一戸建ての防犯対策は?効果的な方法とおすすめグッズを解説
一戸建てに住む、または購入予定の方にとって、空き巣や侵入被害は大きな不安要素です。「どんな防犯対策が効果的なのか」「費用はどれくらいかかるのか」と悩むこともあるでしょう。
この記事では、警察庁の統計データをもとに、空き巣の侵入経路と手口、効果的な防犯対策(窓・玄関・外回り・庭の対策)を優先度順に解説します。一戸建て特有のリスクと、実践的な防犯グッズも紹介します。
この記事のポイント
- 一戸建てが空き巣に狙われやすい理由は、侵入経路が多い(窓・玄関・勝手口等)、死角が多い、人目につきにくいため
- 空き巣の侵入経路は窓が約6割、玄関が約2割で、窓の防犯対策が最優先
- 効果的な防犯対策は①窓の補助錠、②玄関の1ドア2ロック、③センサーライト・防犯カメラ、④庭・塀の見通し確保
- 複数の対策を組み合わせることで相乗効果が生まれ、侵入に5-10分かかると泥棒がほぼ諦める
なぜ一戸建ては空き巣に狙われやすいのか
侵入経路が多い(窓・玄関・勝手口等)
一戸建てはマンションと比較して、侵入経路が多いという特徴があります。
- 1階の窓: 玄関以外の窓(リビング、寝室、浴室等)が地面に近く、侵入しやすい
- 玄関: 人目につきにくい時間帯(平日昼間等)に狙われる
- 勝手口・裏口: 死角になりやすく、無締まりで放置されることが多い
- 庭・塀: 高い塀や植栽が死角を作り、泥棒の隠れ場所になる
これらの侵入経路を塞ぐことが、一戸建ての防犯対策の基本です。
警察庁統計:一戸建てが侵入窃盗の30.5%(2023年)
警察庁の2023年統計によると、侵入窃盗の30.5%が一戸建て住宅で発生しています(前年比20.9%増)。
また、空き巣の侵入経路は以下の通りです(警察庁 住まいる防犯110番)。
| 侵入経路 | 割合 | 
|---|---|
| 窓 | 55.2% | 
| 表出入口(玄関) | 20.2% | 
| その他の出入口(勝手口・裏口等) | 17.5% | 
| 非侵入 | 7.1% | 
(出典: 警察庁 住まいる防犯110番)
窓が約6割、玄関が約2割を占めるため、窓と玄関の防犯対策が最優先となります。
また、無締まり(鍵をかけ忘れ)による侵入が46.3%を占めるため、施錠の徹底も重要です。
窓の防犯対策(侵入経路の約6割)
窓が空き巣の侵入経路の約6割を占めるため、最優先で対策すべき箇所です。
補助錠の設置(1ドア2ロック)
窓に標準装備されているクレセント錠(三日月型の錠)は、ガラスを割られると簡単に解錠されます。
補助錠を追加することで、侵入に時間をかけさせる効果があります。泥棒は侵入に5分かかると7割が諦め、10分でほぼ全員が諦めるとされています。
補助錠の種類:
- ストッパータイプ: 窓枠に差し込んで開閉を防ぐ(1,000-2,000円、DIY可)
- 鍵付き: 鍵で施錠・解錠する(2,000-3,000円、DIY可)
- ダイヤル式: ダイヤルで暗証番号を設定(2,000-3,000円、DIY可)
補助錠の専門サイトによると、窓の上部・下部2箇所に設置することで効果が高まります。
防犯フィルムで割られにくくする
ガラスに防犯フィルムを貼ることで、割られにくくし、侵入に時間をかけさせることができます。
- CPマーク付き: 警察庁等が推奨する防犯性能の高い製品(侵入に5分以上かかる性能)
- 費用: 1枚5,000-10,000円(DIY可、専門業者への依頼も可)
防犯フィルムは窓ガラス全体に貼る必要があり、一部だけでは効果が薄いため注意が必要です。
面格子の設置
1階や人目につかない窓に面格子を設置することで、物理的に侵入を防ぎます。
- 費用: 1箇所10,000-30,000円(専門業者への依頼推奨)
- 効果: 侵入を物理的に防ぐが、外観への影響もあるため検討が必要
面格子は浴室・トイレ・勝手口の窓等、死角になりやすい箇所に優先的に設置します。
玄関の防犯対策(侵入経路の約2割)
1ドア2ロック(補助錠の追加)
玄関に2つの鍵を設置することで、侵入に時間をかけさせる効果があります。
既存の鍵に加えて、補助錠を追加します(1箇所5,000-10,000円、DIY可または専門業者への依頼)。
5-10分で泥棒がほぼ諦めるため、1ドア2ロックの効果は高いとされています。
ディンプルキーへの交換
シリンダー錠(鍵穴が縦に並んでいる)は、ピッキング(鍵穴に工具を差し込んで解錠)されやすいため、ディンプルキーへの交換が推奨されます。
ディンプルキーは鍵穴が複雑で、ピッキングに強い構造です。
- 費用: 1箇所15,000-30,000円(専門業者への依頼推奨)
- 効果: ピッキングによる侵入を防ぐ
防犯カメラ付きインターホンの設置
訪問者を確認・記録できる防犯カメラ付きインターホンを設置します。
- 費用: 1台20,000-50,000円
- 効果: 訪問者を記録し、不審者を抑止
留守を悟られないための対策(郵便受けの整理、タイマー照明等)も併せて実施しましょう。
外回りの防犯対策(センサーライト・防犯カメラ・砂利)
センサーライトで侵入者を威嚇
センサーライトは人の動きを感知して自動的に点灯するライトです。
センサーライトの種類:
- 乾電池タイプ: 配線不要で設置が簡単(3,000-5,000円、DIY可)
- 電源タイプ: 安定した照明が可能(5,000-10,000円、電気工事が必要)
- ソーラーパネルタイプ: 電源不要で環境に優しい(5,000-10,000円、DIY可)
玄関・勝手口・庭に設置し、侵入者を威嚇します。防犯カメラと組み合わせると相乗効果が高まります(HOME ALSOK)。
防犯カメラで記録・抑止効果
防犯カメラは侵入者を記録し、抑止効果があります。
SUUMOの2025年調査によると、防犯対策で希望するものトップ1が防犯カメラ(64.4%)でした。
- 費用: 1台10,000-50,000円(ネットワークカメラ、録画機能付き)
- 効果: 侵入者の記録・抑止効果
ダミーカメラは経験豊富な泥棒に見抜かれるため(配線がない、レンズが動かない等)、実際に録画できるカメラの設置を推奨します。
防犯砂利で音を出す
防犯砂利は歩くと大きな音(70-80dB)が鳴る特殊な砂利です。
- 費用: 1袋(20kg)2,000-4,000円(DIY可)
- 効果: 人の気を引きやすく、侵入者が犯行を諦める
玄関周り・勝手口・庭の死角に敷くことで、侵入者に音を出させ、周囲の注意を引きます。
庭・塀の見通し確保で死角をなくす
庭・塀の死角は泥棒の隠れ場所になります。見通しを確保することで、泥棒が「人目につきやすい」と判断し、犯行を諦める効果があります。
見通し確保の方法:
- 塀の高さ: 高すぎる塀(2m以上)は外から見えず狙われやすい。1.2m程度の適正な高さにする
- 植栽の管理: 伸びすぎた植木は死角を作るため、定期的に剪定する
- 照明の配置: 死角になりやすい場所(勝手口、裏口)にセンサーライトを設置
これらの対策により、庭・塀の死角をなくし、泥棒が隠れにくい環境を作ります。
まとめ:複数の対策を組み合わせて防犯性能を高めよう
一戸建ての防犯対策は、優先度順に①窓の防犯(補助錠、防犯フィルム、面格子)、②玄関の防犯(1ドア2ロック、ディンプルキー、防犯カメラ付きインターホン)、③外回りの防犯(センサーライト、防犯カメラ、防犯砂利)、④庭・塀の見通し確保を実施します。
複数の対策を組み合わせることで相乗効果が生まれ、侵入に5-10分かかると泥棒がほぼ諦めるとされています。100%の安全は保証できませんが、侵入に時間をかけさせることで泥棒が諦める確率を大幅に高められます。
DIYでできる対策(窓の補助錠、防犯砂利、センサーライト等)から始め、予算に応じて専門業者への相談(防犯カメラ、面格子、ディンプルキー等)を検討しましょう。全体で10万円前後から始められる対策も多いため、できることから実施することをおすすめします。
