フレッツ光マンションタイプとは:1本の光回線を住人でシェアする仕組み
マンションでインターネット環境を整える際、「フレッツ光マンションタイプはどんなサービスなのか」「料金や速度はどうなのか」と疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、フレッツ光マンションタイプの仕組み、配線方式の違いと速度への影響、導入手順、他社光回線との比較を、NTT東日本・NTT西日本の公式情報を元に解説します。
マンション居住者や購入検討者が、自分に最適なインターネット環境を選べるようになります。
この記事のポイント
- フレッツ光マンションタイプは1本の光回線を住人でシェアするサービスで、料金はマンションの世帯数により異なる
- 配線方式には3種類あり、VDSL(最大100Mbps)より光配線方式(最大1Gbps以上)が約10倍速い
- 2024年10月にVDSL/LAN配線方式の新規申込受付は終了し、光配線方式への移行が進行中
- マンションの対応状況は「完備」「対応」「未導入」の3タイプで、導入可否や工事内容が異なる
- スマホセット割を活用すると、月額料金を大幅に節約できる(家族10回線まで適用)
(1) フレッツ光マンションタイプの基本的な仕組み
フレッツ光マンションタイプとは、1本の光回線をマンション住人でシェアして利用するインターネットサービスです。マンションの共用部分まで光ファイバーケーブルを引き込み、そこから各部屋に配線されます。
戸建てタイプでは1本の光回線を1世帯で専有しますが、マンションタイプでは複数世帯で共有するため、料金が安く抑えられています。一方で、利用者が多い時間帯(夜間・休日等)は速度が低下する可能性があります。
(2) 料金プラン:マンションの世帯数により異なる(プラン2・プラン1・ミニ)
NTT東日本によると、フレッツ光マンションタイプの料金プランはマンションの世帯数により異なります。
| プラン | 対象世帯数 | 特徴 |
|---|---|---|
| プラン2 | 16世帯以上 | 最も安い料金プラン |
| プラン1 | 8世帯以上 | 中間の料金プラン |
| ミニ | 4世帯以上 | 小規模マンション向け |
(出典: NTT東日本)
世帯数が多いほど料金が安くなる仕組みです。詳細な料金は配線方式やサービスメニューにより変動するため、NTT東日本・NTT西日本の公式サイトで確認してください。
(3) 戸建てタイプとの違い:共有 vs 専有
戸建てタイプとマンションタイプの主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 戸建てタイプ | マンションタイプ |
|---|---|---|
| 回線の利用形態 | 1本の光回線を専有 | 1本の光回線を住人でシェア |
| 料金 | 高い | 安い |
| 速度の安定性 | 安定 | 利用者が多い時間帯は低下の可能性 |
(出典: 一般的な光回線サービスの仕組み)
マンションタイプは料金が安い反面、配線方式により速度が大きく異なります。次のセクションで詳しく解説します。
(4) NTT東日本とNTT西日本の提供エリア
フレッツ光は、NTT東日本とNTT西日本がそれぞれのエリアでサービスを提供しています。
- NTT東日本: 北海道、東北、関東、甲信越
- NTT西日本: 東海、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄
提供エリアは各公式サイトで確認できます。
配線方式の種類と速度の違い:VDSL・LAN配線・光配線
マンションのインターネット速度は、配線方式により大きく異なります。NTT西日本によると、配線方式には「VDSL方式」「光配線方式」「LAN配線方式」の3種類があります。
(1) VDSL方式:最大100Mbps、電話回線を使用、ノイズの影響受けやすい
VDSL方式は、共用部まで光ファイバー、各部屋まで電話回線を使う配線方式です。最大速度は100Mbpsで、光配線方式の約10分の1です。
電話回線を使用するため、ノイズの影響を受けやすく、速度が不安定になる場合があります。eo光によると、実効速度は数十Mbps程度になることもあります。
NTT東日本は2024年10月24日にVDSL方式の新規申込受付を終了しており、今後は光配線方式への移行が進む見込みです。
(2) 光配線方式:最大1Gbps以上、VDSLの約10倍速い、光ファイバーで各部屋まで配線
光配線方式は、共用部から各部屋まで光ファイバーケーブルを使う配線方式です。最大速度は1Gbps以上で、VDSL方式の約10倍速いです。
ノイズの影響を受けにくく、安定した高速通信が可能です。動画視聴、オンラインゲーム、テレワーク等の用途でも快適に利用できます。
(3) LAN配線方式:LANケーブルで各部屋まで配線
LAN配線方式は、共用部まで光ファイバー、各部屋までLANケーブルを使う配線方式です。速度はLANケーブルの規格により異なりますが、一般的には100Mbps〜1Gbps程度です。
(4) 2024年10月にVDSL/LAN配線方式の新規申込受付終了
NTT東日本は、2024年10月24日にVDSL方式・LAN配線方式の新規申込受付を終了しました。既存契約者は継続利用できますが、新規契約は光配線方式のみとなります。
今後は光配線方式が主流となる見込みです。
(5) 配線方式の確認方法
配線方式は以下の方法で確認できます。
- 不動産会社・管理会社への問い合わせ: 物件の設備状況を確認
- NTT東日本・西日本の公式サイト: 提供エリアと配線方式を検索
- 契約書類: 既存契約者は契約書類で確認
マンションのインターネット対応状況の確認方法
マンションのインターネット対応状況は、「完備」「対応」「未導入」の3タイプに分類されます。ホームズによると、それぞれで導入可否や工事内容が異なります。
(1) インターネット完備:部屋まで配線済み、入居日から即利用可能
インターネット完備のマンションは、部屋まで光回線の配線が済んでおり、入居日から即利用可能です。工事不要で、契約手続きのみで開通します。
SUUMOによると、「インターネット無料」は賃貸物件の人気設備ランキング1位(2025年)です。ただし、無料の品質は必ずしも高くなく、速度や安定性に問題がある場合もあります。
(2) インターネット対応:共用部まで配線済み、各部屋への工事が必要
インターネット対応のマンションは、建物の共用部分まで光回線が来ており、各部屋への配線工事が必要です。工事費用や工事期間は配線方式により異なります。
工事が必要な場合、大家さんや管理会社の許可を得てから契約してください。
(3) 未導入:光回線未導入、導入工事から必要
未導入のマンションは、光回線自体が導入されていません。マンション全体への導入工事が必要となり、時間と費用がかかります。
導入工事には大家さんや管理会社の許可が必須ですが、許可が得られない場合もあります。
(4) 建物の対応状況の確認方法:不動産会社、管理会社への問い合わせ
建物の対応状況は以下の方法で確認できます。
- 不動産会社への問い合わせ: 物件情報に記載されている場合が多い
- 管理会社への問い合わせ: 既存居住者は管理会社に確認
- NTT東日本・西日本の公式サイト: 提供エリアを検索
フレッツ光マンションタイプの導入手順と工事の流れ
フレッツ光マンションタイプの導入手順は以下の通りです。
(1) 提供エリアの確認
NTT東日本・NTT西日本の公式サイトで、提供エリアを確認します。郵便番号や住所を入力すると、対応状況が表示されます。
(2) 大家さん・管理会社への確認と許可
工事が必要な場合、大家さんや管理会社に事前確認し、許可を得てから契約してください。許可が得られない場合、契約できません。
(3) 申し込み手順
公式サイトまたは電話で申し込みます。申し込み時に以下の情報が必要です。
- 住所
- 氏名
- 連絡先
- 希望する料金プラン
(4) 工事の流れと所要時間
工事は以下の流れで進みます。
- 工事日の調整: 申し込み後、工事業者から連絡があり、工事日を調整
- 工事実施: 光ファイバーケーブルを部屋まで配線(所要時間1〜2時間程度)
- 開通確認: 機器を接続し、インターネット接続を確認
インターネット完備のマンションでは工事不要です。
(5) 工事費用と開通までの期間
工事費用は配線方式や既存設備により異なります。詳細はNTT東日本・西日本の公式サイトで確認してください。
開通までの期間は、申し込みから2週間〜1ヶ月程度が目安です。繁忙期(引越しシーズン等)は更に時間がかかる場合があります。
マンションにおすすめの光回線の選び方:フレッツ光以外の選択肢
マンションでは、フレッツ光以外にも多くの光回線が利用できます。選び方のポイントを解説します。
(1) 建物のインターネット状況を第一に確認
まず建物のインターネット対応状況を確認し、「完備」「対応」「未導入」のどれかを把握してください。完備の場合は導入済みの回線をそのまま使うか、他社と新規契約するかを選べます。
(2) スマホセット割で料金節約(家族10回線まで適用)
スマートフォンと光回線をセットで契約すると、スマホ料金が割引される「スマホセット割」が利用できます。家族10回線まで適用されるため、月額料金を大幅に節約できます。
主なスマホセット割:
| 光回線 | セット割対象 | 割引額 |
|---|---|---|
| ドコモ光 | ドコモ | 最大1,100円/月 |
| auひかり | au、UQモバイル | 最大1,100円/月 |
| BIGLOBE光 | au、UQモバイル、BIGLOBEモバイル | 最大1,100円/月 |
(出典: 各光回線事業者の公式情報)
(3) おすすめ光回線:BIGLOBE光、ドコモ光、auひかり、NURO光等
マンションにおすすめの光回線として、以下が挙げられます。
- BIGLOBE光: au・UQモバイルとのセット割あり、提供エリア広い
- ドコモ光: ドコモとのセット割あり、NTTフレッツ光回線を使用
- auひかり: au・UQモバイルとのセット割あり、独自回線で高速
- NURO光: 下り最大2Gbpsの高速通信、提供エリア限定
それぞれの光回線にはメリット・デメリットがあるため、建物の対応状況や利用中のスマホキャリアに応じて選んでください。
(4) インターネット無料マンションの注意点:速度・品質にデメリット
インターネット無料マンションは人気設備ランキング1位ですが、速度や安定性に問題がある場合があります。無料の品質は必ずしも高くなく、動画視聴やオンラインゲームで不満を感じることもあります。
品質に不満がある場合、他社光回線と新規契約することも可能です。
(5) 建物導入済みの回線を使う必要はなく、他社との契約も可能
建物に導入済みの光回線があっても、必ずしもその回線を使う必要はありません。他社光回線と新規契約することも可能です。
ただし、工事が必要な場合は大家さんや管理会社の許可が必要です。
まとめ:マンションでインターネット環境を整えるポイント
フレッツ光マンションタイプは、1本の光回線を住人でシェアするサービスで、料金はマンションの世帯数により異なります。配線方式はVDSL・LAN配線・光配線の3種類があり、光配線方式が最も高速です。
2024年10月にVDSL/LAN配線方式の新規申込受付は終了したため、今後は光配線方式が主流となる見込みです。
マンションのインターネット対応状況を確認し、スマホセット割を活用することで、月額料金を大幅に節約できます。工事が必要な場合は、大家さんや管理会社の許可を得てから契約してください。
建物導入済みの回線を使う必要はなく、他社光回線との契約も可能です。自分に最適なインターネット環境を選び、快適な通信環境を整えましょう。
