年収600万円の住宅ローン|いくら借りられる?いくらなら無理なく返せる?
年収600万円で住宅購入を検討する際、「いくら借りられるか」「いくらなら無理なく返せるか」は多くの方が抱える疑問です。
この記事では、年収600万円の借入可能額と無理なく返せる目安を、住宅金融支援機構等の公式情報を元に解説します。
返済比率の考え方、頭金の準備、返済シミュレーション、世帯年収600万円との違いまで網羅しています。
この記事のポイント
- 年収600万円で借りられる額は約5000万円(返済比率35%)だが、無理なく返せる目安は3500-4000万円(返済比率25%以下)
- 2024年度フラット35利用者調査では年収倍率平均6.7倍、年収600万円なら平均約4020万円を借入
- 手取りベースで計算すると、年収600万円の手取りは約456万円、手取りの25%以内なら月9.5万円以下が目安
- 世帯年収600万円(夫婦合算)の場合、片方の収入減少リスクを考慮し、主たる収入者の年収ベースで計算
- 完済時年齢80歳未満の制限により、40代以降は借入可能額が減少(30歳約4400万円→40歳約3900万円→50歳約3400万円)
年収600万円の住宅ローン|借入可能額と無理なく返せる目安
年収600万円で借りられる額は、返済比率35%で約5000万円(金利1.0%、返済期間35年)です。しかし、借りられる額=返せる額ではありません。
無理なく返せる目安は返済比率25%以下の3500-4000万円です。生活費・教育費・老後資金を考慮した適正額で借りることが重要です。
住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査によると、年収倍率平均は6.7倍のため、年収600万円なら平均約4020万円を借入しています。
借入可能額の計算方法
年収600万円の借入可能額は返済比率で計算します。
返済比率30-35%で計算
返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合です。金融機関は一般的に返済比率35%以内を審査基準としています。
| 返済比率 | 年間返済額 | 月々返済額 | 借入可能額(金利1.0%、35年) | 
|---|---|---|---|
| 35% | 210万円 | 17.5万円 | 約5000万円 | 
| 30% | 180万円 | 15万円 | 約4500万円 | 
| 25% | 150万円 | 12.5万円 | 約3700万円 | 
金利別・返済期間別のシミュレーション
金利が上がると借入可能額が減少します。
- 金利1.0%: 返済比率35%で約5000万円
- 金利1.5%: 返済比率35%で約4300万円
返済期間が短いと借入可能額が減少します。
- 35年返済: 約5000万円
- 30年返済: 約4500万円
- 25年返済: 約4000万円
無理なく返せる目安と手取りベースの計算
借入可能額5000万円でも返済比率が35%に達し、生活費・教育費・老後資金が圧迫されます。
返済比率25%以下が理想
無理なく返すには返済比率25%以下(年収600万円なら年150万円・月12.5万円以下)が理想です。この水準なら、生活費・教育費を確保しつつ、老後資金も貯蓄できます。
手取り収入ベースで計算
額面年収ではなく手取り収入ベースで計算する方が現実的です。一般的な目安として、年収600万円の手取りは約456万円(月38万円)程度ですが、扶養家族数や社会保険料率により異なります。
手取りの25%以内なら月9.5万円以下が目安です。この場合、借入額は3000-3500万円程度が安全です。
実際にどのくらい借りている人が多いか
住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査によると、以下のデータが明らかになっています。
年収倍率と返済比率の実態
- 年収倍率の平均: 6.7倍(土地付注文住宅7.7倍、建売住宅7.1倍、マンション7.3倍)
- 年収600万円なら: 平均約4020万円を借入
- 返済比率の平均: 21.9%(年収600万円なら年131万円・月10.9万円)
年収400-600万円の利用者が最多
年収400-600万円の利用者が35.5%で最多です。実際には多くの人が返済比率20-25%で借りており、5000万円満額借りる人は少ないです。
借入額別のシミュレーション
金利1.0%・返済期間35年で借入額別の月々返済額・総返済額・返済比率を比較します(住宅金融支援機構の返済額早見表等を参考にした試算です)。
| 借入額 | 月々返済額 | 総返済額 | 返済比率 | 評価 | 
|---|---|---|---|---|
| 3000万円 | 8.4万円 | 3535万円 | 16.9% | 余裕あり | 
| 4000万円 | 11.3万円 | 4713万円 | 22.5% | 適正 | 
| 5000万円 | 14.1万円 | 5891万円 | 28.2% | やや厳しい | 
生活費・教育費を考慮すると4000万円以下が理想です。
3000万円借入の場合
月々返済額8.4万円、返済比率16.9%で余裕があります。生活費・教育費・老後資金を十分に確保できます。
4000万円借入の場合
月々返済額11.3万円、返済比率22.5%で適正です。生活費・教育費を確保しつつ、無理なく返済できる水準です。
5000万円借入の場合
月々返済額14.1万円、返済比率28.2%でやや厳しいです。生活費・教育費が圧迫されるリスクがあります。
世帯年収600万円と個人年収600万円の違い
夫婦合算で世帯年収600万円の場合、借入可能額は個人年収600万円と同じですが、片方が育休・退職すると収入が半減し返済が困難になるリスクがあります。
例えば、夫400万円・妻200万円の場合、妻が育休で収入ゼロになると世帯年収が400万円に減ります。月12.5万円の返済が厳しくなります。
世帯年収で借りる場合は、片方の収入減少リスクを考慮し、主たる収入者の年収ベースで借入額を計算することを推奨します。
年齢別の借入可能額|完済時年齢制限
多くの金融機関で完済時年齢80歳未満の制限があり、40代以降は借入期間が短縮され月々返済額が増加します。
| 年齢 | 返済期間 | 完済年齢 | 月々返済額12.5万円で借入可能額 | 
|---|---|---|---|
| 30歳 | 35年 | 65歳 | 約4400万円 | 
| 40歳 | 30年 | 70歳 | 約3900万円 | 
| 50歳 | 25年 | 75歳 | 約3400万円 | 
年齢が高いほど借入可能額が減少します。40代以降で住宅購入を検討する場合は、借入期間の制限を考慮してください。
まとめ|年収600万円で後悔しない住宅ローン
年収600万円で借りられる額は約5000万円ですが、無理なく返せる目安は3500-4000万円です。
返済比率25%以下、手取りの25%以内を目安にし、生活費・教育費・老後資金を考慮してください。
世帯年収600万円の場合は片方の収入減少リスクを考慮し、主たる収入者の年収ベースで計算してください。
完済時年齢制限により40代以降は借入可能額が減少します。年齢別のシミュレーションを確認し、無理のない返済計画を立てましょう。
複数の金融機関に事前審査を申込み、条件を比較して決定してください。
