中国人が日本の土地を購入する理由とは?背景・目的・影響を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/5

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外国人による日本の土地購入が注目される背景

「中国人が日本の土地を購入している」というニュースを耳にしたことはないでしょうか。2024年の海外投資家による日本の不動産購入額は9,397億円に達し、前年比約63%増と急速に拡大しています。

この記事では、中国人が日本の土地を購入する理由、日本の土地制度の特徴、法規制の動向を、データと事実に基づいて客観的に解説します。

この記事のポイント

  • 日本では外国人も日本人と同じ手続きで土地を購入可能
  • 中国の土地は国有で使用権のみだが、日本では完全所有権を取得できる
  • 円安と日本不動産の高利回り(3.5〜4%)が投資動機となっている
  • 2022年施行の重要土地等調査法により、安全保障上重要な土地は事前届出が必要

日本の土地購入制度と外国人の権利

日本における外国人の土地所有権

日本では、外国人も日本人と同じ手続きで土地・建物の購入が可能です。ビザや永住権の有無に関わらず、所有権を取得できます。

不動産業界団体である全日本不動産協会によると、日本は外資による不動産購入に対する規制が緩やかな国の一つです。

項目 日本 中国
土地所有 完全所有権 使用権のみ
期間 永久 住宅70年・商業40年
外国人の購入 原則自由 制限あり

中国との土地制度の違い(完全所有権と使用権)

中国では土地は国有であり、個人や企業は一定期間の「使用権」のみを持ちます。住宅用地で70年、商業用地で40年の期限があります。

一方、日本では土地・建物の「完全所有権」を取得でき、これは永続的な権利です。この制度の違いが、中国人投資家にとって日本の不動産が魅力的に映る理由の一つとなっています。

中国人が日本の土地を購入する主な理由

完全所有権と資産保全の魅力

中国では政治的リスクや制度の不安定さから、資産を海外に分散させたいと考える富裕層が存在します。日本の完全所有権制度は、資産保全の観点から評価されています。

地理的・文化的な近接性も、日本が投資先として選ばれる理由の一つです。

円安と日本不動産の高利回り

2024年の調査では、中国人投資家の87.5%が「今が日本不動産の買い時」と回答しています(3年連続)。その最大の理由は円安による「割安感」で、67.9%がこれを理由に挙げています。

日本不動産の利回りは3.5〜4%程度であり、北京・上海の2%未満と比較して高い水準にあります。

投資・居住・事業目的の多様化

中国人による日本の土地購入は、投資目的だけではありません。

  • 投資目的: 高利回りと円安を活かした資産運用
  • 居住目的: 子どもの教育、移住準備
  • 事業目的: 日本での事業展開、民泊・ホテル経営

一概に「投機的」と断定することはできず、動機は多様です。

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重要土地等調査法と法規制の動向

重要土地等調査法の概要と対象区域

2021年6月に「重要土地等調査法」が成立し、2022年9月20日に施行されました。この法律により、安全保障上重要な土地の利用状況を調査・監視できるようになりました。

区域の種類 対象 規制内容
注視区域 自衛隊基地・原発周辺1km、国境離島 一定面積以上の売買時に事前届出
特別注視区域 特に重要度が高い区域 より厳格な規制

2024年の政府調査では、重要土地における外国資本の取得件数は中国が203件で最多となっています。

諸外国の規制との比較

日本の規制は、諸外国と比較すると緩やかな水準にあります。

  • カナダ: 非居住者の不動産購入を禁止
  • シンガポール: 外国人には60%の追加税を課す
  • オーストラリア: 外国人は新築のみ購入可能(既存住宅は不可)

日本はWTO加盟時に外資規制の留保条項を盛り込まなかったため、原則として内国民待遇(国内外の平等扱い)を適用しています。

外国資本による土地取得の影響と今後の見通し

投資額と取引件数の推移

2024年の海外投資家による日本の不動産購入額は9,397億円で、2023年の5,758億円から約63%増加しました。

中国人投資家の取引は東京都心5区(千代田・港・中央・渋谷・新宿)に80%以上が集中しています。大阪では中国人による不動産投資件数が2020年の約320件から2024年は860件に増加しています。

安全保障上の議論と今後の動向

外国人による土地取得については、安全保障上の観点から議論があります。水源地や防衛施設周辺の土地買収に対する警戒感が高まっている一方、過度な規制は外資誘致の妨げになるという意見もあります。

重要土地等調査法は調査・監視が主目的であり、強力な取得制限ではない点に留意が必要です。今後の法改正や運用状況については、内閣府の公式情報を確認することを推奨します。

まとめ:外国人土地取得を客観的に理解するために

中国人が日本の土地を購入する理由は、完全所有権の取得、円安による割安感、高利回りなど複数の要因があります。日本では外国人も原則自由に不動産を購入できますが、2022年施行の重要土地等調査法により安全保障上重要な土地は規制対象となりました。

このテーマは政治的・感情的な議論になりやすいですが、データと法制度に基づいた客観的な理解が重要です。

最新の法規制や統計については、内閣府や国土交通省の公式サイトで確認してください。

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よくある質問

Q1中国人はなぜ日本の土地を購入するのか?

A1主な理由は、日本では完全所有権(永続的な権利)を取得できること、円安により割安感があること、日本不動産の利回りが3.5〜4%と中国(2%未満)より高いこと、資産保全の観点などです。投資目的だけでなく、居住や事業目的など動機は多様です。

Q2外国人の土地購入に規制はないのか?

A2原則として日本では外国人も日本人と同じ手続きで土地を購入できます。ただし、2022年9月施行の重要土地等調査法により、自衛隊基地や原発周辺1km、国境離島では一定面積以上の土地売買時に事前届出が必要となりました。詳細は内閣府の公式サイトで確認できます。

Q3中国人による日本の土地購入はどのくらい?

A32024年の海外投資家による日本の不動産購入額は9,397億円で、前年比約63%増加しています。中国からの投資が最も多く、政府調査では重要土地における外国資本取得件数も中国が203件で最多となっています。東京都心5区に取引の80%以上が集中しています。

Q4他国では外国人の土地購入をどう規制している?

A4日本より厳格な規制を設ける国が多いです。カナダは非居住者の不動産購入を禁止、シンガポールは外国人に60%の追加税を課し、オーストラリアは外国人の購入を新築物件に限定しています。日本はWTO加盟時の取り決めにより、比較的緩やかな規制となっています。

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