一戸建ての2階でWi-Fiが遅い・届かない理由
一戸建ての2階でリモートワークやオンライン授業をする際、「Wi-Fiが遅い」「動画が止まる」「そもそも電波が届かない」と悩む方は少なくありません。
この記事では、2階でWi-Fiが遅い原因、Wi-Fi中継器の選び方、おすすめ機種の比較、設置方法、中継器以外の解決策を、専門サイトやメーカー公式情報を参考に解説します。
初心者でも、自宅の環境に合ったWi-Fi改善策を選べるようになります。
この記事のポイント
- 2階でWi-Fiが遅い原因は距離・障害物・電波干渉の3つ
- Wi-Fi中継器を適切に設置すると、速度が3倍以上改善する場合がある
- Wi-Fi 6対応の中継器が2025年の主流で、Buffalo WEX-3000AX4等がおすすめ
- 中継器は数千円から、メッシュWi-Fiは1〜3万円と、予算に応じて選択可能
(1) 距離の問題:1階から2階への電波減衰
一戸建てでは、1階にWi-Fiルーターを設置している場合、2階への距離が遠くなり電波が減衰します。距離が離れるほど、電波強度が低下し、通信速度が遅くなります。
(2) 障害物の影響:床板・はり・家具による電波遮断
1階から2階へ電波を届ける際、床板やはりなどの家の構造物が電波を遮ります。特に木造住宅では、鉄筋コンクリート造よりも電波が通りやすいですが、それでも障害物の影響は受けます。
家具(本棚、クローゼット等)も電波を遮るため、ルーターの位置や中継器の設置場所を工夫する必要があります。
(3) 電波干渉:2.4GHz帯の混雑と電子レンジなどの影響
2.4GHz帯は、多くのWi-Fi機器や電子レンジ、Bluetooth機器等が使用しているため、混雑しやすく電波干渉を受けます。
5GHz帯は速度が速いですが、障害物に弱いため、一戸建ての1階から2階への中継には2.4GHz帯の方が有利な場合があります。
Wi-Fi中継器の仕組みと効果:3倍の速度改善も可能
Wi-Fi中継器は、2階のWi-Fi環境を改善する最も手軽な方法の一つです。
(1) 中継器の基本的な仕組み:親機の電波を受信して再送信
Wi-Fi中継器(無線LAN中継器)は、Wi-Fiルーター(親機)からの電波を受信し、電波が届きにくい場所へ再送信する機器です。
親機と電波が届きにくい場所の中間に設置することで、電波の届く範囲を拡大します。
(2) 速度改善の実例:適切な設置で3倍以上の改善も
中継器を適切に設置すると、速度が3倍以上改善する場合があります。ただし、効果は環境(住宅の構造、ルーターの性能、中継器の設置場所等)により異なります。
「確実に速くなる」とは断定できませんが、多くの場合で改善効果が期待できます。
(3) 中継器の限界:複数台設置による速度低下のリスク
中継器を増やしすぎると、通信速度が低下する可能性があります。中継器は親機の電波を受信してから再出力するため、中継を繰り返すほど遅延が発生します。
基本的には1〜2台までが推奨され、それ以上必要な場合はメッシュWi-Fiの検討をおすすめします。
一戸建て向けWi-Fi中継器の選び方:Wi-Fi 6対応と周波数帯
Wi-Fi中継器を選ぶ際は、以下のポイントを確認することが重要です。
(1) Wi-Fi規格の選択:Wi-Fi 6(11ax)が2025年の主流
Wi-Fi 6(11ax)は、2019年に登場した無線LAN規格で、高速通信(最大9.6Gbps理論値)と複数デバイスの同時接続に優れています。
2025年現在、Wi-Fi 6対応の中継器が主流となっており、Buffalo WEX-3000AX4等が人気です。予算に余裕があれば、Wi-Fi 6対応機種を選ぶことが推奨されます。
(2) 2.4GHz帯と5GHz帯の使い分け:一戸建ては2.4GHzが有利
- 2.4GHz帯: 障害物(床・壁)に強く、遠くまで届きやすい。一戸建ての1階から2階への中継に適している。ただし、速度は5GHz帯より遅い。
- 5GHz帯: 速度が速いが、障害物に弱い。同一フロア内での使用に適している。
環境により最適な帯域が異なるため、両方試すことをおすすめします。
(3) 同時接続台数とアンテナ数:家族構成に合わせた選択
家族全員がスマホ、タブレット、PC等を使用する場合、同時接続台数が多い機種を選ぶことが推奨されます。アンテナ数が多いほど、複数デバイスへの安定した通信が可能です。
(4) 技適マークの確認:電波法違反を避ける
無線LAN機器は技適マークのあるものを使用する必要があります。技適マークのない機器は電波法違反となり、日本国内で使用できません。
総務省の電波利用ポータルで、技適マークの確認方法を参照できます。
おすすめWi-Fi中継器比較:Buffalo・NEC・TP-Link・I-O DATA
2025年時点でおすすめのWi-Fi中継器を比較します。
(1) Buffalo WEX-3000AX4:Wi-Fi 6対応、5GHz最大2402Mbps
Buffalo公式サイトによると、WEX-3000AX4シリーズは2024年11月発売のWi-Fi 6対応中継器です。5GHz帯で最大2402Mbpsの高速通信が可能で、テレワークに最適です。
価格は1万円台後半と、Wi-Fi 6対応機種の中では標準的です。
(2) TP-Link RE450・ARCHER AIR E5:コスパと超薄型デザイン
- TP-Link RE450: コストパフォーマンスに優れた中継器。Wi-Fi 5対応で、価格は5千円前後。
- TP-Link ARCHER AIR E5: 厚さ8mmの超薄型デザインで、Wi-Fi 6対応。省スペース設計が人気。
TP-Link製品は、価格と性能のバランスが良く、初心者におすすめです。
(3) NEC・I-O DATA製品:国内メーカーの信頼性
NECやI-O DATAは、国内メーカーとしてサポート体制が充実しています。技術的なトラブル時に、日本語でのサポートを受けやすいのが魅力です。
I-O DATAの公式サポートでは、設置場所に関する詳細なガイドが提供されています。
(4) 価格帯別の選び方:数千円から2万円台まで
- 5千円以下: Wi-Fi 5対応の中継器(TP-Link RE450等)。予算を抑えたい方向け。
- 1万円前後: Wi-Fi 6対応の中継器(Buffalo・NEC製品等)。バランス重視。
- 2万円台: 高性能Wi-Fi 6対応機種。複数デバイスを快適に使いたい方向け。
中継器の設置方法と最適な場所の見つけ方
Wi-Fi中継器の効果を最大化するには、適切な設置場所が重要です。
(1) 基本原則:親機と電波が届きにくい場所の中間に設置
中継器は、親機(Wi-Fiルーター)と電波が届きにくい場所の中間に設置することで、最大の効果を発揮します。
親機に近すぎると効果が薄く、遠すぎると中継器が親機の電波をうまく受信できません。
(2) 一戸建て推奨設置場所:階段・廊下・吹き抜け付近
1階から2階へ電波を中継する場合は、階段や廊下など電波が通りやすい場所に中継器を設置するのが効果的です。
吹き抜けがある住宅では、吹き抜け付近に設置すると、電波が2階に届きやすくなります。
(3) 電波状況の確認方法:スマホアプリでの測定
スマホアプリ(Wi-Fi Analyzer等)を使うと、電波の強度を測定できます。中継器の設置場所を変更しながら、最適な位置を見つけることが推奨されます。
まず中間地点に設置して電波状況を確認し、改善しない場合は場所をずらして再確認を繰り返します。
(4) SSID設定:同一SSIDと別SSIDのメリット・デメリット
中継器には、親機と同一SSIDを使う方式と、別SSIDを設定する方式があります。
- 同一SSID: デバイスが自動で最適なアクセスポイントに接続する。手動切り替え不要。
- 別SSID: 手動で切り替えが必要だが、接続先を明示的に選べる。
初心者には、同一SSID方式が推奨されます。
まとめ:中継器以外の解決策とあなたに合った選択
Wi-Fi中継器は、2階のWi-Fi環境を改善する手軽な方法です。適切に設置すれば、速度が3倍以上改善する場合があります。
Wi-Fi 6対応の中継器が2025年の主流で、Buffalo WEX-3000AX4、TP-Link RE450・ARCHER AIR E5等がおすすめです。価格は数千円から2万円台まで幅があります。
(1) メッシュWi-Fiとの比較:費用・範囲・利便性
NTTドコモのおうちネットプレスによると、メッシュWi-Fiは同一SSIDで自動切り替えが可能で、広範囲をカバーできます。
- 中継器: 数千円から。特定の部屋だけカバーしたい場合に最適。
- メッシュWi-Fi: 1〜3万円。広範囲をカバーしたい場合や、複数デバイスを快適に使いたい場合に最適。
(2) 有線LAN配線:最も安定した解決策
2階に有線LANケーブルを配線すると、最も安定した通信環境を構築できます。新築時やリフォーム時に配線を検討することが推奨されます。
(3) Wi-Fiルーター買い替え:Wi-Fi 6ルーターへの更新
中継器を設置しても速度が改善しない場合は、ルーター本体をWi-Fi 6対応機種に買い替えることも検討できます。
(4) 状況別おすすめ:特定の部屋だけ改善 vs 家全体の改善
- 特定の部屋(2階の寝室等)だけ改善したい: Wi-Fi中継器
- 家全体のWi-Fi環境を改善したい: メッシュWi-Fi
- 最も安定した環境を求める: 有線LAN配線
あなたの状況に合わせて、最適な選択をしましょう。
