マンション管理士試験とは?合格点と資格の価値
マンション管理士試験の受験を検討している方にとって、「合格点は何点なのか」「どれくらい難しいのか」は最も気になるポイントの一つです。
この記事では、マンション管理士試験の合格点・合格率の推移、試験概要、効果的な勉強法を、公益財団法人マンション管理センターの公式データを元に解説します。
初めて受験する方でも、合格に必要な準備と戦略を正確に把握できるようになります。
この記事のポイント
- 令和6年度(2024年度)の合格点は37点、合格率は12.7%
- 合格点は相対評価で35-40点の範囲で変動し、合格率は約10%で推移
- 合格に必要な勉強時間は約500時間(初心者)、宅建等の有資格者は約250時間
- マンション管理士は名称独占資格で独占業務はないが、管理組合の運営・管理に関する専門知識を証明できる
- 管理業務主任者とのダブル受験で5問免除のメリットあり
マンション管理士試験の合格点と合格率の推移
令和6年度(2024年度)の合格点は37点・合格率は12.7%
STUDYingによると、令和6年度(2024年度)のマンション管理士試験の合格点は50点満点中37点、合格率は**12.7%**でした。
受験者数は11,424人、合格者数は1,449人で、不動産系資格の中でも難関試験の一つと位置づけられています。
過去10年間の合格点推移(35-40点の範囲で変動)
過去10年間の合格点は以下のように推移しています。
| 年度 | 合格点(50点満点) | 合格率 |
|---|---|---|
| 令和6年(2024年) | 37点 | 12.7% |
| 令和5年(2023年) | 36点 | 10.1% |
| 令和4年(2022年) | 36点 | 11.5% |
| 令和3年(2021年) | 38点 | 9.9% |
| 令和2年(2020年) | 36点 | 8.0% |
| 令和元年(2019年) | 37点 | 8.2% |
| 平成30年(2018年) | 38点 | 7.9% |
| 平成29年(2017年) | 36点 | 9.0% |
| 平成28年(2016年) | 35点 | 8.0% |
| 平成27年(2015年) | 38点 | 8.2% |
(出典: STUDYing「マンション管理士試験 令和6年度(2024年度)合格発表!合格点は37点、合格率は12.7%」、アガルートアカデミー「【2025年最新】マンション管理士の合格点は?合格ラインと合格点の推移も解説!」)
相対評価制度とは?合格点が年度により変わる理由
マンション管理士試験は相対評価制度を採用しています。
これは、受験者全体の得点分布に基づき合格点を決定する方式で、合格率を約10%前後に維持するよう調整されます。
そのため、試験問題の難易度により合格点が35-40点の範囲で変動します。アガルートアカデミーによると、例年**正答率約7割(35点前後)**が合格ラインの目安とされています。
合格率約10%が維持される仕組み
相対評価により、試験が難しい年は合格点が下がり、易しい年は合格点が上がる仕組みです。
これにより、合格率は過去10年間で**8-12%**の範囲で推移しており、安定した難易度が保たれています。
試験の概要と出題科目・受験資格
試験形式:2時間・50問・4肢択一マークシート
マンション管理士試験は以下の形式で実施されます。
- 試験時間: 2時間
- 問題数: 50問
- 形式: 4肢択一マークシート
- 配点: 各1点(50点満点)
TACによると、試験会場は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇及びその周辺で実施されます。
出題範囲:4科目の内訳と出題数
試験は以下の4科目から出題されます。
| 科目 | 主な内容 | 出題数(目安) |
|---|---|---|
| 法令及び実務 | 区分所有法、民法、マンション標準管理規約等 | 約20問 |
| 管理組合の運営 | 管理組合の会計、総会・理事会の運営等 | 約12-15問 |
| 建物・設備 | マンションの構造、設備の保守・修繕等 | 約12-15問 |
| 適正化法 | マンション管理適正化法、登録制度等 | 約5問 |
(出典: TAC「【令和7年度 マンション管理士試験】マンション管理士の試験内容とは?試験範囲を理解してしっかり対策しよう!」)
受験資格:年齢・学歴・実務経験不問
不動産系資格 最短合格ルートによると、マンション管理士試験には受験資格に制限がありません。
年齢・学歴・実務経験を問わず、誰でも受験できます。
令和7年度(2025年度)の試験日程と申込期間
賃貸不動産経営管理士合格応援ブログによると、令和7年度(2025年度)の試験日程は以下の通りです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 官報公告 | 2025年6月3日 |
| 申込開始 | 2025年8月1日 |
| インターネット申込期間 | 2025年8月1日~9月30日 |
| 受験票発送 | 2025年10月27日 |
| 試験日 | 2025年11月30日(日) |
申込方法や最新情報は公益財団法人マンション管理センターの公式サイトでご確認ください。
合格に必要な勉強時間と独学の可能性
初心者は500-700時間、有資格者は約250時間
モアライセンスによると、マンション管理士試験の合格に必要な勉強時間は以下の通りです。
| 受験者の属性 | 必要な勉強時間 |
|---|---|
| 初心者(法律知識なし) | 500-700時間 |
| 宅建・管理業務主任者等の有資格者 | 約250時間 |
初心者の場合、1日3時間で約6ヶ月、1日2時間で約8ヶ月、1日1時間で約1.5年が目安です。
学習期間の目安:1日3時間で約6ヶ月
合格に向けた学習計画の例は以下の通りです。
- 1日3時間: 約6ヶ月
- 1日2時間: 約8ヶ月
- 1日1時間: 約1.5年
宅建や管理業務主任者の有資格者は、民法や区分所有法の基礎知識があるため、約250時間(3-4ヶ月)で合格圏内に到達できる場合もあります。
独学での合格は可能?過去問演習2,000問が鍵
アガルートアカデミーによると、独学での合格は可能ですが、合格率約10%の難関試験であるため、効率的な学習方法が必須です。
過去10年分(約2,000問)の過去問演習が推奨されており、単なる暗記ではなく「なぜその選択肢が正解か」を理解する学習が重要です。
効果的な勉強法:理解重視・民法の基礎固め・キーワード見極め
合格者が実践している勉強法は以下の通りです。
- 理解重視の学習: 過去問の丸暗記は危険で、法律の趣旨や背景を理解する
- 民法の基礎固め: 区分所有法やマンション標準管理規約の土台となる民法をしっかり学ぶ
- キーワードの見極め: 複雑な問題文の中から重要なキーワードを抽出する力を養う
- 過去問の繰り返し: 過去10年分を最低3周して、出題パターンを体に染み込ませる
アガルートアカデミーは「民法の基礎理解が合格のカギ」と強調しています。
管理業務主任者との違いとダブル受験のメリット
立場の違い:管理組合側 vs 管理会社側
STUDYingによると、マンション管理士と管理業務主任者は以下のように立場が異なります。
| 資格 | 立場 | 主な役割 |
|---|---|---|
| マンション管理士 | 管理組合側(住民側) | 管理組合の運営・管理に関する相談・助言 |
| 管理業務主任者 | 管理会社側 | 管理業務の委託契約・重要事項説明 |
独占業務の有無:名称独占 vs 業務独占
マンション管理士は名称独占資格で、独占業務はありません。一方、管理業務主任者は業務独占資格で、以下の独占業務があります。
- 重要事項説明: 管理委託契約の重要事項を説明する業務
- 管理事務報告: 管理業務の実施状況を報告する業務
また、管理会社には管理業務主任者の設置義務があり(30管理組合につき1人以上)、就職・転職に直結しやすい資格です。
難易度の比較:合格率10% vs 20%
アガルートアカデミーによると、2つの資格の難易度は以下のように異なります。
| 資格 | 合格率 | 難易度 |
|---|---|---|
| マンション管理士 | 約10% | 高い |
| 管理業務主任者 | 約20% | やや易しい |
マンション管理士の方が試験範囲が広く、より深い知識が問われます。
ダブル受験で5問免除のメリット
試験範囲は大部分が重なっているため、ダブル受験が効率的です。
管理業務主任者に合格すると、マンション管理士試験で5問免除(マンション管理適正化法の5問)のメリットがあります。
STUDYingは「管理業務主任者を先に取得し、翌年マンション管理士を受験する」戦略を推奨しています。
まとめ:効率的な合格戦略と次のステップ
マンション管理士試験の合格点は35-40点の範囲で変動し、合格率は約10%で推移する難関試験です。令和6年度(2024年度)は37点で合格率12.7%でした。
合格に必要な勉強時間は初心者で500-700時間、宅建等の有資格者は約250時間が目安です。過去10年分の過去問演習と理解重視の学習が合格のカギです。
管理業務主任者とのダブル受験で5問免除のメリットがあり、試験範囲が重複するため効率的です。まずは管理業務主任者から取得し、翌年マンション管理士に挑戦する戦略も有効です。
詳細は公益財団法人マンション管理センターの公式サイトで最新情報をご確認ください。
