マンション1階のデメリットとは?防犯・湿気・騒音対策と購入時の判断基準を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/1

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マンション1階のデメリットを正しく理解する

マンションの1階は価格が手頃で専用庭が付いていることも多いですが、「防犯面が心配」「湿気やカビが発生しやすい」といったデメリットが気になり、購入や賃貸をためらう方は少なくありません。

この記事では、マンション1階の主なデメリット、それぞれの対策方法、メリット、購入・賃貸時の判断基準を、最新のデータをもとに解説します。自分の優先順位に合わせて、1階が適切な選択肢かどうかを判断できるようになります。

この記事のポイント

  • マンション1階の価格は中層階より5-10%安く、数百万円単位の差が出る場合がある
  • デメリットは防犯性、湿気・カビ、日当たり・眺望、プライバシーの5つが主
  • 各デメリットには具体的な対策方法があり、リスクを大幅に低減できる
  • メリットは専用庭、エレベーター待ちなし、災害時の避難が容易など
  • 子育て世帯、ペット飼育者、高齢者、ガーデニング好きに特に向いている

マンション1階のデメリットの実態

なぜ1階は敬遠されがちなのか

マンション1階は、防犯面やプライバシー、湿気の懸念から敬遠されがちです。しかし、実際にはすべての1階物件が問題を抱えているわけではなく、物件の立地や設計、周辺環境によって状況は大きく異なります。

デメリットを過度に恐れるのではなく、具体的な内容を理解し、自分のライフスタイルや優先順位に合うかどうかを判断することが重要です。

価格差はどのくらい?(5-10%安い理由)

マンション1階の価格は、中層階より5-10%程度安いのが一般的です。階数ごとに0.5-2.5%ずつ価格が下がる傾向があります。

価格差の例

階数 価格(10階を4,000万円とした場合)
10階 4,000万円
5階 約3,550万円
1階 約3,100万円

(階ごとに2.5%減少する場合)

数百万円単位の差が出るため、予算を抑えたい方にとっては大きなメリットです。

本記事の構成:デメリット・対策・メリットを公平に解説

本記事では、1階のデメリットを一方的に否定するのではなく、対策方法とメリットもバランスよく記載します。読者が自身の状況に合わせて、適切な判断ができるようにします。

マンション1階の主なデメリット

防犯性の懸念:侵入被害のリスク

マンション1階は、地上に近いため侵入されやすいという懸念があります。警察庁のデータによると、3階以下の住戸が侵入被害の約7.8%を占めており、特に3階以下の低層階では約5割が窓からの侵入です。

ただし、後述する防犯対策(窓の防犯フィルム、補助錠、センサーライトなど)を組み合わせることで、リスクを大幅に低減できます。

湿気・カビの問題:地面からの湿気の影響

1階は地面に近いため、地下からの湿気の影響を受けやすく、カビが発生しやすい傾向があります。

湿気が多い理由

  • 地面からの湿気が上がりやすい
  • 防犯上、窓を閉めがちで換気不足になりやすい
  • 日当たりが悪い場合、室内が乾燥しにくい

特に水回り(浴室、洗面所、キッチン)や窓周辺はカビが発生しやすいため、注意が必要です。

日当たり・眺望の制限:周辺建物の影響

1階は、周辺の建物や塀に遮られて日当たりが悪くなる可能性があります。特に都市部の密集したエリアでは、日照時間が短くなる場合があります。

また、眺望も期待できず、景色を楽しみたい方には不向きです。内覧時には、実際の日当たりを必ず確認してください。

プライバシーの問題:外部からの視線

1階は通行人や他の住民から室内が見えやすく、プライバシーの懸念があります。

プライバシーが気になる場面

  • 窓を開けていると通行人から室内が見える
  • 夜間、室内の明かりで外から中が見える
  • バルコニーでの活動が外部から見える

カーテンやブラインド、目隠しフェンスなどで対策が可能です。

その他のデメリット(騒音、虫の侵入、浸水リスク)

その他のデメリットとして、以下が挙げられます。

  • 騒音:通行人や車の音が聞こえやすい(幹線道路沿いは特に注意)
  • 虫の侵入:窓を開けると虫が入りやすい(網戸の使用が必須)
  • 浸水リスク:洪水や大雨で浸水する可能性がある地域では、1階は避けるべき(ハザードマップで事前確認が必須)

各デメリットへの対策方法

防犯対策:窓の防犯フィルム・補助錠・センサーライト・雨戸

防犯対策は、複数の方法を組み合わせることが効果的です。

対策 内容 効果
防犯フィルム 窓ガラスに貼る透明なフィルム ガラスが割れにくくなり、侵入に時間がかかる
補助錠 窓やドアに追加で取り付ける錠 通常の鍵に加えて補助錠を使うことで防犯性向上
センサーライト 人の動きを感知して自動点灯するライト 侵入者を威嚇する効果
雨戸・シャッター 窓の外側に取り付ける雨戸やシャッター 物理的に窓を保護し、侵入を防ぐ

湿気・カビ対策:換気徹底・除湿機・家具配置・除湿壁紙

湿気・カビ対策の基本は「換気」です。

換気のポイント

  • 毎日、窓を開けて換気する(朝・晩の2回が理想)
  • 浴室・キッチンの換気扇をこまめに回す
  • 家具と壁の間に隙間を確保し、空気の流れを作る

その他の対策

  • 除湿機:湿度が高い季節は除湿機を活用
  • 除湿壁紙:湿気を吸収する機能を持つ壁紙を使用
  • カビ発生時の対処:エタノールで清掃し、再発防止のため換気を徹底

プライバシー対策:目隠しフェンス・防犯カメラ・カーテン

プライバシーを守るための対策は以下の通りです。

  • 目隠しフェンス:専用庭に目隠しフェンスを設置(管理規約で確認が必要)
  • カーテン・ブラインド:遮光カーテンやブラインドで外部からの視線を遮る
  • 防犯カメラ:玄関やバルコニーに設置し、侵入者を威嚇

日常的な防犯習慣:全ての窓の施錠・タイマー活用

日常的な防犯習慣も重要です。

  • 外出時は全ての窓を施錠:ベランダの小窓も忘れずに
  • 在宅を装う工夫:タイマーで室内灯を点灯・消灯し、留守を悟られない
  • IoT機器の活用:遠隔操作で室内灯やエアコンを操作

マンション1階のメリット

価格が安い:中層階より5-10%、数百万円単位の差

前述の通り、1階は中層階より5-10%程度安く、数百万円単位の差が出ます。初期費用を抑えたい方、他の部分(設備、立地など)にお金をかけたい方にとって大きなメリットです。

専用庭付き物件が多い:ガーデニング・子供の遊び場

1階の最大の魅力は専用庭です。

専用庭の活用例

  • ガーデニング:花や野菜を育てる
  • 子供の遊び場:小さい子供が安全に遊べる
  • ペットの遊び場:犬や猫が屋外で過ごせる
  • BBQやアウトドア活動:家族や友人と楽しめる

マンションでありながら、一戸建てのような庭付き生活を楽しめます。

利便性:エレベーター待ちなし・荷物運びが楽

1階は階段で出入りできるため、以下の利便性があります。

  • エレベーター待ちなし:朝の通勤時間帯や混雑時もストレスフリー
  • 荷物運びが楽:重い買い物袋やベビーカーを運ぶのが楽
  • 急いでいるときも安心:すぐに外出できる

災害時の安心:素早い避難・エレベーター停止のリスクなし

災害時には、1階の利点が際立ちます。

  • 素早い避難:地震や火災の際、すぐに外に出られる
  • エレベーター停止のリスクなし:停電でエレベーターが止まっても階段で出入り可能
  • 高齢者・小さい子供がいる家庭:避難が容易

下階への騒音配慮が不要:小さい子供やペットがいる家庭に最適

1階は下の階がないため、騒音を気にする必要がありません。

騒音配慮が不要なメリット

  • 小さい子供が走り回っても下階への迷惑を心配しなくてよい
  • ペットが室内で遊んでも騒音を気にしなくてよい
  • 深夜の洗濯機や掃除機の使用も比較的自由

ただし、上階からの騒音は聞こえる可能性があるため、内覧時に確認してください。

購入・賃貸時の判断基準

1階が向いている人:子育て世帯・ペット飼育者・高齢者・ガーデニング好き

1階が特に向いているのは、以下のような方です。

  • 小さい子供がいる家族:専用庭で遊べる、下階への騒音配慮不要、エレベーター待ちなし
  • ペット飼育者:庭で遊べる、散歩が楽(すぐに外に出られる)
  • 高齢者:階段・エレベーターの負担が少ない、災害時の避難が容易
  • ガーデニング好き:専用庭で植物を育てられる
  • 価格を抑えたい方:数百万円単位で初期費用を削減できる

1階を避けるべき人:防犯重視・資産価値重視・浸水リスクのあるエリア

以下のような方は、1階を避けるか慎重に検討すべきです。

  • 防犯を最重視する方:対策をしても不安が残る場合は上層階を選ぶ
  • 資産価値を重視する方:売却時に買い手が限定される可能性がある
  • 浸水リスクのあるエリア:ハザードマップで浸水想定区域に該当する場合は1階を避ける
  • 日当たり・眺望を重視する方:上層階の方が良好な場合が多い

内覧時のチェックポイント:実際の日当たり・湿気・騒音・周辺環境

内覧時には、以下を必ず確認してください。

チェック項目 確認ポイント
日当たり 時間帯別に訪問し、実際の日照時間を確認
湿気 壁や窓周辺にカビがないか、湿度計で確認
騒音 通行人や車の音、上階からの音を確認
周辺環境 専用庭の広さ、目隠しフェンスの有無、防犯設備
ハザードマップ 自治体のハザードマップで浸水リスクを確認

内覧は1回だけでなく、時間帯や曜日を変えて複数回訪問することをおすすめします。

資産価値の考え方:売却時の需要・専用庭や立地条件次第

マンション1階の資産価値は、中層階より低めです。ただし、専用庭や立地条件次第で需要はあります。

資産価値が維持されやすい1階物件

  • 専用庭が広く、ガーデニングやペット飼育に最適
  • 駅近、商業施設が充実したエリア
  • 人気の学区や治安の良いエリア

将来の売却を考える場合は、立地や専用庭の魅力を重視してください。

まとめ:1階が向いている人・向いていない人

マンション1階には、防犯性、湿気・カビ、日当たり・眺望、プライバシーの懸念といったデメリットがあります。しかし、各デメリットには具体的な対策方法があり、リスクを大幅に低減できます。

一方、価格が5-10%安い、専用庭付き、エレベーター待ちなし、災害時の避難が容易、下階への騒音配慮不要といったメリットがあります。

1階が向いているのは、小さい子供がいる家族、ペット飼育者、高齢者、ガーデニング好き、価格を抑えたい方です。一方、防犯を最重視する方、資産価値を重視する方、浸水リスクのあるエリアでは慎重に検討してください。

内覧時には実際の日当たり、湿気、騒音、周辺環境を必ず確認し、不動産会社や宅地建物取引士などの専門家に相談しながら、自分の優先順位に合った選択をしましょう。

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よくある質問

Q1マンション1階は防犯面で危険ですか?

A1警察庁のデータでは、3階以下の住戸が侵入被害の約7.8%を占めています。特に低層階では約5割が窓からの侵入です。ただし、窓の防犯フィルム、補助錠、センサーライト、雨戸・シャッターなどの対策を組み合わせることで、リスクを大幅に低減できます。日常的に全ての窓を施錠する習慣も重要です。外出時にはタイマーやIoT機器で在宅を装う工夫も効果的です。

Q2湿気やカビがひどいと聞きますが本当ですか?

A2地面に近く地下からの湿気の影響を受けやすく、防犯上窓を閉めがちで換気不足になりカビが発生しやすいのは事実です。ただし、換気を徹底し(毎日朝・晩の2回窓を開ける)、除湿機の活用、家具と壁に隙間を確保、除湿壁紙の使用などの対策で改善できます。特に水回りや窓周辺は注意が必要です。カビ発生時はエタノールで清掃し、再発防止のため換気を徹底してください。

Q31階はどのくらい安く買えますか?

A3中層階より5-10%程度安く、階ごとに0.5-2.5%価格が下がるのが一般的です。例えば10階が4,000万円の物件なら、1階は約3,100万円(2.5%減/階の場合)になり、数百万円単位の差が出ます。この価格差を活かして、他の部分(設備、立地など)にお金をかけることも可能です。初期費用を抑えたい方にとって大きなメリットです。

Q4どんな人に1階が向いていますか?

A4小さい子供がいる家族(専用庭で遊べる、下階への騒音配慮不要、エレベーター待ちなし)、ペット飼育者(庭で遊べる、散歩が楽)、高齢者(階段・エレベーターの負担が少ない、災害時の避難が容易)、ガーデニング好き、価格を抑えたい方に最適です。専用庭付き物件では、マンションでありながら一戸建てのような庭付き生活を楽しめます。

Q51階は資産価値が下がりますか?

A5中層階より資産価値は低めですが、専用庭や立地条件次第で需要はあります。専用庭が広い、駅近、商業施設が充実したエリア、人気の学区や治安の良いエリアでは資産価値が維持されやすい傾向があります。ただし、将来の売却時に買い手が限定される可能性があるため、資産価値を最重視する場合は慎重に検討してください。

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Room Match編集部

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