諫早市で土地を購入する前に知っておきたいこと
諫早市で土地を探している方の中には、「諫早市の土地価格はどれくらいなのか」「今後の価格動向はどうなるのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、諫早市の土地価格相場、エリア別の特徴、2024年10月の規制緩和情報、2027年度の都市計画改革について解説します。諫早市の公式情報を元に、土地選びの判断基準を提供します。
この記事のポイント
- 諫早市の2025年基準地価は平均35,745円/m²(約118,166円/坪)で前年比+1.50%上昇
- 2024年10月から市街化調整区域の規制緩和で開発面積上限が10,000㎡に拡大
- 2027年度を目標に線引き制度廃止予定、土地利用の自由度が高まる見込み
- 本諫早駅エリアが最高地価(64,250円/m²)、駅により価格差が大きい
諫早市の土地市場の基本情報
諫早市で土地を購入する際に知っておきたい基本情報を解説します。
(1) 諫早市の立地と交通アクセス
諫早市は長崎県の南部中央に位置し、県内交通の要衝です。有明海・大村湾・橘湾の3つの海に面した自然豊かな環境が特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人口 | 約13万人(2025年) |
| 面積 | 341.79km² |
| 主要交通 | JR長崎本線、島原鉄道、長崎自動車道 |
高速道路・国道・鉄道が通る交通の便が良い立地で、長崎市・大村市へのアクセスも良好です。
(2) 坪単価・公示地価・基準地価の見方
土地価格を比較する際に使われる主な指標を確認しましょう。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 坪単価 | 1坪(約3.3㎡)あたりの土地価格 |
| 公示地価 | 国土交通省が毎年1月1日時点で調査・公表する標準地の価格 |
| 基準地価 | 都道府県が毎年7月1日時点で調査・公表する基準地の価格 |
これらの価格は土地取引の目安となりますが、実際の取引価格は立地・形状・接道状況により異なります。
(3) 市街化区域・市街化調整区域とは
諫早市では、都市計画法に基づき土地を2つの区域に区分しています。
市街化区域: 市街地として積極的に開発を進める区域 市街化調整区域: 市街化を抑制すべき区域(開発には許可が必要)
諫早市は2024年10月に市街化調整区域の規制を大幅緩和し、2027年度にはこの区分自体を廃止する方針です(詳細は後述)。
諫早市の土地価格相場と価格動向【2025年版】
2025年時点の諫早市の土地価格相場と価格動向を解説します。
(1) 2025年の基準地価・公示地価(平均118,166円/坪)
2025年の諫早市の土地価格相場は以下の通りです。
| 項目 | 価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 基準地価平均 | 35,745円/m²(118,166円/坪) | +1.50% |
| 公示地価平均 | 44,736円/m²(147,890円/坪) | +2.56% |
用途別では、住宅地が40,714円/m²(+2.89%)、商業地が64,850円/m²(+1.80%)、工業地が16,700円/m²(+3.09%)と、全用途で上昇傾向にあります。
(2) 駅別・用途別の価格相場
駅別の価格相場を確認しましょう。駅により価格差が大きい点が特徴です。
| 駅名 | 基準地価(円/m²) |
|---|---|
| 本諫早駅 | 64,250(最高) |
| 諫早駅周辺 | 約50,000 |
| 郊外エリア | 約10,000-20,000 |
| 肥前大浦駅 | 3,850(最低) |
中心部と郊外で最大17倍程度の価格差があります。
(3) 価格上昇の背景と今後の見通し
諫早市の土地価格が上昇している背景を確認します。
上昇の背景:
- 大手企業の進出による住宅需要の増加
- 2024年の土地取引は121件と県内でも活発
- 2024年Q1の実取引価格は前年比+37.30%と大幅上昇
今後については、2027年度の都市計画改革により土地利用の自由度が高まる見込みですが、将来の価格変動は保証されないため、慎重に判断する必要があります。
エリア別の特徴と土地選びのポイント
諫早市のエリア別の特徴と土地選びのポイントを解説します。
(1) 本諫早駅周辺(最高地価エリア)
本諫早駅周辺は市内で最も地価が高いエリアです。
特徴:
- 基準地価64,250円/m²と市内最高
- 商業施設、公共施設が集中
- JR・島原鉄道へのアクセス良好
利便性を重視する方に適していますが、土地価格は高めとなります。
(2) 郊外エリアの価格と住環境
諫早市郊外では、中心部と比較して土地価格が抑えられます。
郊外エリアのメリット:
- 土地価格が安く、広い土地を確保しやすい
- 自然環境が豊かで静かな住環境
- 車があれば生活に不便はない
注意点:
- 公共交通機関のアクセスは限定的
- 商業施設・医療機関への距離を確認
(3) 長崎市・大村市へのアクセスを考慮した選び方
通勤・通学を考慮する場合、交通アクセスが重要です。
| 目的地 | 所要時間(車) | 鉄道 |
|---|---|---|
| 長崎市中心部 | 約30分 | JR長崎本線 |
| 大村市 | 約20分 | JR大村線 |
| 長崎空港 | 約30分 | - |
長崎市・大村市への通勤圏内でありながら、土地価格は長崎市より手頃な点が諫早市の魅力です。
土地利用規制の変化と購入時の注意点
諫早市では土地利用規制が大きく変化しています。購入前に最新情報を確認してください。
(1) 2024年10月の規制緩和(市街化調整区域の開発面積拡大)
2024年10月1日から、市街化調整区域の規制が大幅に緩和されました。
変更内容:
- 開発面積の上限: 5,000㎡ → **10,000㎡**に拡大
- 大手企業進出に伴う住宅需要増に対応するための措置
- 40戸規模の開発が可能に
詳細は諫早市公式サイトで確認できます。
(2) 2027年度の線引き制度廃止予定とその影響
諫早市は2027年度を目標に、線引き制度(市街化区域・市街化調整区域の区分)を廃止する方針です。
予定される変更:
- 長崎都市計画区域からの離脱
- 独自の「諫早都市計画区域」を設定
- 土地利用規制や税制が変わる可能性
この改革により、土地利用の自由度が大幅に高まることが期待されます。ただし、具体的な内容は今後決定されるため、最新情報の確認が重要です。
(3) 農地転用・土石流警戒区域の確認
土地購入前には、以下の点を必ず確認してください。
農地転用:
- 農地を宅地に転用する場合、農業委員会の許可が必要
- 手続きに時間がかかる場合がある
土石流特別警戒区域:
- 諫早市内には土石流特別警戒区域に指定されている土地がある
- 災害リスクの確認は必須
- 諫早市都市計画図で確認可能
(4) 専門家への相談と購入の流れ
土地購入は大きな決断です。以下の専門家への相談を推奨します。
| 専門家 | 相談内容 |
|---|---|
| 不動産会社 | 物件探し、価格交渉、契約手続き |
| 市役所(都市計画課) | 用途地域、規制緩和の詳細 |
| 農業委員会 | 農地転用の手続き |
| 司法書士 | 登記手続き |
まとめ:諫早市での土地購入を成功させるために
諫早市の2025年基準地価は平均35,745円/m²(約118,166円/坪)で、前年比+1.50%と上昇傾向にあります。本諫早駅エリアが最高地価で、駅により価格差が大きい点が特徴です。
2024年10月の規制緩和で市街化調整区域の開発が容易になり、2027年度には線引き制度が廃止される予定です。土地利用の自由度が高まる一方、規制や税制の変更があり得るため、最新情報の確認が重要です。
土石流特別警戒区域や農地転用の確認を怠らず、不動産会社や市役所に相談しながら、ご自身に合った土地を見つけてください。


