マンション・土地購入のメリットとデメリット【物件種別の比較】

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/25

広告

ノムコムが運営する不動産資料請求・見学予約キャンペーン【マンション】

マンション購入と土地購入、どちらを選ぶべきか

不動産購入を検討する際、「マンションを買うべきか、それとも土地を購入して注文住宅を建てるべきか」と悩む方は少なくありません。どちらにもメリット・デメリットがあり、ライフプランや予算、優先事項により最適な選択は異なります。

この記事では、マンション購入と土地購入のメリット・デメリットを多角的に比較し、ライフプランに応じた選択基準を提示します。不動産業界の最新動向や、2025年4月からの省エネ基準適合義務化の影響もあわせて解説します。

不動産購入は人生の大きな決断です。この記事を読めば、自分に合った物件種別を選択できるようになります。

この記事のポイント

  • マンション購入の最大のメリットは、月々のローン返済が資産形成のための支出に変わり、ローン完済後は財産として残ること
  • マンションは駅近など利便性が高い立地に建てられることが多く、資産価値が維持されやすい
  • マンションは管理費・修繕積立金が所有し続ける限り毎月かかり続け、築年数が経過すると値上がりすることが多い
  • 土地購入の最大のメリットは、土地の価値は建物と異なり経年で下がらないため、安定した資産として保有できること
  • 2025年4月から全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務化され、省エネ性能が資産価値に影響する

マンション購入のメリット

(1) 資産形成と財産形成

マンション購入の最大のメリットは、月々のローン返済が資産形成のための支出に変わることです。賃貸住宅の場合、毎月の家賃は支払ったら終わりですが、マンション購入では、ローン完済後はマンション自体が財産として残ります。

資産形成の具体例:

  • ローン完済後は売却・賃貸・相続といった選択肢が増える
  • 将来的な資金調達の担保として活用できる
  • 老後の住居費負担が軽減される

(2) 立地の良さと利便性

マンションは、駅の近くや商業施設が集まる場所など、利便性が高い立地に建てられることが多いです。一戸建てと比較して、以下のような利便性があります。

項目 マンション 一戸建て(土地購入)
駅からの距離 徒歩5-10分圏内が多い 駅から離れた場所が多い
商業施設へのアクセス 近い 距離がある場合が多い
通勤・通学の利便性 高い 立地による

駅近や都心部のマンションは、立地の良さから資産価値が維持されやすく、将来的な売却時にも有利です。

(3) セキュリティ面の安心感

マンションは、有人管理やオートロック、防犯カメラなどの防犯設備が整っており、一戸建てと比較してセキュリティ面で安心できます。

マンションのセキュリティ設備:

  • オートロック: エントランスに電気錠システムを設置し、居住者以外の侵入を防ぐ
  • 防犯カメラ: エントランスや共用廊下に設置され、24時間監視
  • 有人管理: 管理人が常駐し、不審者の侵入を防止
  • 宅配ボックス: 不在時でも荷物を受け取れ、玄関先での受け取り不要

これらのセキュリティ設備は、特に女性や子育て世帯にとって大きな安心感となります。

(4) 維持管理の負担軽減

マンションは管理会社がエントランスホールや共用廊下の清掃を行い、大規模修繕も計画的に実施されるため、維持管理の負担が少ないです。

一戸建てとの比較:

項目 マンション 一戸建て
共用部分の清掃 管理会社が実施 自己負担
大規模修繕 管理組合が計画 自己判断・自己負担
外壁塗装 修繕積立金で対応 自己負担(数百万円)
屋根の修理 修繕積立金で対応 自己負担

また、鉄筋コンクリート造のマンションは木造一戸建てより気密性・断熱性に優れ、冷暖房効率が良く光熱費を抑えられるメリットもあります。

マンション購入のデメリット

(1) 管理費・修繕積立金の継続的負担

マンション購入の最大のデメリットは、管理費・修繕積立金が所有し続ける限り毎月かかり続けることです。

管理費・修繕積立金の内訳:

  • 管理費: 共用部分(エントランス、廊下、エレベーター等)の維持管理費用。管理会社への委託費、清掃費、設備点検費等が含まれる
  • 修繕積立金: 大規模修繕(外壁塗装、屋上防水、配管交換等)に備えて毎月積み立てる費用

注意点:

  • 一般的に月数万円単位でかかり続ける(物件により異なる)
  • 修繕積立金は築年数が経過すると値上がりすることが多い
  • ローン完済後も管理費・修繕積立金の支払いは継続

(2) 新築マンションの資産価値下落リスク

新築マンションは購入直後から中古扱いになり、資産価値が急激に下がるリスクがあります。

資産価値下落の要因:

  • 新築プレミアム(広告費、モデルルーム費用等)が価格に上乗せされている
  • 購入直後から中古扱いになり、価格が10-20%程度下がる場合がある
  • 立地や管理状態により、資産価値の維持に差が出る

対策:

  • 駅近や都心部など、資産価値が維持されやすい立地を選ぶ
  • 中古マンションも検討する(新築より価格が安く、税制優遇もある)
  • 管理組合の運営状況を確認する

(3) 騒音トラブルのリスク

マンションは上下左右に住民がいる共同住宅のため、騒音トラブルが発生するリスクがあります。

よくある騒音トラブル:

  • 上階の足音や物を落とす音
  • 隣室の生活音(テレビ、音楽、話し声等)
  • 子どもの走る音や泣き声
  • ペットの鳴き声

対策:

  • 鉄筋コンクリート造で壁が厚い物件を選ぶ
  • 角部屋や最上階を選ぶ(隣接住戸が少ない)
  • 購入前に管理組合の規約を確認する

(4) 転居の自由度が低い

マンションは一度購入すると気軽に引っ越せず、転居が必要になった場合は売却または賃貸の手続きが必要です。

転居時の課題:

  • 売却には数ヶ月~1年以上かかる場合がある
  • 売却価格が購入価格を下回る可能性がある(特に新築マンション)
  • 賃貸に出す場合、管理会社への委託費用や空室リスクがある
  • 転勤や介護等で急な転居が必要な場合に対応しにくい

土地購入のメリット

(1) 土地の価値は経年で下がらない

土地購入の最大のメリットは、土地の価値は建物と異なり経年で下がらないため、安定した資産として保有できることです。

土地と建物の価値の違い:

項目 土地 建物
経年による価値変動 下がらない 築年数とともに下がる
資産としての安定性 高い 築年数で減価償却
市況による変動 あり(地域開発等) あり

土地は立地や周辺環境が変わらない限り、資産価値が安定しています。将来的な相続や売却時にも有利です。

(2) 自由に建物を建てられる

土地を購入すれば、建築制限の範囲内で自由に建物を建てられます。

自由度の高さ:

  • 間取りや設備を自分好みにカスタマイズできる
  • 建物のデザインや外観を自由に決められる
  • 将来的に建て替えや増築も可能
  • 駐車場やガレージを自由に配置できる

マンションでは専有部分のリフォームに制約がありますが、土地を購入して注文住宅を建てる場合は、建築基準法や用途地域の制限内で自由に設計できます。

(3) 不動産を担保にローンが組みやすい

土地を所有していると、不動産を担保にローンが組みやすくなります。

活用例:

  • 住宅ローンの担保として土地を活用
  • 事業資金の調達時に不動産担保ローンを利用
  • 相続税対策として土地活用(賃貸住宅建築等)

土地購入のデメリット

(1) 建築制限と用途地域の制約

土地購入時には、建築制限と用途地域の制約を確認する必要があります。

主な建築制限:

  • 用途地域: 都市計画法に基づき、建築できる建物の種類や規模を制限する地域区分(13種類)
  • 建ぺい率: 敷地面積に対する建築面積の割合(30%~80%)
  • 容積率: 敷地面積に対する延床面積の割合(50%~1300%)
  • 高さ制限: 北側斜線制限、道路斜線制限等

これらの制限により、希望する建物を建てられない場合があります。土地購入前に、建築士や宅地建物取引士に相談することを推奨します。

(2) 固定資産税の継続的負担

土地を所有すると、固定資産税が毎年かかります。

固定資産税の計算:

  • 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)
  • 住宅用地の場合、軽減措置がある(200㎡以下の部分は評価額の1/6)

注意点:

  • 建物が建っていない土地は、住宅用地の軽減措置が適用されない
  • 固定資産税は毎年継続的にかかる
  • 都市計画税もあわせて課される場合がある

(3) 建物建築までの時間とコスト

土地を購入してから建物を建てるまでには、時間とコストがかかります。

建物建築のプロセス:

  1. 土地購入(1-3ヶ月)
  2. 建築プラン作成(1-2ヶ月)
  3. 建築確認申請(1-2ヶ月)
  4. 建物建築(4-6ヶ月)
  5. 完成・引き渡し

合計で1年前後かかる場合が多く、その間は賃貸住宅に住み続ける必要があります。また、建物建築費用は土地代とは別に数千万円単位でかかります。

まとめ:ライフプランに応じた物件種別の選び方

マンション購入と土地購入、どちらにもメリット・デメリットがあります。マンション購入の最大のメリットは、月々のローン返済が資産形成のための支出に変わり、駅近など利便性が高い立地で生活できることです。一方、管理費・修繕積立金が継続的にかかり、騒音トラブルのリスクもあります。

土地購入の最大のメリットは、土地の価値は経年で下がらず、自由に建物を建てられることです。一方、建築制限や固定資産税の継続的負担、建物建築までの時間とコストがかかります。

選び方のポイント:

  • マンション: 駅近の利便性を重視、セキュリティ面の安心感、維持管理の負担軽減を優先する方
  • 土地購入: 資産価値の安定性を重視、自由な建物設計を希望する方

2025年4月から全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務化されるため、購入時は省エネ性能を確認することが重要です。どちらを選ぶかは、ライフプラン、予算、優先事項により異なります。専門家(不動産鑑定士、宅地建物取引士、建築士、ファイナンシャルプランナー等)への相談をおすすめします。

広告

ノムコムが運営する不動産資料請求・見学予約キャンペーン【マンション】

広告

よくある質問

Q1マンション購入は資産形成になる?

A1はい、資産形成になります。月々のローン返済が資産形成のための支出に変わり、ローン完済後はマンション自体が財産として残ります。将来的に売却・賃貸・相続といった選択肢が増え、老後の住居費負担も軽減されます。ただし、立地や管理状態により資産価値の維持に差が出るため、駅近や都心部など資産価値が維持されやすい立地を選ぶことが重要です。

Q2マンションの管理費・修繕積立金はどれくらいかかる?

A2物件により異なりますが、一般的に月数万円単位でかかり続けます。管理費は共用部分(エントランス、廊下、エレベーター等)の維持管理費用、修繕積立金は大規模修繕(外壁塗装、屋上防水、配管交換等)に備えた費用です。注意点として、修繕積立金は築年数が経過すると値上がりすることが多く、ローン完済後も管理費・修繕積立金の支払いは継続するため、長期的な負担を考慮する必要があります。

Q3新築マンションと中古マンション、どちらが良い?

A3それぞれにメリット・デメリットがあります。中古マンションは新築より価格が安く、税制優遇もありますが、設備の劣化や旧耐震基準(1981年5月31日以前)のリスクがあります。新築マンションは最新設備で新耐震基準に適合していますが、購入直後から中古扱いになり、資産価値が10-20%程度下がる可能性があります。どちらを選ぶかは、予算、立地、築年数の許容範囲により異なります。

Q4土地購入のメリットは?

A4土地購入の最大のメリットは、土地の価値は建物と異なり経年で下がらないため、安定した資産として保有できることです。また、建築制限の範囲内で自由に建物を建てられるため、間取りや設備を自分好みにカスタマイズできます。さらに、不動産を担保にローンが組みやすくなり、住宅ローンの担保や事業資金の調達時に活用できます。将来的な建て替えや増築も可能です。

Q52025年の省エネ基準適合義務化の影響は?

A52025年4月から全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務化され、2030年にはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準が求められます。省エネ性能が資産価値に影響するため、購入時は省エネ性能を確認することが重要です。省エネ性能が高い住宅は、冷暖房効率が良く光熱費を抑えられるメリットもあります。中古マンションや既存住宅を購入する場合も、省エネ性能を確認してください。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事