戸建てのテレビアンテナ工事が必要な理由
新築戸建ての購入や既存住宅へのテレビアンテナ設置を検討する際、費用相場・工事内容・業者選びのポイントを正しく理解することが重要です。
この記事では、戸建てのテレビアンテナ工事の費用相場、アンテナの種類別の特徴、業者選びのポイント、よくある失敗事例を詳しく解説します。
この記事のポイント
- テレビアンテナは工事費のみで月額費用がかからず、10年で約100万円のコスト差がケーブルテレビ・光回線と比較して生まれる
- アンテナの種類は「八木式」「デザイン」「ユニコーン」の3種類で、電波環境により最適な種類が異なる
- 費用相場は地デジアンテナ15,000円〜90,000円、BS/CSアンテナ追加で+15,000円〜20,000円
- アンテナ工事専門業者に依頼すると仲介手数料がかからず、ハウスメーカー経由より安価
(1) 月額費用なしで最もコストが安い視聴方法
戸建てでテレビを視聴する方法は、主に以下の3種類があります。
| 視聴方法 | 初期費用 | 月額費用 |
|---|---|---|
| テレビアンテナ | 15,000円〜90,000円 | なし |
| ケーブルテレビ | 無料〜数万円 | 5,000円〜10,000円 |
| 光回線(フレッツ光等) | 数万円 | 4,000円〜8,000円 |
テレビアンテナは工事費のみで月額費用がかからないため、長期的に最もコストが安い視聴方法です。
(2) ケーブルテレビ・光回線との比較(10年で約100万円の差)
10年間のコストを比較すると、以下のようになります。
| 視聴方法 | 10年間の総コスト |
|---|---|
| テレビアンテナ | 約50,000円(工事費のみ) |
| ケーブルテレビ | 約600,000円〜1,200,000円(月額5,000円〜10,000円 × 120ヶ月) |
| 光回線 | 約480,000円〜960,000円(月額4,000円〜8,000円 × 120ヶ月) |
テレビアンテナを選択することで、10年で約100万円のコスト差が生まれます。
テレビアンテナの種類と特徴
戸建てのテレビアンテナは、主に3種類あります。電波環境やデザイン性により最適な種類が異なります。
(1) 八木式アンテナ(受信能力最高、費用15,000円〜70,000円)
八木式アンテナは、戸建て住宅の屋根の上に設置される魚の骨のような矢印形のアンテナです。
特徴:
- 受信能力が最も高く、電波が弱い地域でも使用可能
- 費用相場は15,000円〜70,000円
- 台風で破損するリスクがあるため、保証範囲(台風被害も対象か)を確認すべき
電波が弱い地域や、確実に受信したい場合は八木式アンテナが推奨されます。
(2) デザインアンテナ(外観良好、費用20,000円〜35,000円)
デザインアンテナは、壁面に設置する平面型の現代的なアンテナです。
特徴:
- 外観を損なわない・台風に強い
- 費用相場は20,000円〜35,000円
- 電波が強い地域でのみ使用可能(電波が弱い地域では受信できない場合がある)
外観を重視する方や、電波が強い地域に住んでいる方にはデザインアンテナが推奨されます。
(3) ユニコーンアンテナ(最新型、費用25,000円〜40,000円)
ユニコーンアンテナは、2023年時点で最新型のデザインアンテナです。円柱形で目立ちにくいのが特徴です。
特徴:
- 最新型で目立ちにくい・外観を損なわない
- 費用相場は25,000円〜40,000円
- 電波環境により使用可否が変わる
最新のデザイン性を重視する方に推奨されます。
(4) BS/CSアンテナ(衛星放送用、追加費用15,000円〜20,000円)
BS/CSアンテナは、衛星放送を受信するためのパラボラアンテナ(お皿型)です。
特徴:
- 地デジとは別に設置が必要
- 費用相場は15,000円〜20,000円(追加設置の場合)
- BS/CS放送を視聴する場合は必須
衛星放送を視聴したい場合は、地デジアンテナとBS/CSアンテナの両方を設置します。
工事の流れと設置タイミング
新築戸建てのテレビアンテナ工事の流れと、最適な設置タイミングを解説します。
(1) 新築の設置タイミング(引き渡し後〜引っ越し前がベスト)
新築戸建ての場合、アンテナ工事の最適なタイミングは「物件の引き渡し後〜引っ越し前」です。
引っ越し後にテレビが映らず慌てるケースがあるため、事前に手配しておくことを推奨します。新築住宅の見積もりにはテレビアンテナ工事費用が通常含まれていないため、別途手配が必要です。契約前にハウスメーカー・工務店に確認することを推奨します。
(2) 工事の流れ(現地調査→見積もり→工事→確認)
テレビアンテナ工事の一般的な流れは以下の通りです。
- 現地調査: 業者が電波環境を確認し、最適なアンテナの種類を提案
- 見積もり: 工事費用・保証内容を提示(無料見積もりが推奨)
- 工事: 1〜3時間程度で設置完了
- 確認: テレビが正常に映るか確認
現地調査から設置完了まで1〜2週間程度かかります。
(3) 電波環境による最適なアンテナ選び
電波環境により、最適なアンテナの種類が異なります。
| 電波環境 | 推奨アンテナ |
|---|---|
| 電波が強い地域 | デザインアンテナ・ユニコーンアンテナ |
| 電波が弱い地域 | 八木式アンテナ |
現地調査で電波環境を確認し、業者に相談しながら最適なアンテナを選ぶことを推奨します。
費用相場と依頼先による価格差
テレビアンテナ工事の費用は、アンテナの種類と依頼先により大きく変わります。
(1) 新築の費用相場(約40,000〜59,000円)
新築戸建てのアンテナ工事の費用相場は、約40,000〜59,000円です。
この金額には、地デジアンテナの設置費用・配線工事・調整作業が含まれます。BS/CSアンテナを追加する場合は、+15,000円〜20,000円が目安です。
(2) ハウスメーカー経由(地デジ35,000円〜)vs 専門業者(15,000円〜)
依頼先により、費用相場が大きく異なります。
| 依頼先 | 地デジアンテナ費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハウスメーカー経由 | 35,000円〜 | 仲介手数料がかかる |
| アンテナ工事専門業者 | 15,000円〜 | 仲介手数料がかからず安価 |
アンテナ工事専門業者に直接依頼すると、仲介手数料がかからないため、ハウスメーカー経由より安価になります。
(3) 追加費用(BS/CSアンテナ、ブースター等)
アンテナ工事には、以下の追加費用がかかる場合があります。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| BS/CSアンテナ | +15,000円〜20,000円 |
| ブースター(電波増幅器) | +5,000円〜15,000円 |
| 配線工事(複数テレビへの分配) | +5,000円〜10,000円 |
見積もり時に総額費用(追加費用の有無)を確認することを推奨します。
業者選びのポイントと注意点
アンテナ工事の業者選びで失敗しないために、以下のポイントを押さえましょう。
(1) 複数業者の相見積もり(3〜4社推奨)
複数業者に見積もりを依頼し、価格・サービス内容・保証を比較することが重要です。
3〜4社に依頼するのが推奨されます。相見積もりにより、適正価格を把握でき、過剰請求を防げます。
(2) 保証内容の確認(10〜15年、台風被害も対象か)
アンテナ工事の保証内容を確認しましょう。
- 保証期間: 10〜15年が一般的
- 保証範囲: 自然故障のみか、台風被害も対象か
八木式アンテナは台風で破損するリスクがあるため、保証範囲を確認すべきです。保証の充実した業者を選ぶことを推奨します。
(3) 自社施工vs下請けの違い
自社施工の業者を選ぶことを推奨します。
| 施工方法 | 特徴 |
|---|---|
| 自社施工 | 技術力が高い・仲介手数料がかからない |
| 下請け | 知識・技術が乏しい業者・態度の悪い業者が来る可能性がある |
自社施工の業者を選び、見積もり・現地調査が無料の業者に相談することを推奨します。
(4) 格安業者の注意点(技術力・保証内容を重視)
「格安料金」「他店よりもお安くします」といった謳い文句に惑わされて失敗するケースが多くあります。
価格だけでなく、以下の点を重視すべきです。
- 技術力: 資格保有(アンテナ技術信用保証協会加盟等)
- 保証内容: 10〜15年の保証があるか
- 自社施工: 下請けに丸投げしていないか
技術力・保証内容を重視し、適正価格の業者を選ぶことを推奨します。
(5) DIY設置の危険性(高所作業・電波調整の難しさ)
DIYでの高所作業(屋根・外壁)は転落の危険があり、電波調整も専門知識が必要なため、専門業者への依頼を推奨します。
テレビアンテナの設置は、高所作業と電波調整の専門知識が必要なため、素人が行うには危険が伴います。安全性と受信品質を確保するために、専門業者に依頼しましょう。
まとめ:状況に応じたアンテナ選びと業者選び
戸建てのテレビアンテナ工事は、アンテナの種類と依頼先により費用が大きく変わります。費用相場は地デジアンテナ15,000円〜90,000円、BS/CSアンテナ追加で+15,000円〜20,000円です。
アンテナの種類は電波環境により最適なものが異なります。電波が強い地域はデザインアンテナ、弱い地域は八木式アンテナが推奨されます。
アンテナ工事専門業者に直接依頼すると、仲介手数料がかからず安価になります。複数業者(3〜4社)の相見積もりを取り、保証内容(10〜15年、台風被害も対象か)・自社施工かを確認しましょう。
執筆時点(2025年)の情報であり、電波環境・設置場所・アンテナの種類により費用は変動します。最新の見積もりは専門業者に依頼し、状況に応じたアンテナ選びと業者選びを行いましょう。
