結論:この優先順位ならこの選択
不動産を売却する方法には「買取」と「仲介」の2種類があります。どちらを選ぶべきかは、あなたの優先順位によって決まります。
高値で売りたい&時間に余裕がある → 仲介
仲介では一般の購入希望者を募るため、市場相場での売却が期待できます。ただし、買主が見つかるまでに通常3か月前後かかることがあります。
早期に現金化したい&スピード優先 → 買取
買取では不動産会社が直接買い取るため、1か月程度で現金化できます。ただし、売却価格は相場の6〜9割程度になることが一般的です。
手間をかけたくない → 買取
買取では内覧対応が不要で、契約が確実に進むため、手間が少なく済みます。
比較の前提(あなたの条件をここで固定)
どちらを選ぶか判断するために、まず自分の状況を整理しておきましょう。
売却理由は何ですか?
- 相続:相続税の納付期限がある場合は早期売却が必要
- 離婚:財産分与の期限がある場合は価格確定を急ぐ
- 住み替え:売却と購入のタイミング調整が必要
- 資金調達:ローン返済や事業資金など、現金化の緊急度を確認
期限はありますか?
- 相続税の納付期限(相続開始から10か月以内)
- 離婚に伴う財産分与の期限
- 住み替え先の購入タイミング
何を重視しますか?
- 高値:市場相場で売りたい → 仲介向き
- スピード:早く現金化したい → 買取向き
- 手間の少なさ:内覧対応や交渉を避けたい → 買取向き
迷う人はこの3軸で決める
買取と仲介を選ぶ際は、以下の3つの軸で比較すると判断しやすくなります。
軸1:売却期間
- 仲介:3か月前後(購入希望者が見つかるまで時間がかかる)
- 買取:1か月程度(不動産会社が直接買い取るため早い)
軸2:売却価格
- 仲介:市場相場での売却が期待できる
- 買取:相場の6〜9割程度(買取業者は再販益を見込むため)
軸3:手数料
- 仲介:売却価格の3%+6万円+消費税が上限
- 買取:仲介手数料は不要
どの軸を優先するかで、選ぶべき方法が決まります。
比較表(買取と仲介の主要項目)
買取と仲介の違いを一覧表で比較します。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 一般個人(購入希望者) | 不動産会社 |
| 売却期間 | 3か月前後 | 1か月程度 |
| 売却価格 | 市場相場 | 相場の6〜9割 |
| 仲介手数料 | 3%+6万円+消費税(上限) | 不要 |
| 内覧対応 | 必要 | 不要 |
| 契約不成立リスク | あり(買主のローン審査落ち等) | ほぼなし |
| 現金化のスピード | 遅い | 早い |
この表を見て「自分はどちらに向いているか」を判断してみてください。
複数の不動産会社に査定を依頼することで、仲介で売った場合の市場相場と、買取で売った場合の最低価格の両方を把握できます。一括査定サービスを利用すれば、1回の入力で複数社に査定依頼ができます。
比較軸の定義(何をもって良いとするか)
比較表の各項目が何を意味するのか、詳しく解説します。
売却期間
売却活動を開始してから現金を受け取るまでの期間です。期間が短いほど、早期に次のステップ(住み替え、ローン返済など)に進めます。
- 買取が有利:1か月程度で現金化でき、計画が立てやすい
- 仲介が不利:購入希望者が見つかるまで3か月前後かかる
売却価格
最終的に受け取れる金額です。価格が高いほど、手取り額が増えます。
- 仲介が有利:市場相場で売却できる可能性が高い
- 買取が不利:相場の6〜9割程度になる
手数料
売却時に発生する費用です。手数料が低いほど、手取り額が増えます。
- 買取が有利:仲介手数料がかからない
- 仲介が不利:売却価格の3%+6万円+消費税が上限
内覧対応
購入希望者に物件を見せる対応です。内覧が不要なら手間が減ります。
- 買取が有利:内覧対応が不要
- 仲介が不利:複数回の内覧対応が必要になることも
どの軸を優先するかは、あなたの状況によって異なります。
表の読み方(結局どれを優先すべきか)
比較表を見て迷った場合は、以下の判断基準を参考にしてください。
時間に余裕があり、高値で売りたい場合
→ 仲介がおすすめ。市場相場で売却できる可能性が高く、手取り額を最大化できます。
相続税の納付期限が迫っている場合
→ 買取がおすすめ。1か月程度で現金化でき、期限に間に合わせやすくなります。
離婚の財産分与で早期確定が必要な場合
→ 買取がおすすめ。契約が確実に進み、早期に金額を確定できます。
住み替えで売却価格を次の購入資金に充てたい場合
→ 仲介がおすすめ。高値で売却し、頭金を確保しやすくなります。
内覧対応や契約交渉の手間を避けたい場合
→ 買取がおすすめ。内覧不要で、契約も確実に進みます。
買取と仲介の強み・弱み(選ぶべき理由と避けるべき理由)
買取と仲介それぞれの強みと弱みを整理します。
仲介の強みが刺さるケース(高値で売りたい人)
仲介の強みは「市場相場での売却が期待できる」点です。以下のような状況なら、仲介が合いやすいでしょう。
- 時間に余裕があり、市場相場で売却したい
- 住み替えで売却価格を次の購入資金に充てたい
- 住宅ローンの残債が多く、高値で売却しないと残債が残る
- 物件の状態が良く、内覧対応も問題ない
- 複数の購入希望者から条件の良い買主を選びたい
仲介では、複数の購入希望者を比較して、より良い条件の買主を選べる可能性があります。
仲介の弱みが致命傷になるケース(時間がない人)
仲介の弱みは「売却まで時間がかかる」「契約破談のリスクがある」点です。以下のような状況では、仲介が向かないことがあります。
- 相続税の納付期限が3か月以内に迫っている
- 離婚の財産分与で早期確定が必要
- 内覧対応の手間を避けたい(遠方に住んでいる、仕事が忙しい)
- 契約破談のリスクを避けたい(買主のローン審査落ちなど)
- 物件の状態が悪く、内覧で買主が見つかりにくい
これらの状況では、仲介を選ぶと期限に間に合わない可能性があります。
買取の強みが刺さるケース(早期現金化したい人)
買取の強みは「1か月程度で現金化できる」「契約が確実」「手間が少ない」点です。以下のような状況なら、買取が合いやすいでしょう。
- 相続税の納付期限が迫っている(1〜3か月以内)
- 離婚の財産分与で早期確定が必要
- 事業資金の調達を急いでいる
- 内覧対応の手間を避けたい
- 契約破談のリスクを避け、確実に売却したい
- 物件の状態が悪く、仲介では買主が見つかりにくい
買取では、不動産会社が直接買い取るため、契約がほぼ確実に進みます。
買取の弱みが致命傷になるケース(高値で売りたい人)
買取の弱みは「売却価格が相場の6〜9割になる」点です。以下のような状況では、買取が向かないことがあります。
- 時間に余裕があり、市場相場で売却したい
- 住宅ローンの残債が多く、買取価格(相場の6〜9割)では残債が残る
- 物件の状態が良く、市場で高値がつく可能性がある
- 住み替えで売却価格を次の購入資金に充てたい
買取価格では住宅ローンの残債を完済できない場合、不足分を自己資金で補う必要があります。
代替案(買取・仲介以外の選択肢)を深掘り
買取と仲介以外にも、状況によっては別の選択肢が向くことがあります。
任意売却
住宅ローンの残債が売却価格を上回る場合(オーバーローン)、金融機関の合意を得て売却する方法です。通常の売却ができない場合の選択肢となります。
リースバック
不動産会社に売却した後、賃貸として住み続ける方法です。資金を調達しつつ、住み慣れた家に住み続けたい場合に検討されます。
現状維持
売却せずに賃貸に出したり、空き家管理サービスを利用したりする方法です。売却タイミングが悪い場合や、賃貸収入で維持できる場合に選択されることがあります。
代替の方が向く人(買取・仲介以外を選ぶべきケース)
以下のような状況では、買取・仲介以外の選択肢が向くことがあります。
任意売却が向く人
- 住宅ローンの残債が売却価格を上回る(オーバーローン)
- ローン返済が困難になっている
リースバックが向く人
- 資金を調達したいが、今の家に住み続けたい
- 売却後も同じ場所に住む必要がある
現状維持が向く人
- 売却タイミングが悪い(市況が悪化している)
- 賃貸に出せば収益が見込める
- すぐに売却する必要がない
どれも決めきれない時の順番(併用戦略)
買取と仲介のどちらを選ぶか決められない場合は、併用する戦略もあります。
Step1:仲介で査定を受け、市場相場を把握する
まず仲介で査定を受け、「市場相場で売れた場合の価格」を把握します。
Step2:買取で査定を受け、最低価格を把握する
次に買取で査定を受け、「確実に売れる最低価格」を把握します。
Step3:仲介で売却活動を開始し、3か月以内に売れなければ買取に切り替える
まず仲介で高値売却を狙い、売れなければ買取で確実に売却する戦略です。
併用戦略のメリット
- 市場相場と最低価格の両方を把握できる
- 売却戦略を立てやすくなる
併用戦略のデメリット
- 査定依頼の手間が増える
- 対応する電話やメールが増える
よくある不満と原因(買取・仲介それぞれの不満)
買取と仲介それぞれでよくある不満と、その原因を解説します。
仲介でよくある不満
- 「売却まで時間がかかりすぎた」
- 「内覧対応が負担だった」
- 「契約直前で買主のローン審査が通らず、振り出しに戻った」
- 「不動産会社からの営業電話が多かった」
仲介の不満の原因
- 購入希望者が見つかるまで時間がかかる(需給バランス、価格設定による)
- 内覧で断られることもある(物件の状態、立地による)
- 買主の住宅ローン審査が通らないと契約が成立しない
買取でよくある不満
- 「売却価格が思ったより安かった」
- 「買取業者の対応が悪かった」
- 「査定額が低すぎた」
買取の不満の原因
- 買取業者は再販で利益を出すため、相場より安く買い取る
- 悪質業者は相場より大幅に安い査定を出すことがある
- 物件の状態が悪いと、リフォーム費用を見込んでさらに安くなる
物件/担当/地域で変わるポイント(売却価格と期間の変動要因)
売却価格や売却期間は、以下の要因によって大きく変わります。
物件の状態
- 状態が良い物件:仲介で高値売却が期待できる
- 状態が悪い物件:仲介では買主が見つかりにくく、買取でも低価格になる
担当者の力量
- 仲介:担当者の営業力で売却期間が変わることがある
- 買取:買取業者の査定力で買取価格が変わることがある
地域
- 都心:仲介で早く売れることが多い(需要が高い)
- 地方:仲介では時間がかかることがあり、買取の方が確実な場合も
その他の要因
- 築年数、設備状態、周辺環境(駅距離、学区など)で価格が変動
- 市場動向(金利、税制、需給)で売却タイミングが影響を受ける
まとめ:あなたはこれを選べばOK(状況別の最終推奨)
最後に、状況別の最終推奨をまとめます。
高値で売りたい&時間に余裕がある
→ 仲介がおすすめ。市場相場で売却できる可能性が高く、手取り額を最大化できます。
相続税の納付期限が迫っている
→ 買取がおすすめ。1か月程度で現金化でき、期限に間に合わせやすくなります。
離婚の財産分与で早期確定が必要
→ 買取がおすすめ。契約が確実に進み、早期に金額を確定できます。
住み替えで売却価格を次の購入資金に充てたい
→ 仲介がおすすめ。高値で売却し、頭金を確保しやすくなります。
内覧対応や契約交渉の手間を避けたい
→ 買取がおすすめ。内覧不要で、契約も確実に進みます。
どちらか決められない
→ 併用戦略がおすすめ。仲介で売却活動を開始し、3か月以内に売れなければ買取に切り替えましょう。
まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、市場相場を把握することから始めてみてください。一括査定サービスを利用すれば、1回の入力で複数社に査定依頼ができ、各社の査定額や対応を比較できます。
