戸建てに防犯カメラを自分で設置する方法|費用・配線・おすすめ機種

公開日: 2025/11/11

戸建てに防犯カメラをDIY設置するメリットとデメリット

戸建て住宅に防犯カメラを設置する際、「業者に依頼すると高額だが、自分で設置できるのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、戸建てに防犯カメラをDIY設置する方法、カメラの種類(有線・無線・ソーラー)、設置場所のポイント、費用相場、法的注意点を、警察庁の公式情報を元に解説します。

初めて防犯カメラを設置する方でも、適切な機種選びから設置手順、法的配慮まで理解できるようになります。

この記事のポイント

  • DIY設置のメリットは費用削減(業者依頼より5-10万円安い)、設置場所の自由度
  • デメリットは配線・設定の手間、保証なし、設置ミスのリスク
  • カメラの種類は有線式(安定性重視)、無線式(手軽さ重視)、ソーラー式(完全配線不要)
  • 設置場所は玄関(訪問者の顔)、駐車場(車へのいたずら対策)、裏口・窓(侵入リスク高)
  • プライバシー侵害に注意(判例で損害賠償40万円)、撮影範囲を自宅敷地内に限定

DIY設置のメリットは費用削減(業者依頼より5-10万円安い)、設置場所の自由度、カメラ追加の容易さです。デメリットは配線・設定の手間、保証なし、設置ミスのリスクがあります。業者依頼との費用・工期・保証の違いを比較表で整理します。

項目 DIY設置 業者依頼
費用 2-4万円/台 3-10万円/台
工期 1-2時間/台 1日(複数台)
保証 なし 施工保証あり
配線・設定 自己対応 業者が全て対応

警察庁の防犯カメラ設置推進要綱によると、防犯カメラには犯罪抑止効果が認められ、地域の安全向上に寄与します。

防犯カメラの種類と選び方(有線・無線・ソーラー)

防犯カメラは大きく分けて3種類あり、それぞれ特徴が異なります。

有線式(PoE給電):安定性重視

有線式(PoE給電)はLANケーブルで電源とデータを同時供給し、安定した録画が可能です。ただし、配線工事が必要で、DIY設置の難易度は高めです。

メリット

  • 接続が安定し、録画途切れが少ない
  • 複数台の一元管理が容易

デメリット

  • 配線工事が必要(LANケーブルを壁内・外壁に通す)
  • 設置場所がLANケーブルの届く範囲に限定

無線式(Wi-Fi):手軽さ重視

無線式(Wi-Fi)はワイヤレスでインターネット接続可能で、手軽に設置できます。ただし、電源工事は必要で、接続が不安定になることがあります。

メリット

  • データ送信がワイヤレスで配線が少ない
  • スマホで遠隔監視可能

デメリット

  • 電源工事は必要(コンセントまたは配線)
  • Wi-Fi環境が必須、接続が不安定になる場合あり

Wi-Fi防犯カメラの注意点によると、Wi-Fiカメラでもデータはワイヤレスですが電源工事は必要です。完全配線不要はソーラー式のみです。

ソーラー式:完全配線不要

ソーラー式は太陽光でバッテリーを充電し、完全配線不要で設置できます。ただし、日光が十分な場所に設置する必要があります。

メリット

  • 電源・データ配線が完全不要
  • 設置場所を選ばない(日光があれば)

デメリット

  • 日光が十分でないと充電不足で動作停止
  • バッテリー劣化で数年後に交換必要
種類 電源配線 データ配線 安定性 DIY難易度
有線式 必要 必要
無線式 必要 不要
ソーラー式 不要 不要

(参考: 防犯カメラの設置は自分でできる?一戸建ての自宅におすすめ8選

動体検知・夜間撮影・プライバシーマスク機能も重要です。動体検知は人や車の動きを検知して録画開始し、録画容量の節約と重要シーンの見逃し防止に有効です。プライバシーマスクは特定範囲を隠す機能で、隣家・通行人への配慮に必須です。

設置場所の選び方とポイント

防犯カメラの設置場所は、防犯効果を最大化するために慎重に選ぶ必要があります。

玄関:訪問者の顔を撮影

玄関は訪問者の顔が映る高さ(2-3m)に設置し、不審者を抑止します。宅配便・訪問販売・不審な訪問者を記録できます。

設置ポイント

  • 高さ2-3m(顔が映る角度)
  • 下向きに設置し、帽子・サングラスでも顔が識別可能に
  • 夜間撮影機能(赤外線LED)必須

駐車場:車へのいたずら・盗難対策

駐車場は車のナンバーが映る角度で配置し、いたずら・盗難を抑止します。車上荒らし・タイヤパンク・キズの証拠を記録できます。

設置ポイント

  • ナンバープレートが読める角度
  • 車の全体が映る広角レンズ
  • 動体検知機能で録画開始

裏口・窓:侵入されやすい死角を重点カバー

裏口・窓は侵入リスクが高く、死角を重点的にカバーします。一戸建ての防犯カメラの設置場所によると、侵入の約6割が窓からと言われています。

設置ポイント

  • 死角となる裏口・1階の窓を優先
  • 高さ2-3m(手が届かない位置)
  • 複数台設置で死角をなくす

DIY設置の手順(5ステップ)

DIY設置は以下の5ステップで行います。

ステップ1:設置場所の選定と下見

設置場所を決め、電源・Wi-Fiの有無を確認します。玄関・駐車場・裏口のうち、優先度の高い場所から設置を検討してください。

確認事項

  • 電源コンセントの有無(10m以内が目安)
  • Wi-Fi電波が届くか(無線式の場合)
  • 日光が十分か(ソーラー式の場合)
  • 隣家・通行人が映らないか(プライバシー配慮)

ステップ2:カメラ機種の選定

カメラ機種を選定します。有線式(安定性重視)、無線式(手軽さ重視)、ソーラー式(完全配線不要)から選びます。

選定基準

  • 設置場所の電源・Wi-Fi環境
  • 予算(1-3万円/台)
  • 必要な機能(動体検知、夜間撮影、プライバシーマスク)

ステップ3:壁面への取付(ドリル・ネジ)

壁面にドリルで穴を開け、ネジで固定します。

必要な工具

  • 電動ドリル
  • ドリルビット(壁材に合ったサイズ)
  • 水平器(カメラの傾きを防ぐ)
  • ネジ・アンカー(カメラ付属)

手順

  1. 取付位置にマーキング
  2. ドリルで穴を開ける(深さ3-5cm)
  3. アンカーを打ち込む
  4. カメラをネジで固定
  5. 水平器で傾きを確認

ステップ4:配線またはWi-Fi設定

配線(有線式・無線式の電源)またはWi-Fi接続を行います。

有線式

  • LANケーブルをルーター・レコーダーに接続
  • 外壁に配線を這わせる(結束バンドで固定)

無線式

  • 電源ケーブルをコンセントに接続
  • スマホアプリでWi-Fi設定(SSID・パスワード入力)

ソーラー式

  • 配線不要、バッテリー充電を確認

ステップ5:動作確認と録画設定

動作確認を行い、録画範囲・動体検知を設定します。

確認事項

  • 映像が映るか(スマホアプリまたはモニター)
  • 録画範囲は適切か(隣家・通行人が映らないか)
  • 動体検知が正常に動作するか
  • 夜間撮影が機能するか

録画設定

  • 録画方法(クラウド・SDカード)を選択
  • 動体検知のON/OFF
  • プライバシーマスクの設定(隣家・通行人を隠す)

DIY設置の費用相場

DIY設置の費用は以下の通りです。

カメラ本体:1-3万円/台

カメラ本体の費用相場は1-3万円/台です。有線式>無線式>ソーラー式の順に高額になります。

種類 費用相場
有線式 2-3万円/台
無線式 1.5-2.5万円/台
ソーラー式 1-2万円/台

工具・材料:5千円程度

工具・材料(ドリル、ネジ、ケーブル)で5千円程度です。

必要な工具・材料

  • 電動ドリル(1-2万円、すでに所有していれば不要)
  • ドリルビット(500円)
  • 水平器(500円)
  • 結束バンド(300円)
  • LANケーブル(500円/10m、有線式の場合)

業者依頼との費用比較

業者依頼は工賃込みで3-10万円/台です。DIYで5-10万円の費用削減が可能です。

項目 DIY 業者依頼
カメラ本体 1-3万円 含む
工賃 0円 2-7万円
合計 2-4万円 3-10万円

録画方法による月額費用も考慮してください。SDカードは初期費用のみ(500-3,000円)、クラウドは月額300-1,000円ですが遠隔アクセス可能です。重要箇所(玄関)はクラウド、補助的な箇所(裏口)はSDカードと使い分けると経済的です。

法的注意点(プライバシー・個人情報保護法)

防犯カメラの設置には法的配慮が必要です。

隣家・通行人への配慮(プライバシーマスク)

常に隣家が映る向きはプライバシー侵害の可能性があります。防犯カメラの向きと違法性によると、常に隣家の日常生活を把握できる撮影範囲は、プライバシー侵害と判断される可能性があります。

撮影範囲は自宅敷地内に限定し、プライバシーマスク機能で隣家・通行人を隠してください。

撮影範囲の制限と判例

プライバシー侵害の判例によると、常に隣家の日常生活を把握できる撮影範囲でプライバシー侵害と判断され、損害賠償40万円が認められました(原告4人、各10万円)。

避けるべき撮影範囲

  • 隣家の玄関・窓・庭が常に映る
  • 通行人の顔が識別可能な範囲
  • 隣地に侵入する撮影範囲

ステッカー掲示の必要性

「防犯カメラ作動中」ステッカーを掲示することで、透明性を確保し、近隣への配慮を示すことができます。ステッカーは数百円でホームセンター・通販で購入可能です。

また、事前に近隣へ説明することで、トラブルを未然に防げます。「防犯目的で設置する」「撮影範囲は自宅敷地内のみ」と伝えてください。

まとめ:DIY設置の成功ポイント

戸建てへの防犯カメラDIY設置は費用削減と柔軟性が魅力です。カメラの種類(有線・無線・ソーラー)を比較し、設置場所(玄関・駐車場・裏口)を適切に選定してください。

法的配慮(プライバシーマスク、撮影範囲を自宅敷地内に限定)を忘れずに、隣家・通行人への配慮を徹底することが重要です。

次のアクションとして、機種選定と設置場所の下見を行い、必要な工具を揃えてDIY設置を始めましょう。不明点があれば、メーカーのサポートや専門業者に相談することをおすすめします。

よくある質問

Q1防犯カメラのDIY設置費用はいくらですか?

A1カメラ本体1-3万円/台、工具・材料5千円程度で合計2-4万円です。業者依頼は工賃込みで3-10万円/台のため、DIYで5-10万円の費用削減が可能です。ただし、設置ミスのリスクや保証がない点に注意してください。

Q2Wi-Fi防犯カメラは配線工事が不要ですか?

A2Wi-Fiカメラでもデータはワイヤレスですが電源工事は必要です(コンセントまたは配線)。完全配線不要はソーラー式のみで、日光が十分な場所に設置する必要があります。Wi-Fi環境も必須です。

Q3隣家に配慮すべき点は何ですか?

A3常に隣家が映る向きはプライバシー侵害の可能性があります(判例で損害賠償40万円)。撮影範囲を自宅敷地内に限定し、プライバシーマスク機能で隣家・通行人を隠してください。事前に近隣へ説明することも推奨します。

Q4電気工事士資格が必要な工事はありますか?

A4コンセントから電源を取る場合は資格不要です。ただし、壁内配線を新設・改造する場合は電気工事士資格が必要です。DIYの範囲を超える工事は業者に依頼してください。

Q5録画データの保存方法はどれがおすすめですか?

A5SDカードは初期費用のみ(500-3,000円)、クラウドは月額300-1,000円ですが遠隔アクセス可能です。重要箇所(玄関)はクラウド、補助的な箇所(裏口)はSDカードと使い分けると経済的です。