戸建て住宅の種類と選び方|建売・注文住宅・中古の違いを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/29

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戸建て住宅の購入を検討している人へ

戸建て住宅の購入を検討する際、「注文住宅・建売住宅・中古戸建てのどれを選ぶべきか」と悩む方は多いでしょう。それぞれ費用・自由度・入居時期が異なり、ライフステージや予算により最適な選択は変わります。

この記事では、戸建て住宅の4種類(注文住宅・建売住宅・建築条件付き土地・中古一戸建て)の特徴、メリット・デメリット、費用相場、2024年の市場動向を解説します。

初めて戸建て住宅を購入する方でも、自分に合った選択肢を見つけ、適切な資金計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 戸建て住宅は大きく「注文住宅」「建売住宅/分譲住宅」「建築条件付き土地」「中古一戸建て」の4種類に分類される
  • 注文住宅は自由度が高いが費用・時間がかかり、建売住宅は価格が抑えられ早期入居が可能
  • 土地込みの建築費用は全国平均で約4,903万円、土地なしで約3,555万円(2023年住宅金融支援機構調査)
  • 建物本体工事費以外に、付帯工事費(総費用の15〜20%)・諸費用(仲介手数料・登記費用等)が必要
  • 2024年は建築費高騰が継続し、建設業の2024年問題(残業規制)により今後も住宅価格上昇が予想される

戸建て住宅の種類

戸建て住宅には、主に4つの種類があります。それぞれ特徴が異なるため、自分の予算・優先順位に合わせて選択しましょう。

(1) 注文住宅

注文住宅は、自分が所有または購入した土地に、設計から建てる住宅です。

特徴:

  • 間取り・設備・外観を自由に選べる
  • 建築家・工務店と打ち合わせを重ねて設計
  • 建築過程を確認できる
  • 費用は高額(土地込み平均約4,903万円/2023年)
  • 完成までの期間が長い(1年〜2年程度)

向いている人:

  • こだわりの家を建てたい
  • 間取り・設備を自由に決めたい
  • 予算に余裕がある
  • 完成までの時間に余裕がある

(2) 建売住宅・分譲住宅

建売住宅は、完成済みまたは建築中の住宅を土地とセットで購入する形態です。分譲住宅は、大規模な土地を区画分けして複数の住宅を建てて販売する形態で、建売とほぼ同義です。

特徴:

  • 完成済みの場合、実物を見て購入できる
  • 間取り・設備は決まっており、変更できない
  • 価格が抑えられている(大量発注によるコストダウン)
  • 入居までの期間が短い(完成済みの場合は数ヶ月)

向いている人:

  • 予算を抑えたい
  • 早期入居を希望する
  • 実物を見て購入したい
  • 設計の手間を省きたい

(3) 建築条件付き土地

建築条件付き土地は、土地の購入と同時に、特定のハウスメーカーで住宅を建てることが条件の土地です。

特徴:

  • 土地とセットで購入するが、ある程度の設計変更が可能
  • 建売と注文住宅の中間的な選択肢
  • ハウスメーカーが限定される

向いている人:

  • 土地から購入したい
  • ある程度の自由度は欲しい
  • 予算と自由度のバランスを取りたい

(4) 中古一戸建て

中古一戸建ては、既に建築され、以前の所有者が住んでいた戸建て住宅を購入する形態です。

特徴:

  • 新築より価格が安い
  • 立地の選択肢が広い(駅近物件も多い)
  • リフォーム・リノベーションが必要な場合がある
  • 築年数により住宅ローン控除の条件が異なる

向いている人:

  • 予算を最大限抑えたい
  • 駅近の好立地を優先する
  • リフォームを前提に購入できる
  • 建物の劣化リスクを理解している

注文住宅の特徴とメリット・デメリット

注文住宅は自由度が高い一方、費用・時間・手間がかかります。

(1) 注文住宅の特徴

注文住宅は、設計段階から自分の希望を反映できます。以下のような要素を自由に決められます。

  • 間取り: 部屋数・広さ・配置を自由に設計
  • 設備: システムキッチン・浴室・トイレ・床暖房等を選択
  • 外観: 外壁の色・屋根の形状・窓の配置
  • 構造: 木造・鉄骨造・RC造から選択
  • 省エネ性能: 断熱性能・太陽光発電の有無

(2) メリット(自由度の高さ・こだわりの実現)

自由度の高さ

間取り・設備・外観を自分の希望通りに設計できます。家族構成・ライフスタイルに最適化された住宅を建てられます。

こだわりの実現

趣味の部屋・広い収納・バリアフリー設計など、特定のこだわりを反映できます。

建築過程の確認

基礎工事から完成まで、各工程を確認できるため、施工品質を自分の目で確かめられます。

(3) デメリット(費用・時間・手間)

費用が高額

建売住宅と比べて、設計料・施工費が個別発注となるため、総費用が高額になります。土地込みの平均は約4,903万円(2023年住宅金融支援機構調査)です。

完成までの期間が長い

土地探し・設計・建築許可・施工を含めると、1年〜2年程度かかります。

打ち合わせの手間

建築家・工務店との打ち合わせを何度も重ねる必要があり、時間と労力がかかります。

建売住宅・分譲住宅の特徴とメリット・デメリット

建売住宅・分譲住宅は、価格と利便性が魅力です。

(1) 建売・分譲住宅の特徴

建売・分譲住宅は、ハウスメーカーが設計・建築した住宅を土地とセットで販売します。間取り・設備は標準的な仕様で、変更できません。

(2) メリット(価格・入居時期・実物確認)

価格が抑えられる

大量発注によるコストダウンにより、注文住宅より2〜3割程度安い価格で購入できることが多いです。

早期入居が可能

完成済みの場合、契約から数ヶ月で入居できます。建築中の場合も、注文住宅より早く完成します。

実物を確認できる

完成済みの場合、実際の間取り・設備・日当たり・周辺環境を確認してから購入できます。

住宅ローンの審査が通りやすい

物件価格が明確なため、住宅ローンの審査がスムーズに進みます。

(3) デメリット(自由度・立地の選択肢)

間取り変更ができない

既に設計された住宅のため、間取り・設備の変更ができません。

建築過程を確認できない場合がある

完成後に購入する場合、基礎工事・構造材など見えない部分の確認ができません。ホームインスペクション(住宅診断)の利用を検討しましょう。

立地の選択肢が限られる

建売・分譲住宅は郊外に多く、駅近の好立地は少ない傾向があります。

戸建て住宅の選び方と費用相場

戸建て住宅を選ぶ際は、立地・間取り・費用の3つの要素を優先順位付けして検討しましょう。

(1) 立地の選び方(駅距離・周辺環境)

立地は、日常生活の利便性に大きく影響します。

駅距離:

  • 徒歩10分以内: 通勤・通学に便利だが、価格は高め
  • 徒歩15〜20分: バランスが良く、価格も比較的手頃
  • バス便: 価格は安いが、通勤時間が長い

周辺環境:

  • 商業施設(スーパー・コンビニ)へのアクセス
  • 学校・保育園の距離(子育て世帯の場合)
  • 公園・病院の有無
  • 治安・騒音レベル

(2) 間取り・広さの選び方

家族構成・ライフスタイルに応じた間取りを選びましょう。

家族構成 おすすめ間取り 延床面積の目安
夫婦のみ 2LDK〜3LDK 70〜90㎡
夫婦+子ども1人 3LDK〜4LDK 90〜110㎡
夫婦+子ども2人以上 4LDK〜5LDK 110〜130㎡

人気の設備:

  • 収納(ウォークインクローゼット・シューズインクローゼット)
  • 空調(床暖房・全館空調・浴室乾燥機)
  • 太陽光発電(光熱費削減・売電収入)

(3) 費用相場と内訳(建物本体・付帯工事・諸費用)

戸建て住宅の建築費用は、建物本体工事費だけでなく、付帯工事費・諸費用も含めて把握する必要があります。

費用相場(2023年住宅金融支援機構調査):

  • 土地込み平均: 約4,903万円
  • 土地なし平均: 約3,555万円

費用の内訳:

項目 割合 内容
建物本体工事費 約70% 基礎工事・木工事・屋根工事・内装工事等
付帯工事費 15〜20% 地盤調査・外構工事・電気配線・水道ガス接続等
諸費用 10〜15% 仲介手数料・登記費用・ローン手数料・保証料・火災保険料・印紙税等

総費用4,000万円の場合:

  • 建物本体工事費: 約2,800万円(70%)
  • 付帯工事費: 約700万円(17.5%)
  • 諸費用: 約500万円(12.5%)

(4) 2024年の市場動向(建築費高騰・2024年問題)

2024年の住宅市場は、複数の要因により価格上昇が続いています。

建築費高騰の継続

2024年も建築費の高騰が継続しており、専門家は「まだ高騰が続く」と分析しています。新築戸建の平均購入価格は2023年に4,515万円と、2014年の調査開始以来最高額を記録しました。

建設業の2024年問題

2024年4月から建設業の働き方改革により残業が月45時間・年360時間に制限され、人件費の高騰により住宅価格が上昇しています。

新設住宅着工戸数の減少

2024年の新設住宅着工戸数は約80万戸を下回り、2009年のリーマンショック以来の低水準となる見通しです。戸建は約20万戸と約60年ぶりの低水準で、供給が減少しています。

2025年の省エネ基準適合義務化

2025年から全ての新築建築物に省エネ基準への適合が義務付けられ、120平米の住宅で約87万円のコスト増が見込まれます。長期的には光熱費削減効果が期待されますが、初期費用は増加します。

まとめ:状況別のおすすめの選択肢

戸建て住宅の種類選びは、予算・自由度・入居時期により異なります。

状況別のおすすめ:

状況 おすすめの選択肢 理由
こだわりの家を建てたい 注文住宅 間取り・設備を自由に設計できる
予算を抑えたい 建売住宅・中古一戸建て 価格が抑えられ、コストパフォーマンスが良い
早期入居を希望する 建売住宅・中古一戸建て 完成済み物件なら数ヶ月で入居可能
土地から購入したい 注文住宅・建築条件付き土地 土地選びから始められる
駅近の好立地を優先する 中古一戸建て 駅近物件の選択肢が広い
予算と自由度のバランスを取りたい 建築条件付き土地 ある程度の設計変更が可能で、価格も抑えられる

購入時の注意点:

  • 物件価格以外の諸費用(仲介手数料・住宅ローン事務手数料・登記費用・保証料・火災保険料・印紙税)を把握する
  • 新築は品確法により10年間の瑕疵担保責任があるが、中古は個別確認が必要
  • ホームインスペクション(住宅診断)を利用し、建物の状態を確認する
  • 2024年以降の住宅価格は、建築費高騰・金利上昇・省エネ基準義務化により上昇傾向が続く可能性が高い
  • ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士・建築士などの専門家に相談し、資金計画を立てる

戸建て住宅の購入は人生における大きな決断です。複数の物件を比較検討し、自分のライフスタイル・予算・優先順位に合った選択をしましょう。

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よくある質問

Q1注文住宅と建売住宅の違いは?

A1注文住宅は、自分が所有または購入した土地に設計から建てる住宅で、間取り・設備・外観を自由に選べます。費用は高額(土地込み平均約4,903万円/2023年)で、完成まで1〜2年程度かかります。一方、建売住宅は完成済みまたは建築中の住宅を土地とセットで購入する形態で、価格が抑えられ、完成済みの場合は数ヶ月で入居できます。間取り・設備は決まっており変更できません。

Q2戸建て住宅の建築費用はいくら?

A22023年住宅金融支援機構の調査によると、土地込みの平均は約4,903万円、土地なしの平均は約3,555万円です。費用の内訳は、建物本体工事費が総費用の約70%、付帯工事費(地盤調査・外構工事・電気配線等)が15〜20%、諸費用(仲介手数料・登記費用・ローン手数料・保険料等)が10〜15%となります。

Q3注文住宅と建売住宅、どっちがお得?

A3予算・自由度・入居時期により異なります。予算を抑えたい・早期入居を希望する場合は建売住宅がお得です。こだわりの家を建てたい・間取り・設備を自由に決めたい場合は注文住宅が適しています。ライフスタイル・家族構成・将来の計画に応じて選択しましょう。一概にどちらがお得とは言えません。

Q4建物本体以外にどんな費用がかかる?

A4付帯工事費として、地盤調査・外構工事(塀・門扉)・電気配線・水道ガス接続工事などが総費用の15〜20%必要です。諸費用として、仲介手数料・登記費用・住宅ローン事務手数料・保証料・火災保険料・印紙税などが10〜15%かかります。総費用4,000万円の場合、建物本体以外に約1,200万円(付帯工事費700万円+諸費用500万円)が必要です。

Q52024年の住宅市場の動向は?

A52024年も建築費高騰が継続しており、専門家は「まだ高騰が続く」と分析しています。建設業の2024年問題(2024年4月からの残業規制)により人件費が上昇し、住宅価格が上昇傾向です。新設住宅着工戸数は約80万戸を下回り、2009年のリーマンショック以来の低水準となる見通しです。2025年からは省エネ基準適合義務化により初期費用が増加する見込みです。

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Room Match編集部

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