函館市で不動産を探す前に知っておくべきこと
函館市で住まいの購入や売却を検討している方にとって、「地方都市の不動産市場はどうなっているのか」「適正な価格は?」「信頼できる業者は?」といった疑問は尽きないかもしれません。
この記事では、函館市の不動産市場の現状、エリア別の特徴、相場感、業者選びのポイントを、国土交通省の取引価格データや大手ポータルサイトの情報を元に解説します。
初めて函館市で不動産取引を行う方でも、必要な情報を整理し、納得のいく物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- 函館市の売買物件は中古マンション1,000万円台、中古一戸建て1,000万円~2,000万円台が中心
- 賃貸物件は1Kで月3~4万円台、2DKで4~5万円台が相場(市電沿線・五稜郭駅周辺)
- 地域密着型の不動産会社と大手ポータルサイトを併用することで、幅広い選択肢を比較できる
- 不動産購入時は宅地建物取引士による重要事項説明を受けることが法律で義務付けられている
- 函館市の不動産市場は地方都市特有の特徴があり、人口動向や地価推移を理解することが重要
函館市の不動産市場の現状と相場
(1) 売買物件の価格帯
函館市の売買物件の価格帯は、物件タイプによって異なります。2024年時点での相場は以下の通りです。
| 物件タイプ | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中古マンション | 1,000万円台 | 市電沿線に集中、五稜郭公園前駅周辺が中心 |
| 中古一戸建て | 1,000万円~2,000万円台 | バス路線沿いに多い |
| 新築物件 | 物件により大きく異なる | 函館市内では供給数が限定的 |
国土交通省の不動産取引価格情報では、函館市を含む全国の実際の取引価格データを確認できます。地域別・物件タイプ別の詳細な価格推移を知りたい場合は、こちらを参照することをおすすめします。
(2) 賃貸物件の家賃相場
賃貸物件の場合、函館駅周辺の平均家賃は5.2万円程度です。間取り別の相場は以下の通りです。
| 間取り | 家賃相場 | 主なエリア |
|---|---|---|
| 1K | 3~4万円台 | 市電沿線、五稜郭駅周辺 |
| 2DK | 4~5万円台 | 市電沿線、五稜郭駅周辺 |
| 3LDK以上 | 6万円台~ | 郊外エリア中心 |
(出典: HOME'S函館市の家賃相場)
市電沿線と五稜郭駅周辺は賃貸物件が集中しており、交通の便が良いため人気が高いエリアです。
(3) 地価の推移と市場動向
函館市は地方都市特有の人口減少トレンドの影響を受けており、地価は緩やかな下落傾向にあります。ただし、駅前や市電沿線などの利便性の高いエリアでは、一定の需要が維持されています。
不動産市場の動向は時期や地域により変動するため、最新の情報は国土交通省の地価公示データや不動産会社への問い合わせで確認することをおすすめします。
エリア別の特徴と物件タイプの選び方
(1) 市電沿線エリア(五稜郭公園前駅周辺)
市電沿線は函館市内で最も物件数が多いエリアです。特に五稜郭公園前駅周辺は、中古マンションが集中しており、価格帯は1,000万円台が中心となります。
市電沿線の特徴:
- 交通の便が良く、函館駅や五稜郭エリアへのアクセスが容易
- 中古マンションの供給が豊富
- 商業施設や生活インフラが整っている
(2) バス路線沿いのエリア
バス路線沿いのエリアには、中古一戸建て住宅が多く見られます。価格帯は1,000万円~2,000万円台が主流で、市電沿線に比べて広い敷地面積を確保しやすいのが特徴です。
バス路線沿いの特徴:
- 一戸建て住宅が中心
- 市電沿線に比べて価格が抑えられる場合がある
- 敷地面積が広く、ファミリー層に人気
(3) マンション・一戸建て・賃貸の特徴
物件タイプごとの特徴を理解し、自分のライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
| 物件タイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 中古マンション | 駅近・市電沿線に多い、管理が楽 | 管理費・修繕積立金が必要 |
| 中古一戸建て | 敷地面積が広い、管理費不要 | 維持管理は自己負担 |
| 賃貸 | 初期費用が抑えられる、転居が容易 | 資産にならない |
不動産会社の選び方と取引の流れ
(1) 地域密着型と大手ポータルサイトの違い
函館市で不動産を探す際、地域密着型の不動産会社と大手ポータルサイトの両方を活用することで、より幅広い選択肢を比較できます。
地域密着型の不動産会社の特徴:
- 函館市特有の地域情報に詳しい
- 地元の物件情報をいち早く入手できる場合がある
- 対面での相談がしやすい
大手ポータルサイトの特徴:
- 物件数が豊富で、幅広いエリア・価格帯を検索できる
- オンラインで効率的に比較検討できる
- 全国規模の情報網を持つ
(2) 函館エリアの主な不動産会社
函館市には、地域密着型の不動産会社と大手ポータルサイトの両方が存在します。
地域密着型の例:
- 函館不動産連合隊: 函館市近郊の複数の不動産会社が連携して物件情報を提供するネットワーク
- 野村不動産函館: 創業46年以上の地域密着型不動産会社で、函館市・北斗市・七飯町エリアを対応
大手ポータルサイトの例:
- SUUMO、HOME'S等: 全国規模の物件情報を提供
どちらか一方ではなく、両方を併用して情報を集めることをおすすめします。
(3) 物件探しから契約までの流れ
不動産購入の一般的な流れは以下の通りです。
- 予算・希望条件の整理: 購入予算、エリア、物件タイプを明確にする
- 物件情報の収集: 不動産会社やポータルサイトで情報を集める
- 物件の内覧: 実際に現地を訪れ、自分の目で確認する
- 購入申込: 購入意思を伝える(申込金が必要な場合がある)
- 重要事項説明: 宅地建物取引士から重要事項の説明を受ける
- 売買契約の締結: 契約書に署名・押印し、手付金を支払う
- 住宅ローンの手続き: 金融機関で住宅ローンを申し込む
- 残金決済・引き渡し: 残金を支払い、物件の引き渡しを受ける
(4) 重要事項説明と契約時の注意点
不動産購入時には、宅地建物取引士による重要事項説明を受けることが法律で義務付けられています(宅地建物取引業法)。この説明では、物件の状態、契約内容、リスク等が詳しく伝えられます。
契約時の注意点:
- 物件の内覧では、自分の目で現地を確認し、不明点があれば不動産会社の担当者に確認する
- 購入申込後でも、売買契約締結前であれば一般的には申込を撤回でき、申込金も返還される
- 契約内容は個別に異なるため、不明点があれば専門家(宅地建物取引士や税理士等)に相談することを推奨します
不動産購入・売却時の費用と税金
(1) 購入時の諸費用(仲介手数料・登記費用等)
不動産購入時には、物件価格以外に以下の諸費用が必要です。
| 費用項目 | 目安額 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税(上限) | 不動産会社に支払う |
| 登記費用 | 10万円~30万円 | 登録免許税+司法書士報酬 |
| 火災保険 | 10万円~20万円 | 10年一括払いの場合 |
| 印紙税 | 1万円~3万円 | 契約書に貼付 |
諸費用の合計は、物件価格の5~10%が目安です(不動産業界調査)。購入前に必要な資金を正確に把握しておくことをおすすめします。
(2) 売却時の税金(譲渡所得税・3000万円控除)
不動産売却時には、譲渡所得税がかかる場合があります。ただし、自宅を売却する場合は、一定要件を満たせば3000万円の特別控除が適用される可能性があります。
譲渡所得税の計算方法:
- 譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
- 税率は所有期間により異なる(短期譲渡: 約39%、長期譲渡: 約20%)
詳細は国税庁の不動産売却時の税金を参照してください。税金の計算は複雑なため、税理士への相談を推奨します。
まとめ:函館市で理想の住まいを見つけるために
函館市の不動産市場は、地方都市特有の特徴を持ちながらも、市電沿線や五稜郭駅周辺など利便性の高いエリアでは一定の需要が維持されています。
売買物件は中古マンション1,000万円台、中古一戸建て1,000万円~2,000万円台が中心で、賃貸物件は1Kで月3~4万円台、2DKで4~5万円台が相場です。
地域密着型の不動産会社と大手ポータルサイトを併用し、複数の選択肢を比較検討することで、より良い物件に出会える可能性が高まります。
不動産取引は大きな決断です。信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、納得のいく住まい選びを進めましょう。
