土地の相場価格を調べる方法:公的データと実勢価格の見方

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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土地の相場価格を正しく理解しよう

土地購入や売却を検討する際、「相場価格はいくらか」「適正価格の判断基準は何か」「どうやって調べればいいのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、土地の相場価格の種類、公示地価・基準地価・実勢価格の調べ方、計算方法、価格に影響する要因まで、土地価格の基礎知識を網羅的に解説します。国土交通省の地価公示HOME4U東急リバブルの最新データを元に、実用的な情報を提供します。

土地購入や売却を検討している方でも、この記事を読めば、適正価格を見極めるための判断基準が分かります。

この記事のポイント

  • 土地には5種類の価格が存在(実勢価格、公示地価、基準地価、路線価、固定資産税評価額)
  • 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で公示地価・基準地価を地図上から調べられる
  • 実勢価格は「固定資産税評価額÷0.7×1.1」で目安を計算可能
  • 2024年の公示地価は全国平均+2.3%で3年連続上昇、33年ぶりの高水準
  • 立地、インフラ、地形、経済環境等が土地価格に影響

土地の相場価格を知る重要性

土地の相場価格を知ることは、適正な取引と資産管理に不可欠です。

適正価格での取引を実現する

相場価格を知らずに取引すると、以下のリスクがあります。

  • 買主: 相場より高く購入してしまう
  • 売主: 相場より安く売却してしまう

公示地価・基準地価を確認し、実勢価格と比較することで、適正価格を判断できます。

投資判断や資産評価に役立つ

土地は重要な資産です。相場価格を把握することで、以下の判断ができます。

  • 投資: 将来の値上がり・値下がりを予測
  • 資産評価: 保有資産の時価を把握
  • ローン: 担保価値の算定

税金(相続税・固定資産税)の計算に必要

相続税は路線価、固定資産税は固定資産税評価額を基に計算されます。土地価格の仕組みを理解することで、税金の目安を把握できます。

土地価格の5つの種類(一物五価)

土地には、目的に応じて5種類の価格が存在します。

実勢価格:実際の取引価格

実勢価格とは、実際の不動産取引で成立した価格(時価)です。

  • 特徴: 市場の需給で決まる
  • 用途: 売買の参考価格
  • 倍率: 公示価格の1.0~2.0倍(地域により異なる)

公示地価:国土交通省の標準地価格

国土交通省の地価公示によると、公示地価は以下の通りです。

  • 調査主体: 国土交通省
  • 評価時期: 毎年1月1日時点
  • 発表時期: 3月
  • 用途: 公共事業の用地取得価格、一般取引の指標

基準地価:都道府県の基準地価格

基準地価は、都道府県が算定する標準地の価格です。

  • 調査主体: 都道府県
  • 評価時期: 毎年7月1日時点
  • 発表時期: 9月
  • 用途: 公示地価の補完(公示地価と合わせて年2回の動向把握)

路線価:相続税評価額の基準

路線価は、国税庁が発表する相続税・贈与税の評価基準です。

  • 評価時期: 毎年1月1日時点
  • 発表時期: 7月
  • 倍率: 公示価格の約80%
  • 用途: 相続税・贈与税の計算

固定資産税評価額:固定資産税の基準

固定資産税評価額は、固定資産税・都市計画税の課税基準です。

  • 評価時期: 3年に1度見直し
  • 倍率: 公示価格の約70%
  • 用途: 固定資産税・都市計画税の計算

公示地価・基準地価の調べ方

公示地価・基準地価は、国土交通省の公式サイトで調べられます。

国土交通省の不動産情報ライブラリを使う

不動産情報ライブラリでは、地図上から公示地価・基準地価を確認できます。

使い方:

  1. 不動産情報ライブラリにアクセス
  2. 地図上で調べたい地域を選択
  3. 標準地・基準地をクリックして価格を確認

標準地・基準地検索システムで検索

標準地・基準地検索システムでは、住所や駅名から検索できます。

検索方法:

  • 住所から検索
  • 駅名から検索
  • 地図から検索

公示地価と基準地価の違いと活用法

項目 公示地価 基準地価
調査主体 国土交通省 都道府県
評価時期 1月1日 7月1日
発表時期 3月 9月
用途 公共事業、一般取引の指標 公示地価の補完

両方を確認することで、年2回の地価動向を把握できます。

実勢価格の調べ方と計算方法

実勢価格は、不動産ポータルサイトや計算式で推定できます。

不動産ポータルサイトで相場確認

以下のサイトで、売り出し価格を確認できます。

  • SUUMO: 幅広い物件情報
  • HOME'S: 詳細な検索機能
  • アットホーム: 地域密着型

売り出し価格は実勢価格より5~10%高めに設定されることが多いため、参考値として活用してください。

固定資産税評価額から計算(÷0.7×1.1)

ダイシン都市開発によると、以下の計算式で実勢価格の目安を算出できます。

計算式: 実勢価格(目安)= 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1

:

  • 固定資産税評価額: 1,400万円
  • 実勢価格(目安): 1,400万円 ÷ 0.7 × 1.1 = 2,200万円

路線価から計算(÷0.8×1.1)

計算式: 実勢価格(目安)= 路線価評価額 ÷ 0.8 × 1.1

:

  • 路線価評価額: 1,600万円
  • 実勢価格(目安): 1,600万円 ÷ 0.8 × 1.1 = 2,200万円

地域による実勢価格の倍率の違い

実勢価格は地域により、公示価格の倍率が異なります。

地域 倍率
都市部(東京・大阪等) 1.5~2.0倍
地方都市 1.1~1.3倍
地方・郊外 1.0~1.1倍

計算式で算出した実勢価格はあくまで目安です。実際の取引価格は、個別条件により変動します。

土地価格に影響する要因と2024年動向

土地価格は、物理的要因と経済環境により変動します。

立地・インフラ・地形等の物理的要因

以下の要因が土地価格に影響します。

  • 立地: 駅・商業施設への距離
  • インフラ: 道路・水道・ガス・電気の整備状況
  • 地形: 平坦地か傾斜地か
  • 日当たり: 南向きか北向きか
  • 土地形状: 正方形か不整形か

経済環境・金融政策の影響

  • 金利: 低金利→住宅ローン需要増→地価上昇
  • 景気: 好景気→投資需要増→地価上昇
  • 人口: 人口増加エリア→需要増→地価上昇

2024年の地価動向(33年ぶりの高水準)

東急リバブルによると、2024年の公示地価は以下の通りです。

  • 全国平均: +2.3%(3年連続上昇、33年ぶりの高水準)
  • 商業地: +3.1%
  • 住宅地: +1.5%

半導体工場建設地・インバウンド需要の影響

2024年の地価上昇要因:

  • 半導体工場建設: 熊本県菊陽町、北海道千歳市で大幅上昇
  • インバウンド需要: 大阪道頓堀等の観光地で商業地が上昇
  • リニア中央新幹線: 大阪圏の地価上昇期待

まとめ:土地の相場価格を見極めるポイント

土地には5種類の価格が存在します(実勢価格、公示地価、基準地価、路線価、固定資産税評価額)。それぞれ用途が異なり、取引では実勢価格、相続税では路線価、固定資産税では固定資産税評価額を使います。

公示地価・基準地価は、国土交通省の不動産情報ライブラリで地図上から調べられます。実勢価格は、不動産ポータルサイトや計算式(固定資産税評価額÷0.7×1.1、路線価評価額÷0.8×1.1)で目安を推定できます。

2024年の公示地価は全国平均+2.3%で3年連続上昇、33年ぶりの高水準です。半導体工場建設地やインバウンド需要で地価上昇が見られます。

土地価格は立地、インフラ、地形、経済環境等により変動します。複数の不動産会社に査定を依頼し、専門家(不動産鑑定士、宅建士)に相談することを推奨します。

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よくある質問

Q1土地の相場価格はどうやって調べる?

A1国土交通省の不動産情報ライブラリで公示地価・基準地価を確認し、不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S等)や計算式で実勢価格を推定します。固定資産税評価額÷0.7×1.1、または路線価評価額÷0.8×1.1で目安を算出できます。ただし地域や個別条件により実際の取引価格は異なるため、複数の不動産会社に査定を依頼することを推奨します。

Q2公示地価と基準地価の違いは?

A2公示地価は国土交通省が1月1日時点で算定し3月に発表、基準地価は都道府県が7月1日時点で判定し9月に発表します。調査主体と評価時期が異なりますが、どちらも土地価格の公的指標です。両方を確認することで、年2回の地価動向を把握できます。

Q3固定資産税評価額から実勢価格は計算できる?

A3目安として「固定資産税評価額÷0.7×1.1」で計算可能です。例えば固定資産税評価額が1,400万円なら、実勢価格の目安は約2,200万円です。ただし地域(都市部は1.5~2.0倍、地方は1.0~1.1倍)や個別条件により実際の取引価格は異なるため、あくまで参考値として活用してください。

Q4土地の「一物五価」とは?

A4同じ土地に対して5種類の価格が存在することです。実勢価格(実際の取引価格)、公示地価(国土交通省の標準地価格)、基準地価(都道府県の基準地価格)、路線価(相続税評価額の基準)、固定資産税評価額(固定資産税の基準)があります。用途により使い分けます。

Q5土地価格に影響する要因は?

A5立地(駅・商業施設への距離)、インフラ整備(道路・水道・ガス)、地形(平坦地か傾斜地か)、経済環境(金利・景気)、人口動態等が影響します。2024年は半導体工場建設地(熊本県菊陽町、北海道千歳市)やインバウンド需要(大阪道頓堀等)で地価上昇が見られます。

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Room Match編集部

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