葛飾区での土地購入を検討する方へ
東京都葛飾区で土地購入を検討しているが、「価格相場はどれくらい？」「どのエリアを選べばよい？」「注意すべきリスクは？」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、葛飾区の土地価格相場、エリア別の特性、土地購入の流れ、税金・諸費用、水害・液状化リスクへの対策を実践的に解説します。2025年公示地価や実取引価格等の最新データ、葛飾区公式のハザードマップ情報を元にご紹介します。
土地購入を検討している方が、葛飾区の全体像を理解し、具体的なアクションに進めるようになります。
この記事のポイント
- 葛飾区の土地価格は23区平均の約半額で、2019年から2025年にかけて上昇トレンドが続いている
- 2025年公示地価は住宅地368,300円/m²（前年比+5.4%）、実取引価格は平均409,500円/m²（前年比+15.37%）
- 土地購入は7ステップで進み、契約から引き渡しまで2-3ヶ月、諸費用は土地代金の5-10%が目安
- 葛飾区は液状化リスクと水害リスクが高く、ハザードマップの確認と地盤調査が必須
- 葛飾区は地盤調査・液状化対策の助成制度を提供しており、専門家への相談を推奨
葛飾区で土地購入する魅力（23区平均の半額、アクセス向上）
23区平均の約半額で購入可能
葛飾区の土地価格は、東京23区の中でも比較的手頃な水準です。2025年公示地価では住宅地平均368,300円/m²で、23区平均の約半額で購入できます。
この価格帯は、都心部と比較して初期投資を抑えつつ、東京23区内で土地を取得できる魅力があります。特に家族向けの広い土地を購入する場合、総額を大幅に抑えられる可能性があります。
2019年から2025年にかけて上昇トレンド
葛飾区の土地価格は、2019年から2025年にかけて上昇トレンドが続いています。2025年公示地価は住宅地で前年比+5.4%、商業地で前年比+9.6%と堅調に推移しています。
また、2024年実取引価格は平均409,500円/m²（前年比+15.37%）と、実際の取引でも価格上昇が見られます。ただし、今後の市場動向は経済情勢により変動する可能性があるため、執筆時点（2025年）を明記します。
主要駅へのアクセスの良さ
葛飾区は、JR総武線、京成線、千代田線等が通っており、主要駅へのアクセスが良好です。新小岩駅からは東京駅まで約15分、亀有駅からは大手町駅まで約30分でアクセスできます。
都心部へのアクセスと手頃な価格のバランスが取れている点が、葛飾区の魅力です。
葛飾区の土地価格相場とエリア別特性
2025年公示地価（住宅地368,300円/m²、商業地644,000円/m²）
2025年公示地価によると、葛飾区の土地価格相場は以下の通りです。
| 用途 | 平均価格（円/m²） | 前年比 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 368,300 | +5.4% |
| 商業地 | 644,000 | +9.6% |
商業地の価格上昇率が住宅地を上回っており、商業需要の高まりが見られます。
2024年実取引価格（平均409,500円/m²、前年比+15.37%）
2024年Q1の実際の取引価格は、平均409,500円/m²（坪単価約135万円）で、前年比+15.37%と大幅に上昇しています。公示地価と比較して実取引価格の上昇率が高く、需要の強さがうかがえます。
エリア別価格差（綾瀬駅周辺691,200円/m²〜八潮駅周辺148,164円/m²）
葛飾区内でも、エリアによって土地価格に大きな差があります。主要駅周辺の土地価格は以下の通りです。
| 駅名 | 平均価格（円/m²） |
|---|---|
| 綾瀬駅周辺 | 691,200 |
| 亀有駅周辺 | 550,000前後 |
| 金町駅周辺 | 450,000前後 |
| 新小岩駅周辺 | 400,000前後 |
| 八潮駅周辺 | 148,164 |
綾瀬駅周辺が最高値で、八潮駅周辺が最低値となっており、約10倍の価格差があります。駅からの距離や用途地域によっても価格は大きく変動するため、予算とニーズに合わせたエリア選びが重要です。
よく取引される土地面積と駅徒歩距離
葛飾区でよく取引される土地の条件は以下の通りです。
- 土地面積: 50㎡程度（約15坪）が一般的
- 駅徒歩距離: 平均9分
これらの条件を目安に、物件を検索することができます。
土地購入の流れと手順（7ステップ）
土地購入は、以下の7ステップで進みます。
(1) 土地探し・内見
SUUMO等の不動産ポータルサイトや不動産会社を通じて、希望条件に合う土地を探します。実際に現地を訪問し、周辺環境、アクセス、日当たり等を確認しましょう。
(2) 買付証明書の提出
購入意思を示すため、売主に買付証明書を提出します。この時点では法的拘束力はありませんが、誠意を示す重要な手続きです。
(3) 住宅ローン事前審査（3-4日）
住宅ローンを利用する場合、金融機関に事前審査を申し込みます。審査期間は通常3-4日程度です。
(4) 売買契約の締結
重要事項説明を受けた後、売買契約を締結します。この時点で手付金（物件価格の10%程度）を支払います。
(5) 住宅ローン本審査
売買契約後、住宅ローンの本審査を受けます。本審査通過後、融資が正式に承認されます。
(6) 金銭消費貸借契約（金消契約）
金融機関と金銭消費貸借契約を締結します。この契約により、住宅ローンの借入が確定します。
(7) 決済・引き渡し（契約から2-3ヶ月）
売買代金の残金を支払い、土地の所有権移転登記を行います。契約から引き渡しまでは通常2-3ヶ月、土地探しから引き渡しまで全体で6ヶ月〜1年が標準的です。
土地購入にかかる税金と諸費用
諸費用の目安（土地代金の5-10%）
土地購入時には、土地代金以外に諸費用がかかります。諸費用は土地代金の5-10%が目安です。
例えば、3,000万円の土地を購入する場合、諸費用は150万円〜300万円程度となります。
購入時の税金（印紙税、登録免許税、不動産取得税）
土地購入時にかかる主な税金は以下の通りです。
| 税金 | 内容 | 税率・金額 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する印紙 | 契約金額に応じて変動（例：1,000万円超〜5,000万円以下は1万円） |
| 登録免許税 | 所有権移転登記時に課される国税 | 固定資産税評価額の2%（土地は2026年3月31日まで1.5%に軽減） |
| 不動産取得税 | 土地・建物を取得した際に課される地方税 | 固定資産税評価額の4%（土地は2027年3月31日まで3%に軽減） |
税率や軽減措置は時期により変動するため、具体的な購入時には税理士等の専門家にご確認ください。
購入後の税金（固定資産税・都市計画税）
土地を購入した後も、毎年以下の税金がかかります。
- 固定資産税: 毎年1月1日時点の土地・建物所有者に課される地方税（標準税率1.4%）
- 都市計画税: 市街化区域内の土地・建物所有者に課される地方税（制限税率0.3%）
これらの税金は、毎年4月頃に納税通知書が送付されます。
費用内訳（税金40-50%、手数料30-40%、その他10-20%）
諸費用の内訳は以下の通りです。
- 税金関連: 全体の約40-50%（印紙税、登録免許税、不動産取得税等）
- 手数料関連: 全体の約30-40%（仲介手数料、司法書士報酬等）
- その他: 全体の約10-20%（地盤調査費、測量費等）
葛飾区の土地購入で注意すべきリスク（水害・液状化）
液状化リスク（区のほぼ全域が液状化危険度あり）
葛飾区は、区のほぼ全域で液状化の危険度があります。液状化とは、地震時に地盤が液体のように柔らかくなる現象で、建物が傾いたり沈下したりするリスクがあります。
土地購入前に必ず地盤調査を実施し、必要に応じて液状化対策（地盤改良、杭基礎等）を行いましょう。
水害リスク（荒川氾濫時の浸水想定）
葛飾区は、荒川や中川等の河川が流れており、水害リスクがあります。荒川氾濫時には、新小岩駅JR総武線橋梁付近で越水の可能性が指摘されています。
2019年の台風19号では、葛飾区で初の避難勧告（レベル4）が発令され、約2万人が避難所へ避難しました。
ハザードマップの確認（令和7年3月発行版）
土地購入前には、必ず葛飾区公式の水害ハザードマップ（令和7年3月発行版）を確認しましょう。ハザードマップでは、荒川氾濫時や大型台風接近時の浸水想定区域が示されています。
ハザードマップは、葛飾区公式サイトで閲覧できます。
地盤調査・液状化対策の助成制度
葛飾区は、地盤調査費・液状化対策費の助成制度を提供しています。無料地盤調査派遣サービスもあるため、積極的に活用しましょう。
詳細は、葛飾区公式サイトでご確認ください。
軟弱地盤による圧密沈下への対策
葛飾区は地盤が軟弱なため、圧密沈下（建物の重みにより長期間かけて沈下する現象）が生じやすい傾向があります。
適切な基礎補強を行うことで、このリスクを低減できます。地盤調査の結果を元に、専門家（建築士、地盤調査会社等）に相談することを推奨します。
まとめ：葛飾区での土地購入を成功させるために
葛飾区の土地価格は、23区平均の約半額で購入でき、2019年から2025年にかけて上昇トレンドが続いています。2025年公示地価は住宅地368,300円/m²（前年比+5.4%）、実取引価格は平均409,500円/m²（前年比+15.37%）です。
エリア別では、綾瀬駅周辺が最高値（691,200円/m²）、八潮駅周辺が最低値（148,164円/m²）で、約10倍の価格差があります。土地購入は7ステップで進み、契約から引き渡しまで2-3ヶ月、諸費用は土地代金の5-10%が目安です。
葛飾区は液状化リスクと水害リスクが高いため、必ずハザードマップを確認し、地盤調査を実施してください。葛飾区は地盤調査・液状化対策の助成制度を提供しており、無料地盤調査派遣サービスもあります。
土地の価格・税制・助成制度は時期や条件により異なるため、具体的な購入時には不動産会社、宅地建物取引士、税理士等の専門家への相談を強く推奨します。