京都で分譲マンションを検討する人が知っておくべきこと
京都での分譲マンション購入を検討する際、「新築マンションの価格相場はいくらか」「中古マンションとの価格差はどれくらいか」「景観条例がマンション供給にどう影響しているか」と疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、京都の分譲マンション市場の特徴、エリア別の価格相場、新築と中古マンションの比較、分譲賃貸マンションとの違いを、主要不動産ポータルサイトのデータや最新の市場動向を元に解説します。
京都で分譲マンションを購入または賃貸する方が、最適な選択ができるようになります。
この記事のポイント
- 京都には厳しい景観条例があり、新築マンションの供給は制限されているが、2025年は12年ぶりに2000戸台が視野に入る
- 2024年7月の新築マンション平均価格は7,000万円近くまで上昇(2023年平均5,720万円)
- 中古マンション価格も直近3年間で9.01%上昇しており、新築との価格差が縮小傾向
- 分譲賃貸マンションは設備グレードが高いが、家賃は通常の賃貸より数万円高め
- 新築マンション供給が多い駅は烏丸御池駅、四条駅、烏丸駅
(1) なぜ京都の分譲マンションが注目されるのか
京都は日本有数の観光都市であり、歴史的な街並みと現代的な都市機能が共存する魅力的なエリアです。近年、京都市内でマンション価格が上昇しており、資産価値の観点からも注目を集めています。
一方、京都には厳しい景観条例があり、建物の高さや外観に関する規制があるため、新築マンションの供給が制限されています。そのため、希望エリアでの物件探しには早めの情報収集が重要です。
(2) この記事で分かること
この記事では、以下の内容を解説します。
- 京都の分譲マンション市場の特徴(景観条例の影響、2025年の供給予測等)
- エリア別の価格相場(新築・中古マンション、間取り別)
- 新築マンションと中古マンションの比較(メリット・デメリット、価格差)
- 分譲賃貸マンションの仕組みと通常の賃貸との違い
- 状況別の選び方と推奨アクション
京都の分譲マンション市場の特徴
(1) 景観条例によるマンション供給制限
京都市には厳しい景観条例があり、建物の高さや外観に関する規制が設けられています。この条例は歴史的景観を保護するためのもので、新築マンションの高さは地域により15m~31m程度に制限されています。
そのため、京都市内での新築マンション供給は決して多くなく、希望エリアでの物件探しが困難な場合があります。
(2) 2025年の供給予測(12年ぶりに2000戸台)
2025年の京都市の新築マンション発売戸数は、1~9月で1,700戸を上回り、通年では12年ぶりに2,000戸の大台が視野に入っています。これは、一部の高さ規制緩和や都心部の再開発が進んでいることが背景にあります。
供給が増えることで、選択肢が広がる一方、人気エリアや人気物件は早期に成約する可能性があります。
(3) 人気エリア(烏丸御池駅、四条駅、烏丸駅)
京都市内で新築マンション供給が多い駅は、烏丸御池駅、四条駅、烏丸駅です。これらのエリアは交通アクセスが良く、商業施設が充実しているため、資産価値が高いと評価されています。
| 駅 | 特徴 | 交通アクセス |
|---|---|---|
| 烏丸御池駅 | ビジネス街、地下鉄2路線が交差 | 地下鉄烏丸線・東西線 |
| 四条駅 | 京都の商業・文化の中心地 | 地下鉄烏丸線、阪急京都線 |
| 烏丸駅 | JR京都駅に近く、交通利便性が高い | JR、地下鉄烏丸線 |
これらのエリアは新築マンション供給が多い一方、価格も高めに設定される傾向があります。
(4) 京都市以外のエリアの供給状況
京都府内でも、宇治市や長岡京市など京都市外のエリアでは、景観条例の制約が比較的緩く、新築マンションの供給が安定しています。
京都市中心部の価格が高騰している現在、郊外エリアはコストパフォーマンスの良い選択肢として注目されています。
京都エリア別の分譲マンション価格相場
(1) 新築マンションの価格相場(2024年データ)
京都市内の新築マンション価格は、2023年の平均5,720万円から2024年上半期は5,630万円、7月には7,000万円近くまで上昇しています。
エリアや間取りにより価格は大きく異なりますが、4,000万円~7,000万円程度が一般的な価格帯です。
| 間取り | 価格相場(目安) |
|---|---|
| 2LDK(60㎡程度) | 4,000万円~5,500万円 |
| 3LDK(70㎡程度) | 5,000万円~7,000万円 |
| 4LDK(80㎡以上) | 6,500万円~9,000万円 |
(出典: 主要不動産ポータルサイトのデータを参考に算出、2024年時点)
価格は築年数、立地、設備により変動するため、複数の物件で比較検討することを推奨します。
(2) 中古マンションの価格相場
京都府の中古マンション価格は、直近3年間で9.01%上昇しており、新築との価格差が縮小傾向にあります。
築年数により価格は大きく変動しますが、築10年以内の物件は新築の7~8割程度、築20年以上の物件は5~6割程度が目安です。
| 築年数 | 価格相場(3LDK、70㎡程度) |
|---|---|
| 築5年以内 | 4,500万円~6,000万円 |
| 築10年以内 | 3,500万円~5,000万円 |
| 築20年以内 | 2,500万円~4,000万円 |
| 築20年以上 | 2,000万円~3,000万円 |
(出典: 主要不動産ポータルサイトのデータを参考に算出、2024年時点)
築浅の人気物件は新築に近い価格になることもあり、立地条件が良い物件は価格が下がりにくい傾向があります。
(3) エリア別の価格差(京都市中心部vs周辺部)
京都市中心部(中京区、下京区)は価格が高めで、周辺部(伏見区、山科区)は比較的低めの傾向があります。
| エリア | 新築マンション価格(3LDK、70㎡程度) |
|---|---|
| 中京区(烏丸御池駅周辺) | 6,000万円~8,000万円 |
| 下京区(四条駅周辺) | 5,500万円~7,500万円 |
| 伏見区 | 3,500万円~5,000万円 |
| 山科区 | 3,000万円~4,500万円 |
(出典: 主要不動産ポータルサイトのデータを参考に算出、2024年時点)
交通アクセスや生活利便性を重視する場合は中心部、コストパフォーマンスを重視する場合は周辺部が推奨されます。
(4) 間取り・平米数別の価格相場
間取りや平米数により、価格は大きく変動します。単身者向けの1LDK(40㎡程度)は3,000万円前後、ファミリー向けの3LDK(70㎡程度)は5,000万円~7,000万円が目安です。
| 間取り | 平米数 | 価格相場(新築) |
|---|---|---|
| 1LDK | 40㎡程度 | 2,500万円~3,500万円 |
| 2LDK | 60㎡程度 | 4,000万円~5,500万円 |
| 3LDK | 70㎡程度 | 5,000万円~7,000万円 |
| 4LDK | 80㎡以上 | 6,500万円~9,000万円 |
(出典: 主要不動産ポータルサイトのデータを参考に算出、2024年時点)
新築マンションと中古マンションの比較
(1) 新築マンションのメリット・デメリット
メリット:
- 最新の設備・仕様(省エネ、セキュリティ、耐震性)
- 住宅ローン控除の適用期間が長い(最大13年間)
- 修繕積立金が当初は低めに設定されることが多い
- 購入後しばらくは大規模修繕が不要
デメリット:
- 中古マンションより価格が高い
- 実際の住環境や管理状況が確認できない(未完成物件の場合)
- 築年数が経過すると資産価値が下がる可能性がある
(2) 中古マンションのメリット・デメリット
メリット:
- 新築より価格が安い(築10年以内で新築の7~8割程度)
- 実際の住環境や管理状況を確認できる
- 立地条件の良い物件が見つかりやすい(駅近、商業施設近く等)
- リノベーション済み物件は設備が新しい
デメリット:
- 設備が古い場合がある(築年数により異なる)
- 住宅ローン控除の適用条件が厳しい(築25年以内等)
- 修繕積立金が高めに設定されている場合がある
- 大規模修繕が近い物件は一時金が発生する可能性がある
(3) 価格差と資産価値の違い
新築マンションと中古マンションの価格差は、築年数により2~5割程度です。築10年以内の物件は新築の7~8割程度、築20年以上の物件は5~6割程度が目安です。
資産価値の観点では、立地条件が良い物件(駅近、商業施設近く)は価格が下がりにくく、築年数が経過しても一定の価値を保ちます。
(4) 築年数と価格の関係
築年数が経過するほど、価格は下がる傾向があります。ただし、築10年を過ぎると価格の下落スピードは緩やかになります。
| 築年数 | 新築比の価格 |
|---|---|
| 築5年以内 | 80~90% |
| 築10年以内 | 70~80% |
| 築20年以内 | 50~70% |
| 築20年以上 | 40~60% |
立地条件が良い物件や管理状況が良好な物件は、価格が下がりにくい傾向があります。
分譲マンションの賃貸とは|通常の賃貸との違い
(1) 分譲賃貸マンションの定義と仕組み
分譲賃貸マンションとは、本来はマイホームとして購入された分譲マンションが、オーナーの事情により賃貸として貸し出されているものです。
分譲マンションは購入者が各住戸の所有者となり、共用部分は共有となる区分所有権の形態です。オーナーが転勤や投資のため、購入した住戸を賃貸に出すことがあります。
(2) 分譲賃貸のメリット(設備グレード、耐震性、防音性)
分譲賃貸マンションは、住宅設備のグレードが高く、耐震性や防音性が優れていることが多いです。
主なメリット:
- キッチン、バスルーム、トイレなどの設備が高品質
- 二重床、二重天井による防音性の向上
- 耐震基準を満たした構造(新耐震基準以降の物件)
- セキュリティが充実(オートロック、防犯カメラ等)
(3) 分譲賃貸のデメリット(家賃が高い、規約が厳しい)
一方、分譲賃貸マンションには以下のデメリットがあります。
主なデメリット:
- 家賃が通常の賃貸より数万円高めに設定されている
- マンションの規約に加えて、オーナーとの賃貸契約で決めた規約も守る必要がある
- ペット飼育や楽器演奏などの制限が厳しい場合がある
- オーナーの都合により、契約更新ができない場合がある
(4) 分譲賃貸に出される理由(転勤、投資、未売却物件)
分譲マンションが賃貸に出される主な理由は以下の3つです。
- 転勤:オーナーが転勤で一時的に住めなくなった場合
- 投資:不動産投資として購入し、賃貸収入を得る目的
- 未売却物件:デベロッパーが売れ残った物件を賃貸に出す場合
(5) 分譲賃貸を選ぶ際の注意点
分譲賃貸マンションを選ぶ際は、以下の点に注意してください。
- 家賃が通常の賃貸より高めなので、予算に応じて判断する
- マンションの規約とオーナーとの賃貸契約の両方を確認する
- ペット飼育や楽器演奏など、制限事項を事前に確認する
- 契約更新の条件(オーナーの都合により更新不可の場合もある)を確認する
まとめ:京都で分譲マンションを選ぶ際の次のステップ
(1) 京都の分譲マンション市場の要点整理
京都には厳しい景観条例があり、新築マンションの供給は制限されていますが、2025年は12年ぶりに2,000戸台が視野に入っています。新築マンション供給が多い駅は烏丸御池駅、四条駅、烏丸駅です。
2024年7月の新築マンション平均価格は7,000万円近くまで上昇しており、中古マンション価格も直近3年間で9.01%上昇しています。
(2) 状況別の選び方(新築・中古・賃貸)と推奨アクション
新築マンションを選ぶ場合:
- 最新の設備・仕様を重視する方に最適
- 住宅ローン控除の適用期間が長い(最大13年間)
- 価格が高めなので、予算に余裕がある方向け
- 人気エリア(烏丸御池駅、四条駅、烏丸駅)は早期成約の可能性があるため早めの行動が必要
中古マンションを選ぶ場合:
- コストパフォーマンスを重視する方に最適
- 実際の住環境や管理状況を確認できる
- 築10年以内の物件は新築の7~8割程度で購入可能
- 立地条件が良い物件(駅近、商業施設近く)は資産価値が下がりにくい
分譲賃貸マンションを選ぶ場合:
- 設備グレードや耐震性を重視する方に最適
- 家賃は通常の賃貸より数万円高めなので、予算を確認する
- マンションの規約とオーナーとの賃貸契約の両方を確認する
- ペット飼育や楽器演奏など、制限事項を事前に確認する
複数の不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホーム等)で比較検索し、信頼できる不動産会社に相談しながら、自分に合った物件を見つけてください。
