マンションでカメムシが大量発生する原因と効果的な対策方法

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/13

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マンションでカメムシが大量発生する背景

マンションでカメムシが大量に発生し、「高層階なのになぜ?」「どうやって対策すればいいのか?」と困惑している方は少なくありません。

この記事では、マンション特有のカメムシ発生原因(光への誘引、侵入経路、高層階への到達メカニズム)と、自分でできる効果的な対策方法を、農林水産省の公式データや専門家の情報を元に解説します。

初めてカメムシ被害に遭った方でも、原因を理解し、適切な予防・駆除方法を実践できるようになります。

この記事のポイント

  • 2025年は過去10年で最多の注意報(49件)が発出され、大量発生が継続中
  • カメムシは光(特に紫外線)に誘引されるため、LED照明への交換が有効
  • 高層階でも風に乗って到達するため、8階以上でも油断できない
  • 2-3mmの隙間から侵入するため、隙間テープやドレンホース虫除けキャップで物理的に防ぐ
  • 掃除機での吸引はNG、刺激すると悪臭が充満する

2025年のカメムシ大量発生状況とマンションへの影響

2025年6月時点で、農林水産省が発表したデータによると、36都府県で49の注意報が発出され、過去10年で最多を記録しています。2024年に続き、2025年も大量発生が継続している状況です。

6-8月の全国的な高温予報により、カメムシの生育・繁殖に非常に適した環境が整っており、9-10月の活動ピーク時期には、さらに大量飛来する可能性が高いと予測されています。

マンションでは、共用部の照明や各戸のベランダ灯がカメムシを誘引し、廊下やエントランスに大量に集まるケースが報告されています。特に9-10月は越冬準備のため、暖かい建物内への侵入を試みるカメムシが増加します。

マンションでカメムシが大量発生する2つの主要原因

(1) 光(紫外線)への誘引メカニズム

カメムシは光走性(こうそうせい)という、光に誘引される性質を持っています。特に紫外線を含む蛍光灯や水銀灯に強く誘引されます。

マンションの廊下やエントランスに設置されている蛍光灯は、夜間に大量のカメムシを呼び寄せる原因となります。一方、LED電球は紫外線をほとんど発しないため、カメムシの誘引を大幅に削減できます。

実際に、マンション管理組合が総会決議で廊下の照明をLEDに交換した事例では、カメムシ問題が大幅に改善されたとの報告があります。

(2) 9-10月の越冬準備時期に大量飛来

カメムシは成虫で越冬する昆虫です。9-10月になると、暖かい場所(建物の隙間、窓サッシ、換気口等)を探して移動するため、この時期に大量飛来します。

マンションは気密性が高く暖かいため、カメムシにとって格好の越冬場所となります。特に南向きのベランダや日当たりの良い窓は、カメムシが集まりやすい傾向があります。

マンション特有の侵入経路(高層階も油断できない)

(1) 2-3mmの隙間からの侵入(窓サッシ、換気口、ドレンホース)

カメムシは2-3mm以上の隙間があれば侵入可能です。主な侵入経路は以下の通りです。

侵入経路 対策方法
窓サッシ・網戸の隙間 隙間テープを貼る
換気口 目の細かいフィルターを設置
エアコンドレンホース 虫除けキャップを設置
玄関ドアの隙間 隙間テープを貼る
洗濯機の下などの隙間 定期清掃で隠れ場所を減らす

特にエアコンのドレンホース(排水ホース)は盲点になりやすく、ホームセンターで販売されている虫除けキャップを設置することで侵入を防げます。

(2) 高層階への侵入メカニズム(風に乗る、エレベーター経由)

「マンションの8階以上に住んでいるから安心」と思われがちですが、実際には高層階でもカメムシが出現します。

風に乗った侵入
カメムシは8階以上まで自力で飛行することは稀ですが、強風に乗って高層階まで到達することがあります。特に秋の季節風が強い日は、予想以上に高い階まで飛来する可能性があります。

エレベーター経由の侵入
エントランスや低層階でエレベーターに紛れ込んだカメムシが、上階まで移動するケースも報告されています。エレベーター内で発見した際は、刺激しないよう静かに捕獲し、外に逃がすことが推奨されます。

自分でできる効果的な対策方法とNG行為

(1) LED電球への交換で紫外線削減

最も効果的な対策は、蛍光灯をLED電球に交換することです。LED電球は紫外線をほとんど発しないため、カメムシの誘引を大幅に削減できます。

実施箇所

  • ベランダの照明
  • 玄関灯
  • 室内の蛍光灯(窓に近い照明は特に重要)

マンション管理組合では、共用部の廊下照明をLEDに一括交換した事例もあります(詳細は後述)。

(2) 隙間テープ・ドレンホース虫除けキャップの設置

物理的にカメムシの侵入を防ぐ方法です。

隙間テープ
窓サッシや網戸の隙間に貼ることで、2-3mmの隙間を塞ぎます。ホームセンターやオンラインショップで数百円程度で購入可能です。

ドレンホース虫除けキャップ
エアコンの排水ホースに取り付けるキャップで、カメムシだけでなくゴキブリなどの侵入も防げます。

(3) ミント・ハッカ油による忌避効果

カメムシは、ミントやハッカ油の香りを嫌います。

使用方法

  • ハッカ油を水で薄めてスプレーボトルに入れる
  • 窓サッシ、網戸、ベランダの手すりにスプレー
  • 週1回程度の頻度で再スプレー(香りが薄れるため)

市販の防虫スプレーも有効ですが、製品の注意書きに従い、換気を十分に行ってください。

(4) やってはいけないNG行為(掃除機での吸引等)

カメムシは刺激を受けると強烈な悪臭を放ちます。以下の行為は避けてください。

❌ 掃除機で吸引
掃除機内で悪臭を放ち、長期間臭いが取れなくなります。紙パック式でも、フィルターに臭いが付着します。

❌ 叩いて駆除
刺激すると悪臭が充満します。室内で発見した場合は、ティッシュや割り箸で静かに捕獲し、ビニール袋に密閉して外に捨ててください。

✅ 推奨する駆除方法

  • ティッシュや割り箸で静かに捕獲
  • ビニール袋に密閉して外に捨てる
  • 市販の「カメムシ専用スプレー」を使用(刺激せずに駆除できるタイプ)

マンション管理組合としての対策と費用負担

(1) 共用部のLED化と総会決議の成功事例

マンション管理組合として、共用部(廊下、エントランス、外灯)の照明をLEDに一括交換する事例が増えています。

実施手順

  1. 管理組合の総会で提案・決議
  2. LED照明の見積もりを複数業者から取得
  3. 工事実施(数日〜1週間程度)

効果

  • カメムシの誘引が大幅に減少
  • 電気代の削減(LED照明は消費電力が少ない)
  • メンテナンス費用の削減(LED電球は長寿命)

実際に総会決議で廊下の照明をLED化したマンションでは、カメムシ問題が解消されたとの報告があります。

(2) 費用負担の区分(専有部は各戸、共用部は管理組合)

カメムシ駆除の費用負担は、マンション管理規約により以下のように区分されるのが一般的です。

箇所 費用負担 対策例
専有部分(各戸の室内) 各戸負担 室内のLED化、隙間テープ、ハッカ油
共用部分(廊下、エントランス) 管理組合(管理費から) 廊下のLED化、専門業者の駆除

共用部のカメムシ対策は、管理組合が管理費から支出するのが通常ですが、詳細はマンションの管理規約をご確認ください。

専門業者による駆除を依頼する場合、共用部であれば管理組合が費用負担します。専有部の駆除は各戸負担となるため、まずは自分でできる対策を試すことをおすすめします。

まとめ:状況別の対処法と注意点

マンションでのカメムシ大量発生は、光(紫外線)への誘引と、9-10月の越冬準備が主な原因です。2025年は過去10年で最多の注意報が発出されており、継続的な対策が必要です。

自分でできる対策として、LED電球への交換、隙間テープ・ドレンホース虫除けキャップの設置、ミント・ハッカ油による忌避が有効です。一方、掃除機での吸引は悪臭が充満するためNGです。

マンション管理組合として共用部のLED化を検討する場合は、総会決議が必要です。費用負担の区分は管理規約により異なるため、事前にご確認ください。

高層階でも風やエレベーター経由で侵入する可能性があるため、どの階にお住まいでも油断せず、早めの対策を実施しましょう。

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よくある質問

Q1カメムシはマンションの高層階にも来るのか?

A18階以上まで自力で飛行することは稀ですが、強風に乗って高層階まで到達することがあります。また、エントランスや低層階でエレベーターに紛れ込んだカメムシが上階まで移動するケースも報告されています。特に秋の季節風が強い日は、予想以上に高い階まで飛来する可能性があるため、高層階でも油断できません。窓サッシの隙間テープ設置やLED照明への交換など、基本的な対策は高層階でも実施することをおすすめします。

Q2カメムシの駆除費用は誰が負担するのか?

A2マンションでは、専有部分(各戸の室内)のカメムシ駆除費用は各戸が負担し、共用部分(廊下、エントランス等)は管理組合が管理費から負担するのが一般的です。共用部の照明をLEDに交換する場合は、管理組合の総会決議が必要となります。ただし、詳細はマンションの管理規約により異なる可能性があるため、事前に管理組合や管理会社にご確認ください。専有部の駆除は自分でできる対策を試してから、必要に応じて専門業者への依頼を検討すると良いでしょう。

Q32025年もカメムシは大量発生するのか?

A32025年6月時点で、農林水産省の発表によると36都府県で49の注意報が発出され、過去10年で最多を記録しています。2024年に続き、2025年も大量発生が継続している状況です。さらに6-8月の全国的な高温予報により、カメムシの生育・繁殖に非常に適した環境が整っており、9-10月の活動ピーク時期には、さらに大量飛来する可能性が高いと予測されています。継続的な対策が必要な年と言えるでしょう。

Q4カメムシを掃除機で吸ってもいいのか?

A4掃除機で吸うことは絶対に避けてください。カメムシは刺激を受けると強烈な悪臭を放つため、掃除機内で悪臭が充満し、長期間臭いが取れなくなります。紙パック式でも、フィルターに臭いが付着してしまいます。推奨する駆除方法は、ティッシュや割り箸で静かに捕獲し、ビニール袋に密閉して外に捨てる方法です。または、市販の「カメムシ専用スプレー」を使用すると、刺激せずに駆除できます。刺激しないことが最も重要です。

Q5洗濯物にカメムシが付かないようにする方法は?

A5カメムシは5-8月に洗濯物や植物に卵を産み付ける習性があります。洗濯物を外干しする際は、目の細かい防虫ネットを被せることで産卵を防止できます。また、取り込む前に洗濯物を軽く振って、カメムシが付いていないか確認することも有効です。ベランダの落ち葉や枯れた植物を放置せず定期清掃することで、カメムシの隠れ場所や越冬場所を減らすことができます。5-8月の産卵期は特に注意が必要です。

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Room Match編集部

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