京葉銀行の住宅ローンとは?千葉県密着の地方銀行の特徴
千葉県で住宅購入を検討する際、「どの銀行の住宅ローンを選べばいいか」と悩む方は多いでしょう。メガバンク、ネット銀行、地方銀行など選択肢は多く、金利や手数料、サービス内容もさまざまです。
この記事では、千葉県に本店を置く地方銀行・京葉銀行の住宅ローンについて、金利、審査基準、団信、手数料、他行との比較を解説します。地方銀行ならではのメリットを理解し、自分に合った住宅ローンを選ぶ判断材料が得られます。
この記事のポイント
- 京葉銀行は千葉県密着の地方銀行で、対象物件は千葉県および千葉県に隣接する地域に限定
- 変動金利0.975%(2025年11月時点、最大優遇後)、10年固定2.115%で地銀として競争力がある水準
- 保証料0円・事務手数料定額22万円のため、借入額が大きいほど他行よりお得になる場合がある
- がん診断特約付団信が無料で付帯、年収・勤続年数の審査基準が柔軟、審査期間3~7日程度と地方銀行の強みを活かしたサービス
(1) 京葉銀行の概要と住宅ローン事業
京葉銀行は、千葉県千葉市に本店を置く地方銀行です。1943年に設立され、千葉県内を中心に店舗網を展開しています。
住宅ローン事業の特徴:
- 千葉県および千葉県に隣接する地域の不動産購入に対応
- 地域密着型のサービス(店舗での対面相談、地域特性への理解)
- 2024年9月に首都圏地銀初の最長50年住宅ローンを開始
- 複数の住宅ローン商品(マイホーム応援、借り換え応援、住み替え応援等)を提供
地方銀行ならではの地域密着型サービスが特徴です。
(2) 地方銀行ならではのメリット(店舗相談、地域特性への理解)
地方銀行の住宅ローンには、以下のようなメリットがあります。
店舗で対面相談ができる:
- 住宅ローンは高額で長期の契約のため、対面で相談できる安心感がある
- 千葉県内に店舗網があり、アクセスしやすい
地域の不動産市場や物件特性への理解:
- 千葉県内の物件事情を把握しているため、物件評価が適切
- 地域特有のニーズに対応したサービスを提供
年収・勤続年数の審査基準が柔軟:
- 年収・勤続年数に特に制限なし(公表情報)
- 個別事情を考慮した柔軟な審査
これらは、メガバンクやネット銀行にはない地方銀行の強みです。
(3) 対象物件エリア(千葉県および千葉県に隣接する地域)
京葉銀行の住宅ローンは、対象物件エリアが制限されています。
対象エリア:
- 千葉県
- 千葉県に隣接する地域(東京都、埼玉県、茨城県の一部)
対象外エリア:
- 上記以外の地域の物件は対象外
千葉県外の物件を購入する場合は、他行の住宅ローンを検討する必要があります。
京葉銀行住宅ローンの金利タイプと水準(2025年11月時点)
(1) 変動金利型(0.975%、最大優遇後)
変動金利型は、短期プライムレートを基準とした金利で、半年ごとに見直される住宅ローン金利タイプです。
京葉銀行の変動金利(2025年11月1日時点):
- 最大優遇後: 0.975%
- 店頭金利: 2.475%(優遇幅▲1.5%で0.975%)
メリット:
- 固定金利より金利が低い
- 金利が下がれば返済額も減る
デメリット:
- 将来の金利上昇リスクがある
- 返済計画が立てにくい
変動金利は、金利動向を見ながら柔軟に対応できる方に向いています。
(2) 固定金利指定型(2・3・5・10・15・20年、10年固定2.115%)
固定金利指定型は、一定期間(2・3・5・10・15・20年)の金利を固定し、期間終了後に金利タイプを選択できる住宅ローンです。
京葉銀行の固定金利指定型(2025年11月1日時点):
| 固定期間 | 金利(最大優遇後) |
|---|---|
| 2年 | 1.715% |
| 3年 | 1.815% |
| 5年 | 1.915% |
| 10年 | 2.115% |
| 15年 | 2.315% |
| 20年 | 2.515% |
メリット:
- 固定期間中は金利変動の影響を受けない
- 固定期間終了後に金利タイプを選択できる
デメリット:
- 変動金利より金利が高い
- 固定期間終了後、金利が上昇している場合、返済額が増える可能性がある
固定金利指定型は、一定期間の返済額を確定させたい方に向いています。
(3) 全期間固定金利型とフラット35
全期間固定金利型は、借入時から完済まで金利が変わらない住宅ローンタイプです。
京葉銀行が取り扱う全期間固定金利型:
- フラット35: 住宅金融支援機構と提携した全期間固定金利型住宅ローン
- 最長35年間金利が変わらない
- 金利は住宅金融支援機構の公式サイトで確認できます
メリット:
- 完済まで金利が変わらない安心感
- 返済計画が立てやすい
デメリット:
- 変動金利より金利が高い
- 金利が下がっても恩恵を受けられない
全期間固定金利型は、将来の金利上昇リスクを避けたい方に向いています。
(4) 2024年9月開始の最長50年住宅ローンの特徴
京葉銀行は、2024年9月2日から首都圏の地方銀行では初めて、最長50年の住宅ローンを開始しました。
50年住宅ローンの特徴:
- 月々の返済額を抑えられる: 返済期間を35年から50年に延ばすことで、月々の返済額が減少
- 若年層やマンション高騰への対応: 月々の返済負担を抑えたい層に照準
例(借入額4,000万円、変動金利0.975%の場合):
| 返済期間 | 月々の返済額 |
|---|---|
| 35年 | 約11.5万円 |
| 50年 | 約8.8万円 |
注意点:
- 返済期間が長いため、総返済額が増加する
- 完済時の年齢が高くなる(例:30歳で借入→80歳完済)
50年住宅ローンは、月々の返済額を抑えたい方に向いていますが、総返済額が増える点に注意が必要です。
審査基準と必要書類:柔軟な審査と地域密着の強み
(1) 審査基準(年収・勤続年数に特に制限なし)
京葉銀行の住宅ローンは、年収・勤続年数に特に制限がないことが公表されています。
審査基準(公表情報):
- 年収: 特に制限なし(個別に審査)
- 勤続年数: 特に制限なし(個別に審査)
- 年齢: 借入時20歳以上、完済時85歳未満
個別事情を考慮した柔軟な審査:
- 地域密着型のため、個別事情を丁寧に審査
- 年収が低めでも、他の条件次第で審査に通る可能性がある
実際の審査結果は個別に異なるため、必ず事前審査・相談を推奨します。
(2) 審査期間(仮審査・本審査ともに3~7日程度)
京葉銀行の住宅ローン審査期間は、比較的短いとされています。
| 審査段階 | 期間 |
|---|---|
| 仮審査 | 3~7日程度 |
| 本審査 | 3~7日程度 |
審査の流れ:
- 仮審査申込(年収・勤務先等の基本情報)
- 仮審査結果(3~7日)
- 本審査申込(物件情報、詳細な収入証明)
- 本審査結果(3~7日)
- 契約・融資実行
審査期間は目安であり、個別の状況により前後する場合があります。
(3) 必要書類と申込の流れ
住宅ローン申込時には、以下の書類が必要です。
必要書類:
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 収入証明書(源泉徴収票、確定申告書等)
- 物件資料(売買契約書、重要事項説明書等)
- 勤務先情報(会社名、勤続年数等)
申込の流れ:
- 事前相談(店舗またはWebで相談)
- 仮審査申込
- 仮審査結果通知
- 本審査申込
- 本審査結果通知
- 契約・融資実行
詳細は京葉銀行の公式サイトでご確認ください。
団体信用生命保険(団信)と保障内容
(1) 基本の団信(死亡・高度障害時にローン残高完済)
団体信用生命保険(団信)は、住宅ローン契約者が死亡または高度障害状態になった場合、保険金でローン残高が完済される保険です。
基本の団信:
- 死亡時: ローン残高が保険金で完済される
- 高度障害時: ローン残高が保険金で完済される
- 保険料: 金利に含まれる(別途負担なし)
基本の団信は、ほとんどの住宅ローンで加入が条件となっています。
(2) がん診断特約付団信(保険料無料、がん診断時にローン残高ゼロ)
京葉銀行の住宅ローンでは、がん診断特約付団信が無料で付帯します。
がん診断特約付団信の内容:
- がんと診断された時点で、ローン残高がゼロになる
- 保険料: 無料(通常は金利上乗せが必要)
- 対象: 所定のがん(上皮内がん等は対象外の場合あり)
メリット:
- がん診断時にローン返済の負担がなくなる
- 保険料が無料で自動付帯される
がん診断特約付団信が無料で付帯されることは、京葉銀行の大きなメリットです。
(3) 他の特約オプション
京葉銀行では、他の特約オプションも用意されています(金利上乗せの場合あり)。
その他の特約(例):
- 3大疾病保障特約(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)
- 8大疾病保障特約(3大疾病 + 高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)
詳細は京葉銀行にお問い合わせください。
手数料・諸費用:保証料0円・事務手数料定額22万円のメリット
(1) 融資事務手数料22万円(税込・定額)のメリット
京葉銀行の住宅ローンは、融資事務手数料が定額22万円(税込)です。
他行との比較:
| 項目 | 京葉銀行 | 一般的な銀行 |
|---|---|---|
| 融資事務手数料 | 22万円(定額) | 借入額×2.2%(例:4,000万円なら88万円) |
定額手数料のメリット:
- 借入額が大きいほど、他行より手数料が安くなる
- 例:4,000万円借入の場合、他行より66万円お得(88万円 - 22万円)
注意点:
- 借入額が少ない場合(1,000万円未満等)は、他行の保証料型の方が有利な場合もある
(2) 保証料0円(通常4,000万円・35年で約82万円相当)
京葉銀行の住宅ローンは、保証料が0円です。
保証料とは:
- 保証会社に支払う保証委託料(通常は借入額×金利で計算)
- 例:4,000万円・35年の場合、約82万円が一般的
保証料0円のメリット:
- 諸費用を大幅に削減できる
- 4,000万円・35年の場合、約82万円相当が不要
保証料0円は、京葉銀行の大きな魅力です。
(3) 一部繰上返済手数料0円(Web・ATM利用時)
京葉銀行では、Web・ATMで一部繰上返済を行う場合、手数料が0円です。
一部繰上返済手数料:
| 手続き方法 | 手数料 |
|---|---|
| Web・ATM | 0円 |
| 店舗窓口 | 5,500円(税込、例) |
メリット:
- 積極的な繰上返済が可能
- 総返済額の削減に有効
Web・ATMを活用することで、手数料を抑えられます。
(4) 他行との比較(メガバンク、ネット銀行)
京葉銀行と他行の手数料を比較します。
| 項目 | 京葉銀行 | メガバンク(例) | ネット銀行(例) |
|---|---|---|---|
| 融資事務手数料 | 22万円(定額) | 借入額×2.2% | 借入額×2.2% |
| 保証料 | 0円 | 借入額×金利 | 0円 |
| 一部繰上返済手数料 | 0円(Web・ATM) | 5,500円(窓口) | 0円(Web) |
| 対面相談 | ✅ 可能 | ✅ 可能 | ❌ 不可(電話・チャット) |
京葉銀行のメリット:
- 借入額が大きい場合、事務手数料が安い
- 保証料0円
- 店舗で対面相談ができる
京葉銀行のデメリット:
- 金利はネット銀行より高めの場合がある
- 対象エリアが千葉県および隣接地域に限定
最終的な判断は、金利・手数料・サービス内容を総合的に比較し、ご自身で行ってください。
まとめ:京葉銀行の住宅ローンは千葉県での不動産購入に有力な選択肢
京葉銀行の住宅ローンは、千葉県および千葉県に隣接する地域の不動産購入に対応する地方銀行の商品です。変動金利0.975%(2025年11月時点、最大優遇後)、10年固定2.115%で、地銀として競争力のある水準です。
保証料0円・事務手数料定額22万円のため、借入額が大きいほど他行よりお得になる場合があります。がん診断特約付団信が無料で付帯、年収・勤続年数の審査基準が柔軟、審査期間3~7日程度と、地方銀行の強みを活かしたサービスが特徴です。
2024年9月には首都圏地銀初の最長50年住宅ローンを開始し、月々の返済負担を抑えたい層への選択肢も広がっています。
金利・手数料・サービス内容を総合的に比較し、借入前にファイナンシャルプランナーや銀行担当者に相談することをお勧めします。最新情報は京葉銀行の公式サイトでご確認ください。
