なぜ一戸建ての火災保険相場を知ることが重要なのか
一戸建ての火災保険を検討する際、「適正な保険料の相場はいくらなのか」「保険料は何で決まるのか」と疑問に感じる方は少なくありません。
この記事では、一戸建ての火災保険の相場(地震保険を含む場合・含まない場合)、保険料を決める5つの要素(建物構造・築年数・所在地等)、物件タイプ別の保険料の違い、保険料を抑える3つの方法を解説します。
火災保険比較本舗やソニー損保の公式情報を元に、適正な保険料で必要な補償を確保できるようになります。
この記事のポイント
- 一戸建ての火災保険の相場は、地震保険を含む場合で年間約5万円~9万円、含まない場合で年間約1万5,000円~3万円
- 保険料は建物構造(H構造・T構造)、築年数、所在地、補償内容、保険期間の5つの要素で決まる
- H構造(木造)はT構造(鉄骨・RC)に比べて火災リスクが高いため、保険料が1.5~2倍程度高くなる
- 長期一括払い(最長5年)、補償内容の最適化、複数社の相見積もりで保険料を抑えられる
一戸建ての火災保険の相場はいくら?
一戸建ての火災保険の相場を解説します。
(1) 地震保険を含む場合の相場
火災保険比較本舗によると、地震保険を含む場合の相場は以下の通りです。
- 年間約5万円~9万円
地震保険は火災保険とセットでのみ加入可能で、地震・噴火・津波による損害を補償します。
(2) 地震保険を含まない場合の相場
地震保険を含まない場合の相場は以下の通りです。
- 年間約1万5,000円~3万円
火災保険のみの場合、地震による損害は補償されません。
(3) 一戸建てとマンションの保険料比較
一戸建てとマンションの保険料を比較します。
| 住居タイプ | 保険料の目安(年間) | 理由 |
|---|---|---|
| 一戸建て | 約5万円~9万円(地震保険含む) | 建物全体を補償するため |
| マンション | 約3万円~6万円(地震保険含む) | 専有部分のみ補償、M構造で火災リスクが低い |
一戸建ては建物全体を補償するため、マンションより保険料が高くなります。
火災保険料を決める5つの要素
火災保険料を決める5つの要素を解説します。
(1) 建物構造(H構造・T構造・M構造)
建物の構造により、火災リスクが異なるため保険料が変わります。
| 構造 | 内容 | 保険料 |
|---|---|---|
| H構造 | 木造の非耐火構造の一戸建て | 最も高い |
| T構造 | 鉄骨造または鉄筋コンクリート造の一戸建て | H構造より安い |
| M構造 | 鉄筋コンクリート造のマンション | 最も安い |
ソニー損保によると、H構造はT構造に比べて火災リスクが高いため、保険料が1.5~2倍程度高くなります。
(2) 築年数(築20年超で大幅上昇)
築年数が経過すると、建物の劣化により火災リスクが高まり、保険料が上昇します。
みんかぶ保険によると、築20年を超えると保険料が大幅に上昇する傾向があります。
(3) 所在地(災害リスクによる違い)
所在地により、台風・洪水・地震等の災害リスクが異なるため、保険料が変わります。
災害リスクの高い地域(海岸沿い、河川沿い、地震多発地域等)は保険料が高額になります。
マイベストによると、2024年10月以降、水災料率が細分化され、1等地(リスク低)から5等地(リスク高)まで分類されて保険料が変動するようになりました。
(4) 補償内容(火災・風災・水災等)
火災保険の補償内容は以下の通りです。
| 補償内容 | 内容 |
|---|---|
| 火災 | 火災による損害 |
| 風災 | 台風・竜巻・強風による損害 |
| 水災 | 洪水・高潮・土砂災害等による損害 |
| 雪災 | 雪・雹による損害 |
| 落雷 | 落雷による損害 |
| 盗難 | 盗難による損害 |
| 破損・汚損 | 偶然の事故による破損・汚損 |
補償内容を追加するほど保険料が高くなります。
SUUMOによると、一戸建ては1階部分があるため水災リスクが高く、水災補償の加入が推奨されます。
(5) 保険期間(長期一括払いの効果)
保険期間を長期(最長5年)にして一括で保険料を支払うと、年払いより保険料が割安になります。
長期一括払いは、年払いに比べて約5~10%程度保険料が安くなる傾向があります。
物件タイプ別の保険料の違い
物件タイプ別の保険料の違いを解説します。
(1) H構造(木造)とT構造(鉄骨・RC)の保険料差
H構造(木造)とT構造(鉄骨・RC)の保険料差を比較します。
例えば、5年契約の場合(マイベストの2025年版データ):
| 保険会社 | 5年契約の年間保険料 |
|---|---|
| ソニー損保 | 約3万6,974円/年 |
| 日新火災 | 約2万5,130円/年 |
| 東京海上日動 | 約3万4,420円/年 |
※上記は一例で、建物構造・築年数・所在地により異なります。
H構造はT構造に比べて1.5~2倍程度保険料が高くなります。
(2) 新築と中古の保険料の違い
新築と中古(築20年超)の保険料を比較します。
| 築年数 | 保険料 |
|---|---|
| 新築 | 基準保険料 |
| 築10年 | 基準保険料より約10~20%高い |
| 築20年超 | 基準保険料より約30~50%高い |
築年数が経過するほど、保険料が上昇します。
(3) 水災リスクによる保険料変動(2024年10月以降の料率細分化)
2024年10月以降、水災料率が細分化され、1等地(リスク低)から5等地(リスク高)まで分類されて保険料が変動するようになりました。
ハザードマップで浸水リスクを確認し、リスクが低い地域では水災補償を外すことで保険料を抑えることも検討できます。
火災保険料を抑える3つの方法
火災保険料を抑える3つの方法を解説します。
(1) 長期一括払いを活用する
保険期間を長期(最長5年)にして一括で保険料を支払うと、年払いより保険料が割安になります。
例えば、年払いで年間5万円の場合、5年一括払いでは総額24万円程度(年間4万8,000円相当)になる可能性があります。
(2) 補償内容を最適化する
不要な補償を外すことで保険料を抑えられます。
以下の点を確認しましょう。
- 水災補償: ハザードマップで浸水リスクが低い地域では外すことを検討
- 破損・汚損補償: 日常的な事故のリスクを許容できる場合は外すことを検討
- 家財補償: 家財の価値が低い場合は補償額を減額
ただし、一戸建ては水災リスクが高いため、水災補償を外す場合は慎重に判断しましょう。
(3) 複数社で相見積もりを取る
火災保険料は保険会社により異なるため、複数社で相見積もりを取ることで最適な保険を選べます。
価格.com等の一括比較サイトを活用すると、効率的に見積もりを取得できます。
まとめ:適正な保険料で必要な補償を確保しよう
一戸建ての火災保険の相場は、地震保険を含む場合で年間約5万円~9万円、含まない場合で年間約1万5,000円~3万円です。保険料は建物構造(H構造・T構造)、築年数、所在地、補償内容、保険期間の5つの要素で決まります。
H構造(木造)はT構造(鉄骨・RC)に比べて火災リスクが高いため、保険料が1.5~2倍程度高くなります。長期一括払い(最長5年)、補償内容の最適化、複数社の相見積もりで保険料を抑えられます。
(1) 保険料相場を踏まえた適正な保険金額の設定
保険金額は建物の評価額で設定しましょう。
以下の点に注意します。
- 土地代は除外: 保険金額は建物のみの価値で設定(土地は火災で失われない)
- 過大設定を避ける: 保険料が無駄になる
- 過小設定を避ける: 十分な補償が受けられない
適正な評価額は、不動産会社や保険会社に相談して設定しましょう。
(2) 見直しのタイミング(値上げ前、築年数経過時)
火災保険の見直しは以下のタイミングで検討しましょう。
- 値上げ前: 2024年10月に火災保険料の値上げが実施されたように、今後も値上げが予想されるため、値上げ前に長期契約を検討
- 築年数経過時: 築20年を超えると保険料が大幅に上昇するため、築年数が経過したタイミングで見直し
- 家族構成の変化: 家財の価値が変わったタイミングで補償額を見直し
信頼できる保険会社やファイナンシャルプランナーに相談しながら、適正な保険料で必要な補償を確保しましょう。
