青森市の不動産市場の特徴
青森市での不動産購入・売却を検討しているが、地域の価格相場・エリア特性・市場動向が分からないという方は少なくありません。
この記事では、青森市の不動産市場の特徴、マンション・戸建て・土地の価格相場、エリア別の特徴、購入・売却のポイントを、国土交通省の不動産取引価格情報を元に解説します。
初めて青森市で不動産を検討する方でも、価格相場・エリア特性・雪国特有の注意点を正確に把握し、適切な判断ができるようになります。
この記事のポイント
- 2025年の青森市の中古マンション平均売却価格は1,235万円、中古戸建ては198万円~1,350万円と価格幅が広い
- 青森市の基準地価は44,720円/m²(約147,900円/坪)で前年比+0.91%上昇、青森県内で最も高い
- 雪国特有の維持費(除雪費用、暖房費、水抜き作業等)が発生するため、ランニングコストを含めた資金計画が必要
- 青森県の人口は115.7万人(2025年)で減少傾向にあり、長期的に不動産需要が減る可能性がある
- 複数の地元不動産会社に査定を依頼し、エリア特性を理解した上で購入・売却を判断する
(1) 青森市の人口・世帯数と市場規模
ホームメイトによると、青森県の人口は115.7万人、50.5万世帯(2025年)です。
青森市の市場規模:
- 人口: 減少傾向(青森県全体で減少)
- 世帯数: 約50.5万世帯
- 不動産需要: 人口減少により長期的に需要が減る可能性がある
人口減少は不動産価格の下落要因となる可能性があるため、将来の売却可能性を考慮した投資判断が必要です。
(2) 土地価格の動向(公示地価・基準地価)
土地代データによると、2025年の青森県・青森市の土地価格は以下の通りです。
| 項目 | 青森県平均 | 青森市 |
|---|---|---|
| 公示地価(2025年) | 30,350円/m²(100,333円/坪) | 44,720円/m²(147,900円/坪) |
| 前年比変動率 | +0.23% | +0.91% |
| 取引価格(2024年第1四半期) | 23,462円/m²(77,560円/坪) | - |
青森市の基準地価は青森県内で最も高く、前年比+0.91%の上昇を記録しています。ただし、全国的には緩やかな上昇に留まっています。
(3) 2024-2025年の市場トレンド
2024-2025年の青森市の不動産市場トレンドは以下の通りです。
- VR内覧サービスの導入(2024年11月): 遠隔地からの物件確認が可能になり、県外からの購入検討者が増加
- 土地価格の上昇: 青森市の基準地価は前年比+0.91%上昇
- 人口減少の継続: 長期的に不動産需要が減る可能性
- 中古物件の流通増加: 1,000万円以下の手頃な中古戸建ての流通が増加
(4) 雪国特有の不動産事情
青森市は豪雪地帯であり、雪国特有の不動産事情があります。
主な特徴:
- 水抜き作業: 冬季に物件を離れる際は、水道管の凍結を防ぐため配管内の水を抜く作業が必須
- 除雪費用: 冬季の除雪費用が発生(自治体による道路除雪あり)
- 暖房費: 寒冷地のため暖房費が高額になりやすい
- 断熱性能: 築年数が古い物件は断熱性能が低く、暖房費が高額になる可能性がある
これらのランニングコストを含めた資金計画が必要です。
青森市の不動産価格相場
青森市の不動産価格相場を理解することで、適切な購入・売却判断ができます。
(1) マンションの価格相場
イエウリによると、2025年の青森市の中古マンション平均売却価格は1,235万円です。
中古マンションの標準的な物件:
- 平均売却価格: 1,235万円
- 平均床面積: 64㎡
- 平均築年数: 30年
間取り別の価格帯:
| 間取り | 価格帯 |
|---|---|
| 2LDK | 1,000万円~1,500万円 |
| 3LDK・4LDK | 3,500万円~4,500万円 |
アットホームによると、青森市の中古マンション平均売却価格は1,421万円で、青森県平均より高い水準です。2021年に相場がピークに達し、2019年が最安値でした。
(2) 戸建ての価格相場
青森市の中古戸建ては198万円~1,350万円と価格幅が広く、1,000万円以下の手頃な物件も多数存在します。
価格帯別の特徴:
| 価格帯 | 特徴 |
|---|---|
| 200万円~500万円 | 築年数が古い(築30年以上)、郊外エリア、要リフォーム |
| 500万円~1,000万円 | 築年数やや古い(築20-30年)、郊外エリア、一部リフォーム済み |
| 1,000万円~1,500万円 | 築年数新しい(築10-20年)、駅周辺エリア、状態良好 |
購入時は、築年数・エリア・リフォーム費用を総合的に判断することが重要です。
(3) 土地の価格相場(坪単価)
土地代データによると、青森市の基準地価は44,720円/m²(約147,900円/坪)です。
土地価格の目安:
- 青森市平均: 約147,900円/坪
- 青森駅周辺: 平均より高い(駅近の利便性)
- 郊外エリア: 平均より安い(50,000円/坪~100,000円/坪程度)
土地を購入する際は、エリアごとの坪単価を確認し、予算に合った土地を選定します。
(4) 賃貸物件の相場
青森市の賃貸物件の相場は以下の通りです。
| 間取り | 家賃相場 |
|---|---|
| 1K | 27,000円~32,000円 |
| 1LDK | 40,000円 |
| 2LDK | 54,000円 |
| 3LDK | 60,000円~85,000円 |
賃貸物件を検討する際は、エリア・築年数・設備(暖房設備等)を確認し、冬季のランニングコスト(暖房費等)を考慮します。
エリア別の特徴と価格比較
青森市のエリアごとの特徴を理解することで、自分に合ったエリアを選べます。
(1) 青森駅周辺エリア
青森駅周辺は青森市の中心市街地で、商業施設・公共施設が集積しています。
主な特徴:
- 利便性: 駅・商業施設・病院が近く、生活利便性が高い
- 価格: 市内で最も高い水準(坪単価150,000円~200,000円程度)
- 需要: 通勤・通学に便利なため需要が高い
- 物件: マンション・戸建てともに豊富
青森駅周辺は、利便性を重視する方に適しています。
(2) 新青森駅周辺エリア
新青森駅は新幹線の停車駅で、県外へのアクセスが良好です。
主な特徴:
- 交通利便性: 新幹線で東京・仙台へのアクセスが良好
- 価格: 青森駅周辺より手頃(坪単価100,000円~150,000円程度)
- 開発: 近年開発が進み、新築物件が増加
- 需要: 県外への通勤・出張が多い方に人気
新青森駅周辺は、県外へのアクセスを重視する方に適しています。
(3) 郊外エリア
郊外エリアは青森駅・新青森駅から離れた住宅地です。
主な特徴:
- 価格: 市内で最も手頃(坪単価50,000円~100,000円程度)
- 土地: 広い土地が手頃な価格で購入可能
- 通勤: 駅までの距離があり、車が必要
- 除雪: 冬季の除雪が必要(道路除雪は自治体が対応)
郊外エリアは、広い土地・手頃な価格を重視する方に適しています。
(4) エリアごとの価格差と特性
エリアごとの価格差と特性を比較します。
| エリア | 坪単価の目安 | 利便性 | 価格 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 青森駅周辺 | 150,000円~200,000円 | 高い | 高い | 利便性重視 |
| 新青森駅周辺 | 100,000円~150,000円 | 中程度 | 中程度 | 県外アクセス重視 |
| 郊外エリア | 50,000円~100,000円 | 低い | 手頃 | 広い土地・価格重視 |
エリア選びは、利便性・価格・通勤距離を総合的に判断することが重要です。
青森市で不動産を購入する際のポイント
青森市で不動産を購入する際は、以下のポイントを確認しましょう。
(1) 物件選びのポイント(断熱性能・耐震性能)
築年数が古い物件は、断熱性能・耐震性能を確認する必要があります。
確認ポイント:
- 断熱性能: 築年数が古い物件は断熱性能が低く、暖房費が高額になる可能性がある
- 耐震性能: 1981年以前の建物は旧耐震基準のため、耐震補強の有無を確認
- 専門家の調査: ホームインスペクション(建物調査)を依頼し、建物の状態を確認
断熱性能が高い物件は、暖房費を抑えられます。
(2) 雪国ならではの注意点(除雪費用・暖房費・水抜き作業)
青森市は豪雪地帯のため、雪国特有の注意点があります。
主な注意点:
- 水抜き作業: 冬季に物件を離れる際は、水道管の凍結を防ぐため配管内の水を抜く作業が必須
- 除雪費用: 冬季の除雪費用が発生(自治体による道路除雪あり)
- 暖房費: 寒冷地のため暖房費が高額になりやすい(月額2万円~4万円程度)
- 雪下ろし: 戸建ての場合、屋根の雪下ろしが必要になる場合がある
これらのランニングコストを含めた資金計画が必要です。
(3) 地元不動産会社の選び方
SUUMOによると、青森市には複数の地元不動産会社があります。
主な地元不動産会社:
- クロタキ不動産
- あすなろ不動産
- 川浪不動産
- 太陽不動産
複数社に査定を依頼し、エリア特性を理解した上で不動産会社を選定することが重要です。
(4) VR内覧サービスの活用
2024年11月からVR内覧サービスが導入され、遠隔地からの物件確認が可能になりました。
VR内覧のメリット:
- 遠隔地から物件を確認できる
- 複数の物件を効率的に比較できる
- 冬季の現地訪問を減らせる
県外からの購入検討者にも便利なサービスです。
(5) 購入資金計画とランニングコスト
購入資金計画を立てる際は、ランニングコストを含めた総額を確認します。
主なランニングコスト:
- 固定資産税: 物件の評価額により異なる
- 修繕積立金: マンションの場合、月額1万円~3万円程度
- 管理費: マンションの場合、月額1万円~2万円程度
- 除雪費用: 冬季の除雪費用(戸建ての場合)
- 暖房費: 月額2万円~4万円程度(冬季)
これらの費用を含めた資金計画を立てることが重要です。
青森市で不動産を売却する際のポイント
青森市で不動産を売却する際は、以下のポイントを確認しましょう。
(1) 売却タイミングの見極め
売却タイミングは、市況・季節を考慮して判断します。
売却タイミングのポイント:
- 春~秋: 物件の内覧・売買活動がしやすい時期
- 冬季: 雪により内覧・売買活動が制限される可能性がある
- 市況: 土地価格の上昇傾向が続いている間に売却を検討
冬季を避けて、春~秋に売却活動を行うのが一般的です。
(2) 複数社への査定依頼
複数の地元不動産会社に査定を依頼し、相場を把握します。
査定依頼のポイント:
- 3社以上に査定を依頼
- エリア特性を理解した地元不動産会社を選定
- 査定額だけでなく、売却戦略・販売力も確認
複数社の査定を比較することで、適正な売却価格を把握できます。
(3) 冬季の売買活動の制約
冬季は雪により、物件の内覧・売買活動が制限される可能性があります。
冬季の制約:
- 雪により物件の外観が見えにくい
- 道路の除雪状況により内覧がしにくい
- 購入検討者の動きが鈍くなる
冬季を避けて、春~秋に売却活動を行うことで、より多くの購入検討者に物件を見てもらえます。
(4) 人口減少と将来の需要
青森県の人口は115.7万人(2025年)で減少傾向にあります。
人口減少の影響:
- 長期的に不動産需要が減る可能性がある
- 売却価格が下落するリスクがある
- 売却までの期間が長くなる可能性がある
将来の売却可能性を考慮し、早めの売却を検討するのも一つの選択肢です。
(5) 売却に適したエリアと物件の特徴
売却しやすいエリアと物件の特徴は以下の通りです。
| 項目 | 売却しやすい特徴 |
|---|---|
| エリア | 青森駅周辺、新青森駅周辺 |
| 物件種別 | マンション(駅近)、新しい戸建て |
| 築年数 | 築20年以内 |
| 価格 | 1,000万円~1,500万円(中古マンション) |
| 設備 | 断熱性能が高い、暖房設備が充実 |
駅近・築浅・断熱性能が高い物件は、売却しやすい傾向があります。
まとめ:青森市の不動産市場の見通し
青森市の不動産市場は、2025年時点で土地価格が前年比+0.91%上昇しており、青森県内で最も高い水準です。中古マンション平均売却価格は1,235万円、中古戸建ては198万円~1,350万円と価格幅が広く、1,000万円以下の手頃な物件も多数存在します。
雪国特有の維持費(除雪費用、暖房費、水抜き作業等)が発生するため、ランニングコストを含めた資金計画が必要です。築年数が古い物件は断熱性能・耐震性能を確認し、専門家(建築士、ホームインスペクター等)による調査を推奨します。
青森県の人口は115.7万人(2025年)で減少傾向にあり、長期的に不動産需要が減る可能性があります。将来の売却可能性を考慮した投資判断が必要です。複数の地元不動産会社に査定を依頼し、エリア特性(青森駅周辺・新青森駅周辺・郊外)を理解した上で、利便性・価格・通勤距離を総合的に判断しましょう。
