土地台帳とは|登記簿謄本との違い・取得方法・確認すべき項目

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/30

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土地台帳とは|明治時代からの課税台帳

「土地台帳」について、登記簿謄本との違いや取得方法を知りたいと考える方は少なくありません。

この記事では、土地台帳の定義、歴史的経緯、登記簿との違い、取得方法を、不動産登記に関する公式情報を元に解説します。

土地購入検討者や相続手続き中の方が、土地台帳の基本情報と活用方法を理解できるようになります。

この記事のポイント

  • 土地台帳は明治時代から昭和35年(1960年)まで存在した地租(土地税)徴収を目的とした課税台帳
  • 1960年の不動産登記法改正により登記簿と一元化され、現在は「旧土地台帳」として法務局に保管
  • 土地台帳は課税目的、登記簿は権利関係記録目的で、一元化時にすべての情報が引き継がれたわけではない
  • 旧土地台帳は法務局で無料閲覧可能だが、一部自治体では個人情報保護法により閲覧廃止
  • 境界紛争、相続調査、家系図作成などで過去の所有者情報を調べる際に活用される

(1) 土地台帳の定義と目的(地租徴収)

土地台帳とは、明治時代から昭和35年(1960年)まで存在した、地租(土地税)徴収を目的とした土地の課税台帳です。

地租とは、明治時代から続いた土地税で、1950年の税制改革で廃止され、固定資産税に移行しました。

(2) 1874年から7年かけて作成

土地台帳は、1874年から7年かけて全国の土地を調査し、作成されました。

地番、地目、面積、所有者氏名、等級、評価額などの課税情報を記載していました。

(出典: HOME'S

(3) 課税台帳としての役割

土地台帳の主な役割は、課税標準となる土地の評価額を記録し、地租を公平に徴収することでした。

登記簿とは異なり、権利関係ではなく課税情報に重点を置いた台帳です。

土地台帳の歴史|1960年に廃止、登記簿と一元化

(1) 1947年の土地台帳法制定

1947年、土地台帳法が制定され、土地台帳の法的位置づけが明確化されました。

しかし、1950年の税制改革で地租が廃止されたため、課税台帳としての役割は終了しました。

(2) 1950年の税制改革と地租廃止

1950年の税制改革により、地租が廃止され、固定資産税に移行しました。

これにより、土地台帳の課税台帳としての必要性が失われました。

(3) 1960年の不動産登記法改正で登記簿と一元化

1960年の不動産登記法改正により、土地台帳と登記簿が一元化されました。

これにより、土地台帳は廃止され、登記簿に土地の情報が統合されました。

(4) 廃止後の旧土地台帳の保管(法務局)

廃止後、土地台帳は「旧土地台帳」として法務局に保管されています。

2025年現在も、全国の法務局で無料で閲覧・写しの交付が可能です(一部自治体を除く)。

土地台帳と登記簿の違い|課税目的vs権利関係記録

(1) 土地台帳の目的(課税情報の記録)

土地台帳は、地租(土地税)徴収を目的とした課税台帳です。

等級・評価額などの課税情報を記録し、課税標準として使用されました。

(2) 登記簿の目的(権利関係の記録)

登記簿(不動産登記簿)は、土地・建物の権利関係を記録する公的帳簿です。

所有権、抵当権などの権利関係を記録し、第三者に対抗できる法的効力を持ちます。

(3) 一元化時の情報引き継ぎ

1960年の一元化時、土地台帳の情報の一部が登記簿に引き継がれました。

しかし、すべての情報が引き継がれたわけではなく、等級・評価額などの課税情報は登記簿には記載されていません。

(出典: オープンハウス

(4) 旧土地台帳でしか確認できない情報

以下の情報は、登記簿には記載されておらず、旧土地台帳でしか確認できません。

情報項目 旧土地台帳 登記簿
等級・評価額
過去の課税情報
1960年以前の所有者 △(一部のみ)

旧土地台帳に記載されている情報|等級・評価額など

(1) 地番・地目・面積

旧土地台帳には、地番、地目(宅地・田・畑等)、面積が記載されています。

これらの情報は、登記簿にも記載されています。

(2) 所有者氏名

土地の所有者氏名が記載されています。

1960年以前の所有者情報を確認する際に有用です。

(3) 等級・評価額(課税情報)

等級・評価額とは、課税標準として使用された課税情報です。

これらの情報は、登記簿には記載されておらず、旧土地台帳でしか確認できません。

(出典: イエイ

(4) 過去の土地利用状況

旧土地台帳には、過去の土地利用状況(地目の変遷等)が記載されている場合があります。

土地の歴史を調べる際に活用できます。

旧土地台帳の取得方法|法務局で無料閲覧

(1) 法務局での申請方法

旧土地台帳は、全国の法務局で無料で閲覧・写しの交付が可能です。

法務局の窓口で申請します。

(2) 申請用紙の記入方法(「旧土地台帳写し」と明記)

登記事項証明書申請用紙の余白に「旧土地台帳写し」と明記して申請します。

地番を正確に記入してください。

(出典: 家樹

(3) 郵送請求の方法

郵送請求も可能です。

返信用封筒を同封し、法務局に郵送で申請すれば、郵送で写しを取り寄せることができます。

(4) 手数料(無料)

旧土地台帳の閲覧・写しの交付は無料です。

登記事項証明書(有料)とは異なります。

(5) 活用事例(境界紛争、相続調査、家系図作成)

旧土地台帳は、以下の場面で活用されます。

  • 境界紛争: 過去の土地境界を確認
  • 相続調査: 過去の所有者を調査
  • 家系図作成: 先祖の土地所有状況を調査

(出典: iQra不動産

(6) 2024年の最新動向(一部自治体で閲覧廃止)

2024年時点で、一部自治体(山梨県鳴沢村、石川県能美市、佐賀県武雄市等)では、個人情報保護法の観点から旧土地台帳の閲覧サービスを廃止しています。

旧土地台帳を取得する際は、事前に法務局に確認することを推奨します。

(出典: 武雄市

まとめ|旧土地台帳の活用と次のアクション

土地台帳は、明治時代から昭和35年(1960年)まで存在した地租(土地税)徴収を目的とした課税台帳で、1960年の不動産登記法改正により登記簿と一元化されました。現在は「旧土地台帳」として法務局に保管されています。

土地台帳は課税目的、登記簿は権利関係記録目的で、一元化時にすべての情報が引き継がれたわけではなく、等級・評価額などの課税情報は旧土地台帳でしか確認できません。

旧土地台帳は法務局で無料閲覧可能ですが、一部自治体では個人情報保護法により閲覧廃止が進んでいます。境界紛争、相続調査、家系図作成などで過去の所有者情報を調べる際は、事前に法務局に確認し、必要に応じて司法書士や土地家屋調査士に相談することをお勧めします。

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よくある質問

Q1土地台帳とは何ですか?

A1明治時代から昭和35年(1960年)まで存在した、地租(土地税)徴収を目的とした土地の課税台帳です。1874年から7年かけて全国の土地を調査し作成されました。1960年の不動産登記法改正により登記簿と一元化され、現在は「旧土地台帳」として法務局に保管されています。

Q2土地台帳と登記簿の違いは何ですか?

A2土地台帳は課税情報を記録する課税台帳、登記簿は権利関係を記録する公的帳簿です。目的が異なり、土地台帳は地租徴収、登記簿は権利の保護を目的としていました。1960年に一元化されましたが、すべての情報が登記簿に引き継がれたわけではなく、等級・評価額などの課税情報は旧土地台帳でしか確認できません。

Q3旧土地台帳はどこで取得できますか?

A3全国の法務局で無料で閲覧・写しの交付が可能です。登記事項証明書申請用紙の余白に「旧土地台帳写し」と記入して申請します。郵送請求も可能で、返信用封筒を同封すれば郵送で取り寄せることができます。ただし、一部自治体では個人情報保護法により閲覧廃止が進んでいるため、事前に法務局に確認することを推奨します。

Q4旧土地台帳にはどのような情報が記載されていますか?

A4地番、地目、面積、所有者氏名、等級、評価額などの課税情報が記載されています。特に等級・評価額は登記簿にはない課税情報で、旧土地台帳でしか確認できません。また、1960年以前の過去の土地利用状況や所有者情報も記載されており、境界紛争、相続調査、家系図作成などで活用されます。

Q52024年現在も旧土地台帳は閲覧できますか?

A5基本的には法務局で閲覧可能ですが、一部の市町村(山梨県鳴沢村、石川県能美市、佐賀県武雄市等)では個人情報保護法の観点から閲覧サービスを廃止しています。旧土地台帳を取得する際は、事前に管轄の法務局に確認することを推奨します。また、旧土地台帳は1960年以降更新されていないため、現在の土地情報は登記簿で確認する必要があります。

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Room Match編集部

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