マンションで避けるべき階は?各階のメリット・デメリットと選び方
マンション購入や賃貸を検討する際、「どの階を選べばいいのか」「避けるべき階はあるのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、マンション各階の特徴、低層階・中層階・高層階のメリット・デメリット、階数選びのポイントを、防犯統計や不動産市場データを元に解説します。
初めてマンションを選ぶ方でも、各階のリスクと利点を理解し、自分のライフスタイルに合った階を選べるようになります。
この記事のポイント
- 「住んではいけない階」は存在せず、各階にメリット・デメリットがある
- 1階は防犯面(侵入盗が4階以上の約2倍)・日当たり・湿気に注意が必要だが、価格が安く専用庭があるメリットもある
- 中層階(5-8階)は価格と住環境のバランスが良く、満足度が高い
- 高層階・最上階は眺望・プライバシーに優れるが、夏の暑さ・地震時の揺れ・エレベーター依存などのデメリットがある
- 階数選びはライフスタイルと優先順位(防犯、価格、日当たり、災害時の避難等)で決めることが重要
「マンションで住んではいけない階」は存在するのか
(1) 各階にメリット・デメリットがあり、絶対的な避けるべき階は存在しない
結論から言うと、「絶対に住んではいけない階」は存在しません。
各階にはメリットとデメリットがあり、どの階が最適かはライフスタイルや優先順位によって異なります。
(2) ライフスタイルと優先順位で決める
階数選びで考慮すべきポイントは以下の通りです。
- 防犯: 低層階は侵入リスクが高い
- 日当たり: 低層階は周囲の建物の影になりやすい
- 価格: 低層階は安く、高層階は高い
- 災害時の避難: 低層階は避難が早い、高層階は時間がかかる
- エレベーター依存度: 高層階はエレベーター必須
- 眺望・プライバシー: 高層階は優れる
これらを総合的に判断することが重要です。
マンション各階の特徴とメリット・デメリット比較
(1) 低層階(1-4階):価格安、アクセス良好、防犯面に注意
低層階の特徴は以下の通りです。
メリット:
- 価格が安い(同じ間取りで高層階より10-20%安い傾向、不動産業界調査)
- エレベーター不要で、外出・帰宅がスムーズ
- 1階は専用庭が付いている物件が多い
- 災害時の避難が早い
デメリット:
- 防犯面でリスクが高い(侵入盗が4階以上の約2倍)
- 日当たりが悪い(周囲の建物の影になりやすい)
- 湿気がこもりやすく、カビ・結露のリスクが高い
- 虫の侵入リスク(アリ、ゴキブリ、ハエ、蚊等)
(2) 中層階(5-8階):バランス型、満足度が高い
中層階の特徴は以下の通りです。
メリット:
- 価格と住環境のバランスが良い
- 5階以上は電線の高さ(約10m)を超え、日当たり・眺望が良い
- 6階以上は虫が少ない(虫は一般的に6階以上まで飛べない)
- エレベーター待ち時間が高層階より短い
デメリット:
- 高層階ほどの眺望はない
- 低層階ほどの価格の安さはない
(3) 高層階(9階以上):眺望良好、価格高、エレベーター依存
高層階の特徴は以下の通りです。
メリット:
- 眺望・日当たりが良い
- プライバシーが高い(外部からの視線が届かない)
- 防犯性が高い(物理的に侵入が困難)
- 虫がほとんど入ってこない
デメリット:
- 価格が高い(プレミアム価格)
- 夏は暑く、冷房費が高くなる
- 地震時の揺れが大きく、揺れの継続時間が長い
- エレベーター待ち時間が長い(朝夕のラッシュ時)
- 災害時(停電)の避難に時間がかかる
低層階(1-4階)のデメリットと注意点
(1) 1階の防犯リスク(侵入盗が4階以上の約2倍)
警察統計(複数年の調査)によると、3階以下は4階以上より侵入盗が約2倍多いというデータがあります。
1階は以下の理由で防犯リスクが高いとされています。
- 窓から侵入されやすい: 外部から直接アクセス可能
- プライバシーが低い: 通りから室内が見える
ただし、以下の対策により防犯性を高めることができます。
- 防犯ガラス・補助錠の設置
- 防犯カメラ・センサーライトの設置
- 厚手のカーテンで室内を見えにくくする
(2) 日当たりの悪さと湿気・カビのリスク
1階は周囲の建物の影になりやすく、日当たりが悪い傾向があります。
また、地面に近いため湿気がこもりやすく、カビ・結露のリスクが高くなります。
対策としては以下が有効です。
- 定期的な換気
- 除湿機の使用
- 防カビ剤の使用
(3) 虫の侵入リスク(アリ、ゴキブリ等)
1階は以下の虫が侵入しやすい傾向があります。
- アリ
- ゴキブリ
- ハエ
- 蚊
対策としては以下が有効です。
- 網戸の設置
- 隙間をふさぐ
- 定期的な防虫剤の使用
(4) 低層階のメリット(価格安、専用庭、エレベーター不要)
デメリットがある一方、低層階には以下のメリットもあります。
- 価格が安い: 同じ間取りで高層階より10-20%安い傾向(不動産業界調査)
- 専用庭: 1階は専用庭が付いている物件が多い(ガーデニング、ペット等に便利)
- エレベーター不要: 外出・帰宅がスムーズ、小さな子供やお年寄りにも便利
- 災害時の避難: 地震や火災時に素早く避難できる
予算重視、専用庭を希望する方には魅力的な選択肢です。
中層階(5-8階)の特徴とバランスの良さ
(1) 5階以上が人気の理由(電線の高さ10m超、日当たり良好)
5階以上が人気の理由は、電線の高さ(約10m、約3階分)を超えるためです。
電線を超えることで、以下のメリットがあります。
- 日当たりが良い: 周囲の建物や電線の影になりにくい
- 眺望が良い: 視界が開ける
- 開放感がある: 窓を開けても外からの視線が気にならない
(2) 虫が少ない(6階以上は虫が飛べない)
一般的に、虫は6階以上まで飛べないとされています。
6階以上では、蚊やハエなどの虫がほとんど入ってこないため、窓を開けやすく快適に過ごせます。
(3) 価格と住環境のバランスが良い
中層階(5-8階)は、以下の点で**「最も後悔しない選択」**として注目されています。
- 価格は高層階ほど高くない
- 日当たり・眺望は低層階より良い
- エレベーター待ち時間は高層階より短い
- 災害時の避難は高層階より早い
予算と住環境を両立したい方におすすめの階層です。
高層階・最上階のデメリットと注意点
(1) 夏の暑さ対策(屋上からの熱、冷房費増)
最上階は屋上からの熱により、夏場は他階より暑くなります。
コンクリートが熱を蓄積し、日没後も室温が下がりにくい特徴があります。
対策としては以下が有効です。
- 遮熱カーテン・ブラインドの使用
- エアコンの強化(冷房費が他階より高くなる可能性)
(2) 地震時の揺れが大きく長い
高層階は振り子の原理により、地震時の揺れが大きく、揺れの継続時間も長くなります。
対策としては以下が必須です。
- 家具の転倒防止対策(突っ張り棒、固定金具等)
- 免震・制震構造の確認(物件選びの際に確認)
(3) エレベーター待ち時間と災害時の避難リスク
高層階では、以下のデメリットがあります。
- 朝夕のラッシュ時: エレベーター待ち時間が長い(数分待つことも)
- 災害時(停電): エレベーターが停止し、非常階段での移動が必要(30階以上の場合、避難に相当な時間がかかる)
(4) 価格が高い(プレミアム価格)
最上階はプレミアム価格が上乗せされ、同じ間取りでも他階より10-30%高額になる傾向があります(不動産業界調査)。
眺望やプライバシーを重視する方には魅力的ですが、予算とのバランスを考慮する必要があります。
まとめ:自分に合った階の選び方
マンションで「絶対に住んではいけない階」は存在せず、各階にメリット・デメリットがあります。
低層階(1-4階)は価格が安く、専用庭やエレベーター不要などのメリットがある一方、防犯面・日当たり・湿気に注意が必要です。
中層階(5-8階)は価格と住環境のバランスが良く、満足度が高い階層です。
高層階・最上階は眺望・プライバシーに優れますが、夏の暑さ・地震時の揺れ・エレベーター依存・高額な価格などのデメリットもあります。
階数選びは、防犯、価格、日当たり、災害時の避難等を総合的に判断し、信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、自分のライフスタイルに合った階を選びましょう。
