住宅ローン本審査の必要書類とは|事前審査との違いと準備の重要性
住宅ローンの事前審査に通過し本審査を控えている方の中には、「必要書類の種類と準備方法を知りたい」「書類不備で審査が遅延しないか不安」と感じている方は少なくありません。
この記事では、住宅ローン本審査の必要書類一覧、雇用形態別の違い、書類取得方法、不備を防ぐチェックリストを、金融庁や住宅金融支援機構の公式情報を元に解説します。
初めて住宅ローンを利用する方でも、スムーズに本審査を受けられるようになります。
この記事のポイント
- 本審査は事前審査通過後の最終審査で、返済能力・健康状態・物件の担保価値を厳密に確認
- 共通必要書類(本人確認書類、印鑑証明、住民票、物件関連書類)は全員が提出
- 雇用形態別に必要書類が異なる(会社員:源泉徴収票、自営業:確定申告書、契約社員:雇用契約書)
- 公的証明書類の有効期限は発行後3ヶ月以内が一般的
- 金融機関により必要書類が異なるため、必ず借入先に確認が必要
本審査の共通必要書類(全員が提出)
住宅ローン本審査で全ての申込者が提出する共通必要書類は、以下の通りです。
本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
本人確認書類として、以下のいずれかが必要です。
- 運転免許証(両面コピー)
- マイナンバーカード(表面のみ)
- パスポート(顔写真ページ)
- 健康保険証(両面コピー)
金融機関では原本確認後にコピーを提出するのが一般的です。有効期限内のものを用意してください。
印鑑登録証明書と実印
印鑑登録証明書は、契約時の本人確認に使用されます。発行後3ヶ月以内の原本が必要です。
市区町村役場の窓口またはコンビニ交付で取得できます。契約時には実印も持参してください。
住民票謄本(マイナンバー記載なし)
住民票謄本は、住民登録されている全員の情報が記載された証明書です。本審査では「マイナンバー記載なし」のものが必要です。
マイナンバー記載ありのものを提出すると受理されず、再取得が必要になります。役所で請求時に「マイナンバー記載なし」を明確に指定してください。
発行後3ヶ月以内の原本が必要です。
物件関連書類(売買契約書・重要事項説明書等)
物件関連書類として、以下が必要です。
- 売買契約書: 不動産の売買条件を記載した契約書(不動産会社が用意)
- 重要事項説明書: 宅地建物取引士が物件の重要事項を説明した書類(不動産会社が用意)
- 建築確認済証: 新築・建築条件付き土地の場合に必要(売主から受け取る)
- 登記事項証明書: 法務局で取得(自分で取得するか、司法書士に依頼)
不動産会社が用意する書類と、自分で取得する書類があるため、誰が用意するか事前に確認してください。
雇用形態別の必要書類
雇用形態により必要書類が異なります。以下で詳しく解説します。
会社員・公務員の場合(源泉徴収票・給与明細)
会社員・公務員は、以下の書類が必要です。
- 源泉徴収票: 直近1-2年分(勤務先が発行)
- 給与明細: 直近2-3ヶ月分(勤務先が発行)
- 賞与明細: 直近1年分(勤務先が発行)
源泉徴収票は、1年間の給与・賞与と源泉徴収された所得税額を記載した書類で、会社員の収入証明として最も重要です。
紛失した場合は、勤務先に再発行を依頼してください。再発行に時間がかかる場合、給与明細での代替が可能かを金融機関に確認してください。
自営業者の場合(確定申告書・納税証明書)
自営業者は、以下の書類が必要です。
- 確定申告書: 過去2-3年分(税務署の受付印あり)
- 納税証明書(その1・その2): 税務署が発行
- 決算報告書: 法人代表者の場合(過去2-3期分)
確定申告書は、1年間の所得と税額を税務署に申告する書類です。税務署の受付印がない場合、e-Taxで申告した場合は「受信通知(メール詳細)」を提出してください。
納税証明書(その1・その2)は、税金の納付状況を証明する書類で、税務署で取得できます。
自営業者は会社員よりも審査が厳しい傾向にあるため、過去2-3年分の安定した収入を証明することが重要です。
契約社員・派遣社員の場合(雇用契約書)
契約社員・派遣社員は、以下の書類が必要です。
- 雇用契約書: 雇用期間を証明(勤務先が発行)
- 源泉徴収票: 直近1-2年分
- 給与明細: 直近2-3ヶ月分
雇用契約書で雇用期間を証明することが重要です。契約期間が残り少ない場合、更新の見込みがあるかを金融機関に説明する必要があります。
| 雇用形態 | 主な必要書類 | 注意点 | 
|---|---|---|
| 会社員・公務員 | 源泉徴収票、給与明細、賞与明細 | 源泉徴収票紛失時は再発行依頼 | 
| 自営業者 | 確定申告書、納税証明書、決算報告書 | 税務署の受付印必須、過去2-3年分 | 
| 契約社員・派遣社員 | 雇用契約書、源泉徴収票、給与明細 | 雇用期間の残存期間に注意 | 
書類の取得方法と提出時の注意点
必要書類の取得方法と提出時の注意点を解説します。
各書類の取得場所と手数料
各書類は以下の場所で取得できます。
- 住民票・印鑑証明: 市区町村役場(窓口300円程度、コンビニ交付200円程度)
- 源泉徴収票: 勤務先(無料)
- 確定申告書控え: 税務署(再発行は有料の場合あり)
- 納税証明書: 税務署(手数料400円程度)
- 登記事項証明書: 法務局(窓口600円、オンライン500円)
コンビニ交付を利用すると、住民票・印鑑証明をマイナンバーカードで取得でき、手数料も安く、時間も節約できます。
有効期限と原本・コピーの別
書類ごとに有効期限と原本・コピーの別が異なります。
- 公的証明書類(住民票・印鑑証明・納税証明書): 発行後3ヶ月以内の原本が必要
- 源泉徴収票: 最新年度が一般的、原本またはコピー
- 本人確認書類: 有効期限内、コピーが一般的
金融機関により異なるため、必ず借入先に確認してください。
オンライン提出の注意点
ネット銀行等でのオンライン提出の場合、以下に注意してください。
- ファイル形式: PDF・JPGが一般的
- ファイルサイズ制限: 1ファイル5MB以下等
- 画質: 文字が読める程度の解像度が必要
個人情報が多く含まれる書類のため、メール送信時は誤送信に注意し、金融機関指定の専用アップロードシステムを利用してください。
書類不備を防ぐチェックリストと準備のコツ
書類不備を防ぐための実践的なチェックリストを提供します。
提出前の最終チェックポイント
提出前に以下をチェックしてください。
- ☑ 有効期限内か(公的証明書類は発行後3ヶ月以内)
- ☑ 原本・コピーの別は正しいか
- ☑ 記載内容に誤りはないか(氏名・住所・金額等)
- ☑ 必要部数は揃っているか
- ☑ 提出書類リストと照合したか
書類不備は審査遅延の主な原因です。提出前に必ずチェックリストで確認してください。
書類紛失時の対処法
書類を紛失した場合の対処法は以下の通りです。
- 源泉徴収票: 勤務先に再発行を依頼。再発行に時間がかかる場合、給与明細(直近2-3ヶ月分)での代替が可能か金融機関に確認
- 確定申告書控え: 税務署で「保有個人情報開示請求」を行い再取得(有料、時間がかかる)
- 印鑑証明・住民票: 市区町村役場で再取得(手数料300円程度)
紛失した場合は早めに対処し、金融機関に状況を報告してください。
事前審査と情報が異なる場合のリスク
事前審査時と本審査時で情報(勤務先・収入・物件等)が異なると、審査落ちのリスクが高まります。
- 転職した場合: 勤続年数が短いと審査が厳しくなる。必ず金融機関に報告し、再審査が必要か確認
- 収入が減った場合: 借入可能額が減少する可能性あり
- 物件が変わった場合: 物件の担保価値により審査結果が変わる
事前審査時と情報が異なる場合は、必ず金融機関に報告し、指示に従ってください。
まとめ:必要書類を完璧に準備してスムーズな審査を
住宅ローン本審査の必要書類は、共通書類と雇用形態別書類に分かれ、金融機関により異なるため、必ず借入先に確認が必要です。
書類不備は審査遅延の原因となるため、有効期限・原本/コピーの別・部数を事前にチェックしてください。
次のアクションとして、以下を推奨します。
- 金融機関への必要書類確認
- 書類取得の早期着手(公的証明書類は発行後3ヶ月以内)
- チェックリストでの最終確認
書類を完璧に準備し、スムーズに本審査を受けましょう。
