戸建て向けWi-Fiルーターの選び方|重要な4つのポイント
戸建て住宅でWi-Fiを快適に使うには、マンションとは異なる選び方が必要です。「2階にWi-Fiが届かない」「3階まで電波が届きにくい」といった悩みを解決するには、戸建て特有の課題に対応したルーター選びが重要です。
この記事では、戸建て向けWi-Fiルーターの選び方、おすすめ機種、設置場所のポイント、2階・3階に届かない場合の対処法を解説します。
この記事のポイント
- 戸建て向けルーターはWi-Fi 6対応、メッシュWi-Fi機能、2.4GHz帯対応が重要
- 2階建て・3階建てにはバッファローの「WNR-5400XE6P」など、メッシュWi-Fi対応モデルがおすすめ
- ルーターは建物の中心付近に設置し、床置き・クローゼット内は避ける
- 2階に届かない場合はメッシュWi-Fiや中継器を活用
- 新築時にLAN配線を2階にも設置しておくと、後々のトラブル回避に有効
(1) Wi-Fi 6のメリット(Wi-Fi 5の約1.4倍の高速通信)
2024年11月現在、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)が価格的に手が届きやすく、おすすめです。Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)と比べて約1.4倍の高速通信を実現し、複数デバイスの同時接続にも強いという特徴があります。
Wi-Fi 6とWi-Fi 5の比較:
| 項目 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 |
|---|---|---|
| 最大速度 | 約9.6Gbps | 約6.9Gbps |
| 速度比 | Wi-Fi 5の約1.4倍 | - |
| 複数デバイス対応 | 優れている(OFDMA対応) | やや劣る |
| 価格 | 2024年11月時点で1万円~ | やや安い |
戸建てでは家族全員がスマートフォン、パソコン、タブレット、スマート家電を同時に使用することが多いため、Wi-Fi 6の複数デバイス対応力が活きます。
(2) 2.4GHzと5GHzの使い分け(障害物への強さ・速度)
Wi-Fiには2つの周波数帯があります。戸建てでは、2.4GHz帯の「障害物に強い」という特性が重要です。
周波数帯の特徴:
| 項目 | 2.4GHz帯 | 5GHz帯 |
|---|---|---|
| 速度 | やや遅い | 高速 |
| 障害物への強さ | 強い(壁・床を通過しやすい) | 弱い |
| 範囲 | 広範囲 | 狭い |
| 干渉 | 家電・Bluetoothと干渉しやすい | 干渉が少ない |
| 戸建てでの用途 | 1階→2階、2階→3階 | 同じ階の高速通信 |
実践的な使い分け:
- 2.4GHz帯: 1階にルーターを設置し、2階・3階に電波を届ける
- 5GHz帯: ルーターと同じ階で高速通信が必要な場合(オンラインゲーム、4K動画視聴等)
(3) メッシュWi-Fi対応の重要性
メッシュWi-Fiは、複数のルーターを組み合わせてネットワークを構築し、広範囲に電波を届ける技術です。戸建て2階建て・3階建てでは、単体ルーターだけでは電波が届きにくい場合があるため、メッシュWi-Fi対応が重要です。
メッシュWi-Fiのメリット:
- 複数のルーターが連携して広範囲をカバー
- シームレスな接続(移動しても自動で最適なルーターに切り替わる)
- 中継器より設定が簡単
(4) ビームフォーミング機能の活用
ビームフォーミングは、特定のデバイスに向けて電波を集中的に送信する機能です。壁や床で電波が減衰しやすい戸建てでは、この機能が効果的です。
ビームフォーミングのメリット:
- 電波を効率的に届ける
- 安定した接続を維持
- 遠い部屋でも速度低下を抑える
戸建てにおすすめのWi-Fiルーター|価格帯別モデル
(1) エントリーモデル(1万円以下:Buffalo WSR-3000AX4P-BK等)
予算を抑えたい方には、1万円以下のエントリーモデルがおすすめです。コストパフォーマンスが良く、2階建ての戸建てなら十分なカバー範囲を持つモデルが揃っています。
おすすめ機種:
- Buffalo WSR-3000AX4P-BK: 価格は約8,000円前後、Wi-Fi 6対応、2階建て対応
- コスパ良好: 基本機能を押さえつつ、予算を抑えられる
適している家庭:
- 2階建ての木造住宅
- 家族3~4人、デバイス数10台以内
- オンラインゲームをあまりしない
(2) ミドルモデル(1~3万円:Buffalo WNR-5400XE6P等)
2階建て・3階建てで、複数デバイスを快適に使いたい方には、ミドルモデルがおすすめです。メッシュWi-Fi対応モデルが多く、広範囲をカバーできます。
おすすめ機種:
- Buffalo WNR-5400XE6P: 価格は約2万円前後、Wi-Fi 6対応、メッシュWi-Fi対応、オンラインゲームもサクサクこなせる高速性能
- 広範囲カバー: 2階建て・3階建てに対応
適している家庭:
- 3階建ての戸建て
- 家族4人以上、デバイス数15台以上
- オンラインゲーム・4K動画視聴が多い
(3) ハイエンドモデル(3万円以上:ゲーム向け等)
オンラインゲームを本格的にプレイする方、広い戸建て住宅では、ハイエンドモデルが最適です。最新のWi-Fi 6E対応モデルや、ゲーミング特化機能を搭載したモデルが選択肢となります。
ハイエンドモデルの特徴:
- Wi-Fi 6E対応(6GHz帯の利用で干渉が少ない)
- トライバンド(2.4GHz + 5GHz × 2)
- ゲーミング特化機能(QoS、低遅延モード)
適している家庭:
- 4階建て以上、または敷地が広い
- プロゲーマー、配信者
- スマートホームデバイス多数
(4) 2025年11月の最新おすすめ機種
2025年11月時点での最新おすすめ機種は、マイベストやビックカメラ.com、価格.comマガジンなどで実機検証レビューが掲載されています。購入前に最新情報を確認することをおすすめします。
ルーターの最適な設置場所|2階・3階に届かない原因と対策
(1) 建物の中心付近に設置が最適(Wi-Fi信号は球状に広がる)
Wi-Fi信号は球状に広がるため、建物の中心付近に設置することで全体に届きやすくなります。スーモカウンター注文住宅によると、「ルーターは建物の中心付近に設置するのが最適」とされています。
最適な設置場所の例:
- 2階建て: 1階と2階の中間(階段付近の壁面、または2階の床)
- 3階建て: 2階の中心
(2) 床置きNG(電波反射・吸収の原因)
さくら事務所によると、「ルーターを床に直接置くと、電波が床面で反射・吸収されて速度低下の原因になる」とされています。
NG設置場所:
- 床に直接置く
- テレビ台の下
- 家具の裏側
推奨設置場所:
- 壁面の棚(高さ1m以上)
- 天井付近(可能であれば)
- 専用のルーター設置台
(3) クローゼット・家具の中・部屋の隅を避ける
クローゼットや家具の中、部屋の隅に設置すると、電波が反射・減衰して届きにくくなります。
避けるべき場所:
- クローゼット内
- 収納棚の中
- 部屋の隅
- 金属製の家具の近く
(4) 1階リビング設置の落とし穴
多くの家庭では、光回線の引き込み口が1階リビングにあるため、そこにルーターを設置しがちです。しかし、1階リビングの固定電話近くに設置すると、2階や3階に電波が届かない可能性が高くなります。
対策:
- LANケーブルで2階にルーターを移動
- メッシュWi-Fiで2階にサブルーターを設置
- 新築時にLAN配線を2階にも設置
Wi-Fiが2階に届かないときの対処法|メッシュWi-Fi・中継器の活用
(1) メッシュWi-Fiと中継器の違い
メッシュWi-Fiと中継器は、どちらもWi-Fiの範囲を広げる方法ですが、仕組みが異なります。
比較表:
| 項目 | メッシュWi-Fi | 中継器 |
|---|---|---|
| 仕組み | 複数ルーターが連携 | 既存ルーターの電波を中継 |
| 接続の切り替え | シームレス(自動) | 手動(SSIDが複数) |
| 設定の簡単さ | 簡単 | やや複雑 |
| 価格 | やや高い | 安い |
| 戸建てでのおすすめ度 | 高い | 中程度 |
(2) メッシュWi-Fiのメリット(シームレスな接続・広範囲カバー)
メッシュWi-Fiは、複数のルーターを組み合わせて単体よりも広範囲にWi-Fiを届けられます。1階から2階に移動しても、自動で最適なルーターに切り替わるため、接続が途切れません。
メッシュWi-Fiのメリット:
- 広い戸建てでも全域カバー
- 移動中も接続が安定
- 設定が簡単(専用アプリで一括管理)
(3) 2.4GHz帯の活用(障害物に強く広範囲対応)
2.4GHz帯は障害物や壁に強く、広範囲に届きやすい特性があります。1階にルーターを設置し、2.4GHz帯を使うことで、2階まで電波を届けられる可能性が高まります。
2.4GHz帯の活用方法:
- ルーターの設定で2.4GHz帯を優先
- 2階で使うデバイスを2.4GHz帯に接続
- 1階設置で2階まで、2階設置で1階と3階にWi-Fiを行き届かせられる
(4) ルーター買い替えのタイミング(4~5年で経年劣化)
ルーターは4~5年で経年劣化により不安定・切断が発生するため、定期的な買い替えが必要です。また、Wi-Fi規格の進化もあり、新規格対応機種へのアップグレードが効果的です。
買い替えのサイン:
- 接続が頻繁に切れる
- 速度が極端に遅い
- デバイスが認識されない
- 購入から5年以上経過
新築戸建てのWi-Fi計画|LAN配線と設置の注意点
(1) 新築時にLAN配線を2階にも設置
新築戸建てを建てる際は、LAN配線を2階にも設置しておくことを強く推奨します。さくら事務所によると、「新築時にLANケーブルの配線を2階にも設置しておくと、後々のトラブル回避に有効」とされています。
新築時に検討すべき配線:
- 1階リビング → 2階の各部屋
- 2階の中心部(階段付近)にLAN端子
- 将来的に3階を増築する可能性がある場合、2階から3階への配線も検討
(2) 配線計画のポイント(建築時に決める)
配線計画は建築時に決める必要があります。後から壁内配線を追加するのは大変な工事になるため、設計段階で十分に検討しましょう。
配線計画のポイント:
- ルーター設置場所を建物の中心付近に計画
- 各部屋にLAN端子を設置(将来的な有線接続にも対応)
- 天井裏や壁内に配線経路を確保
(3) 後からの改善が困難な理由
スーモカウンター注文住宅によると、「後からの改善は大変」とされています。壁内配線の追加は、壁を壊して配線し直す必要があり、コストも時間もかかります。
後からの改善方法(代替案):
- メッシュWi-Fiを導入
- 中継器を設置
- 屋外にLANケーブルを這わせる(見た目が悪い)
(4) 戸建て光回線の選び方(2025年11月ランキング)
戸建て向けの光回線も重要な選択です。価格.comによると、2025年11月時点で「NURO光」が戸建て光回線人気ランキング1位となっています。
NURO光の特徴:
- 最大2Gbpsの高速通信
- 最大78,000円のキャッシュバックキャンペーン(2025年11月時点)
- 月額料金: 約5,000円前後
光回線選びのポイント:
- 提供エリアを確認
- 工事費(2~4.5万円が相場)
- キャッシュバック・割引キャンペーン
- 契約期間と解約金
まとめ:戸建てWi-Fiルーター選びのチェックリスト
戸建て向けWi-Fiルーターは、Wi-Fi 6対応、メッシュWi-Fi機能、2.4GHz帯対応が重要です。2階建て・3階建てには、バッファローの「WNR-5400XE6P」など、メッシュWi-Fi対応モデルがおすすめです。
ルーターは建物の中心付近に設置し、床置き・クローゼット内は避けましょう。2階に届かない場合は、メッシュWi-Fiや中継器を活用し、2.4GHz帯の障害物に強い特性を活かすことが効果的です。
新築戸建てを建てる際は、LAN配線を2階にも設置しておくことで、後々のトラブルを回避できます。配線計画は設計段階で十分に検討し、将来的な拡張も見据えた計画を立てましょう。
Wi-Fi環境の改善に不安がある場合は、電気工事士や通信業者などの専門家に相談しながら、最適な環境を構築しましょう。
