刈谷市の土地とは|トヨタ系企業が集積するエリアの特徴
愛知県刈谷市は、トヨタ自動車関連の大手企業(デンソー、アイシン等)が本社を置く製造業の中心地です。名古屋市中心部へJR東海道本線・名鉄三河線で約30分とアクセスが良く、通勤利便性の高さから住宅地としても人気があります。
この記事では、刈谷市の土地価格相場、エリア別・駅別の価格差、ハザードマップや地盤確認の注意点、建築条件付き土地の選び方を刈谷市公式サイトや土地代データの情報を元に解説します。
この記事のポイント
- 2025年の刈谷市公示地価は平均17万9805円/m2(坪単価59万4398円)、前年比+4.27%上昇
- 刈谷駅周辺(坪単価77.8万円)と富士松駅周辺(坪単価36.6万円)で2倍以上の価格差
- 刈谷市水害ハザードマップ(令和7年2月版)で浸水想定区域を事前確認が必須
- 地盤が軟弱な場合、地盤改良工事で200万円以上の追加費用が発生する可能性
刈谷市の土地価格相場(2025年最新)|坪単価59万円台の内訳
(1) 公示地価・基準地価の推移(前年比+4.27%上昇)
土地代データによると、2025年の刈谷市の公示地価は以下の通りです。
| 指標 | 2025年 | 前年比 |
|---|---|---|
| 平均地価 | 17万9805円/m2 | +4.27% |
| 坪単価 | 59万4398円 | +4.27% |
刈谷市の地価は4年連続で上昇しており、トヨタ系企業の業績好調や名古屋都市圏への通勤需要の高さが背景にあります。
(2) 用途別の価格(住宅地+3.57%・商業地+6.19%・工業地+8.55%)
用途別の地価上昇率は以下の通りです。
| 用途 | 上昇率 |
|---|---|
| 住宅地 | +3.57% |
| 商業地 | +6.19% |
| 工業地 | +8.55% |
工業地の上昇率が最も高く、製造業の需要増加が顕著です。住宅地も安定して上昇しており、購入を検討している場合は早めの判断が望ましいです。
エリア別・駅別の価格差|刈谷駅周辺と富士松駅周辺で2倍の差
(1) 刈谷駅周辺(坪単価77.8万円)と郊外エリアの比較
SUUMOによると、刈谷市全体の土地価格相場は坪単価55.8万円ですが、エリアにより大きな差があります。
| エリア | 坪単価 |
|---|---|
| 刈谷駅周辺 | 77.8万円 |
| 刈谷市全体平均 | 55.8万円 |
| 富士松駅周辺 | 36.6万円 |
刈谷駅周辺はJR東海道本線・名鉄三河線の両方が利用でき、商業施設も充実しているため、最高価格帯となっています。
(2) 富士松駅・一ツ木駅周辺の価格帯と特徴
富士松駅・一ツ木駅周辺は刈谷駅周辺と比較して坪単価で約半額です。駅からの距離や周辺環境によりさらに価格差があるため、予算と利便性のバランスを考慮して選ぶことが重要です。
100m2未満の土地は建築条件付きが多く、200m2以上の土地は建築条件なしが増える傾向があります。希望する建築会社がある場合は、建築条件なし土地を探すとよいでしょう。
刈谷市で土地購入する際の注意点|ハザードマップと地盤確認
(1) 水害ハザードマップ(令和7年2月版)で浸水想定区域を確認
刈谷市公式サイトによると、刈谷市には境川・逢妻川・猿渡川の氾濫による浸水想定区域があります。
2020年8月28日から宅地建物取引業法により、不動産取引時に水害ハザードマップ上の位置説明が義務化されています。購入を検討している土地がある場合は、以下の手順で確認してください。
- 刈谷市水害ハザードマップにアクセス
- 該当エリアの浸水想定区域を確認
- 浸水深さ(0.5m未満、0.5〜3m、3m以上等)を確認
浸水想定区域に該当する場合でも、火災保険の水災補償に加入することでリスクを軽減できます。
(2) 地盤サポートマップと地盤改良工事費用(200万円以上の可能性)
地盤が軟弱な場合、建物を安全に建てるために地盤改良工事が必要になります。工法により費用は異なりますが、表層改良で50〜100万円、柱状改良で80〜150万円、鋼管杭で100〜200万円以上かかる可能性があります。
購入前に地盤サポートマップで地盤情報を確認し、必要に応じて地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験等)を実施することを推奨します。
土地探しのポイント|建築条件付き・接道義務・境界確認
(1) 建築条件付き土地と建築条件なし土地の違い
建築条件付き土地とは、指定された建築会社で一定期間内(通常3ヶ月)に建築することが条件の土地です。
| 種類 | 特徴 | 価格傾向 |
|---|---|---|
| 建築条件付き | 建築会社が指定される | やや安い |
| 建築条件なし | 建築会社を自由に選べる | やや高い |
建築条件付き土地は建売住宅とは異なり、間取りや仕様を自由に決められる場合が多いですが、建築会社が限定されるため注意が必要です。
(2) 接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上)と用途地域の確認
建築基準法により、建物を建てる敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない(接道義務)と定められています。この条件を満たさない土地は、原則として建築確認が下りません。
また、用途地域により建築可能な建物の種類や規模(建ぺい率・容積率)が制限されます。購入前に刈谷市の都市計画情報で用途地域を確認し、希望する建物が建てられるか確認してください。
(3) 境界確定測量の重要性と費用(30〜100万円)
土地の境界が隣地所有者との間で確定していない場合、将来トラブルの原因になる可能性があります。購入前に境界標(コンクリート杭や金属プレート等)を確認し、不明確な場合は境界確定測量を実施することを推奨します。
境界確定測量の費用は30〜100万円程度で、土地の形状や隣地数により異なります。売主側で実施済みかどうか、購入前に確認してください。
まとめ|刈谷市の土地購入・売却時のチェックリスト
刈谷市の土地価格は2025年時点で坪単価59万円台、前年比+4.27%上昇しています。刈谷駅周辺と郊外エリアで2倍以上の価格差があるため、予算と利便性のバランスを考慮して選びましょう。
購入時のチェックリスト
- 刈谷市水害ハザードマップで浸水想定区域を確認
- 地盤サポートマップで地盤情報を確認(軟弱地盤は200万円以上の追加費用の可能性)
- 接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上)を満たしているか確認
- 用途地域・建ぺい率・容積率で希望する建物が建てられるか確認
- 境界確定測量の実施状況を確認(未実施の場合は30〜100万円の費用)
- 建築条件付きか建築条件なしかを確認
土地価格は時期・市場動向により変動するため、国土交通省の地価公示で最新情報を確認することを推奨します。


