マンションでネット回線選びに悩む理由と本記事の目的
マンションに住んでいる方や引っ越しを検討している方の中には、「どのネット回線を選べばいいかわからない」「マンションの回線は遅いって本当?」と悩む方が少なくありません。
マンションのネット回線は、建物の配線方式や導入状況によって速度や選べるサービスが大きく異なります。この記事では、マンションのネット回線の基礎知識から選び方、工事の流れ、よくある失敗と対策まで、契約前に知っておきたい情報を網羅的に解説します。
この記事のポイント
- マンションのネット環境は「完備」「対応」「未導入」の3タイプで確認する
- 配線方式(光配線・VDSL・LAN)によって速度が大きく異なる
- スマホセット割を活用すれば月額1,100〜1,650円の割引が受けられる
- 賃貸では管理会社・大家への許可取得が必須
- 引越しシーズンは工事待ちが長くなるため早めの申し込みが重要
マンションのネット回線の基礎知識(配線方式・回線タイプの違い)
インターネット完備・対応・未導入の違い
マンションのネット環境は、大きく3つのタイプに分かれます。
| タイプ | 内容 | 契約の手間 |
|---|---|---|
| インターネット完備 | 部屋まで回線が引かれており、すぐに利用可能 | 不要(管理費に含まれる場合が多い) |
| インターネット対応 | 共用部まで回線が引かれている | プロバイダ契約が必要 |
| 未導入 | 光回線が引かれていない | 個別に光回線工事が必要 |
まずは物件情報や管理会社に確認し、自分のマンションがどのタイプかを把握することが第一歩です。
光配線方式・VDSL方式・LAN配線方式の速度比較
マンションの配線方式によって、実際に出る速度が大きく変わります。
| 配線方式 | 最大速度 | 実測の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 光配線方式 | 1〜10Gbps | 100〜300Mbps | 光ファイバーで各部屋まで配線。最も高速 |
| LAN配線方式 | 100Mbps〜1Gbps | 50〜100Mbps | LANケーブルで配線。VDSL方式より安定 |
| VDSL方式 | 100Mbps | 30〜90Mbps | 電話回線を利用。速度が遅い場合が多い |
在宅勤務やオンラインゲーム、4K動画視聴を快適に行いたい場合は、光配線方式のマンションを選ぶか、配線方式の確認を行うことをおすすめします。
光コラボとは?NTT回線を利用するサービスの仕組み
光コラボ(光コラボレーション)とは、NTTのフレッツ光回線を利用した光回線サービスです。ドコモ光、ソフトバンク光、ビッグローブ光などが代表例で、提供エリアが広く、乗り換えもスムーズなのが特徴です。
2025年12月時点では、NTT回線を利用する光コラボサービスが主流となっており、マンションでも導入しやすい選択肢となっています。
マンションのネット回線の選び方と比較ポイント
速度で選ぶ:1ギガプランと10ギガプランの違い
| プラン | 月額料金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 1ギガプラン | 4,000〜5,000円 | 単身世帯、動画視聴中心 |
| 10ギガプラン | 6,000〜7,000円 | 家族利用、オンラインゲーム、在宅勤務 |
日常的なネット利用であれば1ギガプランで十分ですが、複数人で同時に利用する場合や高速通信が必要な場合は10ギガプランを検討するとよいでしょう。
料金で選ぶ:月額費用とスマホセット割の活用
スマートフォンと光回線をセットで契約すると、スマホ料金が月額最大1,100〜1,650円割引されるセット割が適用されます。
- ドコモ光 × ドコモスマホ:最大1,100円/月割引
- ソフトバンク光 × ソフトバンクスマホ:最大1,100円/月割引
- auひかり × auスマホ:最大1,100円/月割引
家族全員に適用される場合もあるため、家族のスマホキャリアも考慮して選ぶとお得です。
契約期間で選ぶ:縛りなしプランのメリット・デメリット
契約期間の縛りがないプラン(GMOとくとくBB光など)は、転勤が多い方や短期間の利用を予定している方に人気です。
| タイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 縛りありプラン | 月額料金が安い、キャッシュバック特典が充実 | 途中解約で違約金が発生 |
| 縛りなしプラン | いつでも解約可能 | 月額料金がやや高め |
マンションで光回線を導入する際の工事・手続きの流れ
管理会社・大家への許可取得の方法
賃貸マンションで光回線を新規導入する場合、必ず管理会社または大家の許可が必要です。特に壁に穴を開ける工事が必要な場合は、事前に原状回復義務についても確認しておきましょう。
工事の流れと費用の目安(15,000〜20,000円)
光回線の工事費用は、通常15,000〜20,000円が目安です。多くのサービスでは、キャンペーンにより工事費が実質無料となる場合もあります。
工事の一般的な流れ
- 光回線サービスに申し込み
- 工事日程の調整(繁忙期は2〜3ヶ月待ちの場合も)
- 工事当日(1〜2時間程度、立ち会いが必要)
- 機器設定後、利用開始
工事不要で使えるホームルーター・モバイルWi-Fiという選択肢
インターネット完備のマンションや、工事の許可が得られない場合は、ホームルーターやモバイルWi-Fiも選択肢になります。コンセントに差すだけで利用開始でき、引越し時の手続きも簡単です。
マンションのネット回線でよくある失敗と対策
配線方式を確認せず契約して速度が遅い
「光回線」という名称でも、マンションの配線方式がVDSL方式の場合、実測速度は30〜90Mbps程度にとどまることがあります。契約前に必ずマンションの配線方式を確認しましょう。
引越しシーズンで工事待ち2〜3ヶ月
3〜4月の引越しシーズンは工事の予約が集中し、2〜3ヶ月待ちになることがあります。入居が決まったら早めに申し込むことをおすすめします。
退去時の原状回復費用を考慮していなかった
壁に穴を開ける工事を行った場合、退去時に原状回復費用がかかる可能性があります。賃貸契約書を確認し、不明点は管理会社に問い合わせましょう。
まとめ:用途別おすすめの選び方と契約前の確認事項
マンションのネット回線を選ぶ際は、まず建物のインターネット環境(完備・対応・未導入)と配線方式を確認することが重要です。速度重視なら光配線方式のマンションや10ギガプラン、コスト重視ならスマホセット割を活用できるサービスを選びましょう。
賃貸の場合は管理会社への許可取得を忘れずに行い、引越しシーズンは早めの申し込みを心がけてください。
料金プランやキャンペーン内容は変更される可能性があるため、契約前に各サービスの公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
