一戸建てとは|マンションとの違い・メリット・デメリット完全ガイド

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/30

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一戸建てとは|住宅購入で知っておくべき基礎知識

「一戸建てって具体的にどんな住宅?」「マンションと何が違うの?」と疑問に感じる方は少なくありません。

この記事では、一戸建ての定義、マンションとの違い、メリット・デメリットを、業界の一般的な基準と最新の住宅市場データを元に解説します。

初めて住宅購入を検討する方でも、ライフスタイルに合った住まい選びができるようになります。

この記事のポイント

  • 一戸建ては1世帯が1つの建物に住む独立住宅で、集合住宅(マンション、アパート)と区別される
  • 所有形態、価格、維持費、自由度でマンションと大きく異なる
  • 広い空間・騒音トラブルの少なさ・土地資産がメリット、維持管理負担・防犯リスクがデメリット
  • 家族構成やライフスタイルにより、一戸建てが向いている人・マンションが向いている人が分かれる

一戸建ての定義と4つの種類

一戸建ての定義|1世帯が1つの建物に住む独立住宅

一戸建て(戸建て、一軒家)とは、1世帯が1つの建物に住む独立した住宅のことです。

建築基準法に明確な定義はありませんが、不動産業界では以下の特徴で集合住宅と区別されます。

  • 独立した建物: 他の住戸と壁や天井を共有しない
  • 1世帯が1つの建物に居住: 集合住宅(マンション、アパート、長屋)とは異なる
  • 土地・建物を完全所有: 土地と建物の両方を所有できる

なお、二世帯住宅も1つの建物に複数世帯が住む形態ですが、一戸建てに分類されます。

注文住宅|自由設計で理想の家を実現

注文住宅は、土地探しから関わり、設計・間取りを自由に決められる一戸建てです。

特徴:

  • 自由度が高い: 間取り、外観、設備をすべて自分で選べる
  • 建築期間が長い: 土地探し~設計~建築で1年以上かかることも
  • 価格が高い傾向: 自由設計のため、建売住宅より高額になる場合が多い

向いている人: こだわりの強い方、長期的に住む予定の方

建売住宅|完成済み物件ですぐ入居可能

建売住宅は、すでに完成している一戸建て物件です。

特徴:

  • すぐに入居可能: 契約後、数週間~数か月で入居できる
  • 価格が安い傾向: 注文住宅より低価格で購入できる
  • 間取り・設備は固定: 自由度は低いが、実物を見て判断できる

国土交通省の住宅着工統計によると、2024年の建売住宅着工戸数は12.1万戸(前年比11.7%減)と2年連続で減少しています。

建築条件付き土地|指定業者での建築が条件

建築条件付き土地は、土地を購入後、指定された建築業者で一定期間内(通常3か月)に建築する条件付きの土地です。

特徴:

  • 土地価格が安い: 建築業者が指定されるため、土地価格が抑えられている
  • 一定の自由度: 間取りは相談できるが、業者は選べない
  • 期限内に建築が必要: 契約後3か月以内に建築契約を結ぶことが多い

中古戸建て|既存物件の購入

中古戸建ては、既存の一戸建て物件を購入する形態です。

特徴:

  • 価格が安い: 新築より低価格で購入できる
  • 立地の選択肢が広い: 駅近など新築では難しい立地も選べる
  • リフォーム前提: 築年数により、リフォーム・修繕が必要

不動産流通推進センターの調査によると、2024年は首都圏で中古戸建ての取引が10.2%増加しており、価格高騰により中古市場への関心が高まっています。

マンションとの5つの違い|所有形態・価格・維持費

所有形態の違い|土地建物の完全所有 vs 区分所有

一戸建てとマンションの最大の違いは、所有形態です。

項目 一戸建て マンション
所有範囲 土地・建物を完全所有 専有部分(自分の部屋)のみ所有(共用部分は共有)
土地 単独所有 持分割合で共有
建て替え 自由に可能 区分所有者全員の合意が必要

一戸建ては土地・建物を完全所有できるため、リフォームや建て替えの自由度が高く、土地が資産として残ります。

価格の違い|首都圏平均マンション6,260万円 vs 戸建て5,321万円

SUUMO調査によると、首都圏の新築平均価格(2022年)は、以下の通りです。

  • マンション: 6,260万円
  • 一戸建て: 5,321万円
  • 価格差: 約940万円

ただし、2024年は地価上昇・建築資材高騰・人手不足により、一戸建ての価格が大幅に上昇しています。最新の価格は不動産会社にご確認ください。

維持費の違い|管理費・修繕積立金の有無

マンションは月々の管理費・修繕積立金(月1~3万円)が必要ですが、一戸建てでは不要です。

項目 一戸建て マンション
管理費 なし 月1~3万円
修繕積立金 なし 月1~3万円
修繕費用 自己負担で計画・実施 管理組合が計画・実施

一戸建ては月々の固定費が不要ですが、屋根・外壁などの修繕費用はすべて自己負担で計画・実施する必要があります。10~15年ごとに数十万~数百万円の修繕が必要なため、長期的な資金計画が重要です。

自由度の違い|リフォーム・建て替えの制約

一戸建ては所有者の判断でリフォーム・建て替えが可能ですが、マンションは管理規約により制約があります。

一戸建て:

  • リフォーム・建て替えが自由
  • 間取り変更、増築も可能(建築基準法の範囲内)
  • 外観・設備を自由に選べる

マンション:

  • 専有部分のみリフォーム可能
  • 共用部分(玄関ドア、バルコニー等)は変更不可
  • 管理規約により制約がある

立地・セキュリティの違い

マンションは駅近など利便性の高い立地に建てられることが多いのに対し、一戸建ては郊外や住宅街に多く、駅から離れた立地が中心です。

セキュリティ面では、マンションはオートロック・防犯カメラ・管理人常駐などの設備が整っていますが、一戸建ては自己負担で防犯対策(防犯カメラ、センサーライト、ホームセキュリティ等)を導入する必要があります。

一戸建てのメリット・デメリット徹底比較

メリット5選|広い空間・騒音トラブル少・土地資産

一戸建ての主なメリットは以下の通りです。

1. 広い空間を確保できる

  • 敷地内に庭やガレージを設置可能
  • 駐車場代が不要(敷地内に確保できるため)

2. 騒音トラブルが少ない

  • 上下階・隣の住戸がないため、生活音を気にせず過ごせる
  • 子どもの足音、ペットの鳴き声も気にならない

3. 土地が資産として残る

  • 建物が老朽化しても、土地の資産価値は残る
  • マンションは建物の老朽化により資産価値が減少する傾向

4. リフォーム・建て替えの自由度が高い

  • 所有者の判断で自由に変更可能
  • ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に対応できる

5. ペットを飼いやすい

  • 広い庭があれば、ペットの運動スペースにできる
  • マンションのようなペット飼育規約がない

デメリット5選|維持管理負担・防犯リスク・立地制約

一戸建ての主なデメリットは以下の通りです。

1. 維持管理の負担が大きい

  • 屋根・外壁・設備の修繕をすべて自己負担で計画・実施
  • 10~15年ごとに数十万~数百万円の修繕が必要

2. 防犯リスクが高い

  • マンションに比べて侵入リスクが高い
  • 防犯カメラ、センサーライト、ホームセキュリティ等の導入が必要

3. 立地の利便性が低い

  • 駅から離れた立地が多い
  • 通勤・通学に時間がかかる場合がある

4. 売却時の流動性が低い

  • マンションに比べて買い手が見つかりにくい場合がある
  • 立地や築年数により、売却価格が大きく変動する

5. 光熱費が高くなる傾向

  • 面積が広いため、冷暖房費がかさむ
  • 断熱性能により光熱費が大きく変わる

2024年の価格高騰要因|地価上昇・資材高・人手不足

2024年は、以下の要因により一戸建ての価格が大幅に上昇しています。

  • 地価上昇: 都市部を中心に地価が上昇
  • 建築資材高騰: ウッドショック、原材料価格の高騰
  • 人手不足: 建設業界の人手不足による人件費増加
  • 働き方改革: 週休2日制導入による工期延長・コスト増

国土交通省の住宅着工統計によると、2024年の新設住宅着工戸数は79.2万戸(前年比3.4%減)で、2009年(リーマンショック後)以来初めて80万戸を下回りました。2025年の見通しは約78万戸と予測され、新築着工数の減少傾向が続く見込みです。

一戸建てが向いている人・向いていない人

向いている人|家族構成・ライフスタイル別の判断基準

一戸建てが向いているのは、以下のような方です。

  • 家族構成が多い(3人以上): 広い空間が必要な家族
  • 騒音を気にせず生活したい: 子どもの足音、ペットの鳴き声を気にしない
  • ペットを飼いたい: 庭があればペットの運動スペースに
  • 庭やガレージが欲しい: 趣味のスペース、車の保管場所が必要
  • リフォームの自由度を重視: ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に対応したい

向いていない人|マンションを選ぶべきケース

一方で、以下のような方はマンションが適している可能性があります。

  • 駅近の利便性を重視: 通勤・通学時間を短縮したい
  • セキュリティを重視: オートロック、管理人常駐を求める
  • 維持管理の負担を減らしたい: 修繕計画を管理組合に任せたい
  • 単身・夫婦のみ: 広い空間が不要

長期的な資金計画の重要性

一戸建ては、購入時の価格だけでなく、維持管理費用も含めた長期的な資金計画が重要です。

計画すべき費用:

  • 修繕費用(10~15年ごとに数十万~数百万円)
  • 固定資産税(土地・建物の所有者に課される税金)・都市計画税(都市計画区域内の土地・建物に課される税金)(年間数十万円)
  • 火災保険・地震保険(年間数万円)
  • 光熱費(冷暖房費等)

詳細な資金計画は、ファイナンシャルプランナーや不動産会社にご相談ください。

まとめ|ライフスタイルに合った住まい選び

一戸建ては、1世帯が1つの建物に住む独立住宅で、土地・建物を完全所有できることが最大の特徴です。マンションと比較すると、所有形態、価格、維持費、自由度が大きく異なります。

広い空間、騒音トラブルの少なさ、土地資産がメリットですが、維持管理負担、防犯リスク、立地制約がデメリットです。

家族構成やライフスタイル、優先事項(利便性 vs 広さ、セキュリティ vs 自由度)を整理し、長期的な資金計画を立てた上で、信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、最適な住まいを選びましょう。

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よくある質問

Q1一戸建てとマンションの価格差はどれくらい?

A1首都圏の新築平均価格(2022年)は、マンション6,260万円、一戸建て5,321万円で約940万円の差があります。ただし2024年は地価上昇・建築資材高騰・人手不足により、一戸建ての価格が大幅に上昇しています。最新の価格は不動産会社にご確認ください。

Q2一戸建ての維持費はどれくらいかかる?

A2マンションのような月々の管理費・修繕積立金(月1~3万円)は不要ですが、屋根・外壁などの修繕費用はすべて自己負担です。10~15年ごとに数十万~数百万円の修繕が必要なため、長期的な資金計画が重要です。固定資産税、火災保険、光熱費も含めて総合的に検討しましょう。

Q3一戸建てとマンション、資産価値が高いのはどっち?

A3一戸建ては土地・建物を完全所有でき、建物が老朽化しても土地の資産価値が残ります。マンションは専有部分のみ所有で、建物の老朽化により資産価値が減少する傾向があります。ただし立地や需要により大きく異なるため、詳細は不動産の専門家にご相談ください。

Q4一戸建ての防犯対策は何が必要?

A4マンションに比べて防犯リスクが高いため、防犯カメラ、センサーライト、防犯ガラス、警備会社のホームセキュリティ等の導入を検討しましょう。特に1階部分の窓や玄関周りの対策が重要です。防犯設備の設置には数万~数十万円の初期費用がかかります。

Q5一戸建てが向いているのはどんな人?

A5家族構成が多い(3人以上)、騒音を気にせず生活したい、ペットを飼いたい、庭やガレージが欲しい、リフォームの自由度を重視する人に向いています。一方、駅近の利便性やセキュリティを重視する人、維持管理の負担を減らしたい人はマンションが適している可能性があります。

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Room Match編集部

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