マンション最上階は暑い?原因と効果的な暑さ対策を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/11

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

マンション最上階の暑さとは

マンションの最上階は眺望が良く、上階からの騒音がないため人気がありますが、「夏は暑い」という声も少なくありません。実際に最上階に住んでいる方から「夏の室温が下がらない」「冷房が効きにくい」といった悩みを聞くことがあります。

この記事では、マンション最上階の暑さの原因、効果的な対策方法、購入前のチェックポイントを解説します。

最上階物件の購入を検討している方、または既に住んでいて暑さに悩んでいる方が、適切な対策を講じられるようになります。

この記事のポイント

  • 最上階の暑さは建物の断熱性能に大きく依存し、築10年以内の新しいマンションでは十分な断熱材が使用されている
  • 窓からの熱が全体の約70%を占めるため、遮熱カーテンや断熱フィルムで体感温度を2-3度下げることが可能
  • コンクリートは蓄熱性が高く、夏の昼間に温められると夜になっても温度が下がらない性質がある
  • 過去10年で断熱性能が大幅に向上し、「最上階=暑い」の方程式は必ずしも成立しない
  • 最上階は価格が平均1.5倍高く、眺望・静かさなどのメリットと暑さのデメリットを総合的に判断すべき

マンション最上階が暑いと言われる理由

屋根からの熱が天井を通じて伝わる

マンション最上階が暑い最大の理由は、屋根からの熱が天井を通じて室内に伝わることです。

太陽光で屋根が加熱されると、その熱が天井裏を経由して室内に侵入します。中層階は上階の床がバリアとなるため、直接的な屋根からの熱の影響を受けませんが、最上階はその影響をダイレクトに受けます。

特に、夏の晴天時には屋根の表面温度が60〜70度に達することもあり、断熱性能が不十分な建物では室温が大幅に上昇する原因となります。

「最上階=暑い」は必ずしも成立しない(築年数による違い)

ただし、「最上階=暑い」という方程式は、すべてのマンションに当てはまるわけではありません。建物の断熱性能により、暑さの程度は大きく異なります。

築年数別の傾向:

築年数 断熱性能 最上階の暑さ
築10年以内 十分な断熱材が使用されている 暑さは比較的軽微
築11〜20年 断熱材が使用されているが薄い場合も 築年数により差がある
築20年以上 断熱性能が不十分な場合が多い 暑さが顕著

過去10年で断熱性能が大幅に向上しており、2015年以降の新築マンションでは、最上階でも暑さが問題にならないケースも多くあります。

暑さの原因と構造的要因

断熱性能の影響(築10年以内と築20年以上の差)

マンションの暑さに最も影響するのは断熱性能です。断熱性能とは、建物が外部の熱を遮断する能力のことで、天井・壁・窓の断熱材の種類と厚さにより決まります。

築10年以内の新しいマンション:

  • 天井裏に厚い断熱材(グラスウールやロックウール100mm以上)が敷き詰められている
  • ペアガラスや高性能窓が標準装備されている
  • 断熱性能が高く、最上階でも暑さは比較的軽微

築20年以上の古いマンション:

  • 天井裏の断熱材が薄い(50mm以下)、または全く入っていない場合も
  • 単板ガラスの窓が多い
  • 断熱性能が不十分で、最上階の暑さが顕著

窓からの熱侵入(全体の約70%を占める)

室内への熱の侵入経路として、窓からの熱が全体の約70%を占めるとされています。

夏の晴天時、太陽光が窓ガラスを通過して室内に入り、床や家具を加熱します。この熱が室温を上昇させる主な原因です。

特に、最上階の角部屋は窓が多く、日射を受けやすいため、さらに暑くなりやすい傾向があります。中住戸は両隣の住戸に挟まれているため、窓が少なく温度が安定しやすいですが、通風は劣ります。

コンクリートの蓄熱性(夜も温度が下がらない理由)

マンションの躯体であるコンクリートは、蓄熱性が高い材料です。蓄熱性とは、材料が熱を蓄える性質のことで、昼間に蓄えた熱を夜に放出します。

夏の昼間に太陽光でコンクリートが温められると、夜になっても蓄熱した熱を放出し続けるため、室温がなかなか下がりません。これが「夜になっても暑い」と感じる理由です。

木造住宅と比較すると、コンクリート造のマンションは蓄熱性が高いため、夏の暑さが長時間続く傾向があります。

効果的な暑さ対策の方法

すぐできる対策(遮熱カーテン・サーキュレーター)

最上階の暑さ対策として、すぐに実施できる効果的な方法を紹介します。

遮熱カーテンの設置:

  • 太陽光の熱を反射し、室内への熱侵入を防ぐカーテン
  • 体感温度を2-3度下げる効果がある
  • 費用は1窓あたり5,000円〜15,000円程度
  • 遮光カーテンとの併用でさらに効果的

サーキュレーターの活用:

  • 室内の空気を循環させる装置
  • 冷房効率を高め、温度ムラを解消する
  • 天井に向けて送風すると、溜まった暖気を拡散できる
  • 費用は3,000円〜10,000円程度

中期的対策(断熱フィルム・内窓設置)

少し予算をかけて、より本格的な対策を行う方法です。

断熱フィルムの貼り付け:

  • 窓ガラスに貼る透明なフィルム
  • 紫外線・赤外線をカットし、熱侵入を防ぐ
  • DIYで施工可能(1窓あたり5,000円〜15,000円)
  • プロに依頼する場合は1窓あたり15,000円〜30,000円

内窓の設置:

  • 既存の窓の内側に追加する窓
  • 断熱性能・遮音性能が大幅に向上
  • 費用は1窓あたり50,000円〜150,000円
  • 賃貸でも取り外し可能なタイプがある

本格的対策(天井断熱リフォーム・管理組合の承認)

根本的に暑さを解消するには、天井断熱リフォームが最も効果的です。

天井断熱リフォーム:

  • 天井裏に断熱材を追加または交換
  • 費用は50万円〜150万円程度(専有部分のみ)
  • 専有部分の天井裏であれば個人判断で実施可能

屋上への断熱材追加:

  • 屋上に断熱材を敷き詰める(共用部分の工事)
  • 管理組合の承認が必要で、個人判断では実施できない
  • 大規模修繕時に合わせて実施するケースが多い
  • 費用は数百万円〜(マンション全体で負担)

最上階のメリットとデメリット

メリット(眺望・静かさ・上階騒音なし)

最上階には、暑さのデメリットを上回る魅力的なメリットがあります。

眺望の良さ:

  • 周囲の建物に視界を遮られず、開放的な景色を楽しめる
  • 夜景や花火が見える物件も多い

上階騒音がない:

  • 上階からの足音や物音に悩まされることがない
  • 静かな住環境を維持できる

プライバシー性が高い:

  • 外部からの視線を気にせず、カーテンを開けて過ごせる

資産価値が高い:

  • 最上階は最下階の約1.5倍の価格で取引される
  • 売却時にも高値で売れる可能性が高い

デメリット(暑さ・寒さ・エレベーター待ち時間)

一方で、以下のようなデメリットもあります。

温度管理の難しさ:

  • 夏は暑く、冬は寒い傾向がある
  • 冷暖房費用が高くなる場合がある

エレベーター待ち時間:

  • 高層階まで行くため、エレベーター待ち時間が長い
  • 朝の通勤ラッシュ時は特に混雑する

管理費・修繕積立金が高額:

  • 最上階は専有面積が広い場合が多く、管理費・修繕積立金も高額になる傾向がある

災害時の避難に時間がかかる:

  • 地震や火災時、階段で避難すると時間がかかる

資産価値(最下階の約1.5倍の価格)

最上階の資産価値は、最下階の約1.5倍の価格で取引されるとされています。

例えば、同じ間取りで最下階が3,000万円の場合、最上階は4,500万円程度になります。眺望・静かさなどのメリットが価格に反映されているためです。

将来の売却時にも、最上階は需要が高く、高値で売れる可能性があります。ただし、立地や周辺環境により資産価値は変動するため、購入時には慎重に判断してください。

購入前のチェックポイント

築年数と断熱性能の確認

最上階物件を購入する際、最も重要なのは築年数と断熱性能の確認です。

確認すべき項目:

  • 築年数(築10年以内が目安)
  • 天井裏の断熱材の種類と厚さ(100mm以上が理想)
  • 壁の厚さ(断熱性能に影響)

内見時に不動産会社に「天井裏の断熱材は何を使っていますか?」と質問すると、建物の断熱性能を確認できます。

ペアガラス・高性能窓の有無

窓からの熱侵入が約70%を占めるため、ペアガラス・高性能窓の有無も重要なチェックポイントです。

ペアガラス:

  • 2枚のガラスの間に空気層を設けた窓ガラス
  • 断熱性・遮音性が高い
  • 2015年以降の新築マンションでは標準装備が多い

単板ガラスの場合、内窓設置や断熱フィルム貼り付けのコストを見込む必要があります。

周辺環境と将来の開発計画

最上階の魅力である眺望を維持するため、周辺環境と将来の開発計画も確認してください。

確認すべき項目:

  • 周辺に高層ビル建設の計画がないか
  • 前面道路の幅(将来の建物高さに影響)
  • 都市計画(用途地域、高度地区等)

不動産会社や自治体に問い合わせることで、将来の開発計画を確認できます。

管理費・修繕積立金(最上階は高額傾向)

最上階は専有面積が広い場合が多く、管理費・修繕積立金が高額になる傾向があります。

購入前に確認すべきポイント:

  • 管理費・修繕積立金の月額
  • 今後の値上げ予定(長期修繕計画を確認)
  • 修繕積立金の残高(不足していないか)

ランニングコストを含めた総コストで判断することが重要です。

まとめ:最上階を選ぶべき人・避けるべき人

マンション最上階の暑さは、建物の断熱性能に大きく依存します。築10年以内の新しいマンションでは十分な断熱材が使用されており、「最上階=暑い」は必ずしも成立しません。

窓からの熱が約70%を占めるため、遮熱カーテンや断熱フィルムで体感温度を2-3度下げることが可能です。サーキュレーターで空気循環させることで、冷房効率も向上します。本格的に対策したい場合は、内窓設置や天井断熱リフォームが効果的です。

最上階は、眺望・静かさ・上階騒音なしなどのメリットがあり、資産価値も最下階の約1.5倍と高いです。一方で、夏は暑く冬は寒い傾向があり、冷暖房費用が高くなる場合もあります。

購入前には、築年数と断熱性能、ペアガラス・高性能窓の有無、周辺環境と将来の開発計画、管理費・修繕積立金を必ず確認してください。

最上階を選ぶべき人:

  • 眺望を重視する方
  • 静かな住環境を求める方
  • 断熱対策に予算をかけられる方
  • 築10年以内の新しいマンションを選べる方

最上階を避けるべき人:

  • 暑さ・寒さに敏感な方
  • 冷暖房費用を抑えたい方
  • 築20年以上の古いマンションしか選択肢がない方

メリット・デメリットを総合的に判断し、自分のライフスタイルに合った選択をしましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1マンション最上階は本当に暑いのですか?

A1築年数により異なります。築20年以上の古いマンションは天井裏の断熱材が薄い(50mm以下)または全く入っていない場合も多く、暑さが顕著です。一方、築10年以内の新しいマンションは厚い断熱材(100mm以上)が敷き詰められており、ペアガラスや高性能窓が標準装備されているため、「最上階=暑い」は必ずしも成立しません。過去10年で断熱性能が大幅に向上しており、最上階でも暑さが問題にならないケースも多くあります。

Q2最上階の暑さ対策で効果的な方法は何ですか?

A2窓からの熱が全体の約70%を占めるため、窓対策が最も効果的です。遮熱カーテンで体感温度を2-3度下げることができ、費用は1窓あたり5,000円〜15,000円程度です。サーキュレーターで室内の空気を循環させると、冷房効率が向上し温度ムラが解消されます。より本格的には、断熱フィルムの貼り付け(1窓あたり5,000円〜30,000円)や内窓の設置(1窓あたり50,000円〜150,000円)が効果的です。

Q3電気代は高くなりますか?

A3断熱性能が低い物件では、冷房費用が高くなる傾向があります。特に築20年以上の古いマンションで断熱材が不十分な場合、室温が上昇しやすく、冷房を長時間稼働させる必要があるためです。ただし、遮熱カーテン・断熱フィルム・内窓設置などの断熱対策を行うことで、冷房効率を改善し電気代を抑えることができます。築10年以内の新しいマンションでは、断熱性能が高いため電気代の増加は比較的軽微です。

Q4断熱リフォームは効果がありますか?

A4非常に効果的です。天井断熱リフォームで天井裏に断熱材を追加または交換すると、根本的に暑さを解消できます。費用は50万円〜150万円程度(専有部分のみ)で、専有部分の天井裏であれば個人判断で実施可能です。内窓設置も効果が高く、1窓あたり50,000円〜150,000円で断熱性能・遮音性能が大幅に向上します。ただし、屋上に断熱材を追加する場合は共用部分の工事となり、管理組合の承認が必要です。

Q5角部屋と中住戸、どちらが暑いですか?

A5一般的に角部屋の方が暑くなりやすい傾向があります。角部屋は窓が多く(2面または3面)、日射を受けやすいためです。窓からの熱侵入が全体の約70%を占めるため、窓が多いほど暑くなります。一方、中住戸は両隣の住戸に挟まれており、窓が少ない(1面のみ)ため温度が安定しやすいです。ただし、中住戸は通風が劣るため、風通しを重視する場合は角部屋が向いています。用途と優先順位で判断してください。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事