福井県で土地を探す前に知っておきたい基礎知識
福井県で土地購入を検討する際、「相場はいくらか」「どのエリアが良いのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、福井県の土地相場、エリア別の特徴、購入の流れ、注意点を、公式データを元に解説します。北陸新幹線開業による地価への影響や、積雪地域特有の注意点も詳しく説明します。
この記事のポイント
- 福井県の土地相場は坪単価約15万円(県平均)で、福井市は約24万円と県内最高値
- 福井市以外の主要都市(坂井市・越前市・鯖江市・敦賀市)では1000万円未満で住宅用地が探せる
- 福井市役所の保留地(区画整理地)を購入すると仲介手数料が不要
- 2024年3月の北陸新幹線開業で福井市の土地取引価格は前年比+29.23%と大幅上昇
- 積雪地域のため、除雪対策・接道状況の確認が重要
(1) 福井県の土地市場の特徴
福井県は日本海側の北陸地方に位置し、三世代同居率が全国上位のため、二世帯住宅用の広い土地需要があります。
2024年3月の北陸新幹線延伸により、福井駅から東京まで最短2時間51分に短縮され、福井駅周辺の再開発が進んでいます。これにより、福井市中心部の地価は上昇傾向にありますが、郊外エリアは下落傾向と二極化しています。
(2) 公示地価と基準地価の見方
公示地価は国土交通省が毎年1月1日時点で発表する標準地の価格で、毎年3月に公示されます。
基準地価は都道府県が毎年7月1日時点で発表する基準地の価格で、毎年9月に公示されます。
公示地価・基準地価は、実勢価格(実際の取引価格)の参考値として活用されます。実勢価格は公示地価の約1.1〜1.2倍程度が目安です。
(3) 土地探しに必要な基礎用語
土地探しでは、以下の用語を理解しておくと便利です。
- 用途地域: 都市計画法で定められた土地の利用制限区分(住居系、商業系、工業系等)
- 建ぺい率: 敷地面積に対する建築面積の割合(用途地域ごとに上限あり)
- 容積率: 敷地面積に対する延床面積の割合(用途地域ごとに上限あり)
- 市街化調整区域: 都市計画法で市街化を抑制する区域(原則として建築不可)
福井県の土地相場とエリア別価格比較
(1) 福井県全体の土地相場と推移
福井県の土地価格データによると、福井県全体の平均坪単価は約15万円です(2025年時点)。
福井県全体の地価は下落傾向(基準地価-0.46%)ですが、福井市中心部は北陸新幹線開業の影響で上昇傾向にあります。
(2) 福井市の土地相場と人気エリア
福井市の土地価格データによると、福井市の平均坪単価は約24万円と県内最高値です。
福井市内では、以下のエリアが人気です。
| エリア | 特徴 | 坪単価目安 |
|---|---|---|
| 福井駅周辺 | 北陸新幹線開業で再開発、商業施設充実 | 30万円〜 |
| 大和田・木田地区 | 閑静な住宅街、学校・病院が近い | 20〜25万円 |
| 文京地区 | 福井大学・福井県立大学が近い、学生街 | 15〜20万円 |
| 東郷地区 | 郊外の住宅地、広い土地が確保しやすい | 10〜15万円 |
(3) 主要都市の土地相場比較(坂井市・敦賀市・鯖江市・越前市)
福井市以外の主要都市では、以下の相場となっています。
| 市 | 平均坪単価 | 特徴 |
|---|---|---|
| 坂井市 | 約12万円 | あわら温泉、東尋坊等の観光地が近い |
| 敦賀市 | 約13万円 | 日本海側の港湾都市、原子力発電所関連産業 |
| 鯖江市 | 約14万円 | 眼鏡産業の街、伝統工芸が盛ん |
| 越前市 | 約11万円 | 越前和紙・打刃物の産地、工業団地あり |
(4) 1000万円以下で探せるエリア
福井市以外の主要都市(坂井市・越前市・鯖江市・敦賀市等)であれば、1000万円未満で住宅用地が見つかります。福井市内でも郊外エリアや保留地であれば比較的安価な物件があります。
福井県で土地を探す方法と購入の流れ
(1) 土地情報の探し方(SUUMO・アットホーム等)
SUUMO福井県、アットホーム、ホームズなどの不動産ポータルサイトで、福井県内の土地情報を検索できます。
探し方のポイント:
- エリア・価格帯・面積で絞り込み
- 複数サイトを比較して相場を把握
- 大手不動産会社と地元密着型をバランス良く選ぶ
(2) 福井市役所の保留地購入制度
福井市役所の保留地は、区画整理事業で生まれた宅地を福井市が直接販売する制度です。
メリット:
- 仲介手数料が不要
- 道路や公園が整備された宅地
- 公的機関が販売するため安心
購入方法:
- 福井市役所のWebサイトで販売情報を確認
- 現地見学・申し込み
- 抽選または先着順で購入者を決定
- 売買契約・決済
(3) 土地購入の基本的な流れ
土地購入の一般的な流れは以下の通りです。
- 予算・希望条件の整理(エリア、広さ、予算)
- 物件情報の収集(不動産ポータルサイト、地元の不動産会社)
- 現地見学(周辺環境、接道状況、日当たり、除雪状況等を確認)
- 購入申込・価格交渉
- 売買契約の締結(手付金の支払い)
- 住宅ローンの本審査
- 残金決済・引き渡し(登記手続き)
全体で3〜6ヶ月程度が目安です。
(4) 必要書類と手続き
土地購入時には、以下の書類が必要です。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカード等 |
| 印鑑証明書 | 売買契約・登記手続きに必要 |
| 住民票 | 登記手続きに必要 |
| 収入証明 | 住宅ローン利用時に必要 |
北陸新幹線開業が土地市場に与える影響
(1) 福井駅周辺の再開発プロジェクト
福井駅前の再開発は、2024年に完了予定で進行中です。商業施設「CURU-F福井駅」がオープンし、駅周辺の賑わいが創出されています。
再開発により、福井駅周辺の地価は大幅に上昇しています。
(2) 福井市の地価上昇トレンド
福井市の土地取引価格は、2024年第1四半期で前年比+29.23%と大幅上昇しています。これは北陸新幹線開業による利便性向上が評価された結果と考えられます。
一方、郊外エリアは下落傾向にあり、地価の二極化が進んでいます。
(3) 新幹線開業後のアクセス改善効果
福井駅の変化により、福井駅から東京まで最短2時間51分、大阪まで約1時間50分に短縮されました。
これにより、首都圏・関西圏からのアクセスが大幅に改善し、二拠点居住やUターン・移住の需要が高まっています。
福井県で土地を購入する際の注意点
(1) 積雪地域特有の確認事項(除雪対策・接道状況)
福井県は積雪地域のため、以下の点を確認してください。
除雪対策:
- 融雪設備(ロードヒーティング、融雪装置)の必要性
- 除雪車の進入可否(道路幅が狭いと除雪車が入れない)
- 屋根の雪下ろしスペースの確保
接道状況:
- 道路幅員が4m以上あるか(建築基準法の接道義務)
- 除雪車が進入できる道路幅か(一般的に6m以上が望ましい)
(2) 用途地域・建ぺい率・容積率の確認
土地には「用途地域」が指定されており、建築できる建物の種類や規模が制限されます。
購入前に福井県の都市計画情報で用途地域、建ぺい率、容積率を確認してください。
(3) 市街化調整区域の建築制限
市街化調整区域は、都市計画法で市街化を抑制する区域で、原則として建築が制限されています。
市街化調整区域の土地は価格が安いことが多いですが、建物を建てられない可能性があるため、購入前に宅地建物取引士に確認することをおすすめします。
(4) 地価の二極化傾向(駅周辺と郊外)
北陸新幹線開業により、福井駅周辺は価格上昇傾向、郊外は下落傾向と二極化しています。
駅周辺は利便性が高く資産価値が維持されやすいですが、価格は高めです。郊外は価格は安いですが、将来的な資産価値の下落リスクがあります。
まとめ:福井県の土地探しで失敗しないために
福井県の土地相場は坪単価約15万円(県平均)で、福井市は約24万円と県内最高値です。福井市以外の主要都市(坂井市・越前市・鯖江市・敦賀市)では1000万円未満で住宅用地が探せます。
福井市役所の保留地(区画整理地)を購入すると仲介手数料が不要で、道路や公園が整備された宅地を購入できます。
2024年3月の北陸新幹線開業により、福井市の土地取引価格は前年比+29.23%と大幅上昇しています。特に福井駅周辺の再開発エリアで上昇傾向が顕著です。
積雪地域のため、除雪対策(融雪設備・除雪車の進入可否)、接道状況(道路幅員)の確認が重要です。また、用途地域・建ぺい率・容積率、市街化調整区域の建築制限も事前に確認してください。
詳細は宅地建物取引士や土地家屋調査士にご相談ください。
