名古屋の不動産市場の特徴|中部地方最大都市の不動産動向
名古屋での不動産購入・売却を検討している方は、「名古屋の不動産市場は今どうなっているのか?」「どのエリアが値上がりしているのか?」と気になることでしょう。
この記事では、名古屋の不動産市場動向、エリア別の価格相場、購入時の注意点、不動産会社の選び方を、中部レインズの公式データ・地価公示・業界レポートを元に解説します。
名古屋エリアで物件を探している方、不動産投資を検討している方に役立つ情報を提供します。
この記事のポイント
- 2024年時点で名古屋市の地価は住宅地+4.5%、商業地+6.0%と上昇が続いている
- 中古マンション価格は2015年から約46%上昇し、2,770万円が平均(中部レインズ調べ)
- 中区・東区・熱田区は商業地の地価が+8-10%と高い上昇率を記録
- マンションは駅徒歩10分以内、一戸建ては駅徒歩20分以内・駐車2台が名古屋の鉄則
- 売買は三井のリハウス・ハウスドゥ等、賃貸はニッショー(6年連続顧客満足度1位)が上位
名古屋の不動産市場動向|地価推移とマンション価格の10年推移
(1) 2024年の地価上昇率(住宅地+4.5%、商業地+6.0%)
LIFULL HOME'Sの地価公示分析によると、2024年の名古屋市の地価上昇率は以下の通りです。
| 項目 | 2024年上昇率 | 2023年上昇率 |
|---|---|---|
| 住宅地 | +4.5% | +3.7% |
| 商業地 | +6.0% | +5.0% |
(出典: LIFULL HOME'S)
前年比でさらに加速しており、名古屋の不動産市場は上昇基調が続いています。
(2) 中古マンション価格の10年推移(46%上昇)
中部レインズ(中部圏不動産流通機構)の公式データによると、名古屋市の中古マンション価格は10年間で大幅に上昇しています。
| 年度 | 平均価格 | 坪単価 |
|---|---|---|
| 2015年 | 1,903万円 | 170万円台 |
| 2024年 | 2,770万円 | 260万円台 |
| 上昇率 | 約46% | 約53% |
(出典: 中部レインズ)
成約価格も約50%上昇しており、高値推移が続いています。
(3) 新築マンション価格の推移(平均坪単価)
新築マンションの平均価格は、以下の通りです(2025年6月時点)。
- 70㎡物件:76.44万円/㎡
- 50㎡物件:82.54万円/㎡
新築マンション価格は10年間で約46%上昇しており、平均年収の上昇を上回る高騰が続いています。
(4) リニア中央新幹線開通の影響と不透明性
三菱地所リアルエステートサービスの市場レポートによると、リニア中央新幹線開通(名古屋-東京間が最速40分)により、東京・大阪とのアクセス向上が期待されています。
ただし、開通時期は未定で、影響は不透明です。期待先行の価格形成には注意が必要で、専門家(宅建士、不動産鑑定士)への相談を推奨します。
エリア別の価格相場と特徴|中区・東区・熱田区・中村区の地価動向
(1) 中区の商業地(+9.9%の高い上昇率)
中区は名古屋の都心部で、栄地区や名古屋駅周辺を含みます。2024年の商業地の地価上昇率は+9.9%と高く、再開発やタワーマンション建設が相次いでいます。
人口流入と世帯増加が順調に継続しており、不動産需要が高い地域です。
(2) 東区の商業地(+8.1%の上昇率)
東区は名古屋駅の東側で、交通アクセスが良好です。2024年の商業地の地価上昇率は+8.1%で、オフィス・住宅の両需要が高い地域です。
(3) 熱田区の商業地(+9.1%の上昇率)
熱田区は名古屋駅の南側で、交通の要衝です。2024年の商業地の地価上昇率は+9.1%と高く、再開発が進んでいます。
(4) 中村区の人口流入と世帯増加
中村区は名古屋駅を含むエリアで、人口流入と世帯増加が順調に継続しています。名古屋駅周辺の再開発により、タワーマンションや商業施設の建設が相次いでいます。
名古屋で不動産購入する際の注意点|駅距離・ブランド・駐車スペースの鉄則
(1) マンション購入:最寄駅から徒歩10分以内が鉄則
不動産会社の実務者による解説によると、名古屋でマンション購入時は最寄駅から徒歩10分以内が鉄則です。
徒歩15分以上離れると売却時に苦戦する可能性が高いため、将来の売却を見据えた立地選びが重要です。
(2) ブランドマンション(三井・住友・三菱地所・野村・大京)が売れやすい
大手デベロッパーが開発したブランドマンションは、以下の理由で売却しやすい傾向にあります。
- 建物の品質・管理体制への信頼
- ブランド力による資産価値の維持
- 購入希望者からの認知度が高い
主なブランド:
- 三井不動産(パークハウス、パークコート等)
- 住友不動産(シティハウス、シティタワー等)
- 三菱地所(ザ・パークハウス等)
- 野村不動産(プラウド等)
- 大京(ライオンズマンション等)
(3) 一戸建て購入:駅から徒歩20分以内、駐車スペース2台必須
名古屋は車社会のため、一戸建て購入では以下が基準となります。
- 駅から徒歩20分以内
- 駐車スペース2台分の確保
駐車スペースが1台しかない物件は、売却時に不利になる可能性があります。
(4) 売却を見据えた物件選びの重要性
不動産購入時は、「売却の事も頭に入れて購入」が鉄則です。以下の観点で物件を選ぶことを推奨します。
- 交通アクセス(駅距離)
- ブランド(デベロッパーの信頼性)
- 駐車スペース(名古屋の場合は2台分)
- 周辺環境(学校・商業施設・公園等)
名古屋でおすすめの不動産会社と選び方|大手vs地域密着型の違い
(1) 売買向け:三井のリハウス、ハウスドゥ、センチュリー21等
名古屋市でおすすめの不動産会社ランキングによると、売買向けでは以下の不動産会社が上位にランクインしています。
- 三井のリハウス
- ハウスドゥ
- センチュリー21
大手不動産会社は、物件数が多く、全国ネットワークを活用できるのが強みです。
(2) 賃貸向け:ニッショー(6年連続オリコン顧客満足度1位)
ニッショーは、東海地区で3万件以上の賃貸物件を保有しており、2023年時点でオリコン顧客満足度調査において6年連続1位を獲得しています。
名古屋市には668社の不動産会社が登録されており、賃貸向けでは地域密着型も多数存在します。
(3) 地域密着型の特徴(大家との関係が深く価格交渉に強い)
地域密着型の不動産会社は、以下の特徴があります。
- 大家との関係が深く、価格交渉に強い
- 独占物件情報を持っている場合がある
- 地域の市場動向に精通している
(4) 大手の特徴(物件数が多く、ニッショーは東海地区で3万件以上保有)
大手不動産会社は、以下の特徴があります。
- 物件数が多く、選択肢が豊富
- 全国ネットワークを活用できる
- ブランド力による信頼性
不動産会社の選択は、売買・賃貸・エリア・自分のニーズに応じて、複数社を比較検討することを推奨します。
まとめ|名古屋ならではのメリット・デメリットと次のアクション
名古屋の不動産市場は、2024年時点で住宅地+4.5%、商業地+6.0%の地価上昇が続いています。中古マンション価格は10年間で約46%上昇し、平均2,770万円となっています。
中区・東区・熱田区は商業地の地価が+8-10%と高い上昇率を記録しており、再開発やタワーマンション建設が相次いでいます。
マンション購入では駅徒歩10分以内、一戸建て購入では駅徒歩20分以内・駐車2台が名古屋の鉄則です。ブランドマンション(三井・住友・三菱地所・野村・大京)は売却しやすい傾向にあります。
不動産会社の選択は、売買は三井のリハウス・ハウスドゥ等、賃貸はニッショー(6年連続顧客満足度1位)が上位ですが、複数社を比較検討することを推奨します。
名古屋の不動産市場は上昇基調が続いていますが、リニア中央新幹線開通の影響は不透明です。専門家(宅建士、不動産鑑定士)への相談や、最新データ(中部レインズ、名古屋市公式サイト)の確認を推奨します。
