く中、コストを抑えながら自分好みの住まいを実現できる可能性があるためです。

この記事では、名古屋の中古戸建て市場の最新情報(2024年)、人気エリアの特徴、購入時の注意点、住宅ローン控除の活用方法を詳しく解説します。物件選びのポイントを正確に理解し、後悔しない住宅購入を実現できる内容になっています。

この記事のポイント

  • 2024年の新築相場は50-85百万円に対し、中古戸建ては1000万円台から購入可能でコストを抑えられる
  • 名古屋市の住宅地価は+4.5%上昇しているが、中古戸建ては駅距離・築年数で価格が大きく変動するため狙い目がある
  • 千種区・名東区・緑区が人気エリアで、治安・利便性・子育て環境が良好
  • 中古戸建ての最大リスクは見えない欠陥(配管・基礎・シロアリ)、専門家による検査が必須
  • 築20年超でも既存住宅瑕疵保険または耐震証明書があれば住宅ローン控除が受けられる

(1) 新築価格の高騰(50-85百万円)に対し、中古は1000万円台から購入可能

河合工務店の調査によると、2024年の名古屋市における新築戸建ての価格相場は、50-85百万円です。建築コストが前年比で約20%上昇しており、材料費や人件費の高騰が価格に反映されています。

一方、中古戸建ては築年数や立地によって1000万円台から購入可能で、新築と比べて大幅にコストを抑えられます。リノベーション費用を含めても、新築よりも予算を抑えられるケースが多い傾向にあります。

(2) 2024年住宅地価+4.5%上昇でも中古は狙い目

LIFULL HOME'Sの地価公示データによると、2024年の名古屋市住宅地価は、前年比+4.5%上昇しました(前年は+3.7%)。特に駅徒歩圏内の物件需要が強く、不動産市場全体が活況です。

ただし、中古戸建ては築年数や駅からの距離によって価格が大きく変動するため、条件次第では相場より安く購入できる物件もあります。市場全体の価格上昇傾向の中でも、個別物件の条件をよく見極めることで、お得な物件を見つけられる可能性があります。

(3) リノベーション前提で自分好みの家にカスタマイズ可能

中古戸建ての大きなメリットは、購入後に自分好みにリノベーションできる点です。間取り変更、設備の刷新、デザインのカスタマイズなど、新築にはない自由度があります。

リノベーション前提で購入する場合、物件購入と同時に工事準備を進めることで、入居までの期間を短縮できます。ただし、2024年は建築コストが20%上昇しているため、リノベーション費用も増加傾向にあります。事前に複数の業者から見積もりを取ることが重要です。

名古屋市の中古戸建て市場と価格相場【2024年版】

名古屋市の中古戸建て市場は、2024年時点で活況を呈しています。以下、間取り別の価格相場、駅距離・築年数による価格変動、在庫状況について解説します。

(1) 間取り別の価格相場(1LDK-2LDK:1500万-9000万円、3LDK-4LDK:1000万-1億3000万円)

名古屋市の中古戸建て価格相場は、間取りによって以下のように分かれます。

間取り 価格相場 特徴
1LDK-2LDK 1,500万-9,000万円 単身・DINKS向け、駅近が多い
3LDK-4LDK 1,000万-1億3,000万円 ファミリー向け、幅広い価格帯

3LDK-4LDKの物件は、築年数や立地によって1,000万円台から1億円超まで幅広く、予算に応じた選択肢が豊富です。

(2) 駅距離・築年数による価格変動の目安

中古戸建ての価格は、駅からの距離と築年数で大きく変動します。

駅距離による価格差

  • 駅徒歩5分以内:相場より20-30%高い傾向
  • 駅徒歩10-15分:相場価格
  • 駅徒歩20分以上:相場より20-30%安い傾向

築年数による価格差

  • 築10年未満:新築の60-80%
  • 築10-20年:新築の40-60%
  • 築20-30年:新築の30-50%
  • 築30年以上:新築の20-40%

ただし、リノベーション済み物件や人気エリアの物件は、築年数が古くても価格が高い場合があります。

(3) 在庫状況(SUUMO1504件、Nifty1513件)と市場の活況

2024年時点での名古屋市の中古戸建て在庫は、SUUMOで1,504件、Nifty不動産で1,513件が掲載されています。在庫数が豊富で、様々な条件の物件から選べる状況です。

駅徒歩圏内の物件や人気エリア(千種区・名東区・緑区)の物件は成約が早い傾向にあるため、条件が良い物件を見つけた場合は早めの検討が推奨されます。

名古屋の人気エリアと各区の特徴

名古屋市で中古戸建てを購入する際、エリア選びは重要です。以下、人気エリアの特徴と、2023年の住みたい街ランキングを解説します。

(1) 千種区(覚王山・本山):治安良好で文教エリア

千種区は、名古屋市の中でも治安が良好で、文教エリアとして知られています。特に覚王山や本山周辺は、閑静な住宅街で、子育て世帯に人気があります。

千種区の特徴

  • 地下鉄東山線で名古屋駅まで約15分
  • 名古屋大学、南山大学など教育機関が多い
  • おしゃれなカフェや雑貨店が点在
  • 覚王山商店街は活気があり、日常の買い物が便利

千種区の中古戸建ては、駅近の物件を中心に需要が強く、価格相場は名古屋市内でも高めです。

(2) 名東区(藤が丘):子育て環境と利便性が両立

名東区は、子育て環境と都心へのアクセスが両立したエリアです。藤が丘駅周辺は、商業施設が充実しており、ファミリー層に特に人気があります。

名東区の特徴

  • 地下鉄東山線で名古屋駅まで約25分
  • 藤が丘駅周辺に大型商業施設(イオン、イトーヨーカドー等)
  • 公園や緑地が多く、子育てしやすい環境
  • 治安が良好で、ファミリー層の定住率が高い

名東区の中古戸建ては、3LDK-4LDKのファミリー向け物件が多く、駅近でも比較的手頃な価格帯の物件があります。

(3) 緑区:ファミリー層に人気の住環境

緑区は、名古屋市の南東部に位置し、ファミリー層に人気の住環境が整っています。住宅地が多く、落ち着いた雰囲気があります。

緑区の特徴

  • 地下鉄桜通線、名鉄名古屋本線で都心アクセス可能
  • 大型公園(大高緑地公園等)が多く、自然環境が豊か
  • スーパー、ドラッグストアなど生活利便施設が充実
  • 比較的価格が手頃で、広い敷地の物件が多い

緑区は、千種区・名東区と比べて価格相場が低めで、広い敷地の戸建てを購入しやすい点が魅力です。

(4) 2023年住みたい街ランキング(名古屋駅1位、金山駅2位、豊橋駅3位)

SUUMOの2023年住みたい街ランキング(名古屋版)では、以下の結果となっています。

  1. 名古屋駅:交通利便性・商業施設の充実
  2. 金山駅:複数路線が利用でき、名古屋駅まで近い
  3. 豊橋駅:静岡・東京方面へのアクセスが良好

駅周辺は利便性が高い反面、戸建ての在庫が少なく、価格も高めです。一方、駅から徒歩10-20分圏内のエリアは、比較的手頃な価格で戸建てを購入できる可能性があります。

中古戸建て購入時のチェックポイントと注意点

中古戸建て購入時には、新築にはないリスクがあります。以下、見えない欠陥の確認方法、旧耐震基準物件の注意点、専門家検査の重要性、リノベーション費用について解説します。

(1) 見えない欠陥(配管・基礎・シロアリ)の確認方法

中古戸建ての最大のリスクは、外観からは確認できない「見えない欠陥」です。具体的には、配管の劣化、基礎のひび割れ、シロアリ被害などが挙げられます。

見えない欠陥の主なリスク

  • 配管の劣化:水漏れや排水不良が発生し、修理に数十万円かかる可能性
  • 基礎のひび割れ:建物の耐久性に影響し、補強工事が必要な場合も
  • シロアリ被害:柱や土台が食害され、構造上の問題が生じる

これらの欠陥は、素人が内覧時に見抜くことは困難です。購入前に専門家(建築士等)による検査を依頼することが強く推奨されます。

(2) 1981年以前の旧耐震基準物件の耐震性チェック

1981年5月31日以前に建築確認を受けた物件は、旧耐震基準で建てられています。旧耐震基準は震度5程度の地震に耐える設計で、現行の新耐震基準(震度6強-7に耐える設計)より耐震性が低い可能性があります。

旧耐震基準物件の対応

  • 耐震診断を受け、耐震性を確認する
  • 耐震基準を満たしていない場合、耐震補強工事が必要(費用は数百万円かかる場合もあり)
  • 耐震証明書を取得することで、住宅ローン控除が受けられる

旧耐震基準の物件は価格が安い傾向にありますが、耐震補強費用を含めた総コストを事前に把握しておくことが重要です。

(3) 専門家(建築士)による内覧・検査の重要性

中古戸建ては、物件カテゴリの中で最も欠陥が多いとされています。このため、購入前に必ず専門家(建築士やホームインスペクター)による検査を受けることが推奨されます。

専門家検査で確認する項目

  • 基礎・柱・梁の状態(ひび割れ、傾き等)
  • 屋根・外壁の劣化状況
  • 配管・電気設備の状態
  • シロアリ被害の有無
  • 雨漏りの痕跡

検査費用は5-10万円程度ですが、購入後の高額な修繕費用を避けるための必要経費と考えるべきです。

(4) リノベーション費用の見積もり(2024年建築コスト20%上昇の影響)

中古戸建てをリノベーション前提で購入する場合、2024年は建築コストが前年比20%上昇している点に注意が必要です。

リノベーション費用の目安(2024年):

  • 部分リフォーム(水回り・内装):300-800万円
  • フルリノベーション(間取り変更含む):1,000-2,000万円
  • 耐震補強工事:100-300万円

坪単価も5-8万円高騰しており、リノベーション費用は以前より増加しています。複数の業者から見積もりを取り、総予算を正確に把握してから購入を決定することが重要です。

住宅ローン控除と軽減措置の活用方法

中古戸建て購入時にも、条件を満たせば住宅ローン控除などの優遇制度が利用できます。以下、築20年超の物件でも控除を受ける方法、耐震証明書の役割、控除の計算方法について解説します。

(1) 築20年超でも既存住宅瑕疵保険で控除が受けられる

住宅ローン控除は、原則として築20年以内の木造住宅、築25年以内の耐火建築物(鉄筋コンクリート造等)が対象です。しかし、築20年を超える物件でも、以下の条件を満たせば控除が受けられます。

築20年超で控除を受ける方法

  • 既存住宅瑕疵保険に加入する
  • 耐震証明書を取得する

既存住宅瑕疵保険は、中古住宅購入時の隠れた欠陥をカバーする保険で、保険加入により住宅ローン控除の対象となります。保険料は10-20万円程度です。

(2) 耐震証明書による控除適用の条件

耐震証明書は、建物が現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類です。特に1981年以前の旧耐震基準物件の場合、耐震診断を受けて耐震基準を満たしていることを証明することで、住宅ローン控除が受けられます。

耐震証明書の取得手順

  1. 耐震診断を実施(費用:10-30万円)
  2. 耐震基準を満たしていることが確認されれば、証明書が発行される
  3. 耐震基準を満たしていない場合は、耐震補強工事が必要

耐震証明書の取得には時間がかかるため、購入前に不動産会社に確認し、早めに手続きを進めることが重要です。

(3) 住宅ローン控除の計算方法と申請手続き

住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%(最大13年間)が所得税・住民税から控除される制度です。

住宅ローン控除の計算例

  • ローン残高3,000万円の場合:年間21万円の控除(3,000万円×0.7%)
  • 10年間で最大210万円の減税効果

申請手続き

  1. 初年度:確定申告で申請(翌年2-3月)
  2. 2年目以降:会社員は年末調整で申請可能

必要書類は、住宅ローンの年末残高証明書、登記事項証明書、売買契約書などです。詳細は税務署または税理士にご相談ください。

まとめ:名古屋で後悔しない中古戸建て選び

名古屋市の中古戸建て市場は、2024年時点で活況を呈しており、1,500件以上の在庫から選べる状況です。新築価格が50-85百万円に高騰している中、中古戸建ては1,000万円台から購入可能で、コストを抑えながら理想の住まいを実現できる選択肢です。

人気エリアは千種区・名東区・緑区で、治安・利便性・子育て環境が良好です。駅距離や築年数によって価格が大きく変動するため、条件をよく見極めることで、お得な物件を見つけられる可能性があります。

中古戸建て購入時の最大のリスクは、見えない欠陥(配管・基礎・シロアリ)です。専門家(建築士)による検査を必ず受け、物件の状態を正確に把握してから購入を決定しましょう。特に1981年以前の旧耐震基準物件は、耐震性の確認と必要に応じた補強工事が必要です。

築20年超の物件でも、既存住宅瑕疵保険または耐震証明書があれば住宅ローン控除が受けられます。リノベーション費用は2024年時点で20%上昇していますが、複数業者から見積もりを取り、総予算を把握してから購入することで、後悔しない住宅選びが実現できます。

詳細な物件情報や住宅ローン控除の手続きについては、信頼できる不動産会社や税理士にご相談ください。

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よくある質問

Q1名古屋の中古戸建て相場はいくらですか?

A1名古屋市の中古戸建ての価格相場は、1LDK-2LDKで1,500万-9,000万円、3LDK-4LDKで1,000万-1億3,000万円が目安です。駅からの距離や築年数によって大きく変動します。駅徒歩5分以内の物件は相場より20-30%高く、駅徒歩20分以上の物件は20-30%安い傾向にあります。築年数が古いほど価格は下がりますが、リノベーション済み物件や人気エリアの物件は築年数が古くても高値で取引されています。

Q2名古屋で人気の住宅エリアはどこですか?

A2千種区(覚王山・本山)、名東区(藤が丘)、緑区がトップ3の人気エリアです。千種区は文教エリアで治安が良好、名東区は子育て環境と利便性が両立、緑区は自然環境が豊かでファミリー層に人気があります。駅近物件の需要が特に強く、地下鉄東山線沿線や桜通線沿線の物件は成約が早い傾向にあります。2023年の住みたい街ランキングでは、名古屋駅が1位、金山駅が2位でした。

Q3築20年以上の中古戸建てでも住宅ローン控除は受けられますか?

A3はい、築20年を超える木造住宅でも、既存住宅瑕疵保険に加入するか、耐震証明書を取得すれば住宅ローン控除が受けられます。既存住宅瑕疵保険は中古住宅購入時の隠れた欠陥をカバーする保険で、保険料は10-20万円程度です。耐震証明書は、建物が現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類で、耐震診断費用は10-30万円程度です。購入前に不動産会社にこれらの書類が取得可能か確認してください。

Q4中古戸建て購入時の最大の注意点は何ですか?

A4中古戸建ての最大のリスクは、見えない欠陥(配管の劣化・基礎のひび割れ・シロアリ被害)です。これらは外観からは確認できず、購入後に高額な修繕費用が発生する可能性があります。中古戸建ては物件カテゴリの中で最も欠陥が多いとされているため、購入前に必ず専門家(建築士やホームインスペクター)による検査を受けることが推奨されます。検査費用は5-10万円程度ですが、購入後の高額な修繕を避けるための必要経費です。

Q5新築と中古戸建て、どちらがお得ですか?

A52024年の名古屋市における新築戸建ての相場は50-85百万円に対し、中古戸建ては築年数次第で1,000万円台から購入可能です。建築コストが前年比20%上昇している影響で、新築価格は高騰しています。中古戸建てをリノベーションする場合、部分リフォームで300-800万円、フルリノベーションで1,000-2,000万円かかりますが、それでも新築より総コストを抑えられるケースが多い傾向にあります。ただし、物件の状態や立地によって異なるため、総予算を正確に把握してから判断することが重要です。

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Room Match編集部

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